2019/01/25 のログ
■織機セラフィナ >
う……。
(お転婆娘。
いやまぁまったくもってその通りなわけなのだが、改めて言われると肩身が狭い。
お父さんお母さんごめんなさい。)
申し訳――すみません……。
努力、します。
――あ、はい。
貴族の娘ということもあってか、なかなか実戦の場に出してもらえないもので……。
せめて鍛錬ぐらいは毎日やらないと、いざというときに動けませんから。
(一歩下がって剣を抜く。
使い込んでいると言うほどではないが、それなりに傷の増えた支給品。
無駄な傷がほとんどないそれを、錆や欠けがないかを念入りにチェック。)
■アマーリエ > 「ふふ、自覚してるなら――少しは孝行してあげなさいな」
勿論それで心の疚しさが帳消しになるわけではないが、いざ発心した時に時既に遅しは辛いものだ。
肉親の一人は既にいないが故に、声に出すわけはないが気楽に生きるための手立てとしてそう助言を送ろう。
「あ、私相手程度に留めておいた方がいいかもしれないわね。
面倒な奴に見つかると、心底面倒よ。用心なさい。
……丁度良いわね。じゃぁ、ちょっと付き合ってくれる?
暇を持て余す位なら私が引き抜いてあげてもいいけど、ますは今よね。動かない人形相手に打ち込むよりずっと愉しいわよ」
その上でもう一つ、アドバイスをしておこう。
昨今の師団同士の情勢の変化、状態の推移を思うと、まともぶる人間が馬鹿を見るようなことしきりだ。
真面目なのは良いが、使い分けを弁えておけば余分なトラブルもそうだが、気疲れも減るだろう。
適度に手を抜く、怠けることを覚えるのも駆け出しと思しい身分にとって勉強になるか。
腰の剣を抜き、状態を確かめる様子に提案しながら己も数歩下がろう。
得物は抜かない。このボロけた木剣でいい。体内で高めた魔力を送れば、真剣との数合の撃ち合いにも保つだろう。
■織機セラフィナ >
はい……。
(帰れば決まって結婚話ばかりの両親だが、何か贈り物の一つや二つぐらいはしておこうと決めた。
まだそんな歳ではないはずだが、そうとも言えないのが世の中というやつなのだから。)
そ、それは、もちろん。
というかアマーリエ師団長から言われなければ、そんな恐れ多くてとてもとても……。
(上司とこんな会話をするほど肝は据わっていない。
ばたばたと空いている手を振って、とてもじゃないが出来ないと慌てて否定。)
あ、は、よろしいんですか!
是非お願いします!
(ぱあ、と顔を明るくして剣を構える。
まさか師団長クラスに稽古をつけてもらえるなど、思ってもいなかった。)
――あ、あの、失礼ですが、それ……?
(が、彼女が構えた木剣を見て構えを緩める。
いくら師団長クラスとはいえ、真剣相手に木剣で相手をするのは危ないのではないか、と。)
■アマーリエ > 「そうそう、出来るうちにね」
分かっていれば、いい。誕生日や両親の結婚記念日等、節目な日に贈り物をするだけでも違うものだ。
目尻を下げて笑う表情は、優しい。
武者修行だからと送り出されて、色々と在野でやったが孝行の意味では足りなかった。
「ふふ、分かっているならいいわ。大丈夫そうね。
もちろんよ。型の慣らしとか瞑想とか遣るけど、実際に立ち合わないとね」
肝が据わる、座らないの段階となると、言われなければという段階か。
余計な心配だったかもしれないと内心で思いつつ、首肯を返そう。
如何に強くなったと雖も、まだまだと気づかされることが多い昨今だ。
強くなっても思っても先がある。良いことだ。超えるべき、次こそは、と思うものがある。有難いことだ。
怨敵と遇うとなれば、其処に気づきを挟む余地はない。故に相手をしてくれるというとなれば、素直に感謝を顔に見せて。
「見ての通りよ? でも、木剣といっても侮れないわ。
魔力を籠めて強度を補えば事足りるし、頭のおかしい達人はね。此れで敵の頭をかち割るとも聞くわ」
この通り、と。ひゅんと振るえば木剣の刃の部分に青白い光が這う。喚起した魔力を流し、強化したことの証だ。
詠唱の句も無く、呼吸だけをトリガーに魔力を循環させて繰る手並みの一端を見せつつ、構えなさい、と告げよう。
準備が整えば、静かに摺り足で間合いを埋めて右手で握る剣を振るう。
初撃は捌けるように剣速を緩めながら、相手の左太腿から、右肩まで切り上げるが如く、打ち込んでみせよう。
■織機セラフィナ >
(優しそうな笑顔。
その顔に思わず見惚れ、後の言葉は聞き流してしまった。)
え、あ――はい、いぃ!?
(我に返ったのはその見事なまでな魔力の扱いを見て。
言われたとおりに構えたとたん、下から滑るように木剣がぬるりと走ってきた。
慌てて一歩引き、木剣を下から救い上げるようにするりと流す。)
――イ、えぃ!
(確かに彼女と自分では力量に差がありすぎるのは確かだ。
とは言え木剣で相手をされると言うのは、やはり面白くない。
一本取ることは出来ずとも、せめて剣を抜かせることを目標にしよう。
そう心の中で決めて、振り上げた剣をそのまま彼女の左肩へ向けて振り下ろす。)
■アマーリエ > 「……――そう、ちゃんと見て受け止められるならまずは及第点よ。
此れ位はちゃんと出来なきゃ、先が思いやられるわ」
初撃はわざと、速度を抑えて対応できることを狙って、目指して繰り出した。
故にちゃんと思った通りに捌いてくれる様に柳眉を撓らせて笑い、右手遣いの木剣を引き戻す。
掬い上げるように捌くのであれば、余計な力は入れない。
何故ならば、掬い上げるということはそのまま、剣を振り上げるという動作に繋げることが出来る。
「甘いわね。
さっきのアレだと、剣先を押え込みながら踏み込んで……敵の手元を切り裂く動作に繋げることも出来るわ」
そうなれば、次に来る可能性が高いと判じることが出来るのは振り下ろしだ。
左足を後方に引きつつ、右手で保持する木剣を振り下ろされる剣の腹に叩きつけ、振り下ろしの勢いを逸らそう。
己から見て、右から左へ。身体の外側の方角へ。
普段の剣であれば、この程度の動きで損壊する心配はない。
しかし、魔力で強化をしていても手にする木剣は使い潰されたものだ。折れず毀れずの不壊を謳う宝剣とは違う。
木片が微かに舞い散るのを認めつつ、左手を添えて手繰るように切先に弧を描かせる。
「今の場合だったら、こんな風に――にもね?」
右手を支えとして、左手で繰る木剣の切先が翻る。
摺り足で更に一歩、踏み込みながら切先が向くのは相手の右首筋。
■織機セラフィナ >
(あっさりといなされた。
剣の腹を叩かれ、ガクリと腕ごと弾かれる。
振り下ろした勢いは止められず、このまま交差して体を入れ替えようか、と)
ッ、――!!
(自身の剣の上を滑るように木剣が走ってきた。
体を入れ替えるなどと悠長なことを言っている場合ではない。
咄嗟に踏み込んだ足をわざと滑らせ大きく開き、同時に上体を逸らして木剣を「潜る」。
顎先の皮一枚をかすめる木剣に、内臓が持ち上がるような感覚。
そのままゴロゴロと転がって、体勢を立て直す。)
■アマーリエ > 「ん……良いわね、あなた。すごく良い。」
良い判断だ。鎧兜の隙間からでも、急所に切先三寸埋まれば人は死ぬ。
無論、何事にも例外がある。急所に打ち込んでも死なない位にしぶとい人間は探せばいるだろう。
実際はその逆が殆どだ。
余計な見栄を張る、無様を見せるなら死を選ぶような誤った潔さではなく、土に塗れながらも躱す姿を素直に讃嘆する。
「その気があったら、うちの師団に来るつもりはあるかしら?」
今は追撃はしない。淡い魔力の光を放つ木剣を右手に提げつつ、声をかける。
相手が立ち上がるのを待つ。此方の捌き技から返し技へつなげる攻勢は終わった。故、次は向こうの番だ。
見どころがある者となれば、引き抜きたくなる。誰かを率いる地位にあるものの特権であり、醍醐味であろう。
■織機セラフィナ >
ハッ、ハッ――
(上体こそ起こしたが未だ膝はついたままだ。
左手を剣から離して喉に触れる。
今のは明らかに流していた。
もし本気で、真剣だったら、今の一撃であっさり自分の首は飛んでしまっていただろう。
いや、それ以前に最初の一撃であっさり即死していた。
それを考えて、汗が滝のように流れ出る。)
――お心遣いは嬉しいのですが。
私には、私の目標が、あるので。
(だからと言って敵わないと諦めるわけにはいかない。
一太刀は無理だろう。
だがせめて。
彼女自身の剣は抜かせたい。
汗をぬぐって、そのまま地を蹴る。)
ハ、アァッ!
(体を半身に、剣を自身の体に隠し、突撃の勢いを乗せた兜割。
一切のブレも無駄もない一撃。)
■アマーリエ > 「ちぇっ。でも、良いわ。あなたは――強くなれる。それは私の名に於いて保証してあげる」
残念、と。ちろりと舌を出して笑って見せながら、左肩にかかった髪を払う。
向こうの口にする目標が何かとは、今は問わない。
推し量るすれば己の立ち位置は己で決める、というような。そんな意志か。
放埓な貴族にありがちな、散漫たるものではないと思えば其処に先を、将来というべき萌芽を見出すことが出来る。
「――……ッ」
そして、来るか。突進と共に繰り出される気迫ある一撃。
それを身体の前で木剣を構えつつ、ぐっと膝を撓めて交差するように得物を振るう。
相手の繰り出す技の勢いを鑑みれば、軽々しく凌ぐという訳にはいかない。
地に足を吸いつけたかのように踏ん張り、剣を絡めて身体の外へと払い――退け、切れない。
乾いた木の枝が爆ぜ、割れるに似た音と共に魔力で強化した木剣が限界を迎えたのだ。
思わず目を見開きながら、甘く見てたわねえと零して、地を蹴る。相手の右横をすり抜けるように交差して抜けてゆこう。
その代わり、木剣の柄を手放してフリーになった右手を相手の胸元にむんず、とばかりに力を籠め、触れてみるか。
■織機セラフィナ >
(打ち込んだ瞬間剣から伝わる、確かに得物を砕いた感触。
わずかに遅れて小さな破砕音が耳に届いた。
それでも逸らされる剣。
全霊の打ち込み故に、軌道も変えられない。
ギリ、と歯をかみしめる。
武器を砕いて尚届かないのか。
悔しさに顔が歪み、右へとすり抜けていく彼女の姿をただ見送ることしかできず、)
――きゃあああああ!?!?!?!?
(胸を揉まれた。
悲鳴を上げつつ勢いのままに剣を前方へと半ばブン投げるように離し、豊満な胸を両手で抑えてへたり込む。
一瞬何が起こったのかわからず、涙目で背後にいるであろう彼女の方へ顔を向けた。)
■アマーリエ > 「でも――真っ直ぐ、過ぎるのよねぇ」
其処が心配だ。資質はある。しかし、もう一手に至るにはまだ経験が足りない。
剛撃を捌こうと此方が剣を振るう。
が、防ぎきれずに砕かれたとなれば、剣が行かない方に抜けようとするのは道理だろう。
戦いには常に先がある。先の、その次の先へと見通してゆく感覚は実戦、或いは実戦想定の乱取りでなければ養い難いか。
「……おっ、きいわね。私より大きいんじゃないかしら」
むむむ、と。空いた手で己の胸元を服の上から寄せ上げ、右手に残る感覚と比較しながら眉を顰めよう。
夜のこの時間のこの場所となれば、悲鳴が響いたところで巡回の兵士等が来るには足るまい。
足を止め、へたり込む姿を見遣っては、持ち上げた左手で口元を隠しながら思わず笑ってしまう。
「惜しかったわね。剣を身体で隠すのはいいアイデアだけど、兜割は太刀筋が特定されてしまうわ。
もし。刺突だったら相手から見ると、切先につい目が行ってしまうから――私も反応に迷っていたわね」
声をかけつつ、歩み寄ってはへたり込む相手の前にしゃがみ込み、右手を伸ばそう。
払われなければ、己と同じ色合いの髪をくしゃくしゃとかき混ぜるように撫でてみよう。
ついでにとばかりに、ぎゅっと抱き寄せてしまうか。
いい具合に響いた悲鳴はついつい、可愛いと内心で思ってしまう位に己の雄の感覚を刺激してくれる。
■織機セラフィナ >
ななななななにするんですかぁ!!
(真っ赤になって叫ぶ。
なぜ胸をもまれた。
打ち合いの最中に。
しかも女性から。
ありとあらゆることの意味が分からない。)
う、お、覚えておきます。
(涙目で胸元を隠すように自身の体を抱き、座ったまま少し後ずさる。
とはいえアドバイスは真摯に受け止めておく。
先輩たちにもお前はまっすぐ過ぎると言われていることだし。
撫でられながら涙をぬぐう。)
――きょ、今日は!
ご、御指南ありがとうございました!!
(が、抱きしめられた途端にぴゃっと固まる。
直後身の危険を感じて跳ね上がり、身をよじるようにして脱出。
放り投げた剣まで走って、地面に刺さったそれを引き抜き、土を落として腰へ。
改めて向き直ってから頭を下げつつ叫び、逃げるように走り去っていく。)
……あの!
よろしければ、またお願いします!
――む、胸を触るのは、無しで!!
(去り際、そう叫んでからもう一度頭を下げ、今度こそ走って鍛錬場を後にする。)
ご案内:「王都マグメール 王城2/鍛錬場」から織機セラフィナさんが去りました。
■アマーリエ > 「何って。……乳揉み?」
こてん、と。見た目こそ大人の女性に見えるものが遣るには、不釣り合いな仕草で首を傾げよう。
見たまんま、遣った通りのそのままの行為である。
仕方がない。其処に触れてみたい、確かめてみたいものがあれば手を伸ばさずにはいられない。
勿論、別の意味もある。
予備武器を抜き放っていれば、すれ違いざまに切りつける事もできたかもしれない。その示唆でもある――が。
「振り下ろすばかりが、全てじゃないわ。
気が向いたら、引っかけ技も磨いてみるのも良いわね」
相手の目線の動き、尖ったものを突き付けられた際の生理的な反応、等々。
剣は深めれば深める程、愉しくも考える要素が増える。
刺突を推したのは敵を誘導する感覚に加え、躱された場合の次撃に繋ぎうる要素を期待できる点も大きい。
ついつい心のままに遣った行為はさておくとして、抱き締めて向こうの体躯の感覚も味わいながら助言を送ろう。
身を捩って脱出する様は、追わない。しゃがんだ姿勢のまま、剣を拾って走る姿を眺め遣り。
「どういたしまして。私で良いなら、好きなだけ相手になってあげるわ。次は真剣でね。
……え、触るのも駄目かしら」
その点だけは思いっきり残念そうにしながら、手を振って見送ろう。
釘を刺されながらも、次は木剣の戯れではなく、本来の剣で立ち合うことを告げた声が届いたかどうか。
気配が失せれば立ち上がり、役目を終えた木剣を拾い上げてこの場を後にしよう。
ご案内:「王都マグメール 王城2/鍛錬場」からアマーリエさんが去りました。