2019/01/14 のログ
サロメ >  
とりあえず、魔族の国へ遠征する理由の一つが消えた
戦果を示すならばタナール攻略で十分に足りる

現在あの地にはいくつかの魔族の軍勢が存在する
そのうちの一つは仮面の魔将率いるアンデッド軍
そして翼ある獣と呼ばれる、ラボラスという魔族の率いる軍勢だ
他に魔族の国から目立って侵攻してくる存在は今の所ないと言える
で、あるならばその場にある砦を利用し撃破するのがもっとも理には叶う
攻めと守りでは攻めが有利…というのは基本的なことだが、砦という言い換えれば要塞を準備できるのなら話は変わってくる
砦を有効活用できる、ただそれだけでその図式は簡単に逆転し得るのだ

それも含めて、魔族の国への侵攻作戦は当面延期、とせざるを得ないだろう

サロメ >  
そうなれば、作戦変更だ
第七師団を活躍させることが出来るであろう最前線をタナールに据え置き、
駐屯部隊を結成しタナールが例え奪われても即時奪い返すことが出来ることを見せる
完璧な保全が望ましいが、以前からあそこには気まぐれに魔王なども出現する、敵戦力の不確定要素が兎にも角にも多いのだ
タナール近辺に駐屯基地を新設し………

「──また、金が飛ぶな」

王国貴族に頭を下げるのは慣れたものだが、そのたびに苦虫を噛み潰すような思いをする
…しかしそれでも必要なものは必要なもの
今はまだ、王国貴族に対して従順な姿勢を見せなければ、新たな第七師団の立て直しは完成を見ない

サロメ >  
コンコン、と唐突にノックの音
入れと伝えれば、自身の側近がいくつかの書類を机へと持ってくる
優先的にお願いします、と一言残し、騎士は一礼と共に部屋を出てゆく

「……何だ、急ぎか…?」

こんな状況だというのに、とやや辟易しながらも書類へと目をやる

サロメ >  
"カテリーナ・グラッドストンが第三師団長へと復帰"

その文字列を眺めただけで、サロメの顔色が変わる

「バカな…指揮官及び前線師団の不足からやむなく…?」

僅かに震える手で、報告書を机の上へと戻す
まるで呪いの文書…あんなものに再び権限を渡すとは
あの女が過去に王国軍で何をしたのか、今の王国貴族達が知らないわけがない

せめて各師団長に伺いぐらいは立てるべきだ
しかし、決定したことならば恐らくこれは覆らない
それを抗議しようにも、今の第七師団と自分の立場では些か不利である
下手を打てば自らの首を締めることに、なりかねない

サロメ >  
自分自身にとっても、前師団長であるオーギュストとあの女の確執は記憶に新しい

サロメが師団長に昇格したこともあり、
師団長同士顔を合わせる機会も増えるだろう

「……胃がやられる前に薬を飲んでおくか」

普段人には絶対に見せないであろう、げんなりした表情を浮かべた

ご案内:「王都マグメール 王城 王国軍第七師団執務室」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 第8師団執務室」にバルベリトさんが現れました。
バルベリト > 『第3師団令』

要約すれば師団単位で兵力、物資、金銭を差し出せという事らしい。
各師団毎に割り当てられている数字が異なっているが。決して無理をしない範囲の数。
一見すれば妥当な数字が、第3師団の正規の印章が捺された書類には書き連ねられていた。

「ってなんか聞き覚えあるなーコイツ。ま、いいか。」

受け取った書類にサインを簡単に。
上質な紙だ、さぞ裕福でもあるのだろう。物資も隠して所持している可能性が高い。
――聞き覚えがある、と言う方便に徹したのは目の前に3師団の伝令兵が居た為だ。

しっかりとした佇まい、豪奢な装備。
主の威光でも誇りたいのか礼節も確りとしている。伝令に使うのが勿体無い程度には有能な存在なのだろう。

「ほい、8師団の返事。」

ポン、と気兼ねなく封蝋。そしてもう1枚の書類を付けて伝令兵に渡す。

『第8師団の兵力は現状シェンヤン緊張における街道警戒。
並びにこの度の大規模進軍に併せ、物資の不足を招くのは貴師団の威厳の低下や失墜に繋がりかねない。
現状の兵力を動かす事無く。当師団においては独自の判断の下、王国領地内の警護、警備に当たる。
タナール長期維持の下地を造る物とご理解願いたい。』

受け取った伝令兵は内容を見た上で表情は崩さないだろう。
意味する事が何かを判っているかを聞きただす様な声だけを上げていた。
ひらひらと手を振って伝令を帰らせたのがほんの数十分前の話。
師団長の椅子も座り心地は悪い。はっきり言えば考える事が多すぎる。

バルベリト > 元々師団としての戦力はアテにされてないだろう。
そして戦力としてアテにされないなら使い道は限られている。

――元は決して善良ではない己でも判る単純な使い方をされるのがオチ。
各小隊に向けての伝令を飛ばす指示と依頼を終わらせたのがほんの数分前。
いい加減封蝋だとか面倒臭い古臭い遺物だが。

『第8師団長令 各小隊へ
面倒臭い事なってるから現命令を維持。またシェンヤン、並びに魔族の偽伝令書類を警戒せよ。
いかな命令であろうと第8師団長を通じた命令書でない限り、現指令の撤回は無い物とする。』

ミレーやハーフの種族等。人間としての権利が保証され難い種族に強引な命令を出されても面倒ではある。
自分を通じての指令書以外は偽造文書の危険性を書き、すべての小隊にそれを回す事にした。
つくづく自動書記の魔法とかあれば便利なのだが。

足をだらしなく机の下で伸ばし、広げ。背もたれに背中を預け――。
そして反転させて窓の外を見ていた。薄い雲に覆われてこそ居るが月も輝き、街の、王都の煌きは翳る様子を見せていない。
あくまで表向きは、だが。

バルベリト > タナールの長期保有はほぼ無理だろう。
師団単位で如何こう出来る物ではない。それこそ、全師団を投げ付けてどうにか此れまでよりは長持ちさせられるかどうか。
読みとしてはほぼ絶望的と考えていた。

長期保有してもその先の展望が無い。
少なくとも7師団の前回の遠征については、タナールの長期保有を礎にどこかの領地に遠征していたらしい。
ノープランで長期保有する位ならば今まで通りのオセロで構わない。

「いやまぁ、褒められた行為じゃないにしろ。少なくとも7師団の遠征自体は計画はあった。
目標の下での計画でタナール保持って言うなら判るけどな。」

安物ではあるが。煙草を一本口に咥える。
何も口に入れていないと、愚痴しか出てきそうにない。火石で紅点を宿し、白い苦味のある煙にて肺腑を。
そして思考を一旦纏め上げる。
兵力が出せないなら次に要求されるのは、なけなしの補給物資や金銭か。

何一つ出さないなら相応に文句は言われるだろうが――。
命令を受け取る前に独自行動を取るべきか。ちら、と自分の周囲。
使うタイミングでないならば、己の意思に拠らずとも白銀の霧となり、魔力や催眠、暗示の類。
瘴気でさえ、「分解」してくれる大剣。

―――剣にさせて、結界に触れさせれば――恩寵による結界以外であれば分解の能力を有している剣。
大抵は自分の意思に従っている様に見せて、その実この剣は自我を持っていると思う事が幾度となく有る。

「っと。ほいほい。」

コツコツ、と窓の外。夜でも視界が曇らない一羽の小鳥が足に文書を付けて窓の硝子を突いていた。
急ぎ窓を開き、その鳥の足に結び付けられていた文書の内容を確認――。
そして煙草に撒き付け、一緒に灰にさせていく。
此方の急な申し出を受け入れてくれた旨の文書、タイミングとしても丁度良いか。

「ま、先方にゃ迷惑かけねぇように小細工だけはしとくか。」

バルベリト > そこから更に数枚の書類を書き連ねる。
――黒い人脈自体が己に無い訳でもない。否、以前の付き合いでお互いの疵は知り尽くした貴族。王族だ。
皮肉なことに疵を知り合っているからこそお互いを裏切らない。
最悪であろうと中立を保てる連中に、久々の手紙を書いた。

『闇に紛れて視察いくんでよろしく』

符丁は単純で良い。先程文書を運んできた鳥に、簡単な合言葉を向ける。
ただそれだけで、何処にコレを届ければ良いのか。この鳥は祖の様に訓練を受けていた。
枚数こそ有るが――問題なく届ける事は出来るだろう。念の為に、白銀の霧。
これを少量だが鳥に纏わせる。誰が送ったか判り易い様に。

「そんじゃ寒い中悪いが――ちっといってきてくれ。」

もう一度窓を開き、鳥は夜空に舞い上がる。
――実際には鳥ではなく、ある魔法生物なのだが。
飛び去った方角から問題が無い事を確認して扉を閉める。
さて、とばかりに背伸びを一つ。短くなった煙草を灰皿の上で揉み潰し、灰が冷えた辺りで皮袋に。

復元魔法でもどされても面倒だ。灰を練りこむ煉瓦や建築資材にでも混ぜ込んで処理すべきだろう。
軍略、地図。それらは其の侭に、久々に取り出すのは白銀の鎧――かと思いきや。

市井に紛れ込みやすくする為の黒いダウンジャケットとジーンズ。
何れもそれなりの金額で買える服装。
それに替えの下着等をショルダーバックに詰め込んでいく。
膝下までのロングブーツに、念のためのワイヤー数本。
アミュレットは4つだけ選びポケットに捻じ込んでいく。

『第8師団長 現在視察中のため不在』

書置き1枚を残して王城から外に出る。
――王城から出た後は闇夜に、路地に、雑踏に紛れ姿を完全に隠していた、らしい。

ご案内:「王都マグメール 第8師団執務室」からバルベリトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」にアマーリエさんが現れました。
アマーリエ > ――全く、その報を聞けば大概の人間が思うことだろう。

いよいよ以て窮してきたのか?と。
王都郊外にある師団の本拠たる屋敷に騎竜を降ろし、馬で王都まで至っては王城内の第十師団の執務室に溜まった書類が由縁だ。
周知事項として回覧される書面があれば、会議の決定事項として漏れなく交付される類の物など、色々ある。
その中で一番新しくも、知る人が知れば眉を寄せる類の物があった。

「……いよいよ以て、世も末って感じだわ」

執務室に籠って、あれやこれやと書類仕事の数々を終え、頭を冷やそうと外に出て行き着いたのは王城の一角のテラス。
小さな厨房を隣接させ、椅子と机をいくつも並べた其れは兵士向けの食堂に似て、より小洒落た風情がある。
いわば姿勢の喫茶店めいた雰囲気がある箇所で作らせた菓子類、並びに濃く入れた珈琲を前にして溜息を零そう。

それはそうだ。
貴族院等に覚えが良いという自覚はないが、真逆凶状持ちの御仁が師団長になるというのは。どう受け止めるべきか。

アマーリエ > そして、先日の会議の色々で出てきた事項も会議の報告書として回覧として伝え聞く。
思わずそれを見た時には、かの会議場に居れば憚ることなく大笑いしていたかもしれない自身を自覚した。

あの地獄の一丁目のような場所を死守しろ、という。
寝言も休み休みに言えと言いたくなる位の事項である。
防衛戦略の要衝としての重要性は理解している。
しかし、だ。目まぐるしく其の在りかを移ろわせる移り気めいた様ははたして、兵を置き続けるに足るや否や?

「全力を以て――お断りさせて頂こうかしら」

意訳すれば、付き合っていられないというニュアンスをありありと。
整った顔に思いっきり嫌そうに貼り付けて見せながら、良い香りを漂わせた珈琲のカップを口に運ぶ。

わざわざ執務室を出て、このような場に休息を求めるのは勿論息抜きだけではない。
ちょっとした挑発めいた遊び心によるものだ。
何処に諜報の目が向いているか分かったものではない。包み隠すならば、寧ろオープンな方が良い。

「……今日のお勧め、全部持ってきて」

手を挙げ、呼びつけた侍従に声をかければ当惑の気配がある。
全部食うのかと。食うのだ。だから、遠慮なくそう命じる。

アマーリエ > 程なくすれば、ずらりと丸い卓上に様々な形状の菓子が並ぶ。
1つでもいいお値段がするものがある。
何でも王都随一の菓子職人に作らせ、納めさせている等といった噂があるものもあれば、城内で作られたものも色々だ。
市井の場末の酒場の席の一つに座して、ちびちびと酒を傾けるのも好きだが、こういうのも好きだ。
辺境伯の子であり、一時期は冒険者として武者修行に励んでいた頃もある。

故に性根がどこか俗っぽく偏るのは、どうしても否めない。
飲み食いとは過ぎるのは善くないものの、其処に快楽を伴うのは生存欲求に紐づいているからだろう。
誰しも美味しいものを食べたい。満足したい。

「……ン」

そのうちの一つが乗った皿を手元に寄せ、そっと気を付けてフォークで切り分けながら口に運ぼう。
南国由来の黒い独特の芳香を伴った豆を加工した食材をふんだんに使ったケーキである。
これ一つでも、やはりそれなりに値が張るにも関わらず、供せられているのは貴族相手の飲食の場だからなのだろう。

「嗚呼、条件でも付けてあげようかしら。……兵を出させるなら、其れを補填するものを対価にせよ、とか」

金にものを言わせる位にあるのなら、出せ。話は其れからだ。
此れもまた世の常だろう。人を動かすのは道理だけではない。金であり、満足のいく食事だ。