2018/08/12 のログ
■ディール > 「――――――。………………。―――。」
魔術資料館。魔術に関する資料が置かれている一角。
魔力の生み出し方ではなく、魔力がある前提で保存されている資料が収められている。
資料館と言いつつも独立した建物ではなく、王城の中の一角にある、図書室をさらに小さくさせた様な存在。
安くは無い出費だが何時もの様に賄賂を手渡し、差し出される羊皮紙で作られた資料。
便利なのはそれを扱える魔力が無ければ、羊皮紙には文字が浮かび上がらないと言う仕掛けがある点。
催眠、催淫、刻印や記憶操作、記憶の封印、改竄。更には夢にまで侵入する様な一部の魂の結合と言った物まで。
誰が資料として纏めているのかは知らないが、使えるものはありがたく使わせてもらおう。
「――値上がりしたな。前はもう少し安かったが?」
つい愚痴の様に司書に向かい口を出す。
どうも隠蔽や保全の為、経費がさらに必要になっている様だ。
王城には滅多に足を運ばない事もあり、内部で何が起こっているのかは与り知らぬ話。
例えば騎士団の一つが遠征に失敗したと聞いても、特に受ける感銘も無かった。
羊皮紙は1枚。カモフラージュの為に一般的な魔術の資料も借り受け、資料室の片隅にある椅子と机に向う。
賄賂に対するサービスなのか。
随分と香りの良い紅茶を司書は差し出してきていた。これで司書が女であれば試してみたくもなる魔術なのだが、生憎司書は男。
この魔術を向けるには不適格だろう。
■ディール > 貴族や神聖都市からの謝礼金、他にも闇市等で薬を流す事で得た利益もつぎ込んで得ようとした物。
今までの自分の魔力では扱えなかった魔術だが――今は魔力はある理由で潤沢にある。
量と質なら上位、高位とされる魔族にもひけを取らない魔力は得たが。
結局人としての色を濃く受け継いだ肉体では、今の魔術の知識や技量では中位魔族といった在り様が精々。
力有る魔族に睨まれれば逃げの手しか打てないのは、些か不便。
「『固定術』、か。基礎理論だが面白い。」
得たものは。呪詛や淫紋を刻印した後で長期間に渡り固定する為の基礎理論から派生した固定術。
固定の意味を正しく理解すれば時間や、空気でさえ固定させて障害物としても扱える。
他にも。例えば手から魔力を放つとしよう。
先んじて、魔力を固定化させれば?手から魔力が射出もされない。
戦士の足を地面と固定化させれば?空気と戦士の体を固定させれば?
もっとも、難点なのは。この資料一つではそこまで応用が利かない事。
あくまで、固定させる為の方法。――それを頭の中に強制的に書き込む為の、羊皮紙だった。
「――――便利だが――この頭痛だけは如何にかならんものか。」
羊皮紙の文字が一文字ずつ。黒いインクが蕩け、指先から入り込む。
血管に侵入し、血流に乗って頭骨の内側へ――。
割れそうな頭痛に頭を抱えながらも、ゆっくりとその魔術の基礎を脳髄に書き込んでいく。
■ディール > 頭骨の内側、脳髄に刻み込まれる基礎理論。
予め痛み止めは服用して置いた筈だが、そんな物は頭痛の嵐の中では何の意味も為さない。
紅茶の香りすら感じられなくなる――指先から入り込むインクの量が増えるに従い、机に肘を立て、掌に額を押し付け。
歯を食いしばるように頬に緊張と顎関節が浮き上がり、表情の余裕が無くなるにつれて汗が吹き出てくる。
「づっ――基礎でこれ、か。」
羊皮紙1枚で済む魔術でこの有様だ。額からは大粒の汗が生み出され、頬を伝い、顎から掌へ。
掌から手首を伝い、衣服に浸み込んでいく――背中にも浮かぶ汗の珠は肌着等で隠されているが、次第にオープンシャツに染みを浮かばせ、白衣にまで染みが浮かび上がってくる。
背中から湯気立ちそうなほどに染みが広がりながら、一文字、また一文字と脳髄に刻まれる文字から得られる手応え――。
■ディール > 羊皮紙を渡した司書は、この激痛については知っていた筈だ。
だが、決して余計な事を言わない辺り、良い性格をしている。毒の一つでも吐いてやろうかと思うが次第に思考が乱れ、目の前に砂嵐の様なノイズが生まれ――。
それらが落ち着くと同時、先程までの頭痛が嘘の様に消えうせていた。
視認できる光景に脳の処理が追いつかない。だらり、と唇の端から紅交じりの唾液が一筋、白い上着に落とされる。
薄紅の様に一つの染みが落とされたと同時――漸く瞳の焦点が定まり、脳の処理が改善したのか。
頭を左右に振ることで雫は左右に飛び散り、熱、いや、冷えた怒気すら孕んだ吐息を吐き出して、司書の方に一つ睨みつけるかのように視線を向けた。
……視線には気付いているだろうに、澄ました顔で受け流す。
全くいい性格をしている。だからこそ此処を任され、非合法な賄賂による魔術の知識の分与に携わっているのだろうが。
「――苦いな。」
唾液に混ざる紅は口の中を僅かに歯で斬ってしまった為。
紅茶を口に含むが、その鉄の味が邪魔をする為に紅茶本来の香りや味わいは堪能できなかった。
■ディール > 『もう1つどうだい』
そんな声が頭に響く。――司書の男の通信魔術みたいなものだろう。
頭痛から解放されたばかりの自分の頭に遠慮もなしにそんな声が響く。
高効率で魔術を使える知識や技量を得られるが――。
こんな短時間で2つ目の頭痛と向き合う等冗談でも断りたい物だ。
睨みつけようと視線を向けたが、どうも自分の瞳には今ひとつ力が戻りきっていないらしい。
近くに居る筈の司書の姿がぼやけ、陽炎の様に僅かに揺らめいているではないか。
「遠慮をしておく。――そもそも今の手持ちゴルドでは足りないことくらい、察しているのだろう。」
頭に浮かんだ言葉。口に出したかは判らないが――返ってくる司書の言葉は此方の声をしっかり拾っていた。
貧乏人には用は無い。しっかり稼げよ、という旨の言葉だ。
紅茶はいいものであっても、それを淹れる器は質素な物。
白い陶器のカップに、淵に僅かな桃色の縁取りがされたソーサー。
紅茶に付き物のミルクもレモンも砂糖も無く、茶菓子の一つも無い。
本当に義理で出された唯の紅茶に、眉を顰めるも――飲み干していく。
この魔術の悪用方法は幾つもある。
――有るが、どこまで今の自分で固定化できるのかは未知数。さしあたっては――不幸な通行人や、病院へと足を運んだ相手に試して使う位、だろうか。
ご案内:「王都マグメール 王城魔術資料館」に紅月さんが現れました。
■紅月 > ーーーかつ、かつ、しゃら…
王城の廊下を王国師団の腕章をつけた女が歩く。
紅の髪をふわりと揺らし…手には、資料の束。
「……折角、新月の不調をまぎらわそうと書庫探索に来たのに…まさか雑務をブン投げられるとは」
ヒールの音を鳴らしながら、困惑の表情を浮かべる。
自分としては身分証代わりに着けていたに過ぎないのだが…まぁ、客将であることは間違いないし、事実『持ってっといてね、後よろしく!』とばかりに丸投げされた資料の中身を勝手に読むつもりもない。
こういった時の作法なんか知らない故、念のためにノックを2回…かちゃり、と扉を開けて。
「……ええと、司書さんは…あ、こんばんは。
この資料、偶然そこで頼まれちゃって…はい、そうです。はい。
…はーい、どうも~」
司書の男性を見付ければ事情を伝え、2言3言会話をした後…折角なら何か学んで行こうかと、少し部屋を見せて貰うことに。
…と、思ったのだけれど。
「…あらっ?お兄さん大丈夫?
何だか凄く顔色が悪いみたい…」
たまたま視界に入った男性…の、顔色が優れない。
ひどく発汗して…いや、これは夏だからかもしれないけれど。
何事も無ければいいし、何かあるなら治癒魔法でもかけてやろうと声をかけてみる。
■ディール > 資料の収められた部屋に自分と司書以外が足を踏み入れるのは珍しい。
正しくは、効率よく魔術を修める事が出来る事と賄賂での後暗い遣り取りが有るからこそ、余計な弱味を握られない為にも暗黙の了解として成り立つ約束事もある。
即ち、利用客が居る場合に違法な魔術を欲する事勿れの不文律だ。
だからと言う訳ではないが、この部屋に足を踏み入れたのは自分と同類ではない事は軽く察することは出来る。
そもそも、ノック等自分達はしない。――見れば相手は王国師団の腕章もつけている。――基本相成れない存在ともいえた。
「―――あぁ、大丈夫だ。少しばかり頭を使ったのでね。
若しかしたら紅茶が合わなかったのかも知れないが」
向けられた言葉。医者が心配を受けては本末転倒という物。
苦笑いを浮かべるが顔色と、発汗以外には別段の違和感も無いと言える。
――さて問題点を挙げて見よう。ここは王城の内部であり、そして相手は師団の腕章をつけている以上余り大っぴらに手を出すことは難しい。
司書の手を借りれば――彼の魔術の腕前は、知識は人を飛び越えた物だ。
その力を借りれば、見目麗しい眼前の相手を用いて様々な実験も出来るだろうが。
司書を見ると首を左右に振られた。――お見通しと言う事か。
「あぁ、ただそうだな――少し眉間に痛みが有るのと、口の中を切ってしまった。其処にある布を取ってもらえるかな?」
机から少し離れた場所にある布を示す。取りに行くには一瞬だが自分から目を切る必要が有るだろう。
その間に、相手がどれくらいの魔術への抵抗力があるのか。
簡単なリトマス試験紙代わりの魔術を、役割を終えた羊皮紙に新たに書き加える心算だった。
■紅月 > 「あらあら、ふふっ。
研究も大事だけど…ちゃんと、休憩もとって下さいましね?」
白衣の殿方…研究者か、それとも医者か。
まさか自身が狼の巣のド真ん中にいるとは露程も思っていない紅娘は、男の低い声が響けば徹夜続きの眼精疲労か何かだろうと…案の定、それくらいにしか思わず穏やかに笑んで。
「あらっ、大変…!」
苦笑と共に示された布…少しばかり慌てたような表情で当然のように取りに行く、故、男の手元を見ている訳もなく。
ただし魔術を書き加えるその瞬間に魔力を使用するのであれば、"あれっ?"とでも言いたげな不思議そうな顔で振り返るだろう…そして、"何だったんだ?"とばかりの表情で首を傾げつつ、布を手に戻る。
…特に魔力を使用しないなら普通に布を手に男のもとへ。
どちらにせよ、笑顔で「どうぞ?」と布を差し出す。
■ディール > 羊皮紙には魔力を流すのは一瞬の事。淫紋の刻印等の精緻な細工を描く事には長けているが。
どれだけ短時間でも相手には察知されるだろう。ただ振り向いた時には。
魔力を込めた指先で自分の眉間を抑え、痛みを引かせようとしているかのように偽装をしているが。
「そうだな、医者が心配される様では如何にもならん。――有難う。」
相手が羊皮紙自体が見えない様に、羊皮紙の上には資料を一束。
そして資料と羊皮紙の間に、眉間を抑えていないほうの指を羊皮紙に添え。
眉間から指を離すと、布を受け取りながら相手の指先に触れた。
その触れた瞬間に、得られる、いや抜き取られるのは彼女の魔術への耐性情報。
自分の魔術で意識の一部を操れるか。一部所か深い催眠意識まで手が届くのかを調べようとしていた。
「こんな夜更けまで巡回は大変だろう。増して女人、この王城の中では危険も多いだろうに。人手不足か何かなのか?」
続けた言葉は間を繋ぐ為の言葉遊び。
危険が多くとも一人で歩く事を任せられている分、力量に自身があるか無鉄砲か、人手不足なのだろうか。
布で自分の口元を軽く拭い、血液混じりの唾液を布に落とす。
一応布を持ってきてもらった事の正当性を見せる為に。
■紅月 > 「あぁ、お医者様だったのか…
私もタナール砦で臨時治癒術師として、たまに医療班の皆さんのお手伝いしてるし…看護婦からの心配ならセーフ!に、なりません?」
布を手渡しクスクスと笑んで。
抜き取れた情報は…第一に『得体の知れない』という単語に尽きるだろう。
どう見ても意図しているようには見えないし思えないが、そもそもの侵入に対するプロテクトが…警告のように、やんわりと働く。
"かけようとすれば、かけられそう"ではあるが…同時に、勘が良ければ"嫌な予感がする"といったところ。
…実際は、といえば。
魔道具を用いて己の能力を自身で弱めている故、やはり、かけようと思えば物によっては成功するだろう。
場合によってはその場で解呪を試みたり妨害呪文で抵抗するだろうか。
陥れるより、なし崩した方が安全である。
「あぁ、別に仕事じゃないよぅ…私、ただの客将だもの。
人手不足には違いないんだろうけど、ね。
…個人的な気晴らし、が、近いかなぁ?」
少し困ったように、何となく何かを伏せたような言い方ではあるが…男の『城が危険』という言葉には首を傾げている。
どうやら城の暗部の事は、よく知らぬらしい。
何処か不可思議で引っ掛かるような…ただし、嘘をついているようには見えないだろう。
…そちらよりも、男が血混じりの唾液を吐き出した時に一瞬だけ見せる"おやっ?"という表情の方が気にかかるかもしれない。
■ディール > 読み取れない文字が羅列される。所々必要な文字が抜け落ちているのはプロテクトの影響か。
抜け落ちている文字幾つかが必要な情報だった為に撤退は迅速だった。
眉を顰める事こそしなかったが、その羊皮紙は資料の下に確り隠される。
師団との関係を悪化させるのも後々を考えれば得策ともいえない。
「そういった方面には向わない様にしている医者には、耳に痛い言葉だ。血生臭い場所は好きではないのでね。」
裏で動く事は好むが、表立って余り戦乱地区に顔を出そうとも思わない。
表立って動くのは、必要なとき、必要な物があれば、といった所。
血液混じりの唾液は、口の中を切ったという先刻の言の通りの意味。
内臓からの出血ではなく、浅い箇所。口内の傷と言う事を示す様に血液交じりの唾液は明るい、そして薄い色合いを見せていた。
「気晴らしか。――それで資料室に足を運ぶのは研究者くらいと思っていたが。良いのか?気晴らしと言うからには職場への鬱屈がある事になるぞ。」
城の暗部を知らない純真さだが、手を出すには危険。
得体の知れない耐性情報からこの場で手は出せない。
血液交じりの唾液を吐き出すと幾分、表情は。顔色は良化する。
元より其処まで傷を深く負ったりした訳ではないのだから。汗の染みだけが消えないのだが。
「まだ名も名乗っていなかったな。ディールと言う。医者であり、一応だが貴族だ。よろしく、お嬢さん。」
■紅月 > 「いえいえ、得手不得手は誰にでもあるでしょうに。
私は本業が冒険者だから、戦う治癒術師と言いますか…頑丈なの、だいぶ」
ある意味この男と対極に位置するだろう紅娘…前線に出るわ、この国に居るわりには何処かふわふわと警戒心は薄いわ。
…少し、否だいぶ、変わっている。
血に関して女が反応した要因は、その香りの方である。
今夜が新月であるのもあり、純粋な人間でないと知りはするものの…何の混血かは匂いが薄すぎてわからない。
例えるなら"この料理、何か隠し味入れた?"くらいの違和感である。
「元々は普通に本漁りに来たんですよぅ…!
あー、職場じゃなく自分への鬱屈だからなぁ…不甲斐なさというか、ある意味人恋しいというか。
…上手く説明は出来ないんだけど、新月と満月の夜には調子出ないんです」
やはり能天気というか、緩い調子での受け答え…そして、困ったような笑み。
気晴らしに来て頼まれ事を断らない辺り、御人好しであるとも察せるか。
「あ、っと…申し遅れました。
私はコウゲツ、東の果てにては紅の月と書きまして…採取やトレジャーハンター系統の冒険者であり、第六師団の治癒系統客将をしておりまする。
どうぞ、よしなに…」
笑顔で握手をしようと手を差し出そう。
もし握り返してくれたら、自身で作り出した清浄魔法…もとい、お風呂要らずのピカピカ魔法を挨拶がわりに男にかけて、すっかり汗の気配を無くそうか。
「御近づきの印に」
なんて笑いつつに。
■ディール > 血に魔族の臭いの様な物が附着している事までは気が回らない。
相手はどうにも警戒心が薄いが、魔術や催眠、暗示への耐性が読み取れない分だけ力に裏打ちされた薄い警戒心という認識を此方は抱く。
差し出された手に、自らの手を重ね。握り返した時に、自分に掛けられた物は魔法。
肌の表面の汗のみならず、穢れといった物が素の魔力で洗い落とされる。
汗の匂いや染みと言った物を洗い落とすのは便利な魔法だ。
例えば陵辱の後等には非常に便利な魔法だと。使い道は彼女の用途とは正反対の物で想定されているが。
「紅、月か。冒険者にして客将と言うのも珍しい。名前に引っ張られて居るのかも知れんな。名は何かしら影響を齎すのは良くある話だ。
例えば、月が見えぬ為に月の影響が消えてしまう。満ちた月により影響を受けすぎる。どちらも、上限を超えてしまえば不調になるのも道理。
便利な魔法だ。風呂が無くとも、衛生面では非常に有用な魔法。紅月殿はこういった魔法には造詣が深いのか」
汗の匂いが消えたのは素直に有り難い。
そっと司書が近寄ってくると、羊皮紙と共に資料の束を回収して司書机に戻っていく。
彼なりのアフターフォローと言う所か。
「もう少し話もしてみたいが、夜も更けた。直に日も昇る。折角の機会だ、城門まで案内を頼めるか?途中でまた体調不良になれば素直に頼らせてもらおう。」
人恋しくなるという相手。この場で別れるよりは城門までの案内を頼む事で少なくとも、気晴らしの一つにはなるのかもしれない。
もっとも、隙を見せれば王城内の暗部を見せ付けられる事になる誘いだが。
ゆるり立ち上がり、僅かにふらつくのは、まだ頭痛の影響が残っていたのかも知れないが。
■紅月 > 名前に引かれるのではと問われれば…己の出自が特殊である故に、近いことや其れそのものに心当たりがありすぎて耳が痛い。
参ったなぁと言わんばかりの表情で、苦笑しつつに。
「ふふっ、普段通りのほほんとしてたら拾われたまでですよぅ。
嗚呼、成程…やっぱり偏ってるのかなぁー、私も体調管理どうにかしないと。
…ん?うふふ!
造詣が深いというか…アレですよアレ。
汗臭い女の子がいたら、やっぱり殿方の夢を壊しちゃうでしょう?
冒険者やるなら魔法開発は急務だったんですよ、急務っ!」
さすがに、初めて会った殿方にアレコレあかすのは心配で…何となく、誤魔化した。
とはいえ、男に話した理由も充分過ぎるほどに本気である…いざ致すことになった時、身綺麗じゃなきゃあ恥ずかしい。
仲良くなったらうっかりと、何かの拍子に言ってしまう事もあろう。
「あらやだ、もうこんな時間…ふふっ、是非に。
私でよければ幾らでも、こう見えて結構力自慢なのよ?」
冗談じみた調子で笑って、しかも胸まで張っておどけてみせる。
けれど、男がふらついた瞬間にスッと一瞬真剣な表情になる辺り…本気で手助けするつもりはある、らしい。
闇に引き込むも泳がせるも、恐らく男の気分次第…はてさて、どうなることやら。
■ディール > 「他者の夢等知らん。汗の臭い一つで褪める夢や、壊れるなら夢ではなく最早妄想と呼ぶべきだがな。」
手助けする意志はあるらしい。付け込み唆し。そしてなし崩しに暗部の側面を見せるのも手だが。
矢張り警戒心の方が己の中で勝る。魔力や、自分に無い魔法の知識を吸い出す機会でこそあるが、反面失敗する可能性、反撃を受ける可能性が低くない。
今はまだ、という但し書きがつくが。
「俺も力自慢だ。患者の1人2人、担げずに医者を名乗るつもりも無いのでな。
では護衛を頼もうか、紅月殿。」
得た魔術知識以上に、師団の人員不足の話が聴けたこと。
人員不足であろうと、師団の人員の質が下がっているわけでは無い事。
これらは有益な情報でもあり、気を引締め直す良い機会にもなった。
何より、医療鞄も手元に無い。道具が有れば又違う運命だったのかも知れないが。自分のほうが今宵は準備不足。
所詮自分は中位の魔族だと認識している為に、引き際だけは誤らない。
相手が温厚であれ背後に有るのが師団となればリスクの度合いがまるで違う。
城門までの道のりは平和な時間であろう。また、他愛も無い話が数度交わされる位の時間だった、らしい
ご案内:「王都マグメール 王城魔術資料館」からディールさんが去りました。
■紅月 > 「妄想、正に!
けどまぁ…そういったネタは、自分っていうアイテムの品質を保つ基準になるからな~。
…幻の中にも"本当"はあるかも、なぁんて?」
冗談なのか本気なのか、素か演技か…最初から最後まで緩い調子。
「護衛だ、護衛だ~♪」
なんて楽しげに男の隣を歩く様は、何処と無く子供じみた物にも見えるかもしれない。
いっそ罠かと勘繰りたくなる程度には無防備に、けれど、得体の知れない何か…裏を持つ者には特にそう見えるだろう。
…実際、珍しい生物ではあるのだから、さもありなん。
城の暗部を、むしろこの国の暗部すらよく知らぬままにフラフラふわふわと…常に危うい均衡の中、それが幸か不幸か誰にもわからぬまま。
良くも悪くも偶然に…この女に闇の存在を教える者が、善にも悪にも居らなんだから仕方ない。
故、今宵の邂逅もまた…紅娘にとっては"興味深いお医者様と会った"だとか"知的でリアリストな感じの人だったな"だとか、何とも呑気な感想を持ち、あまつさえ好印象である。
「また何処かで!」
と、楽しげに手を振って…昇った朝日をその身に受ければ、新月も悪くないと笑っていたそうな。
ご案内:「王都マグメール 王城魔術資料館」から紅月さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城裏広場」にベルナデットさんが現れました。
■ベルナデット > 聖マカリアを祀る神餐祭、それも最終日を迎えていた。
王城の裏に設置されたテントでは修道服姿の少女が男に馬乗りになり腰を振っていた。
その漆黒の修道服も、長い純白の髪も、可憐な唇も、空色の瞳を飾る長い睫毛も、そして、曝け出され腰を振る度に弾む豊かな膨らみもすべて白濁に塗れていた。
神餐祭が開催されると同時にこの場所へとテントを設置したのは悪趣味な貴族による仕業だった。
さらに悪趣味なことにはテントには『聖マカリア礼拝所』などと札が提げられていたことだ。
場所が場所だけに半日ほどは誰も気付かなかった。
だが、最初の一人が訪れた後は口コミでどんどん人が集まってきた。
曰く、聖女様が施しをしてくれる、と。
異国の聖女を主教の聖女と見做す……それは少女が信じる聖教にとってもこの国の主教にとっても冒涜以外の何者でもないだろう。
だが、このテントを設営した貴族は簡単に考えていた。
もしバレたらこの女が勝手にしたことにすればいい、と。
そして、それからは少女はただひたすらにその身に男の欲望を受け続けた。
朝も昼も夜もなく、ただひたすらに孔を塞がれ続ける……。
――友人よりも親しく感じていた人が遠く旅立ったことを知ったのは数日前の話だった。
……男の人に抱かれるのが嫌だと思ったのは何時以来だっただろうか……。
だが、与えられた役目を果たす以外に少女に選択肢はなかった。
嫌々抱かれているはずだった……。
だが……。
「――っ♥ッ♥
っ♥っ♥っ♥
ん――ッ♥
~~~~~~~~~ッッ!!」
孔を埋められ腰を叩きつけられれば気持ちよくなってしまう。
獣のような体勢で突き上げられると気持ちよくなってしまう。
男の上で腰を振れば気持ちよくなってしまう。
どんなに悲しくても固く大きいものには、熱い迸りには気持ちよくなってしまう。
――組み敷いていた男がうめき声と共に最奥へと精を放つ。
そして、男は少女ではなく聖マカリアへの祈りを口に去っていく。
久しぶりの一人の時間……。
少女は白濁の後始末もせず、ぐったりとベッドに寝そべり余韻に浸る。
どんなに悲しくても男を求めてしまう己の身体の浅ましさに……。
ご案内:「王都マグメール 王城裏広場」にルフェリアさんが現れました。
■ルフェリア > 「やっほー、聖女様、元気ー?」
底抜けに明るい声を出しながら入ってくる女装した貴族。
この宴の裏事情を知る彼は、異国の聖女がどんな顔をしているかを見にやって来た。
そして――
「うわ、くっさぁ。まったく、キミにお似合いの場所だよね、ここ」
まるで豚小屋だよねぇなどと呟きつつ。
入り口にはメイドが立ち、使用中と看板を出させる。
「――アハ。お似合いのザーメン塗れの格好じゃない、聖女様♪」
ベッドの横に立てば、貴女を見下ろすルフェリアの姿。
その笑みは嗜虐嗜好に彩られており。
まずはベッドから降りて挨拶をしろと命令し。
■ベルナデット > ぐったりとベッドに寝そべっていると不意にあまりにも場違いな明るい声が響く。
視線を向ければそこには可愛らしく着飾った女性……ではなく、男の姿。
瞳を伏せた悲しみの表情は果たして男が期待していたようなものだろうか。
何日も湯も浴びれずに犯され続けていたが、そんなにひどい匂いなのだろうかと思ってしまうのは嗅覚が完全に麻痺してしまっているからだろう。
気だるげに上半身を起こし、ベッドの上を這うように移動し、そして、ベッドの上から転げ落ちる。
目の前の男は自分をここに繋ぎ止めた者の仲間だ、それはわかっている。
が……。
「……ちゅ。」
下半身の二つの孔から精液を溢れさせながら柔らかな膨らみが潰れるほど床に伏せ、そして、男の足へと口付けた。
■ルフェリア > その悲しみの表情を見て。
この肉便器のような聖女にも、何かを悲しむ事があったのかと驚き――そして。
興奮する。その表情を、ずたずたに引き裂き、雌豚の本性をあらわにさせたいと。
「うんうん、じゃあ今日は、後ろを徹底的に、と思ったんだけど――他の奴の精液が邪魔だね」
くすりと笑うとメイドに命じ。
あなたに、ベッドの上で四つんばいになるよう言いながら、準備をさせる。
そしてメイドが取り出したのは――浣腸。
四つんばいで尻を高く掲げさせた貴女に、大量の浣腸を注入し。
他の男の精液と、もしあるならば排泄物までも一片に出させ、屈辱を与えようとして。
■ベルナデット > 言われるがままに疲れ切った身体でベッドの上へと上る。
そして、四つん這い……というには少々不完全な両膝と両肘を突いた少し前のめりの格好でお尻を突き上げる。
まだ羞恥を感じることが出来るのは幸せなことなのだろうか……。
染まった頬を隠すようシーツへと顔を埋めると出すよりも挿れることのほうが多くなった窄まりへと感じる硬い感触。
それが無遠慮に身体の中へと入り込んでくると次に感じるのは冷たい迸り。
「……っ!」
必死に声を堪える。
人前で排泄することは恥ずかしいことだと自分に言い聞かせる。
だが、この行為は――。
「~~~~っ♥」
気持ちよすぎる。
何度味わっても飽きない背徳の味。
勢いよく噴き出す精液と浣腸液のカクテル。
その勢いはテントの壁へと噴き付けるほどに強く、控えていたメイドを一瞬で誰の物とも知れぬ白濁塗れにしてしまう。
「……♥」
顔が蕩ける。
そんな表情を見られたくなくて、さらに深くシーツへと顔を埋める。
■ルフェリア > 浣腸と白濁まみれになったメイドを見てゲラゲラと笑う。
メイドはぴくりとも表情を崩さず――しかし気に障ったのか、貴女の尻をぴしゃりと叩き。
「あっは、なに顔隠してるのさ、その面をちゃんと見せなよ♡」
ぐいっとシーツに埋もれた髪を掴み、無理矢理顔を上げさせる。
これからの責めにどんな反応をするかを、じっくり見るために。
「それじゃ、聖女様のケツ穴ほじりショーのはじまりはじまり~♪」
次にメイドが取り出したのは、アナルビーズ――それも、特性の、かなり大きめのもの。
それを貴女の尻へあてがい――どんどん沈めていく。
ひとつ、ふたつ。限界までねじ込むように。
ぽっこりと腹が膨れるまでアナルビーズをねじ込み。
「――それじゃ、出してみようか。でも、手は使わずに――尻からひりだすんだ。クソをするみたいに、ね♪」
■ベルナデット > 「んっ!!」
不意の尻打ちにくぐもった声と共に窄まりからぴゅるりと残っていた浣腸液が噴き出しメイドの手を濡らす。
着崩れた修道服から覗く丸いお尻、その狭間では窄まりがまるで呼吸するように開閉し、そこがすでに排泄の為の場所ではないと主張する。
「~っ!」
ヴェールで飾られた白濁で汚れた純白の髪を引かれると痛みに顔を歪めながら顔を上げ、肩越しに許しを乞うような怯えた視線を向ける。
だが……。
「んぃっ♥」
ひくつく窄まりへと固く無機質なモノを捩じ込まれた瞬間、その表情に喜色が浮かぶ。
そこへは様々なモノを捩じ込まれた。
野太い棒、固く反り返った肉棒、いびつな形の玩具……。
だが、女が一生忘れられないモノがある。
それは――自身の処女を奪ったカタチ。
結腸の奥まで捩じ込まれエラで何度も掘り返されるのが好きだ。
その次に気持ちいい場所は……肛門。
そこを何度も何度も押し拡げ緩め開閉させてくれる玩具……それは紛れもなく後ろの処女を捧げた相手。
珠が一つ入り込んでくる度に腰を震わせ、最低な女装男とそれに従うメイドの前で盛りの付いたメス犬のように舌を垂らして悦んでしまう。
すべて入り込む頃にはぱっくりと開いた割れ目から、中出しされた精液を洗い流すよう滝のように蜜を滴らせ、はしたなく空腰を使っていた。
「ふ――♥ふ――♥」
出せと命令されれば荒い息を吐いて人目もはばからず息む。
それだけで中に入り込んだパールが動き堪らない快楽を生み出す。
そして……。
「おぅっ♥ん~~おぅっ♥」
むりっと音を立ててパールが排泄される度にオットセイのような情けない声が上がる。
だらしなく蕩けた顔は涙とよだれに濡れ、ただのセックスよりも好きな疑似排泄行為に酔いしれる。
一つ排泄する度にちょろろっとお漏らししてしまうのは人体の構造的に仕方ないことなのだろう。
■ルフェリア > 「あっは、ケツ穴からタマひり出してアヘるとか、本当キミって雌豚だね♪」
最高に面白い見世物だとばかりに悦び、擬似排泄ショーを眺め。
うっとりと見つめながら、最後の一個、特大のパールをひりだす時には指で押さえて邪魔してしまい
「ほらほら、頑張ってひり出しなよ♪」
くすくす笑いながら必死にいきむ姿を観察。
そして全てひりだせば――
次はこれをいれる、とばかりに自分の男根を取り出し。
貴女の鼻先にべっとりとくっつけ、匂いを嗅がせ。
■ベルナデット > 「~~~~っ♥」
夢中になって息み汚物ではないとは言え後ろの孔から異物を排泄し蕩けた表情を浮かべる少女の姿を同性のメイドはどのような気持ちで眺めていることだろう。
しかも……相手は数々の奇跡を為し聖女と崇められる存在だ。
最後の一個を放り出すことを許されず、顔を真っ赤にして息み続けるその姿には浅ましさ以外の何物もない。
「♥」
鼻先へと熱く硬い肉棒を押し当てられると反射的にそれへと舌を這わせる。
何度も味わった匂いと味、そして、悲しみを吹き飛ばしてくれる快楽……。
それが欲しくて……詰ることを楽しむ男の意図に反するよう腰を引き、指による圧力が緩んだ瞬間――。
「んひっ♥」
激しくはしたない音を立てて最後の特大パールを放り出し、ガクガクと腰を痙攣させアナルアクメに恍惚の表情を浮かべる。
――最後のパールはよほど奥まで捩じ込まれていたのか、浣腸を施されたにも関わらず茶色いモノがこびりついていた。
■ルフェリア > メイドたちは語らない。
ただ沈黙を護り、主人の不興を買わないようにだけしている。
だが、時折貴女を見つめる瞳に浮かべるのは――汚物を見るような、侮蔑。
「――あは、下品な聖女様だよね。誰がしゃぶって良いって言ったのさ♪」
自分で鼻先に突きつけておきながら、まったくそれを棚にあげ。ちんぽを貴女の口から引き抜くと。
ルフェリアは四つんばいの貴女の後ろへ回る。そして、尻に手をかけ――
「――こうやって、便器に使われるのがお似合いでしょ、淫乱聖女様のケツ穴はっ♪」
みちみちとこじ開けながら尻穴を男根で貫く。
パールをねじ込み慣らしたケツ穴を、まるでオナホのように、ちんぽを扱く穴として使う。
「ほら、ケツ穴締めて、自分でも動くんだよ」
まったく自分勝手な事を言いながら、極上のアナルを味わい
■ベルナデット > かつては畏敬と慈愛の目を向けられていた聖女はそれと真逆の視線に晒されながら男の股間に顔を埋める。
娼婦のように使い込まれた孔は卑猥に歪み、雄を求めてよだれを垂らす。
そして……。
「んほっ♥お゛っ♥お゛っ♥」
排泄の為の孔で、気持ちよすぎておかしくなってしまうからと大切な人には許さなかった孔で最低な男の肉棒を扱き立てる。
ふわりと拡がった直腸はつるつるの粘膜が舐めるよう肉棒へと優しい摩擦を与える。
そして、それと逆にきゅうきゅうと締まる肛門がまるで手で握りしめているかのような圧迫感を与え、強い刺激を与える。
上半身を起こし、まるでカエルのような格好で無様に腰を振り、豊かな膨らみをちぎれんばかりに振り乱す。
絹のような純白の髪は汗と精液に濡れた肌へと張り付き、内側から圧迫される雌孔からは塊のような精液が次々と溢れていく。
■ルフェリア > 「あはっ、げっひんな声♪」
げらげら笑いながら、少女の後孔を凶悪な男根で穿りまわす。
魔術と財力によってグロテスクなまでになったちんぽは、まるで蹂躙するようにその極上の孔を味わい尽くす。
いつの間にか、ルフェリアもまた恍惚の表情を浮かべていた。
「さいっこうだよ、キミのケツ穴♪ もう聖女なんてやめて、ケツ穴便器として生きていけば、いいのにっ♪」
ぱんっぱんっと尻肉に腰を打ち付けながら、孔を品評し恍惚の声をあげる。
前から精液を漏らすのも気にせず、まるでオナホのように少女を扱う。
そして――
「ほら、いくよっ♪」
大量の精液を直腸に流し込む。
まるで、便器に小便をぶちまけるように。