2016/04/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にテイアさんが現れました。
サロメ > すっかりぬるくなってしまった紅茶を口に運び、一息つく

残っている報告書はあと半分というところだろうか
これでもいつもよりは少ないほうだ

「………」

魔族による人間たちへの攻撃は脅威である
しかし、本当の脅威はそれではなく、腐敗した王国そのものにある
それがわかっていつつも、自分達は命を賭けて魔族と戦い勝利するしかない
そこで得た勝利も虚しく、本当の脅威たるべきものは、浄化されず残ってゆく

「……いや、革命など。民の平穏を守るべき者が考えることではない…」

腐った幹と云えど、切り倒してしまっては枝葉で休む鳥達は居場所を失う
考えることは、この王国という樹をいかにして支え、立ち直らせるかだ

テイア > 「全く、下作の作戦に付き合わされる騎士たちの身にもなれ…。」

上から渡された作戦概要。
それに苛立ちを抑えきれない。
はあっと憤りを吐き出すかのようにため息を一つつけば表情を改める。
歩いているのは、王城の廊下。主に第七師団関係の部屋の多い区画か。
執務室の扉の前へとたどり着くと、こん、こん、こんとノックをして。

――今は、自分にできることをやるしかない。

サロメ > 「あぁ、開いているよ。どうぞ」

さて、師団長の代理ではあるし客人相手に粗相はできない
姿勢を正して椅子に座り直し、こほんと咳払い一つ

書類も、読んでいない分は折り目をつけて机の端にまとめる

テイア > 「失礼…。」

ノックをした扉の向こうから聞こえたのは女性の声。
おや、と少し意外そうな表情をしたのは一瞬の事。
すぐに扉を開けば、キイと蝶番が微かに軋んだ音を立てる。

扉から姿を現すのは、異なった彩を放つ瞳が特徴的な銀髪のエルフの女。
その表情は今はあまりない為、少々冷たさを感じさせるものだったか。

「マグメール王国聖騎士団、辺境守護部隊隊長テイア・ルア・ルミナスだ。突然の訪問ご容赦を。」

扉を閉めて、正面だろうか。執務机に座る人物へと声をかけていく。
そして視界に入った小柄な女性。
どこか見覚えのある気がして、密やかに記憶を探る。

サロメ > 来客は人目で亜人種とわかる女性
その繊細な姿に多少面食らってしまうが、すぐに表情を戻して

「これは聖騎士団の…」

名乗りを受ければこちらも椅子を引いて立ち上がり、騎士の一礼を返し

「第七師団のサロメ=ディレイン=アクアリアだ。
 見ての通り師団長のオーギュスト・ゴダンは不在でな。私が代理を預かっている。
 …して、聖騎士団の隊長殿がどういった要件で…?」

立てば小柄さが著に現れる
自身の姿を何かの記憶に照らしあわせていることなどは知らず、問いかけた

テイア > 「アクアリア…。そうか、どこか見たことがあると思ったらアクアリア卿のご息女か。
そうか、最近第七師団の副将が女性だとは知っていたが、そなただったとは…。」

アクアリアと聞いて浮かんだ面差しのよく似た女性騎士。
彼女によく似ているが、年齢が若い。
とすると、浮かんでくるのは幼い頃に会った娘かと納得したような表情をして。
自分の感覚でいえば、ついこの間生まれたような娘。
人間の成長は早いものだと、改めて思わされると一人納得したようで。
軍の情報などもチェックしているつもりではあるが、最近は怠っていたな、と副将の名前も知らなかった事に密やかに反省する。

「そうか、師団長殿は不在か。少々畑違いなお願いがあってね。
近々、国境付近の砦跡を占拠するシェンヤン帝国軍に攻めることが決まったんだが、上から渡された作戦があまりに無謀でね。
第七師団が魔族討伐を主とする任務を行っているのは重々承知なのだが、保険は多くかけておきたい、という私個人の判断でこさせてもらった。」

作戦概要はこうだ。国境付近の砦跡を占拠するシェンヤン帝国軍およそ3000に対して半数の1500程の部隊でつっこむという作戦ともいえない作戦。
説明するだけでため息が漏れる。

サロメ > 「……? 私のことを、ご存知で…?」

同じ王都を守る騎士として知っている、というわけではないように語るその口ぶりに小首を傾げて
そんな瑣末な疑問が残るものの、切りだされた本題は重要な話、私事を挟むのはよろしくないと気持ちを切り替える

「…初耳だな。タナールの攻防が激化している最中だというのに帝国と一戦構えるつもりだと…?」

上から、ということはおそらく軍議も行われていない、いつもどおり上役のパフォーマンスの一環だろう
それに付き合わされる者達の気がしれないというものである

「…成程、それは卿らも気を揉むというものだな。
 帝国を雑兵の集まりだとでも思っているのだろうが、そんなにぬるい相手ではない。
 決行日時は?動かせる隊があるかどうかは今から選別をしなければならないが…。
 相手の兵力の底は恐らく未知数だろう、砦への攻城戦となるならば撤退ラインの確保が最重要だな」

唐突な申し出ではあったが、あくまでも冷静に対処法を算出してゆく

テイア > 昔話に花を咲かせたいところではあるが、まずは本題を終わらせてからと、
こちらも本題の話に集中する。

「一応国境の内側にある砦跡だからな。捨て置けない。
 …というのが上の意見だそうだ。」

兵法を知っていれば、跡地とはいえ壁などの残っている場所を攻めるのは下策。
それも、相手を上回る人数が必要とされるのに、相手の半分しか人員が与えられない。
完全な上役のパフォーマンスだろう。
それで失われる人材の数は計り知れない。

「戦術についても、相手についてもまるで知らない上の作戦につきあわなければならないからな。
資源も、人も有限だというのに…。
決行日は――…。」

決行日、編成部隊、部隊配置――と細かな作戦を説明していく。
しかしどれも穴だらけの行き当たりばったりのものばかり。

「――が、この作戦。ここまでは、上のお偉方の考えた作戦。
けれど、私は私の部隊をこんな下策で失うつもりはない。
そこで貴殿らに頼みたいのがここから、なんだ。
トロイの木馬というのをご存知か?」

第七師団にこの作戦に参加して欲しいと頼みに来たのではない、とここでようやく本命に触れる。
トロイの木馬――
この国ではないどこかの国の戦争の話。
砦に立てこもった敵勢の前に大きな木馬が置かれた。
敵軍は、その木馬に興味を示しそれを場内へと引き入れ、そして――。

サロメ > トロイの木馬、それを知らないようでは騎士を率いる者ではいれないだろう
しかし……

「リスクが高すぎる。
 無論勝利を拾えれば重畳だろうが、賭けに等しい。
 上層貴族の見栄の為にそこまでする理由はないだろう」

それに、勝利を得たところで誉れ高く謳われるのは聖騎士団ではなく…

「……中止させたほうがこの国の為だ。
 卿らが掛けあって首を縦に振らないのであれば、私も同席しよう。
 相手は帝国、せめて軍議に挙げ慎重を期すべきだ」

でなければ失敗、いや成功したとしても必ず犠牲者が出る
それを覚悟してまですべき戦いだとは思えなかった

テイア > 「リスクは高いし、犠牲も出るだろう。
 けれど、この作戦を遂行するよりはかなりマシだと思っている。
 確かに上のパフォーマンスではあるが、同時にこれは踏み絵なんだよ。
 従う意思があるかどうかの。この作戦に異をとなえれば、付け入る隙を与える。
 作戦に参加しても、かなりの確率で死ぬだろう。
 どちらを選んでも、上にとっては都合がいいだけの話。」

作戦に参加させられる部隊を見れば、それが分かると肩を竦め。
主に悪政を正そうと動いている者達の名前がずらりと並んでいる。

「実際に木馬を城門前に置く、なんてことはしない。
 ある程度の戦闘はやむを得ないが、あまり被害が出ない内に撤退、もしくは降伏をする。
 その内捕虜となった者が木馬の役割を果たす。
 部隊全員の体に、ある仕掛けをして転送魔法の魔法陣を敵陣に敷き、
 そこに大多数の部隊を送り込みたいと考えている。
 その送り込む人員の確保に走っているというわけなんだが…。」

なるべくこの策が漏れないよう、このように第七師団を始めとした王国軍、私設騎士団や私設の軍に援助を求めたいと。
視線をまっすぐにサロメへと向けて

サロメ > 「……わかった。
 賛同できるわけではないが…可能な限りの協力はしよう」

騎士としての在り方や理想などままならないもの
それは自分が文字通り、身を持って知った筈
…だからこそ抗って欲しいという思いがあふれたのかもしれないが

「転移による移動は、敵の虚をつくことが出来る。
 だが同時に、突入舞台も突然別の空間に飛ばされるからには、咄嗟に戦闘態勢を取れるものは限られる。
 ……まぁ、その点うちなら強襲に特化した人材も多い…ということか」

いわゆる戦闘勘の優れた、野戦慣れしている人間であればあるほど良い

「私の独断というわけには行かないが、オーギュスト将軍も貴殿の要請を無碍にはしないだろう。
 もしかしたら、本人が喜び勇んで部隊の指揮を取るかもな…。
 ……ところで、話は戻るが。テイア隊長、卿は私のことを……?」

ここのところは、正直悪評しかなかったであろう
貴族…アダンの手でよりにもよって騎士兵舎にて凌辱、無様を晒している
みな第七師団の視線を恐れて公には話をしないが、王城の内部にはあらかた伝わっているだろうという覚悟はあった

テイア > 「感謝する。
 第七師団の助力があれば、成功率もかなりあがるだろう。」

今のこの国の現状。
自身は諦観してしまっているが、それでも部下の命を
軽々しく消耗品のように使われては我慢ならない。
現状を嘆く騎士達の中にはかつての部下も多い。
だからこそ、この作戦を成功させてみせるのだ。
たとえ、その功績が上層部に取り上げられる結果しかないとしても。
この作戦の欠点。それはサロメも言った転送直後の隙。
そこを突かれて瓦解すれば敵陣に飛び込んだ部隊の全滅は免れないだろう。
それを補える人材を確保できるかどうかが勝負の分かれ目となる。

「はは…魔族との戦場にその名を響かせるオーギュスト将軍が参加してくれれば心強い。」

確かにこの軍の将軍は自ら率先して参加しそうだと笑い。

「そうそう、酷いなそなたは。」

話を振られて、ふっと冷たく見える表情が和らぎ微笑みに変わる。
酷いな、とそこで切られた言葉にもしかしたらサロメは陵辱の記憶を思い返してしまうかもしれない。
――けれど

「私の部下になってくれると約束していたのに、他所の軍に入るなんて。副将では、引き抜くにも引き抜けないじゃないか。」

口調はいくらか砕けて、優しい眼差しでサロメを見て冗談めかす。
さて、そんなことを言われた本人に、その記憶があるかどうか…。

サロメ > 「え?」

"酷い"という言葉に、あぁやはりそうだろうな、と自嘲の笑みが浮かぶところだった
続いた言葉の意味はよく理解が及ばなくて

「ど、どういうことだ?
 私は貴殿とは今日初めて顔を会わせて───」

いや、テイアのほうは知っているという口ぶりであった
ご息女だと言われ、仮にも貴族、騎士の家柄、家の名で知っているものと思い込んでいたが…

「すまない。
 過去に何処かでお会いしただろうか…?」

騎士への道の第一歩として選んだのが当時はまだここまで名の売れていない、荒くれの実戦部隊であった第七騎士団
それからずっと、この団に剣と命を預けてきた
彼女の部下になるなどという約束は、今のサロメには遠い遠い記憶となってしまっていたのだろう

混乱したような、僅かな申し訳無さの混ざった視線をテイアへと向けて

テイア > 「――ふ、ははっ…。いや、すまない。」

やはり、幼い頃の記憶だ。自分を覚えていなくても無理はない。
混乱してしまうと、人間は素の表情が出るものだ。
思わず小さく吹き出してしまい。

「一度会っているよ。そなたのお父上とお母上と共に。
 そなたが幼い頃だけれどね。
 気高い騎士であるご両親に憧れている、と自分も大人になったら立派な騎士になるんだと、
 とてもキラキラした瞳で話してくれたよ。
 その時に、騎士になったら私の元にきてくれると約束した。
 人の成長とはほんとうに早いな。お蔭で私のもとに迎え入れる機会を逃してしまった。」

会ったのは彼女がほんとうに幼い頃。
大人になった今となっては、記憶の彼方に消えてしまっているだろう。
久しぶりに笑わせてもらったと、笑いの残滓を残しつつ過去を語る。

サロメ > 「両親と…? …そうか」

つい、見たままの年齢という先入観にとらわれてしまった
長命種族、なれば自分が幼少の頃には既に彼女は立派な騎士であったのだろう

「そうか…そうだったのか。
 子供の頃とはいえ、約束を違えるなど、騎士として恥ずべきことだな…」

幼少の頃の自分はただただ騎士に憧れを抱いていた
少女、そして大人へと成長する段階で、騎士として生きるのに必要な強さ、
そして覚悟と高潔さ、理想を剣に託す誇りを知り───
それで、両親の推薦する…そう、聖騎士団を蹴り、自分自身の在り方を示すため、
自分で道を選ぶためにこの団へと──

「すまない。ティア隊長。
 恐らく私は真っ当に生きていれば貴殿の部下として迎え入れられていたのだろう。
 しかし私は自分で道を選びたかった…結果として約束を違えることになってしまったが、
 その選択に悔いはない。幼少の頃に抱いたであろう騎士…貴女への憧れも捨ててはいません。
 最後の最後まで騎士であることを捨てられなかったのは…自分でも覚えていないような…そんな思い出があったからかも知れませんね」

別段意識したわけでもないのに自然と口調が改められてしまう、
そう言って、まっすぐにテイアを見て、大きな感謝と共に一礼を送る

テイア > 「いや、子供の頃の記憶とは曖昧なものだよ。
 それをいったら、そなたの成長を確認してすぐに迎えにいかなかった私の落ち度だ」

全く、逃した魚は随分と大きかったようだと、恥ずべきことだと
子供の頃の口約束に真摯に言うサロメへと本音半分、冗談半分織り交ぜて。

「第七師団は、実力主義だ。
 その師団に所属し、尚且つ副将という立場まで上り詰めたのを見れば、
 いかにそなたが努力し、心身ともに鍛えてきたかよく分かる。
 その魂の高潔さは、そなたの両親から色濃く受け継がれているようで安心した。
 私の部下として迎え入れられなかったのがほんとうに口惜しいほどに…
 あの時の幼子が魅力的に成長したのはとても喜ばしい。
 そして、素晴らしい騎士になるという約束は確かに叶えられた」

礼を送られるのに対して、まるで娘の成長を喜ぶかのように双眸を細めて柔らかな笑みが浮かぶ。

「今の時代、中々に騎士道を貫くのは難しい。
 それに、女の身となれば男社会の中気苦労も多いだろう。
 もし何か迷ったり、困ったことがあればいつでも力になろう。
 私の出る幕があるかどうかは分からないが。」

サロメ > 「……有難う」

ただ深く、深くその言葉を呟く
父と母以外でこれほど自分を見てくれていた人は恐らくいない
何度も揺らぎ、一度は堕ちかけた自分を恥じる

同時に、二度と折れまいと
二度と弱くは在るはあるまいと心に誓う

「…その時代を変えねばならないのではと真剣に悩んだこともありました。
 しかし民が国の礎ならば、騎士は城塞であり矛。
 今はある程度は振りきれたと感じています。…テイア隊長、例の件。十分なご警戒を。
 選出された、現地投入の騎士の名簿に明らかな悪意を感じます。
 疑い始めればキリがないのは承知していますが、それでも」

後半は重苦しく、部屋の外に漏れぬよう声を絞る
…何か作為的なものが働いていないとは言い切れない
それが起こっても、今のこの国は不思議ではないのだ

テイア > 「……。あまり、気を張り詰めすぎるのもよくない。
 張り詰めたものは、簡単に切れたり折れたりする。
 ある程度の遊びをもたせてやれば、どんな衝撃にも
 しなやかに耐える事ができるよ。」

こうして大人になったサロメとの会話は少ないが、
彼女がとても真面目で清い人間なのはすぐに分かる。
だから、ほんの少しだけ年上からのお節介の言葉。

「このような混沌の時代だ、変えねばならないと思うのは
 国民としても、騎士としても当然の考えではないかな。
 王亡き今、船頭を失った船のように進むべき道が危ういのが国の現状だ。
 私たちの役目は、その船が沈んでしまわぬように
 波に呑まれてしまわぬように守る事だと私は考えている。
 …ああ、有難う。私もその事には気づいている。
 重々気をつけるよ。」

忠告と、心配の言葉には礼を言い。
正しいものが疎まれる時代。
だからこそ、正しい者達は潰えることはないのだと、
この作戦をやり遂げて腐敗した連中に見せつけてやりたいと思う。

サロメ > 「あ、遊び…? そう、ですか」

"お前はクソ真面目に肩肘張り過ぎなんだ"
オーギュストの言葉を自然と思い出す
2度も同じようなアドバイスを受けるとは、ちゃんと考えないといけないなと思わず頬をかく

「…はい。オーギュスト将軍へはしっかりとお伝えします。
 決行までには綿密な打ち合わせも必要でしょうし、王城の外で連絡を取るほうが良いかもしれませんね」

小さく声を絞り、そう言葉を紡ぐ

「そして……いずれ、戦場で共に戦う時には…、
 父と母、そして貴殿の目にかなう騎士の姿を見せれればと思います」

そう言って、ふわりと笑った

テイア > 「しなやかさは、女性ならではのものだからね。
 男性にはない強さだよ。」

身体能力などはどう頑張っても男性を越えられないが、
女性が生まれながらに持っている強さがある。
頬をかく様子に、クスリと笑みを浮かべて。

「そうだな、王城ではなにかと目が煩いし、後日改めて将軍殿にもお願いしたいところだしね」

さて、将軍がうまく捕まればいいのだが…とあまり一所にじっとしている印象のない
第七師団長を思い。

「ああ、騎士としてのそなたの姿、必ず見せてもらおう」

新しい約束だ、とふわりと笑った相手に柔らかな笑みを返して握手をして。

サロメ > 「我ながら…戦場を望む、というのも些か、ではありますが。えぇ、必ず」

固く、強くその手を握り返す

心に去来するのはいつかの空
今よりも高い高い空に、見上げるような父と母、そして変わらぬ女騎士…
幼い自分の手をとるその騎士の掌は大きく、強く…安心に満ちていた

今、その手を対等の位置で握り合い、立っている

新たな約束を、その胸に刻んで

テイア > 小さく、儚く暖かな手のひらは、今は立派な騎士のもの。
雛は成長し羽ばたく翼を手に入れていた。
力強く、高く大空を羽ばたき飛び回る様は
きっと戦場で魅せてもらえるのだろう。
その時がとても楽しみだと、しっかりと手を握り合いながらお互いに笑みを交わして。

サロメ > 思わぬ再会に運命を感じながら、再び二人は互いの道へと

一度失望と怨恨に囚われかけた騎士は、仲間という強い絆に引きずり起こされ
そして今また、再会した力強き手に───

帝国の砦への出兵
その裏に陰謀や悪意があるとしても、彼女なら
彼女と自分達ならばと思えるくらいに、強さを取り戻した

"ご武運を"

最後に最上級の敬礼をし、彼女を見送る
その後の物語は、また繰糸の交わる刻に───

ご案内:「王都マグメール 王城2」からテイアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2」からサロメさんが去りました。