2016/03/13 のログ
■オーベ > (『あやつは辺境におって常は魔族と戦い、幾度も勝利を収めた自慢の甥ですぞ』サロンの中で、爺様はひどく愉しげに話を次々と盛っていく…そのうち、実は陛下のご落胤をお預かり養育して…だの、ヤルダバオート神のお告げを受けた…だの、不穏な冗談が聞こえ出した辺りでもう、頭を抱えたくなった―――そんな中で、彼女の姿…と言っても、普段とは少々異なるのだが、見知った人物を見つければ一瞬、安堵したが、こんな冗談に付き合ってる所を見られたら、絶対誂われてしまう…と彼女の気質を思えば思い直した。彼女に声を掛けられれば、掌で顔を覆い、ふるふる、と左右に首を横に振り)…何も言わないでくれ…馬鹿なことに付き合ってるのは判っている…今日も綺麗だよ、レティ…(わざとらしい笑顔。それを見てしまったならば、絶対楽しんでる…と内心思い重く息を吐いた)
■レティシア > (己が声をかけてみれば、何やら顔を掌で覆ってしまう相手に、女は扇子で口元を隠しながら、クスクスと可笑しそうに笑う。すっと噴水の縁より立ち上がり、テラスに佇む相手の方へと近寄ってゆく。相手の直ぐ傍までやってくると、常とは違う恰好の男を頭のてっぺんから、爪先まで、しげしげと見つめて) …あら、馬子にも衣裳とはこの事ね。(ひょいっと、相手の佇む向こう側の灯りの付いている室内を見やれば、男の同行者なのであろう貴族の翁が調子の良い話を口にしている。魔族の耳にはよく聞こえてくるホラ話に、女はそちらの方を指さしながら) …ねぇ、お前、今度はどこぞの姫を嫁に貰う事になってるわよ?(揶揄うような声をかけながら、もっと聞いてみようと思ってか、更にそちらの方へと身を乗り出して)
■オーベ > (愉しげな笑い声が聞こえてくれば、すく、と顔を上げる。文句というか言い訳というか…反論の1つもしようと思うのだけど、言葉が出てこない)お褒めの言葉、恐悦至極でございますよ、お嬢様…(いつしか傍まできた彼女に、精一杯、厭味ったらしくしていってみるがおそらくあまり効果はないと思う。「君もな」と、言い返したくもあったが、彼女は魔族の間でも貴族であって立ち居振る舞いが堂に入っているようだから、馬子にも衣装、というのは何だか違う)…好きなだけ言わせておくといいさ、どうせ、あとで「はて?何のことじゃったかな?」というのが成立するだけの地位はある、御方のようだから…(爺様の口調を真似してみるがこれがちっとも似ていない。更に身を乗り出す彼女に視線を向ければ、随分と楽しそうだ、と呆れたように零し、通りがかった飲み物を配る小姓に弱く酒精の入ったものを頼み、受け取れば一気にそのグラスを煽った。やぶれかぶれである)
■レティシア > (相手からの厭味も、女にしてみれば、痛くも痒くもないといった所か。ドレスの長い裾さばきも楚々として、見事な女は、相手が思うようにどこからどう見ても、貴族の令嬢そのままで。貴族の令嬢ならば、お目付け役もつけずに、こんな所で殿方と一緒にいるなど言語道断といった所なのだろうが、生憎、女も傍にいる相手も、そんな立場ではない。こちらに気が付いた室内の貴族や、給仕している小姓がこちらをチラチラと視線を向けてくるが、女は気にする様子はない。相手の翁の口真似を聞いて、更にクスクスと可笑しそうに笑う。小姓に己も男と同じ物を頼み、グラスを受け取った所で、相手の方が先に、一息にそれを煽る。女は瞳を瞬かせつつ) 幾ら弱い酒でも、そんな飲み方をしては酔いが回ってよ?……そもそも、ちゃんと断れば良かったのではなくって?(相変わらず、押しに弱い上に、お人好しだと、呆れたように口にした。しかし、男を押しているのは、大半がこの女なのだが、本人はそんな事はすっかりと棚に上げている)
■オーベ > …酔って眠ってしまえば夢だった…と言う事にはならないよなあ…(ありがとう、とグラスを小姓に返すと困ったような笑みを浮かべ彼女に視線を向ける。結い上げられた薄金色の髪も、空色の瞳も、普段と全く違うのだけど、整った己好みの眉を見るとホッ、と安心してしまうから不思議である)断るまもなく、馬車に載せられたよ…というか、こんな所に来るなんて彼を尋ねた時には聞いてはいなかった…(珍しくムスッ、と拗ねたように零すと鼻を鳴らす。何の地位もない一介の魔術師風情に蔵書を惜しげも無く読ませてくれるのだから怒るに怒れないが不満気である)レティは飽きれるけれど、性分というのは中々変えられないんだよ…(酒に弱い体質であったからほんのりと顔が赤い。それも、頬まで伸びた刺青を隠すための白粉で目立たない程度ではあるが。ふ、と冷たい風が吹けば、風が心地よいな…なんて、現実逃避にぽろりと零し、遠くを眺めて)
■レティシア > そんな調子の良い話がある訳ないじゃない。…それとも、お望みとあらば、忘却の魔法でもかけて差し上げてよ?(空いている方の右手を振りながら、冗談とも本気とも取れるような口調で言葉を返す。女の方は、手にしたグラスへ一口、口を付ける。先程、唄ったせいか、喉が渇いていたから、冷たい酒が喉を滑ってゆくのが心地よい。) 何だか、その調子では、今度は馬車に乗せられた先は、戦場でした…なんて事になっても知らなくってよ?(男の説明にも、女はどこか納得できないのか。顔を赤くした相手を、ねめつけながら、言葉を向ける。くぃっと残りの酒を煽ると、空いたグラスはテラスの手すりの上へと置いてしまう。何やら、現実逃避をしてしまっている相手の片手をぐぃっと掴むと、庭園の方へと歩きだそうとしながら) もうそろそろ、ご老人に付き合わなくても良いでしょう?…今度はあたしに付き合いなさいな?
■オーベ > 忘却の魔法って…まあ、レティなら使えるんだろけど…実はもう、何度か掛けて貰っていたりとか…しないよな?(恐ろしい事をさらり、という彼女に苦笑を浮かべながら冗談を口にし。グラスを傾ける彼女を見れば、悪戯っぽく笑みを浮かべ)当然、魔法はやめておく、今日のレティの姿を忘れるなんてとんでもない(戦場でした、と聞けばそれはゾッとするな、と肩を竦めて)…けれど、そんなに悪辣な人ではないよ、きっと。何の地位もない魔術師風情を館に招き入れてくれたし、本当は王国や貴族に言ってやりたい事もあるのだろうけど、立場があるから言えなくてきっとその憂さを晴らしたいのさ(恩があるから、ついつい爺様の肩を持ってしまう。それでも彼女に促されれば、ちら、と視線をサロンに向ける)…そうだな、ここまで付き合ったし、あとで言っておけばなんとでもなる…何よりご婦人の誘いを断るのは無礼というものだ(歩き出す彼女に手を引かれ後に付いて歩き出し)
■レティシア > ―――さぁ、どうかしら?(相手の冗談には、暫しの間を置いた後、曖昧な笑みを浮かべて、言葉を濁した。…しかし、直ぐに軽く吹き出すと、冗談だとばかりに笑いだす。悪戯っぽい笑みを向ける相手に、「ん?」と首を傾げてから) そぅ?…あぁ、あたしも今日のオーベの姿はよく覚えておかないとねぇ…(こんな悪戯をされても、貴族の翁の肩を持つ相手に、女は心の内で、再度、呆れたように吐息を零した。まぁ、それがこの男の良い所だとも思いつつ、その男の手を引きながら、庭園を歩き出す。植栽でまるで迷路のように区切られた庭を歩きつつ) オーベはお年寄りに可愛がられる質なのかしらねぇ……お前のお師匠さまも然り、あの翁も然り……(ポツポツと話しながら、歩いてゆくが、やはり未だ冬の庭園といった所か、花一つ、咲いてはおらず。女は、残念とばかりに溜息を一つ、零して)
■オーベ > (惚ける彼女に、恐ろしいね、全く…と態とらしく震えてみせる。なんのかんのと言いながらも彼女の事を信頼しているから、忘却の魔法、とやらは自分に使っていないのだと思う)…もう少し、照れたり喜んだりしてくれてもバチは当たらないぞ、レティ…(此方の言葉をさらり、と流されてしまえば悪戯に失敗した子供のように顔を顰める。タイミングよく彼女が嘆息するものだから、逆に呆れられるような事を言ったろうか?と心配になってしまった)…レティの言い様じゃ無いけれど、放っておけないんじゃないか?師匠はともかく、いきなり王家に列する貴族に訪ねて行くなんて、無謀だぞ………いや、今のナシ、自分で言って悲しくなった(手を引かれつつ自分の客観的に見た自分の行動に肩を落とす。気分を変えて、周囲を見れば確かに花はまだかたい蕾のようで)…でも、さすがは王城の庭園だな。手入れが行き届いている…緑がある所は落ち着くな(ため息を零す彼女に、そう悪くはない、と笑みを向けて)
■レティシア > …あら、だって、あたしには珍しくない恰好ですもの。お望みとあれば、いつでもこの衣装でいてあげてよ?(顔を顰めた相手へと、口元を扇子で隠しながら、にっこりと笑いかける。あの小屋で、この恰好というのも、中々のミスマッチで逆に面白いと、新しい悪戯を考えたとばかりに、クスクスと笑う。己の溜息に、心配げな様子の相手を察すれば、女は違うとばかりに、手にした扇子を振ってみせ) ……紹介状もなしに、いきなり訪ねて行ったの?…それは、無謀というか、怖い物知らずと言うか……(肩を落とす相手に慰めるつもりはないのか、女は尤もだと、男に同意するように頷いた。己の言葉、行動でで、相手が困ったり、嫌そうな表情をするのを見るのが好きだから、沈んでしまった相手の反し、女の方はご機嫌だった。あと一、二週間もすれば、花でいっぱいになるであろう庭園を足を止めずに歩きつつ) …そうね…ここに住む人間達は変わっても……ここの庭は変わらないわ…。…ん?お家が恋しくなってしまって?(笑みを向けてくる相手に首を傾げ)
■オーベ > …言われてみればそうだな。いやいや、君は何を着ていても綺麗だよ、レティ(爵位を持つ彼女であれば、確かにそうであろうと納得した様子で頷く。にこり、と笑う彼女にわざとらしい仕草で綺麗だ、なんて口にすれば愉しげで)…紹介状をもらえる宛てなんてあると思うか?古本商の伝手は頼ったけれど…初めて訪ねて行った時、構わんから入れろ、と豪気に笑う爺様の隣で嫌な顔をする家宰が印象的だった(実は自分が買うつもりであった古書を、お得意様であった爺の鶴の一声で横流しされ、それならばせめて写本をさせて貰えないか、と訪ねて行ったのが始まり、と言うような馴れ初めがあり、蔵書と旅の話の交換条件に至ったというよな話をぽつりぽつりしながら歩き)…流石に君が言うと、重みがある言葉だ………偶にはこういうのも良いな、と思っただけ。着飾って君の隣を歩くというのもさ?草や花は単純に好きだけどね…(後は動物も、と付け加えれば彼女の隣で愉しげでいて)
■レティシア > ……あら、”何も着ていなくても”の間違いではなくって?(業とらしい仕草で己を綺麗だと告げる相手へと、ニンマリと笑いながら、淑女らしからぬ言葉を返す女の方が一枚上手かもしれない。) …それは随分と変わった御仁と知り合いになったものね……類は友を呼ぶとは、よく言った物だわね。(相手と貴族の老人の馴れ初めを耳にして、感心したような声音で言葉を口にする。繋いだ手を揺らしながら、相手と並んで歩きつつ) …ん…魔族の女と隠者が、まさか城の庭を散歩してるなんて…誰も思わないでしょうねぇ…。(愉し気な相手に瞳を細め、釣られるように笑みも浮かぶ。ふと、冷たい風が吹き抜ければ、フルっと身体を震わせて、ゆるりと視線を周囲へと向けてから、相手へと顔を向けて) …オーベ、そろそろ戻りましょうか…お前はあのご老人と一緒に戻らなくてはいけなくて?…それとも今日は、あたしの屋敷にでも泊まってゆく?(もうこんな時間なら、山へと戻るのも遅いだろうとも付け加え)
■オーベ > …確かにその通りだが、それを言ったら絶対、君は辛辣な視線を俺に向けるだろ?(平然と何も着ていなくても、なんて口にする彼女が貴族たちに紛れて上手い事やっていけるのが不思議である。普段、一体どれほどの猫を被っているのだろうか、聞きたくもなったが恐ろしい気もし、口を噤んだ)世の中、得てして思いもよらぬ事ばかりさ…想像の斜め上なんて案外、そこら辺に転がってるものだよ(彼女が震えれば、寒ければもう少しくっついて、貴族の皆様に話題を提供してあげても良いんだが?と冗談交じりに伝えて)…いや、適当に伝言でも頼めばいいさ。ご婦人に食事に誘われた、とでも言っておけば爺様も面白がってくれるんではないかな?(君の転移魔法で…なんて野暮は言わず。遠慮無く彼女の屋敷にお世話になるよ、と告げれば、案内して頂けますか?なんて恭しく彼女に伝えて)
■レティシア > …そんな事なくってよ?あたしは淫魔よ?お前がそんな冗談の一つでも言えたら、感心するわ…(相手の言葉に首を左右に振り、何を今更とばかりに、己の本性を口にした。相手の冗談を耳にすれば、女はクスリと笑いながら、自分の方から相手の腕へと、己の腕を絡めて、更に身を寄せようとして) …思いもよらぬ事…想像の斜め上……例えば、人間の魔導士が、魔族の女を娶るとかかしらね?…そう、では一緒に戻りましょうか……あら、今は貴族の娘ですもの。ちゃんと、馬車を待たせていてよ?(相手の言葉に、えぇ、喜んでと、澄まして返すと、そのまま庭を抜けて、馬車が待つ表玄関へと向かうつもり。男の目の前へと現れた馬車は、馬こそは本物であっても、御者は人間なのか怪しい風貌で。馬車はそのまま二人を乗せれば、富裕層地区にある女の屋敷に向かって走り出し――)
■オーベ > …そっちだったか…レティが感心するような冗談を勉強しておく(彼女の言い分は最もなような気もするが、自分が仮にそう言ったとしても彼女は素直に感心しないような気もした。ううむ…と唸っていれば、暖かな体温を腕に感じ我に返り)…そういう事、流石に爺様も新妻は魔族です、と言えば驚くかもしれないな(いや、逆に面白い、とあの変わり者の貴族を煽るような結果になるやも知れぬが。何はともあれ、彼女に腕を引かれて、途中で小姓に確りと伝言を頼み馬車まで案内されれば御者に気配に、あぁ…と妙に納得顔)…お屋敷に仕えてる人達は、魔族ばかりなの?(馬車に乗り込めば、そんな事を聞いたりしつつ、馬車に揺られ彼女の屋敷に向かうのであった―――)
ご案内:「王都マグメール 王城庭園」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城庭園」からオーベさんが去りました。