2016/03/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城庭園」にレティシアさんが現れました。
レティシア > …退屈だわねぇ……(貴族達が顔を合わせ、会話やら何やらを愉しむサロンの片隅で、口元に畳んだ扇を当てながら、欠伸をかみ殺す女。かつてこの王国に宮廷魔術師として仕えた事のある女は、その時の王に屋敷を一つ賜った事がある。何の褒美だったかは既に忘却の彼方だが、意外と屋敷は人間界での棲家として重宝しており…その屋敷を存続させる為に、こうして時々、貴族の集まりへと顔を出している。勿論、宮廷魔術師としてではなく、彼女から何代目かの子孫としてである。しかし、どんなに時代を重ねても、貴族達の噂話は変わらないし、くだらない。今の専らの話題は、今、開かれている、とある将軍の査問委員会の事らしい。人間達の話題に興味のない女は、もう一度、欠伸をかみ殺すと、近くの窓を開け、テラスに出ると、そのまま庭園へと降りてゆく。春の乙女の訪れまで、あともう少しの庭園は、まだ花も咲いていない。しかし、よく手入れされた庭園は直ぐに花でいっぱいになるだろうと思いつつ、女は佇んでいて)
レティシア > (ゆるっと周囲を見回して、確かこっちと、長いドレスの裾を引きずりながら、庭園を歩いてゆく。ここに住む人間の顔は変わっても、この場所は変わらない。暫く、ブラブラと歩いてゆけば、丸い噴水のある広場へと出た。そちらへと近づいて、噴水の縁へと腰を下ろせば、指先を水面へと浸す。水面に映る細い月を悪戯に揺らしながら、唇を開けば、唄声を乗せる。柔らかな声音で紡ぐのは、春の訪れを心待ちにしている心情を唄う歌。しっとりとした歌声は、庭園内に微かに響いてゆく――)
ご案内:「王都マグメール 王城庭園」にオーベさんが現れました。
オーベ > (案内人の声がサロンに響く。珍しくサロンに顔出ししたらしい隣に立つ恰幅の良い好々爺は、王族の末席に名を連ね貴族としての責任を果たしながらも、末席故に継承権問題やら王族が抱えるありとあらゆる問題を傍観できる立場にいるのを良い事に、仕事の傍らあれやこれやと遊びに遊ぶ遊び人の側面が強い御仁である。さて、どうしてまたその隣に全く無関係な自分が立っているかといえば、有り余る財力を誇る遊びの達人のこのお貴族様の蔵書を、閲覧したいと申し出た際に知己を得て、自分は蔵書を閲覧させてもらう代わりに、彼に方方、旅してきた様子や自分の生い立ちなどを話すこととなり、そうして付き合ううちに何やら妙に気に入られてしまった、という事である。偶然、今日も蔵書を閲覧させてもらおうと、彼の屋敷を尋ねれば、突然、カツカツ、と豪快に笑い出し、「良い所に来た!まこと良い所へ!」と、屋敷の中に引っ張りこまれ、メイドや何やらに彼が的確に指示を出し、得体の知れない男がなんとか貴族らしい見た目に変貌させられ、「貴族でも何でもないお主をわしの親族っちゅうことにしてサロンに顔を出せば、奴らめどんな顔をするか見ものだのう」と、豪快に笑うのであった………このお貴族様、遊び人にして悪戯好きでもあったようだ)…オーベと申します…(群がる貴族たちに自分を遠い親族だ、と紹介する爺様を横目にしつつ、それらしく挨拶をする。はて、どちらさまであったか?と訝しげな貴族たちから、あれや、これや、と質問をブツケられ辻褄を合わせて返していくうちに頭がどうにかなりそうであったから、すみません、すみません、と人の波を掻き分ければ、どうにかこうにかテラスまで逃げてきて、はあ、と襟元を緩めれば、歌を口ずさむ彼女を見つけ、ぎょっ、としてしまった)
レティシア > (軽く身を噴水の方へと屈めたまま、水面から指先を引き、そのまま振って、水気を飛ばす。相変わらず唄を口ずさみつつ、身を起こした所で、テラスへと出てきた人影が見えた。己と同じように、外の空気でも吸いにきたのであろうと思ったのも束の間、どうやらその人物に見覚えがある) …………は?(唐突に唄が止まり、女にしては珍しく呆気に取られたように、口をぽかんと開けている。一瞬、人違いの見間違いかとも思うけども、いつもの服装とは違えども、どうやっても己の良く知る人物にしか見えない。女は訝し気に首を傾げながら) …ごきげんよう、ミスター。……珍しい所でお逢いするわね?(業とらしいまでに、にっこりと笑いながら、相手へと声をかけてみて)