2015/11/16 のログ
アノー > 「非番なのに野暮用が城か? 仕事人間の割には――見えないな?」

突き出す手に煙草が渡る寸前、煙草の箱を落とす。
ふ、とそこに貴方が視線で追うか男から視線を外さないかで次の一手に対して貴方が動けることは違うだろう。
アノーは煙草を差し出した手で相手の手を取り、組み敷こうという腹積もりだった。

「非番で知人を待ってるにしては、遅すぎる時間だと思うがな? それに話を聞こうと言う風に最初ついておきながら、たまたま偶然待ち合わせの場所についたってのもな?」

まして非常召集が掛かっているのだ。
疑わしくないと思えというほうがおかしい。
それに、今は非常事態宣言にも近い状態。ナナシからの情報では南部で謀反の可能性があるとなれば、スパイが紛れ込んでいる可能性も否定できない。

ツバキ > さて、相手に塩を送るのはこれくらいにしておこうか。
伸ばす手が向かう先にある箱が、相手の手から離れ落ちていくのが見えた。

「そりゃそうだ、非番なのに仕事場である王城に出てくるような性格はしてないしな?」

そう、これがこの男性の本当の性格。
結構な重量であるはずの鎧を着込んでいるはずなのに、その手を取ろうとした男性の手が届く前に身軽くとんっと背後へ飛び退る。

「やっぱりそうだよねぇ…うん、私がそんな風にされてもやっぱりちょっと疑っちゃうと思う。
…まぁ、あえてそうしたんだけど」

続く言葉は男性である外見とは裏腹に、少女のものであった。
同時に、ゆっくりとその姿が歪み始め…忍衣装を纏う少女の姿へと変わっていった。
その表情には楽しそうな笑顔が浮かんでいる。

アノー > 鎧と言うのはそれなりの重量があるもので、一度転ばされると立ち上がるのが困難な一面がある。まして関節などを決めれば鎧の重さと硬さもあいまって拘束具になりかねない。だが――相手の身軽さに男は剣を――抜かなかった。

「――っ」

背後へと飛んだのと同時に一歩前に突き進み、煙草を吹いた。
くるくると紫煙と火を纏わせたそれは貴方の顔目掛けて飛んでいく――が、変身前の背丈とがくりと変わったことでそれも頭上を通り過ぎていくだろう。

「なるほど、そうか。いい術式だ」

そう言ってさらに一歩前へ!
男は剣を脱がす素手での近接格闘に持ち込もうとするだろう。

「間諜か。それともただの悪戯か。どちらにせよ――尋問はさせてもらう」

男が得意とするのは近接格闘術!
超近接による相手の無力化である。

ツバキ > 「狙いは良かったよ?うん、私じゃなかったらだけどね」

頭の上を抜けていった煙草は気にしない、こちらへと踏み込んできた男性を少女の視線は真っ直ぐに見詰めている。
近接、腰の武器ではなくて…素手のようだ。

「そうだね、真面目にやってればそうそうばれないもの。
尋問?怖いね、一体何をされちゃうんだろう…期待に胸膨らんじゃう。
状況が状況ならされてもよさそうだけど、今されるつもりはないよ?」

そんな言葉は向けているものの、構え一つ取らない少女。
目の鼻の先にまで接近を許し、その手が体を掴むその瞬間まで何もしないだろう。

アノー > 「そうか、まったくもってお前たちのような魔法だ術だっていう輩は統一性がない」

男の手はまっすぐに少女へと伸び関節を決めようと――したところで男の第六感が警戒信号を発した。
相手に簡単に化ける術式を持つ少女。その少女が何も構えすらとらない。それは即ち――触れろということか。

「ちっ」

だん、と一気に床を蹴りぬき自分の手が触れる前に後方へと下がろうか。

「罠か。まったく、俺もいい加減術式だなんだと身に着けたほうが良いようだな」

苦笑いと共に男はそう言うと、指先を口元にやり指笛を吹こうとするだろう。
つまり、「侵入者有り」を知らせる指笛だ。剣を使っての仕切りなおしも可能だろうが、情報が少ない相手とまともにやりあう必要は無いだろう。

「時勢が時勢だ。悪いが、年端もいかぬ子供でも間諜として手配されることは覚悟しておけ」

もっとも、その少女の姿さえ偽者かもしれないが。

ツバキ > 「そうだね、そういったものが使えない人達にとってはそんなものかも?」

自分の体を掴み、捕らえるなり何なりするのだろう。
そう考えていたが、なかなかどうして勘が鋭い。
後ろへと退いた男性に、少女は変わらず突っ立ったままで笑顔を浮かべていた。

「残念、今日はこっちを試そうと思ってたのに…
それと、あんまり人を呼ばれると今は困るから…ごめんね、それは止めさせて貰う事にするよ」

とんとんっと自分を掴む事が出来る場所、その地面を軽く蹴る。
ぼんっ、と音を立て札のようなものが消えていった。
どうやらこれが罠の正体だったらしい。
そして口笛を吹こうとするのが見えれば何となくそれを察し、ぱんっと両手を合わせると印を組む。
が、一見すると何も変化が無い。
だがそれは口笛を吹くと理解が出来た、周りに音を出さない何かが張られたか、2人の周りに反響した口笛の音が鳴り響く。

「そっかそっか、手配されちゃうか。
この姿を借りてる子が居たら、とっても可哀想ね?
………くすくすっ、安心してよ。私は本物だから」

手配する事によって、関係ない少女が捕らえられる…そんな不安を沸かせるような言葉。
だが、その直後に笑いながらそれはない事を付け加えておいた。
その様子から、そんな危険性さえも楽しむように遊んでいるのが目に見えて分かるだろう。

ご案内:「王都マグメール 王城内」にオルヴァ・フォンロークさんが現れました。
アノー > 「・・・・・・・・・・・」

なんだよ無音結界って。ほしいわそれ。
溜息を吐きつつ男は煙草を咥えて点ける。

「悪いが個人の可愛そうや迷惑で考えられるほど、今の状況は安くない。コトは国防に関わる」

つまり、間諜の情報によって戦況が変わることを意味する。
どれだけの情報を得ていたのかは謎だが、こちらに接触を図ったことを考えるとたいした情報は入っていないと見える。
仮に将軍などのクラスの情報を得ているならば、長居は必要がないはずだからだ。
よって、指名手配となることは避けられないだろう。もっとも、釈明していくなり罰金なり罰なりを受けて南部のスパイでないことを示すしかないわけだが、行き着く先は奴隷などだろうからそれこそ無残なものだろう。

「名を聞いておこうか?」

といって名乗る奴もいないだろうが。

オルヴァ・フォンローク > 「おやおや、不審者を追いかけてみれば。コレは。
どちらに味方するべきか……」

正規騎士だ、普通ではない騎士がゆったりと現れる。
殺気まんまんなのに穏やかで微笑みさえ浮かべている。
抜き身の長剣をぶらりとさげ、ゆっくりと一歩一歩、歩いてくる。

ツバキ > 「今の状況はそうらしいね?
まったく困っちゃうよ、せっかく現状報告を送らせたばっかりだってのにさ?」

相手の胸の内は知る由も無し、煙草を再び加えようとすれば、それは邪魔する事もなくて。
今の状況、の言葉になにやら嫌な事でも思い出したのか頬を膨らませ怒っているような表情、愚痴をこぼす。
今回の件に関してはそこまで情報はないだろう。
だが、今のこの国の情報を結構知ってしまっているのは分からないかもしれない。
それが問題となるかも分かるものではないが。
そして…男性を手にかけようとする雰囲気もないところから、手配に関してもそこまで関心がなさそうに見える。

「私はツバキよ?…名乗らせて、名乗らない事はないよね?」

男性の予想に反し、あっさりと答えた少女。
ここまでしてもまだその余裕は消える事のない笑顔で。

と、その場に現れた別の男性。
直接見た事もない相手だが…気配が誰かに似ている。
そう、タナール砦であった…そうだ、確かさっき話しに出ていた家系の者、だった気がする。
そんな事を考えているも、その相手から発せられる殺気にふう、と溜息をついた。
なんか面倒そうな人が来たな、そんな感じの仕草だ。
なぜなら…お偉いさんのところに行って貰った気配が消えてる。
この男性があっちを見破ったんだろう事が分かっていたから。

アノー > 「騎士だってのはフォーマルに身を包んで社交界で踊り狂って女性に優しくするのが仕事じゃなかったのか?」

語調が荒々しいのは己が磨き上げた技術が魔術や術式といった術に無効化されてしまったことに対することだろう。
己の無力さと才能の有無による実力差。見かけは少女だが、なんでもござれといわんばかりの術式のレパートリーの多さには閉口するしかない。

「――やはり間諜か」

舌打ちを洩らしつつ煙草を形態灰皿に押し込んだ。
ともあれ、王国に対して――ましてや王国衛兵にたいしてここまでやったのだ。指名手配ぐらいは覚悟してもらおうか。
明日には名前と覚書と姿絵を使っての手配が行われるかもしれないが、実際問題今の国の窮地にどれだけの兵や傭兵が目を向けるかどうか。

「アノー・ニュクスだ」

それは、ナナシ部隊創設メンバーの一人の名前である。
懐からナイフ――裏路地で受け取った鞘なし――を取り出すと、それを騎士殿のほうへと放ろうか。
身分証明代わりになると言っていたしな。

「ツバキ、いい技術だ。だが、お遊びが過ぎるな」

オルヴァ・フォンローク > 「貴方がたは、王城でなにをしているんですかね?。
ああ、いや、そんな事はどうでも良いか。
私は騎士で貴方がたは不審者でしょう、ならば一つしかない」

騎士がここに独りで現れるという意味は限られるだろう。
注目を集め、認識外をつき確実に仕留める。これはフォンローク家の常套手段だ。
アノーの投げたナイフ掴みとり確認する。
女性にばれぬ様にアノーにアイサインの様なものを送る

「ふむ、なんとも言えませんね。身の証には成り得ません。
お嬢さん、こちらへ来なさい。悪いようにはならないでしょう」

彼は男も女も王も奴隷も等価だ。言葉も権力も財力も意味は無い。
笑顔の騎士がにこやかにツバキを誘う。

ツバキ > なるほど、覚えのある名前。
確かさっきのナナシとかいう部隊の関係者。
手配とか諸々、そんなものは実際に怖くも何ともない。
とはいえ、今の状況を考えるとそろそろ遊ぶのはやめた方が良い気がしてきた。

「ま、間諜って言えば確かにそうかな?
でも、正直言って現状がころころ変わっちゃうのは私としては困るの。
だから、そうね…今は南方からちょっかいかけられているんでしょ?
それが終わるまでは、そういうのは無しとか出来ない?
もしそれが出来るなら…今回の件、手伝っちゃうかもよ?」

浮かべていた笑顔が消え、困ったような表情へと変わる。
現にさっき言ったようにその変化のせいで、さっき送った報告がほぼ無駄になったからだ。
将来的に、それは収まり元に戻るとしても…それは今は分からないから。
大体、今手配したところで注目は南方の問題ばかりになるだろう。
それに交換条件を付け加え、選択をさせてみる。
どちらに重きを置くか…という。
もっとも、すでに少女には南方へ働きかける話があがっていたからどちらにせよ手伝う形にはなるかもしれないのだけど。

そして、騎士の男性。
明らかに殺気を撒き散らしながら、悪いようにならないと言う。
投げたナイフの意味が分からない少女は2人の間に関する予想は出来ない。
なんか、身の証にもなってないじゃない、とか思っているのだと思われているだろう。
だけど…

男性がその殺気に関して何の反応も示してない。
それはつまり…そういう事なのだと予想が出来てしまう。

「うん、きっと悪くはならないんだろうね?
捕まって、あれやこれやされちゃって、快楽の中に堕とされちゃうから?
今はそれも困っちゃうの、ね?」

にっこりと笑顔に戻すと、再び地面を蹴って距離をあける。
さすがに結構長く居たかもしれない、とりあえず、答えを聞いて…どう逃げようかと数ある選択肢から選び始めていた。

アノー > 「衛兵捕まえて不審者か。職務を全うしているだけだが?」

やれやれ、という風に手を上げて男は嘯いた。
剣は床に置き、無抵抗無装備を示す。

「言っただろう。お前がどこの所属か。どこの者であるかを明確にし確認を取らない以上――南方のスパイである可能性がある以上、お前を見過ごすことはできない」

そして現状、逃げてしまえば「南方の間諜の疑い有り」で手配される可能性はでかい。宣戦布告の前に間諜を紛れ込ませるのは常套手段だ。
故に――問題はでかいのだ。まして南方で王国への謀反、ないし転覆を狙うのであれば地力がある諸侯となれば数が絞られる。
その予想は出来ているが、確証は未だに結界のせいで報告はない。

オルヴァ・フォンローク > 「まさか、私こう見えても清廉潔白な騎士ですよ?
快楽だなんてとんでもない、許嫁もいる身でそんなこと。だいたい童貞ですしね」

そんなことを言って少女を宥め、私と彼と距離が離れるのは良い誤算ですと思う。
――次の瞬間、地を舐めるような歩法でアノーに迫る。
間合いに入れば殺す気で剣を横に振る
受ければ、腕ごと切断されるだろう、ぞっとするほど凄烈な弧を描く。
その刹那、凶刃を振るった相手に親しげに微笑んだ。
敵を撫で斬りにする事と知り合いに声を掛ける事は、彼の中では矛盾しない。

「――っ。」

少女は半ば無視した形になる。
まあ、良い、まずは私が成す事はこの男を一振りだけで殺すことだと考える。
そうせねばならない理由もある。

――パアンと夕日とは逆方向に眩い光が上がる。照明魔法だろう。
と光と音で注目させれば少女を捕らえんと展開していた兵士らが四方八方から
矢を射掛け、同時に錘つきの投げ網をなげる。
タナールでの情報が伝わっているのか対策してある。

ツバキ > あぁ、そういえば面倒だからそういうの言ってなかったっけ?
どこの所属云々を言われ、初めてそんな事を思い出していた。
南方の間諜とか思われる可能性さえある事を少女はまったく考えてもいなかった。
それはさすがにまずいよね、うん。

「細かい事は言えないけど、南方の間諜じゃないよ。
王族にさ、ナルラって居るでしょ?その人に聞いてみて?
それだけは保障してくれるからね」

もっとも、完全に味方だなんて保障もしてくれないけどね。
そう心の中で呟いた。

次に騎士の男性を見る。
言っている事は…一部を除いて間違ってないようだ?
いやうん、でも童貞とかあんまり堂々と進言する必要性はなかった気がする。
男性へと斬りかかる様子に、あれ?本当に斬っちゃうの?
そんな風に考えるも…そう思っていたところ、いきなり辺りを包むような眩い光。
ちなみに、音はいまだに解いていない風の膜によって中へは聞こえていなかった。
が、それはあくまでも音だけを通さぬ膜、投げ網は簡単に通り抜けていき…

「惜しかった、うん、本当に惜しかったよ。
貴方が、サリファスに近い気配をしてなかったらうっかりかかっちゃったかもしれないね。
兄弟か何かだよね、貴方達?
だから、前に見せた事の対策を立てられてるって考えが浮かんだの」

ばさり、投げ網は何も捕らえる事が出来ずに地面に落ちた。
少女はと言うと…その眩い光に当てられた瞬間、その光と共にその姿が消え去っていた。

「南方で会えたら遊んじゃったお詫びくらいはしてあげる。
今日はここまで、それじゃあ…またね?」

少女の声だけが2人にだけ聞こえる。
言葉が終われば、周りを覆っていた風の膜も消えるだろう。

アノー > 脳内でイメージする。暗闇の中、彼我の距離を。
己がすることは単純明快。間諜を捕縛する。
故に――片目を瞑る。瞬間――

「なんのつも」

微笑みながら剣を振るう姿に身体が反応した。
むしろ自分の攻撃範囲内での攻撃は手に取るようにわかった。
つまり――膝を曲げればよけれる。そして、そのままの姿勢で力を溜め込み――忍びへと向けて床をけり突撃を行う。

「・・・・」

しかし、それも数歩の辺りで止まった。
その時点で忍はその場から消えうせていたからだ。

「・・・捕まえられる気がしないな」

溜息混じりに呟いて男は騎士に向き直るだろう。

「ナナシは南方の潜入工作に入る予定だ。予備人員は城に残す。問題はあるか?」

城塞都市、及び――島への単独潜入。島の目標は相手の物資獲得施設、場所の確認であることはこの手の任務について長い身だからわざわざ口にして説明はしなかった。

ご案内:「王都マグメール 王城内」からツバキさんが去りました。
オルヴァ・フォンローク > 「やれやれ、最近のお嬢さんは強かでいけない。
弟からクノイチやべー注意と言われていたというのに…
ナルラ殿下ね、知り合いですね確認をとってみましょうか。
――さて」

兵士達に手信号だし周辺の捜索、警備に当たらせる。
剣を仕舞い、見向きせず男の声に答える。

「・・・・あと一手という具合でしょうか。歳かな。
ファンローク伯爵はすでに遠征軍を出しフラ=ニスを奪還しているでしょう。
ですのでオリアーブ島の都ティルヒアと奥に決定戦力がないか、探ってください。ついでに南海の海図が欲しい。
……ティルヒア殿は軽挙な方ではないと思いますしね」

どうも魔族の臭いがする、杞憂だと良いが。
目を彼方に向ける。

「順当にいけば錬度や動員兵力から考えれば負けることは無いんですがね」

南方を睨む目は厳しい。

アノー > 「王族ならもっと詳しい話を知っていてもおかしくないだろ。王族が南方の内通者の可能性かもしれないぞ」

それはそれで暴論な気がするが。
とんとん、煙草を取り出し咥えてから溜息を吐いた。

「あの手のはどうやったって捕まえられんさ。城塞都市を一日で落とすのか。
・・・・ティルヒアか。南方の田舎だと聞いていたが、城塞都市を占領しても陸路と海路では補給物資も人員も遅いだろうに。長期を見ていたら勝てない戦争だと思うが」

ならば、別の目論見があるかもしれないが。
どちらにせよそれを探るのは此方の仕事か。

「島には確か炭鉱があっただろう。魔力がどうのっていう。そこが怪しい気もするが・・・どちらにせよ、現地には明日から出向こう」

そういって男は歩き出そうか。

「連絡は従来どおり使者を送る」

オルヴァ・フォンローク > 「内通なら、それはそれで旨味もありますよ。
頭数はともかく急増した軍備でティルヒアの城はともかく陸地続きの街なら一蹴しますよ。
フォンロークは騎兵速攻が得意でして」

笑って南方を眺める。炭鉱の話が出れば

「出るのは魔石に魔動機器らしいですよ、素晴らしい組み合わせじゃないですか……恐れもします。
オリアーブ島では楽出来そうにないな」

愚痴ぽくそう語ると、鞘ナシのナイフをアノーの手首を狙って拳で撃つとアノーとは逆方向へ去っていく。

アノー > 「問題は海戦だな」

そこがネックになるだろう。
案外、宣戦布告も形だけで結果としては和平条約による独立が狙いかもしれない。
全てが要求のみというわけではあるまい。値切るときは値段を吹っかけるのが商人だ。

「了解した。ナナシのアノーが請け負った」

ナイフを受け取ると男もまた逆方向へと向かって歩き出す。
近日中には城塞都市入りすることになるだろう。そこからは――戦場が待っている。

ご案内:「王都マグメール 王城内」からアノーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城内」からオルヴァ・フォンロークさんが去りました。