2022/02/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 王城内では 働く食堂の給仕係 料理人
騎士 兵士などがザワついている
食堂には、王城内では空位の王以外には 戦場での顔見知りか訓練場
戦 殺し合い 首級 そんなことしか頭にないかのような戦狂いたる メイラ
それが王城内の食堂で 所謂下位や騎士見習いが食するようなイモのシチューや黒パンとは違う
肉 肉 肉 肉 肉
中には卵や流し込みを助ける酒精とスープなどもありながら
只管に喰らい続けている
理由は 皆 知っていた
『あの人、先刻火傷や切り傷だらけで運び込まれたって話だったんじゃ……』
ボソボソとおかっぱヘアの二人がボソボソとしゃべる
周りも同じく 先ほど自立はできても担ぎ込まれたばかりだったのだ
火傷用のフライ・ポーションや髪に対する貴族用のヘア・ポーションの蛾眉油などを使用したのか
体はどこか薬草の香りが漂っている
頬には湿布 包帯が巻かれている箇所も見受けられるだろう
それでも、メイラ本人は気にしない
得た傷を ポーション そして肉 この二つでつなぎ合わせ
焼けた肌をより強く 切れた体をより強く それしか頭にない
一日は安静にしておいた方がいいと言っていた戦医の心得ももはや食堂に赴くまでの時間で
切り離されてしまっている。
「(ガフッ) (ぐしゅっ) (ごぎゅっ)」
メイラは焼かれた肉を切り分け、脂身を一切取り除いた凹凸鉄板で脂すら落とした赤身肉を
只管に食べ続けている 喉のひりつきも、ポーションでべったりと糊でもぬられたかのように
ずるりと肉が喉を通り過ぎていく。
髪はケアをしたせいか、珍しくカチューシャを利用したオールバックヘア
櫛まで通したのか 普段のやや癖のあるウェーブヘアではなく
艶のあるストレートに近い。
完全にヘアポーションオイルが乾くまでは、その普段見ない髪型のままだろう。
「(ごぎゅっ ごぶっ がぼっ) ふぅっ。」
ダンッ と大きめの盃を置くと、手元に水分がないことに気づくメイラ。
「マダム、黒エールと黒ワインを追加で用意なさいっ。」
まだ食べ呑むのですか、とメイラは体に求めるもの全て摂取し
肉体をつなげようとしているのが見てとれた 全員。
『あれがさっきズタボロだった人かよ……。』
確実に浮いている姿のメイラ
今は同輩も顔なじみもいないせいか、周りは怪力令嬢の有るがままを受け止めるしかない。
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」にコルボさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」にオリアナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」からオリアナさんが去りました。
■コルボ > 「ようお嬢、派手なイメチェンだな」
周囲の兵や給仕達が距離を取る中を縫うように姿を現し、手をひらひらさせながら現れたのは
軽率な印象を覚える男。
今日は普段のレザーアーマーやバンダナではなく、整った身なりに豪奢な刺繍を設えたコートを羽織っている。
怪力令嬢に近づく彼を止めようとした給仕に、銀の装飾品……、
ダンタリオの家紋が入ったそれを見せれば道を開け、
悠々と対面に腰かける。
「なんかウェルダンになったって聞いたけど、前より髪艶いいじゃねえかよ。」
肉を食えばここまで回復するものかと思いながら、困惑する給仕に”同じだけ肉持ってきてくんないか?”と声をかけて。
端から見ればあの怪力令嬢に、王の懐刀、狂人のそれに飄々とした振舞いで接する男もまた狂気の沙汰で。
だが、ここから先はメイラが注文をしなくても望む酒、料理が矢継ぎ早に出てくるだろう。
男が会話の端々で察してオーダーを挟むだろうから。
ややあって、令嬢に持ってくるのに備えて焼いていたのだろう、分厚いステーキが運ばれてくれば、
男は同じペースで、常人であれば食いきれないような量を食べ始めるだろう。
「とりあえず食後のデザートにはちときついが、これ持って帰るか?」
そういうとガラスの小瓶を二つ置いて貴女の方へスライドする。
ポーションの中でもぶつける、たたき割るなどして浴びるタイプのもの、
それも中々流通しない高濃度のそれ。
……それなりに心配して顔を出したらしい。
■メイラ・ダンタリオ > メイラ・ダンタリオへの呼称は割と多いほうだ
怪力令嬢
お嬢
メイラお嬢様
お嬢様
ダンタリオ
ダンタリオ家のお嬢さん など
その中でも一際使われ、耳慣れしているのが お嬢 だった。
王城という場所で 毒を盛る危険性すらあるにもかかわらず肉を食らうのは
野性の勘 口にし苦しみだした後で、なるたけを殺すために動き出そうとする意思 そんなデメリットを感じさせるせいか
つまり危険性をその物騒さの塊のせいで、勝手に危険を排除しているに等しかった
只管に、切り分けて喰らい、切り分けて喰らう
血も肉も足りている それでも ならば早く傷を塞ぐには 肉を生むほどに摂取する
どこかの焼き菓子の名前をした大男のような非常識も 魔と混ざり合っている身の上ならば
通用するかもしれない事柄になってしまうだろう
新しく黒エールと黒ワインが運ばれてくる中
一々贅沢な席についているわけではなく、ひたすらに口にするのみ
そこに、コルボが堂々と入室してきては身分違いにいぶかし気にするだろう給仕達
勿論止めにかかるのが普通である 況してやどこのだれかもわからないかもしれないならなおさらに。
そこに、メイラがコルボに差し出した 用向きの際の高貴な場に立ち入る際の証として持たせた
純水 不純物が一切含まれていない水に先端を尖らせた磁力鉱を浮かばせた
所謂忍び者が扱う方位磁石を少し携帯性を良くさせた代物を、給仕に見せるコルボは一瞬で下がらせた
ある程度の責任をメイラが負う印であり、コルボに一定の信頼をメイラが置いて与えた贈り物の証である
目の前にやってきて、腰を下ろしては堂々と肉を頼む姿に、給仕はメイラを見やるも
メイラは肉に続くのみ それを沈黙の了承と取り、同じ赤身肉
焼けたそれを差し出すだろうか
ハーブソルトや岩塩をまぶしたもの 玉葱のドロソースなど
いろいろと出てくる中でいるのは、料理人が口飽きさせない工夫である。
そうして、会話もなく食べていると、飲み込んだコルボが滑り渡すように二つ
一つが手元で止まり、もう一つがカチンと触れる程度で止まった。
中身はポーションである ハイ・ブレンドか ミストポーション 別の口を取り付ければ
全身に吹き付けて使用するタイプのものとメイラは、経験上からか理解した。
「……(もぐもぐ ごぎゅっ)
ふん、貴方に気遣われるとは、わたくしもまだまだ弱いですわね。 耳が早いです事。」
それを手元に置いておくままにするあたり、受け取る意思を指し示す。
■コルボ > 即死するような毒であれば盛ることもあるだろうが、相手があのダンタリオであれば、
ともすれば首が落ちてもしばらくは殺戮の限りを尽くしそうな風評さえある彼女に半端な手を使う者等果たしてどれだけいるのか。
事実、先ほどまで立てなかった、こうして男が表にこそ出さないにしても心配する程度には重傷を負っていた”はずだった”
「外じゃ今夜が峠かもって噂立ってたような奴が、今肉貪り食ってんのに弱いもなんもあるかよ。
鳩が城壁の外に飛ぶよか早く噂も塗り替わるだろうさ。
……つーか自分の強みは分からんだろうなお嬢には。まあ食え食え。
俺ぁお嬢がこうして元気にご飯食べてるところ見るだけで安心だよ。」
実際、ダンタリオの印を持っている男が身の上を確かめられそうになった、
……情報屋として王城にも顔が効く男に対しそのような身の上を証明することが必要なのは、
預かった印を自分の事情や都合の為に使わないことにある。
メイラに、ダンタリオに、お嬢と家が守る者が危ぶめば馳せ参じる為の橋頭保のようなもの。
同時に、印を与えるという責を負う行為、それを示した相手が道理と礼節に基づき振舞うことは、
狂人と言われる家に、人を見る確かな目があるという脅威を知らず対立する家々にも生むことにもなる。
「ま、耳が早いのはしょうがねえさ。カラスってなどこにでもいるからな。
それに見舞いを理由にこうやって貴族御用達の肉を食えるしな」
一度メイラが無言で承諾をするならばどんどん肉と酒を運ぶように促しながら
自分も遠慮なく肉を貪り。
■メイラ・ダンタリオ > 今夜が峠 とはまた大胆なスケールだと、メイラは肉を嚙みちぎり
ジト目でコルボを見つめるだろうか
しかし事実は変わらない 焼き焦げ 濡れネズミになり 鉄の飛沫を浴びたような姿は
死なずとも災害を受けたに等しいのだ。
「どうせ戦場の傷跡なんて古いものはいくつも残っておりますわ
これも、下手をすれば残っていたでしょうね。」
そして フン、と鼻笑いで峠の話を馬鹿々々しいというかのよう。
「今夜が峠とは 随分と周りの者らは わたくしに死んでほしいようですわ ね。
それにコルボ、貴方はいつからわたくしのお兄様にでもなったんですの?」
頬の湿布をフォークが指をさすように示す
髪は表面が焦げただけなのを、ポーションオイルで整えたのだと言った
コルボからすれば新鮮な、オールバックヘア
戦場での三つ編み一条をループテイルにしたものとは違うそれである
目の前で安心したように、食え食えと優し気な声色で言うそれに
メイラは態度こそ、好きなようになさいと平然と言うだろう
だが物言いは、メイラが懐きメイラにデレるとある叔父様と変わらないのだから
お兄様にでもなったつもりかと、戦場を共に経験している相手におかし気に。
互いに状況世間話程度の感覚で、メイラが肉を貪っている理由を話しあう。
ダンタリオは力としてみれば目上に見られようと毛嫌いされている貴族の一角だろう
綺麗事でもない 腐海でもない 狂気だけしか見えないのだから
平然と肉をお互いに食べながら、一度口元を拭うと黒エール
今の時期 良く冷えているから井戸も必要ないそれをぐぅぅー、と一息で呷る
海沿いでのエール需要は高い 航海に置いて 腐らない水 と呼ばれるほどだ
故に黒エールを水代わりに、黒ワインは血を流し込むかのよう。
そして、時折火傷の具合を確かめるように、新しい黒い一張羅に白ネクタイ姿
グッ、グッと腕を曲げ伸ばししては、ミヂ、ミヂリッと拳で力みませ、力こぶを作りつつ
まだ肉が足りないと見て取れる様子。
■コルボ > 「何も知らない奴からすれば千載一遇のチャンスなんだろうさ。
そりゃ声高にもなって山だ峠だと言いたくもなるんじゃないか?
お嬢の”愛馬”見たことないんだろうよ。」
強靱な爪、軍馬よりも引き絞られた体躯の二足蜥蜴を思い出しながらあれなら峠など通り越してしまうだろうと。
「古傷なんざお互いベッドの上で女に自慢する為のもんだろ?
立って戦場にまで歩けんなら気にするこたねえさ。
俺みたいなひょろっちいのがお兄様なんざ笑いのタネになるぜ?
冗談でも言うもんじゃねえや。」
そうは言いつつ、兵士や給仕達の目の前で男は調子が衰えることなく、
体の調子を取り戻す為に肉を喰らうメイラと同程度の量を喰らっていく。
それ等は全て彼の肉となる。
見た目はなまっちょろくも、しかし必要な筋肉を鍛えこんだそれ。
抜き身の刃と向かい合う引き絞られた嚆矢。
それはそれとして『フォークで人指すの行儀悪いよ?』と悪ノリでお兄様ムーブ。
実際、狂人を相手に平然、というより平凡に接する男は血の繋がってない兄と言われても
疑うより勘ぐる者もいるかもしれない。
「握力はぼちぼちだけど腕は全然ぽいな。
ん-、肉食い尽くしたら腹ごなしでも紹介しようと思ったが、今日は女侍らして休養したほうがいいんじゃないか?」
酒を血に、肉を臓腑から全身に巡らせ瞬く間に、常人であれば数か月は要する回復を目の当たりにしながら、
それでも共闘した際に感じ取った”圧”からすればまだ及ぶべくもない程度。
というか目で”あ、今なら頑張れば勝てる”という視線を送って煽ってる。
否
今ならお嬢の隙を窺ってメイドか奥さん寝取れるって考えてる。
■メイラ・ダンタリオ > 山だ峠だという話になると、コルボはカラカラと例えをだしながら
メイラの乗る愛馬 首無し馬 二足大蜥蜴 ドワーフ産の猪など
普通の馬ではない愛馬達で暴れる姿を見れば そんな言葉は些末に終わると。
メイラもその言葉に、やや獰猛な笑みを浮かべて同意する
面白い例えだと。
そのまま、斬られた肉 焼けた肉 全て埋め尽くすようにしていくと
握りこぶしを作り、腕を曲げ伸ばしする姿に 鎧姿や私服 どちらも見たことがあるコルボは
以前ほどの圧は感じないなと素直に述べて見せる 鬼の腕のように膨らむわけではない
筋肉が化け物などではない
女のシルエットなのに、見た目に反した密度と下地が違うのだ
魔と混ざり合ったそれゆえに、人以上であってもそれは怪力令嬢ではない。
遊ぶよりも、今夜は休むべきだろうなと言ってくるコルボに
メイラは否定もしなければ強がりもしない それでも、殺れるかと言われれば 殺れると答えるだろう。
「痺れがまだ抜けきっていませんわね。
肉がうまく働いていませんわ。」
そう言って、掌を見つめると 切り分けるのも面倒でしょう、とサイコロカットされたステーキを差し出してくる
もしくは縦にいくつか切り分けられた状態。
それをフォークで突き刺し、グシャッモシャッとギザ歯が噛み砕いていきながら飲み込んでいると
「―――……。」
ソースを擦り付け、口に運んでから咀嚼中 不意にコルボと目が合うメイラ
赤い瞳と交差する互いの中で、今ならあるいはという企みの瞳を向けると ごくんっと喉を鳴らし
一度黒エールで口の中を洗う。
「ふぅ コルボ 貴方 わたくしの嫁がわたくしの嫁をつまみぐいしてもいいかと言っていた目と同じ色ですわよ。」
奪う浚うではなく メイラの物をいただいてもいいかという気質を含んでいると
野性の勘か そう告げて見せた 事実である
嫁と嫁のシェアなどは、メイラの中であることだったせいか経験から述べるのなら。
「コルボ 貴方、サキュバスなどのエキステクニクックを用いた
トランス・ポーションはご存じ?」
所謂TS薬である
「……。」
大ぶりのサイコロカットされた、焼き目された肉を口に運ぶと
もぐもぐと動かすままに今度は、メイラがコルボを見つめるのだ
トランス・ポーションを使ってしまおうか と。
誰にとは言わないけれど そう 誰にとは
そういう視線を送った。
メイラの懐は深く 寛大だ。いろいろな意味で。
■コルボ > 結局は人のうわさなど、目論見など泡と消える。否、それ等を蹴散らす。
故に狂人、故にその狂気一つで王の刃となりえた一族。
文字通り笑うしかないのだ。
鬼の如く膨張するでなくとも、人の身に宿る先祖が交わった魔の性質、
それが潜む腕から伝わる圧を読み取って。
それに、腹ごなしの獲物は今日殺すか明日殺すかの違いでしかないのだ。
一日ぐらいお嬢を休ませてもいいだろう。
「人におすそ分けするよりしっかり食えよ。
ていうかさ、そういうところは狂人どころか誰より正気だね!?」
アイコンタクトが伝わるどころかはっきり言語化された。
なんというか吼えて猛って狂ってるけどたまにこう、この一族は”精密に暴力を振るって蹂躙してる”節があるなあと思う事さえある。
それが意図してか本能かは分からないが。
故にこそ伝わるこの理不尽さ。
「だってさー、アームストロングのところとか俺も狙ってたのにさー、お嬢先に食っちまうんだもんなー。
……なんでそんなの持ち歩いてんの。」
この話の流れは今持ってるのでは? さっきまで大けがしてた人が?
何故に? why?
「いやそもそもだよお嬢、仮にそれを誰に使うかは分からない。分からない?
使う相手、今思い浮かべてる相手、ヤれんの?」
頼むからヤれないと言え。あ、違う目がマジだ。懐が深いなー。
「はいすいません。さっきのなし。ノーカン、ノーカン。
ハイこの話終わり。終了。エンドマーク打ちました。
はいお嬢お肉食べる? お兄様があーんしようか?」
あの怪力令嬢相手に粉をかけてはかけ返され、挙句にこの振舞いである。
周囲の兵士や騎士からすれば竜の逆鱗に往復ビンタ喰らわせてる誰より狂人な振舞いだろうか。
■メイラ・ダンタリオ > 肉を食べ、スープを飲む途中、コルボはメイラの交流関係に対し
メイラがそう仕向けたわけではなく 殺し合いやなんやらで発展したあのお転婆娘との出来事を
コルボもそのチンピラ具合から気になっていたのか、こうして正直に明かしてくるだろうか
コルボはメイラに対する一定の評価と共に 欺く ということをほぼしない
それが軽口やこう言ったやりとりですらも、大したことはないかのように
小話でもあった
貴族の愛人をほかの男と遊ばせるのは寛大に許し
しかしどこかへと連れ去ろうとするのならば容赦はしないと
その容赦のなさを、こういった遊び言葉にするあたり
メイラはコルボの軽口を大きく許しているのだろう
嗚呼 嗚呼 でもそれが メイラの興味という引き金を引く行為に至ってしまったなら
何処で誰が どう止めれるというのだろうか
コルボが慌て出す 冷や汗の臭いをクンと感じる
目の前のサイコロ皿を片付け終わると、口元を拭ってペースも落ちてきたところで、給仕が二人にタルト皿で焼き上げたもの
それをコトリコトリと置いた
『麦とソースを浸してから焼き上げたキッシュでございます』
肉で繋げるものの、体へのエネルギーも必要でしょうとコックからの
炭水化物の差し入れである。
卵や多緑草 乾燥赤実などをキッシュ生地を張り付けて焼き上げた
タルトタイプとは違い、タルト皿で焼き上げたそれはグラタンやドリア擬きに近いだろうか
スプーンですくって食べるとなるほど、消化に好いようにされていると、メイラも頷いてから
「お礼を言っておいてくださる?」
炭水化物もまた、肉の供
気に入ったようにカチャカチャと進めながら 心を別の意味で震わせているコルボを見て
「おいしいですわよ コルボ“お姉さま”」
お兄様が食べさせてあげようかと言われて
メイラは内心で引き金を引かされていた
お姉さま相手というものは経験がなかったなと
年齢などは関係ない そういう形も、面白いだろうと
何せ、自身の身の上 立場が上なことが多いのだ。
そしてそんな風にからかって呼ぶと コルボはゴクリと喉を鳴らすかもしれない。
■コルボ > 欺くことなどしようはずもない。
メイラはコルボが以前言ったように友人だった。
食指が動かない分男友達との感覚にも近い。
それは同時にメイラが弱いどころか並大抵の者では太刀打ちできない存在、
自分と関わっても弱みにならない存在だからこそでもある。
故に歯に布着せることなく関わり合えるのだ。
だからこそ、だからこそ。怒ってないのに何故矛先がここまで向かうのか。
本人に自覚がない、普段は計算して立ち回る男が打算なき行動故の不覚とも分からず。
キッシュを出されたことには片手をヒラヒラさせながらも
「落ち着け。冷静になれお嬢。お嬢の悪戯好きの猫みてぇなツラ拝むなんざ思ってもねえっての、てか何に興味をそそられてるの、今俺を見てるようで見てないよね?
なんか輪郭ダブらせてない?」
烏の濡れ羽色の美女でも組み伏せてる光景を見てるのは想像に難くなく、
なんとかお嬢をなだめにかかりながら、他愛もないやりとりは続いていく―
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 併用施設 練兵食堂」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 ホール」にイスラさんが現れました。
■イスラ > 今夜行われている宴は、まぁ決して大規模な物ではなかった。
恐らくは既にある程度繋がりの有る貴族同士が、集まって何事か相談する為。といった理由で開かれたのだろう。
そんな所に、小娘…というには少し語弊が有るものの、ともあれそういった若輩者が参加しているのは。
顔の広いらしい父親によって、引っ張って来られたからである。
お手つきによる落胤ではあれ、子は子であり、ずっと隠し通す事は出来無いのだから。
そしてこういった場ではいつも、女である事を命じられる。
動き辛いドレスに身を包み、楚々とした振る舞いで令嬢らしさをアピールし。
…かの父親にとって恥じる事のない、れっきとした貴族の子である事を。
周囲に知らしめなければならないのだ。
「 ――――わかってるけど。正直……しんどい、よね」
誰かに聞かれる事はない筈だ。そのタイミングでぽつりと零す。
軍議めいた真面目な話が終わり、大人達が世間話に興じ始め…この後はどうなるのか。
手の中でグラスを揺らす。
先程、若い貴族に手渡されたものだ。
もしかしたら、若い娘狙いで。一服盛られているかもしれない…そんな盃。
いっそその方が面白いのに、などと考えてしまいつつ………。
ご案内:「王都マグメール 王城 ホール」にトワさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城 ホール」からトワさんが去りました。
■イスラ > 「 ――――…いや」
暫し考えたものの、首を振って。結局口を着ける事なくグラスは置いた。
今この場で乱れたら。盛ったら。…男でもない女でもない性根を明かしたら。
きっと父の面子を潰す事は出来るだろうが。その後がどうにもならなくなってしまうから。
そんな形で恨みを晴らすのは、自身にとっても本意ではないから。
やがて宴の幕が退き始める頃。父に従う侭粛々と、広間を後にするのだろう。
今夜の所は…今の処は、未だ。
然るべき時ではないのだと自らに言い聞かせながら。
ご案内:「王都マグメール 王城 ホール」からイスラさんが去りました。