2021/05/18 のログ
■サロメ >
久しく王都に戻り、王城に訪れたと思えば
厭な視線をやれやれと、意に介すことこそないがやや辟易はするものだ
「──お疲れ様で御座いました」
表情に浮かべることはせず、騎士らしく敬礼を以って、貴族達が通り過ぎていくのを待って…
一つ、浅く呼吸を整えてから部屋のドアを、小さく叩く
「サロメフェロディア王国軍第七師団長、参りました」
凛々しさを感じさせる声
はっきりと部屋の中の人物に伝わるよう声を張り、許しが出ればドアを開け、中へと入るだろう
部屋の中、その主には深く一礼、胸元に手をあてての騎士の礼を掲げつつ、頭を上げて
「本日はどういったご用件でしょうか。ユルゲン卿」
■ヨアヒム > 「おお!将軍、入られよ」
中年男の朗らかな声が上がった直後、メイドが客室の扉を開ける。2つの椅子が置かれる丸テーブルの前にいた王族の男は、微笑みと共に小股で女将軍へ歩み寄った。
「タナール砦での活躍は聞き及んでおる。凍てつく竜の背に乗って、魔族の大群を悉く氷の牢獄にて討ち滅ぼしたとか。アスピダ攻めの方も、そのような吉報があれば良いのだがなあ」
聞こえよがしに溜息をついた中年男が、テーブルに置いてあった呼び鈴を振る。涼し気な音が鳴り響く中、手振りで着席を促した。
「用件は2つあってな。1つは、陛下が将軍の活躍にことのほかお喜びであり、勲章に値すると仰せられた。ついては戦功の数々をまとめねばならぬ……ああ」
もう一度扉が開くと、男は顔を上げた。2人目のメイドが、2人分のティーセットを乗せた銀盆を持って部屋に入ってくる。彼女は王族の男に黙礼し、茶の用意を始めた。
■サロメ >
「タナールの功績は現地に駐屯する他の師団や傭兵達の力添えもあってのもの。
謙るつもりはありませんが…私一人のものではありません」
しかし褒めの言葉を撤回させるのは無礼にあたる
今この場は、それをありがたく受け取ることに
人柄の良さそうな笑みを浮かべる卿に対して、薄く笑って再び一礼する
「…アスピダを憂う卿のお気持ちも理解りますが、王国軍としても複雑な事情が絡んでおります。
そちらの戦線への影響を抑えるためにも、タナール方面はより剣と盾を強固なものとするため取り組みますので、どうか今しばらくのご辛抱を…」
いくらか言葉を交わすと、招致された理由は勲功授与に関するものらしい
自分だけの功績ではないと言ったものの、そういったものを辞退することは全体の士気にも関わる
それは受け取らねばならないか…などと
1つ目の理由を聞いて内心思案していると、緩やかに茶の席の用意が為されてゆく
■ヨアヒム > 「叛徒の……血の旅団の討伐はまるで戦果が挙がらぬでなあ。つい先ほども、シュトラウス将軍の圧倒的な武威なれば、タナール砦は寡兵でも守り切れる筈、などと言い出して……いやはや」
形こそ賞賛だが、要するに内憂にかこつけ第七師団の足を引っ張ろうということ。中年男が苦笑いをしている合間にも、2つのティーカップが湯気と香りを立ち昇らせていく。
「勲章授与に関してだが、特にこれと思った配下がおれば、玉座の間に呼んでも構わぬ。意中の男は……あいや、女かもしれぬが、そう言った部下をお持ちかな?」
そう言って、椅子の背もたれに太った身体を預けた中年の王族はティーカップを手に取り、口をつけた。上目遣いでメイド2人を見て、彼女らを退室させる。
その後、視線を客人たる女将軍へ戻した。再び手を上げティーカップを示し、暖かなそれを飲むよう促す。
■サロメ >
彼ら王国貴族に戦場のことがわかる人間など、いたとしても一握り程度だろう
軍議の場なのでなければ反論を講じることもあるまいと小さく吐息を漏らして
「…そうですね。特別な勲功となれば、幾人かは。
皆よく攻め、よく守ってくれていますが、その要となる者はおりますゆえ」
ただしそれは自身の耳眼の届く範囲…
第七師団の範囲に留まるものである
金で動く傭兵達はともかくとして、他の師団にも尽力してくれている戦力は多数…
膝下とはいえ、共同で守っている場所での話
あまり第七師団だけを…というのも憚られる
そうなれば自身一人が受け取ったほうが丸い、ということもあり得る
「授与に関しては、少々時間を頂きたく…──では、お言葉に甘えて、失礼します」
断りを入れてから椅子へと着席し、王室の美しいティーカップを片手に口元へと
芳香が広がり、それを口に含めば更に広がりそ見せるだろう上等な王室の茶葉
こんな機会でもなければ味わうこともあまりないな、などと内心、思いながら
■ヨアヒム > 女将軍が口を付けた茶は、2つの香を持っていた。一つは熱い湯で振り出された茶葉のそれ。そしてもう一つは、濃厚な花の香だった。鼻腔から入り込んだそれは、体内においても「立ち昇って」いく。
纏わりつく甘味を帯びた芳香が目の裏側へ抜け、頭蓋の奥の奥へ辿り着く。そんな感覚を覚えるのは、しかし一瞬だけだろう。違和感はいつまでも続かない。中年男としても、続いて貰っては困る。
……バフートで仕入れた、最高級の洗脳薬なのだから。
「……このようなことを、タナール砦を守護する将軍に話すのは心苦しいのだが、やはり礼儀作法というのは大切だ」
相手が茶を飲むのを確認した後、中年男はゆっくりと、噛み締めるように言った。
「幾ら戦功を挙げようとも、城にはそれを理解出来ぬ者が多い。彼らの……もとい我らの流儀を、多少なりとも知っておかねば、正当な評価を得られぬ」
微笑みと共に中年王族が続け、僅かに身を乗り出して女将軍の瞳を覗き込んだ。
■サロメ >
先代師団長の趣味で、ことさら高い酒には慣れていた
しかし茶葉はといえば、こうやって王室の高級な茶葉を味わうことなど滅多とない
故に、その違和感に気付くことなく一口目を終えていた
音を立てぬよう、静かにティーカップを更に戻し…
「王室の茶は飲み慣れぬ故、斯様に芳しいものとは。ありがとうございます。ユルゲン卿」
サロメとしても良い饗しを受けている…以上のことを疑う様子はなかった
それもヨアヒムという男の、悪意を覆い隠すような善人の雰囲気のなせる業、なのだろう
「作法、でございますか。戦場しか知らぬ者などもおりますゆえ、些か理解に乏しい者も多いかもしれません」
品格を持ち得なければ、まず評価の前段階で認められない
そういったことも常々あるだろうとは思うものの、やはり現場ではそれは二の次になってしまう
多少なりと、王国貴族の側にもそういった理解があれば良いのだが、と思いはするが──
「……?」
顔を覗き込まれれば少しだけ、後ろに引くようにして戸惑いを見せる
■ヨアヒム > 「貴女のために用意させて頂いたものだ。皆に飲んで頂くような品ではない。愉しまれよ」
茶についての評価を聞けば、笑みを深めて頷いた。乗り出した己に対して相手が身を引くと、こちらも再び、太った身体を背もたれに預ける。そしてその笑顔のまま、言葉を続けた。
「いやいや、私は貴女の作法について申しておる。例えば……こうして王族と2人きりでいる時、求められればいつでも服を脱ぎ、生まれたままの姿にならねばならない……といったことは、ご存知ないのではないかな?」
笑みを浮かべたままとんでもないことを言い放った中年男は、そういって胸の前で太い指を組んだ。
「名目上、軍は国家に属するが、その国家の中枢を担うのは王族だ。その王族に対し、ありのままの姿を見せるというのは……忠誠心を示すうえでごく当たり前の儀礼である。どうだろう?将軍。これをご存知だったかな?」
太ったにこやかな中年王族は、そう訊ねて相手の反応を待つ。洗脳薬の効き目は直ぐにでも表れる。上手くいけば良し、そうでなくとも……どぎつい冗談と誤魔化せる。さあ、どうなるか。
■サロメ >
「…っ、それ、は……」
ふわ、と花の香りに包まれるような感覚
思考に僅かな靄がかかったような、不可思議な心地だったことだろう
「…私、は……そう、ですか。…これは、大変、失礼を……──」
立ち上がり、動きを阻害しない僅かながらも強固な甲冑を外し、一つ一つ、丁寧に…脱いでゆく
王国貴族による招致、ということで帯剣していなかったのは、ヨアヒムによって幸いだっただろう
意思ある剣は、持ち主である彼女は面倒ながらも守ろうとするからだ
懐から護身用の短剣も外され、やや気恥ずかしげにしつつも、インナーもするりと床に落として
「…申し訳ありませんでした、ユルゲン卿。……こ、これで、宜しいでしょうか。
手数をかけ、口添えさせるご無礼の程、お許しください──」
一糸纏わぬ、女騎士の鍛え上げられた肢体が顕になる
やや幼気にも見える顔立ちに似合わず、晒された身体は大人の女のそれ
胸元、そしてやや濃い目に茂る股間を手で覆い隠すようにしてしまうのは、洗脳下で尚、羞恥のせいか
■ヨアヒム > 「学んだことは直ぐに実践する。実に好ましい、殊勝な心掛けだ。しかし隠す必要はない。王族に対し、恥じるべき場所などありはしないのだ」
色白の、割れた腹筋が浮き出る引き締まった女将軍の裸体。それを舐め回すように見る太った中年王族は、満足げに頷いた。
インテリジェンス・ソードというリスクを見落としをした己に内心冷や汗をかくも、これは問題にはなるまい。面会する際に武器を帯びないよう求めるのはというのは、無理のある頼みではないのだから。
「しかし王族の前で裸になることもご存知なかったのであれば……」
途中で言葉を切って席を立った中年男が、女騎士の背後へ回り込み、手のひらサイズの乳房とは対照的な、たっぷりとした尻を見つめる。
「女騎士にとって当然の義務ともいうべき、王族の昂りを慰める術も……やはりご存知なかろうなあ」
やれやれ、と溜息をついた男が、ふくよかな両手を女将軍の両肩に置いた。
■サロメ >
「……っ、…では、そのように──」
頬に朱を差しながら
身を隠していた手を下ろす
その肌には騎士であるが故の、傷などは見られず
上質な魔法治療などもあるのだろうが、前線で尚傷を負わない女将軍の強さもあってのことか
背後にまわられ、その肩に手が置かれると僅かにその身を震わせて
「…それは、……多少は、といった、ところで…──」
誇示するほどの技量はない
男を慰める術、知識程度はあるといった程度
舐め回すような視線の中、紅潮した顔を僅かに伏せて
薄靄のかかる、改変された思考の中で、小さく、自信なげにそう返していた
■ヨアヒム > 「多少は?ご存知なのか?しかし、私がこれから言うことは恐らく……」
面白がるように問いを重ねる男が、女騎士の肩から脇腹、そしてたっぷりとした尻へ太い手をなぞらせる。……が。
「……まあいちどきにあれやこれやと詰め込んでも、しっかり学び取ることは出来ぬだろう。大切なことだ。ひとつひとつお教えしよう。じっくりとな……」
舐めるような視線をうなじから背筋までのしなやかな曲線に向けつつ、肥えた中年は女騎士から離れる。
「服を着て良いぞ。将軍。身だしなみを整えたら、もう一度茶を淹れさせよう。ゆっくりと寛がれるがよい」
そう言って、自身の椅子に腰を下ろした。そして彼女がインナー、鎧を纏って短剣を帯び、すっかり元通りになれば、呼び鈴を振って「目覚め薬」を持つメイドを呼び寄せるだろう。
洗脳薬で操り、目覚めの薬で元に戻す。こうして犠牲者の人格を2つに分けて「躾ける」やり方は、高貴な身分や聖職者の女性を性奴隷に堕とす際によく用いられるものだった。
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■ヨアヒム > 【本日お約束につき待機します】
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