2020/09/11 のログ
ご案内:「王城の一室」にナルクエコさんが現れました。
ナルクエコ > 夜の王国王城の一角にある建物、建物は大広間で構成され宴会というにはきらびやかな雰囲気もなく
光が天井にも届かない僅かな燭台の照明のみのなか、複数の貴族が囁くような声で話し合いを続けている。
淡々と貴族達が語る中、彼らの表情は所々で絶望しか見えない表情で落胆する者達がいる。
今この場所は策謀が巡る王国内の縮図だった。コレから新しい力を奪い取った者
今日のホールでのやりとりが最後の貴族王族としての生活になる者。そしてそれら老いた貴族達の
隙間で醜い光景を彩るのが、親たちの抱えたツケを払う為にこれから過酷な運命を辿る。
もしくはたどっている真っ最中の美しい女性や少女達だった。

薄暗いホールの中、勝ち組となった裏を持つ貴族と、まんまと騙し込まれた没落貴族とその令嬢達。
囁きの中での会話は何を言っているかは殆ど分からないが、その光景をホールの端で穏やかに眺めている男がいる。
男は高級な酒と安い酒を小さな杯に入れ指に挟みこみ、頬杖をついてテーブルに寄りかかっていた。

男が一人で飲んでいる2杯の酒は、邪な貴族と没落貴族を表している。男はその策謀の外にあり
此処にいる殆どの貴族の事情とは全く関係はない。しかし、暗い表情で俯きすでに淫らな格好を
強制されている女達と、それを道具に醜く笑う貴族達の姿を見るのが最近ではこの男の娯楽だった。
魔族の国から忍び込み王族にもすっかり浸透した男はこうして悪徳な貴族の勧めで
没落貴族の娘が堕落していく様の高みの見物が出来るという訳である。

「いる所にはこんなに沢山いる訳だな…」

何処か無邪気な、楽しそうな声色で独り言を呟き杯を指で軽く揺らしながら哀しみと共に連れ去られていく
娘たちの姿を見送っていた。

ご案内:「王城の一室」にシトリーさんが現れました。
シトリー > 生きること自体が遊びともいえる日々のなか。
最近は暇つぶしがてらにあまりいい噂の聞かない貴族の侍女として勤めていて。
比較的平穏な日々を過ごしていたある日にとある集まりがあるからついてくるように指示され。
案内された王城の一室で、端にいる男の言う通りにし、世話をするようにと命じられれば小さく頷いて静かに近づき。

「ご機嫌麗しゅうございますナルクエコ様。
 本日、身の回りの世話をするようにと言われております」

相手の横に行けば片膝をついて首を垂れる。
その服装は透けるような薄いシルクの生地が身体を覆うのみで、脱がすのも破くのも簡単に出来るようになっていて。

相手が自身の後ろを見れば少し離れたところで笑みを浮かべ頭を下げる貴族が見えるだろう。
その笑みからは侍女を賄賂代わりに差し出したことは容易に想像でき。

ナルクエコ > 「おや……………」
沈んだ表情を見せている貴族達を眺めているところに視界にやってくる娘。
薄暗い照明からでもシルエットが透けて見えるほど薄い生地をまとう姿を首筋から足先までゆっくりと
眺めていると、視界に入る貴族の頭を下げる姿が見えた。
自分は勧めがあったのでその場を見学に来ただけの存在、そんな気を回さなくても
根回しは今のところ継続していくのに、とぼんやり考えながら薄い唇が盃の酒を少し口に含ませ
貴族達にはわずかに掌を見せて挨拶を返すと、当の娘には隣に座るよう促した

「酒宴でも無いのにこれは申し訳ないね」

シトリー > 「いえ、主人はナルクエコ様とこれからも良縁を築けるよう願っております」

相手の言葉には小さく首を垂れながら述べ。
座るように促されればそれに従うように相手の横に腰掛け。
そっと相手の杯に酒を足して。

「本日の宴はいかがでしょう。
 私はただの侍女ですので詳しくは存じ上げませんが。
 彼女たちも少し前までは一介の貴族の娘でしたが、今ではもうただの町娘より堕ちる運命にあるようですね」

ナルクエコ > 「頂戴しようか」
酒を足されると器用に指を組み替え、盃を静かに傾けた。空いた片手は相手の根回しに気を遣い
娘の背中をわずかに撫でると、その先にある煙草に手を伸ばし片手だけで器用に着火し
紫煙を燻らせている。

「宴ではないのだけどね、私の個人的な享楽の為に混ぜてもらっているだけで」
「そうだなぁ…町娘であった方がまだ、幸せだったのではないかな」
「それだけではなく、堕した娘らを見ていると中には非常にそそられる趣向の者達もいる」
「殆ど羞恥を晒す格好をしていたり、まぁそういった類で…」

もう片方の安い酒を開けると、娘に注いでもらうように促した。
「しかし私はそう長くいる予定も特に無いんだ。困ったところだな、折角侍女をつけてもらったのに」

シトリー > 「あら、そうなのですか?」

空になった盃を差し出されればそこに血のように赤いワインを注ぎ込み。
相手の顔を見上げつつも困ったように眉を下げてみせ。

「私もナルクエコ様ともっとお近づきになりたかったのですが……」

今の主に命じられたこともそうなのだが。
道中噂めいて聞いていた相手の話に想像を脹らませ興味を持っていたのも事実で。
あまりいられないと聞かされれば小さく息を吐き出し。

ナルクエコ > 「何と、日は悪かったが…それは有難いね…大抵は逆なモノだから」
噂を聞いたのであれば、近づきたいと思う…という事は、そういった趣味なのだろうか
従順なのも非常に好ましいが、今は自分が手ずから嬲りたいという気分ではなかった。

「もう少し…私に伴ってくれていれば、どこかで食指が動くかもしれないね」
手袋に包まれた男の細い指がシルクの生地を抜けて、その腰を撫でた。

シトリー > 「ふふ、私は…普通の人とは違いますから」

相手の言葉に小さく笑みを零し。
指が薄い布越しに腰に触れれば振るりと興奮するように身を震わせ。

「とても嬉しいお言葉です。
 それではもっとナルクエコ様の横に入れるようにしなければなりませんね」

相手の腕の中に納まるよう。
自ら身を寄せつつ妖艶な笑みを浮かべて言い。

ナルクエコ > 彼女のその言葉をかみしめるようにゆっくりと何度かうなずくと
横に収まるそのしなやかな体をよせ、彼女の耳の先端をカリッと男の鋭い歯が噛んだ。

「今はこれだけにしてほしい。何とも…お互い残っている時間は多いようだからね…」
「人間の持つ意味とは、違う意味で」

盃を傾けながら、侍女を強く抱き寄せると
今夜は珍しく二人して、不幸な娘達と邪な貴族を眺めて過ごしていた。

シトリー > 「っ……はい…」

耳を噛まれれば痛みにぴくっと肩が動き。
噛まれたところからわずかに血が滲みながらもうっとりとした笑みを浮かべて頷き。

「近いうちにゆっくりと、私達の時間を楽しみましょう」

そういって視線を相手の見るさき。
不幸な娘たちへと向けて。

その姿を見て提供した貴族は大層喜んだという。

ご案内:「王城の一室」からナルクエコさんが去りました。
ご案内:「王城の一室」からシトリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にマレクさんが現れました。
マレク > 高価できらびやかな調度品に囲まれた城内のサロン。そこに、我が身を悪趣味なほどに飾り立てた貴族達が集まっていた。彼らの多くはでっぷりと太っており、全身でもって常日頃の飽食と怠惰を表している。

「……さよう。私が聞き及んだ範囲においてですが、アスピダの包囲は未だ……」

そんな中、眼帯で左目を覆った痩身の男は少しばかり異様に映るだろう。服飾品も他の貴族に比べればささやかなものであり、他の貴族とは異なり、彼は給仕を行う美しいメイド達を一顧だにしない。

マレク > 「ええ、ええ。そういうことになります。……いや、どうでしょう? タナール砦を手薄にしてよいということには」

小さく笑った男が首を傾げた。このサロンで話し合われているのは、マグメール王国軍の戦略だった。男を除いた面々は皆、国政に直接物申せる高位な貴族。王の外戚さえ混じっている。

軍師でもない彼らが、軍の進め方についてあれこれと議論を行うのは何故か?王国軍を政争の具としているからである。自分達が寵愛する師団長や騎士の部隊には補給と増援を手厚くし、そうでない部隊は干上がらせて戦闘能力を奪ってしまうのだ。

マレク > そのようにして、腐敗した貴族に睨まれた軍人は苦戦、敗北を余儀なくされ、王城に召喚されてその責を問われる。また、見目麗しい女騎士などが所属する部隊は政争と関係なく標的になる場合がある。勿論、貴族たちが彼女を愛妾に、ひどい場合は性奴隷に堕とす為だ。

「なるほど。皆様は遥か先を見据えていらっしゃるのですね」

微笑を浮かべて相槌を打つ男が、隠れていない右目で面々を見渡す。彼らはまるで、獣に食らいついて血を吸うダニだ。太った身体もあいまって、ますますそう思う。今この瞬間さえ良ければ何を犠牲にしても構わない。そういう連中が、今日も国を害している。

マレク > さらに悪いことに、こうした貴族の「恩恵」を拒絶し、彼らに睨まれるような清らかな人々は政治に興味がない。よって、腐敗した貴族の謀略を止めることも察知することも出来ないのだ。

かつてある師団長が自身の部下を救い出すために立ち上がり、首を幾つか文字通りの意味で飛ばしたことがあったようだが、根絶やしには出来なかった。腐敗一掃は、ついに叶わなかったのである。

「私のような小家の者をお取り立て下さり、政の何たるかをお教え下さった皆様には感謝しております。今後も何卒、ご指導、ご鞭撻のほどを……」

ティーカップを置いた男が席を立って、恭しく頭を垂れる。この身分ばかり高い役立たず共に知恵を授けた1人である男は、テーブルを見つめながら口角を持ち上げた。ふと思う。獣の血を吸うダニに食らいついて甘い汁をすする自分は、一体何という名前の害虫なのだろう?と。

マレク > 男は王宮に忍び込んで以来、そそのかしや甘言をもって対魔族への戦力を削ぎ、人間側の攻勢を弱めながら味方の全面侵攻を待ち続けてきた。

だがそれは、何時まで経ってもやって来ない。来ないどころか、国内で血の旅団なる武装勢力が蜂起し、内乱の様相まで呈する始末。

「不肖マレク・ラノエール、今後も皆様の為に犬馬の労をいとわぬ所存にございます」

だから、この魔族の密偵は飽きてしまったのだ。陰謀によって生み出される停滞と、平穏に。

「……は、喜んで」

ひょっとすると今日、前々から目を付けていた「雌」がやってくるかもしれない。卿の手練手管で女を蕩けさせ、自分達を受け入れる準備を整えて貰いたい。

そう貴族達に求められた男は、微笑と共に承諾した。戦略の談義は終わった。ここからは宴の支度のようだ。