2020/06/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にレオナさんが現れました。
レオナ > 贅をこらしたサロンの一角、普段であれば人もそれなりに居るのであろうが
時間と、本日は王城でとある貴族主催の悪趣味な夜会が開かれているということもあり
今ここに居るのは柔らかなソファに身を預けた女が一人
王城のメイドに茶を淹れさせると早々に立ち去らせ
普段から身につけている眼鏡と聴力強化を付与されたピアスを外し
だらしなく体勢を崩してようやく、深く息を吐く

「・・・・・・来るんじゃ無かった・・・」

そう、絞り出すように呟き、片手で目元を押さえ天井を仰ぐ女の顔色は
傍目から見ても、一目で体調が悪いと気づくことができるほどに青白く

先代が世話になった老貴族からの招待だからと断り切れずに訪れたはいいものの
朝から優れなかった体調(もっとも、体調がいい日など数えるほどだが)は
夜会で提供された酒や、焚かれた媚薬の香、嬌声や下卑た笑い声などと相まって
あっさりと最悪に振り切り
今はこうして夜会を抜け、誰も居ないサロンで一人堪える事となっている

幸いなのはサロンには人がおらず、このざまを目撃され恥をかくことは無いことか

レオナ > どれほど、そうしていただろうか
少なくとも淹れられた茶が冷めるほどには手をつけず、耐えていれば
身につけた魔法道具のおかげか、次第に頭痛やめまいなどは収まってゆき
どうにか、歩ける程度には回復をはたす
とはいえこのまま王城にいては、再び押し切られ、顔を出すはめになるだろう

とてもじゃないが、そんなことになれば今度こそ倒れるやもしれぬ
かの貴族には後で謝罪文でも送ればいいだろうと思い
メイドを呼び、馬車を手配させると女は自らの屋敷への帰路についた

ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からレオナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にフォティアさんが現れました。
フォティア > 夜ともなれば、僅かに涼気を含んだ風が流れ、頬を撫で過ぎていく。
吹き乱されて流れる髪を指先で押さえ、丁寧に油紙に包んだ数冊の本を胸に抱くようにして抱えた少女は、物慣れなさを滲ませながら王城の正門をくぐり、登城許可を得て広すぎるフロアで困惑して佇んでいた。

「────……えー、と…?」

細っこい指で今来た廊下方面を、指さし確認。

「今来た方向。……で。……お届け先の、図書館は…あ、ちがう。書庫、だっけ?」

いささか自信無げに、首が斜めに傾ぐ。
修復依頼された稀少本を期限通りに仕上げて、届けに来たのだが。
恐縮して迎えをいらないと断ってしまったことに、若干の後悔が胸を過る。
案内板はないものかと、周囲を首を巡らせて見回し、人気のなさに困惑する。
森閑と、静寂に包まれた石造りの王城の廊下。己の足音だけが木霊のように響く。
誰か、この城をよく知る人はいないものかと、銀の髪の少女は薄緑の瞳を周囲へと巡らせた。
城の奥から、かすかな悲鳴のような声が聞こえてきた気がして、ビクっと身体を小さく跳ねさせるが、風の音だったのだろうか?

ともあれ──迷子。
端的に表現すれば、二文字で表せてしまう、少々情けない現状である。

フォティア > ────歩幅の小さな足音が、城の磨かれた石畳に吸い込まれるように消えていく──
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からフォティアさんが去りました。