2019/09/03 のログ
■ヴィクトール > 彼女の声はどことなく呆けているかのようで、訝しげに眉を顰めてしまう。
酒に酔っているのだろうかと思うも、そんなに口にするタイプでもなかったようなと思い出しながら近づいていく。
結局は、まぁいいかと楽観的な答えに落ち着き、クツクツと笑いながら頭を撫でていった。
その瞬間、目が冷めたように輝く碧眼に目を細めながら唇を奪う。
香りも感触も、全てが自身を癒す純粋無垢さが心地よく、甘ったるい彼女に引き寄せられる様に長く唇を重ねていく。
「……あぁ、勿論。といっても、今日は兄貴の部下が見張ってるみてぇだし、馬鹿する奴ぁいねぇ……と思いてぇがな」
以前、宴の場を設けて彼女と自身を呼び寄せ、奇襲から彼女を奪い去ろうとした貴族を思い出す。
あの時は完全に不覚を取ったが、それ以降は万が一に備えてその場に溶け込むように潜入する兄の部下が待機している。
勿論、一人で全てをひっくり返す程のものがいることは稀だが、それでもなにもないよりも、目が無いよりもいい。
自分がいなくても仕事がくるようになったのも、そんな見えない護衛達もあってのことだろう。
それとは別に、各部隊等の部隊長や班長に場の訓練がてら護衛を付かせる事もあると聞いている。
ーー後ろを振り返ったのは、そんな存在の視線を確かめたのもあったりした。
「誰も見てぇねから、もうちょい甘えろよ」
頬を赤らめながら唇を受け入れても、身体を重ねることはしない。
公式の場という奴だからかと思うも、今は視線を感じることがないひとときだ。
ひっそりとガラス戸の方へ人避けに意思の魔法を掛けていき、紡いだ言葉が他者の意識を何となく逸したくなる障壁に変わる。
中庭やら他のバルコニーからはこちらが見えるかもしれないが、遠く離れていれば誰かなど気づくこともない筈。
そう思えば、おいでというように両手を広げて、彼女を求めた。
■マリナ > 断定的ではない言い方にちょっぴり不安感は煽られるけれども、こうして彼が傍にいる間は安心感が勝っている。
あの時だって離れてしまったのが最もいけなかったのだろうし。
「マリナが外出るためにお手数おかけしちゃいますね。
もうちょっと…マリナが強ければいいのですけど…。」
もうちょっとで足りるかはともかくとして、目下少女の目標は最終的にそれに行きつく昨今。
今日だって彼が求める自衛レベルに至っていれば日中も一緒にいられたのだろうと思えば、なかなか向上しない自分にしょんぼりもする。
ああ、できればもう少しくっついて黒髪に触れたい。
今日も彼が無事に帰ってきてくれたのだと実感したい。
そんな欲求を抱えていても、彼とは違って人目を気にする少女の気兼ねに気付いたかのように促され、顔を上げた。
ちらりと視線を遣った先ではまだ眩い宴が続いているのがわかるけれど、こちらを向く者はいない。
それでも気にはなるのものの、両手で迎えようとしてくれる大好きな人に逆らえるわけがないのだ。
恥ずかしそうに、けれども明らかに嬉しそうに首を傾けて笑むと、おずおず彼の腋の下に両腕を差し込んで、ぎゅっと。
体格差があって、腕も精一杯という状態ではあるけれど、首筋に顔を埋めて背伸びして、存分に彼の匂いと存在を味わう。
抱き着くには軍服は少し固く、いつもと違う匂いがする。
「……ヴィクトールさま、ヴィクトールさま、おかえりなさい。
このお洋服、やっぱりとっても素敵です。とってもかっこいい。」
彼の帰還を迎える挨拶と、どさくさに紛れて今日も俗っぽい感想が上乗せされた。
まだ人前だということを気にしているから本当に囁き声なのだけれど、この距離なら聞こえるだろう。
■ヴィクトール > 「気にすんなって、それこそ兄貴の仕事でもあるわけだし、マリナがいるだけで助かるっていってるしよ?」
申し訳無さそうに吐き出された言葉に頭を振れば、兄の言葉を思い出しながら答えた。
この真っ白なお姫様も、兄の養子先と同じカルネテルの血筋が濃く流れている。
そして母君は姫騎士として名を馳せたエルメネヒルド、ネームバリューもある。
そんな彼女を迎え入れて護衛するというのは、国を維持するのに必要なものであり、兄の家からすれば権力象徴の一つにもなると言っていた。
だが、それはあくまで仕事というレンズを通した答えであり、兄の答えは大事にしてやりたいという優しさ。
以前少しだけ顔を合わせた程度ではあるが、利害のみで考える人間ではないのは直ぐにバレるやもしれない。
「強く……かぁ、そう焦るもんじゃねぇって」
仕事先の傍まで着いていって、争いに高ぶった欲を受け止めたい。
少々私欲溢れるものだが、それでも自身のモチベが上がるのだから悪いことはなにもない。
相変わらずの悪い笑みを浮かべると、しょげた様子をみやりながら金糸をくしゃくしゃと撫でていった。
とはいえ、秘書というか組合長代理な娘から聞く答えは、もう少し頑張ろうと優しいもの。
今まで屋内で過ごしてきた純粋培養な少女が、力の自立をするのは難しそうだと思うものの母の件もある。
だから大丈夫だというように撫で続けた後、人避けをしてから腕を広げた。
恥じらいに隠しきれない喜びに、可愛い奴だと幾度思ったことやら。
小さな体が目一杯抱きしめてくれば、こちらも背中に腕を回して包み込む。
おろしたての軍服と、普段の汗の匂いが薄れた身体。
こちらは可愛らしいドレスの肌触りと共に、変わらぬ少女の香りを楽しみつつ背中を撫でて……無遠慮に尻へと手をのばす。
むにゅりとそこを揉みしだくように掴んでいきながら、心地よさそうに吐息を零す。
「あぁ、ただいま。ははっ……俺はぁ、やっぱ慣れねぇけど、めかしこんだマリナはホントお姫様だよな」
語彙力不足というような感想が子供っぽく、純粋に可愛い。
こちらも表情を緩めながら帰還を囁くと、変わらずに真っ白い姫君を褒め称える。
行く場所がもっと穏やかなら、力なんて無くても構わないのだ。
その方がお姫様らしい庇護欲を煽るのもあるが、それは彼女を苦しめるから胸の奥に仕舞いつつ抱きしめ撫で回す。
■マリナ > 「お兄様もヴィクトール様もお優しいですもん。
そんなお優しいとマリナがヴィクトール様とご一緒できる頃には、マリナおばあちゃんになっちゃいますよ。」
もともと生粋の温室育ちではあるけれど、集落で生活するようになってからは
また別の甘やかされ方で過ごしているのをさすがに自覚しているらしい。
でもそれが居心地良いものだから、唇尖らせて反論する少女の貌は拗ねてなどおらず、どこか嬉しげだったりもするのだけれど。
ただ、本当に彼とはなるべく長く一緒にいたいのだ。
遠くで怪我されるのは怖いし、ぼんやり帰りを待っているのもいたたまれない時がある。
そんな想いを今昇華するように甘えて、密着して息を吸う。
ここでできることは限られているけれど、こうして抱き合ってる時間がいちばん幸せで、満たされる。
――――という恋する乙女の心情と、男性の心情というのは違うのだろうか。
突然お尻に食い込む五指に体が緊張し、彼を抱く腕にも力が入った。
力が入ったところで苦しませるほど腕力がないし、ある程度腕力があったとしても彼の体には勝てそうもない。
「ひゃっ!? …いつもと違うお洋服着てるのに、ヴィクトール様おうちにいるみたいですよぉ。」
手癖が。と言いたいようで。
触れ合うのは嬉しいし、楽しいし、恥ずかしくとも愛されてる実感となるのだけれど、
やっぱり他人の姿が見えるだけで気になってしまうのが普通の感覚というものではないだろうか。
障壁のおかげで目が合う人はいないものの、彼の肩越しに見えるガラス戸の向こうの景色をちらちらと見てしまう。
それでも触ってはだめ、と言わないところに少女自身この密着をしばらく堪能したいという欲求が隠しきれていない。
「……ほんとは今のヴィクトール様と手を繋ぎたいですし、腕を組みたいですし、
それから…それから、もうすこしキスもしてほしいですけど…、…馬車までおあずけですね」
あんまりぺたぺたくっついているのもはしたないだろうし、武功をあげる彼の邪魔をしてもいけないしと遠慮はしている一方で、
何がしたいのかをはっきり口にするわがままぶり、甘えぶり。
彼はきっと騎士だと言われたほうが照れくさくないのかもしれないけれど、少女にとっては王子様のような存在なのだから。
■ヴィクトール > 「そうなるぐらいなら、早く帰るようにして我慢させねぇようにしねぇとな?」
流石にお姫様というのもあってか、人員を遠慮なく使っていく兄の魔の手は伸びていない。
それをしってか、集落の少女たちもあまり彼女へお手伝いを求めることは少なかった。
けれど、ちょっとした針仕事であったり、食堂のお手伝いであったり、洗濯だったりと、疲れさせない程度の雑用ぐらいは頼んでいただろう。
今はお作法の勉強という、所属する班ならではのお仕事も増えている。
お勉強の一間の中、ぎこちないカーテシーをする少女達を見る機会も増えだだろう。
それでも、彼女の希望を叶えるために秘書の娘は時間があれば体力づくりと護身のレクチャーし、じわじわと力は伸びている……のか?
それ知ってもいれば、可愛らしい文句に笑みを浮かべるばかりだ。
「そりゃな、仕事から帰って鬱憤が溜まったまま来たんだからよ…? 正直、ここで脱がせて食いてぇぐらい溜まってる」
相変わらずに心地よい体温に、柔らかさ、香りにそして甘い悲鳴。
身体を締め付ける力が強くなっても、大したものではなく、クツクツと笑いながらも顔を寄せていく。
耳元に囁く声は低く、それでいて熱気がこもった盛り着いた雄の音というべきか。
駄目と言いながらも解こうとしないなら…遠慮なく揉みしだきながら互いの身体の合間へと回り込ませてしまう。
ドレスの生地越しに股座にべったりと掌を押し当てて、中指が無遠慮にスリットのラインを探ってうごめく。
「……そんな事言われたら抱く以外ねぇだろ」
甘えん坊な、シロップを煮詰めたように甘ったるい御強請り。
ぞくりと興奮を煽られれば、苦笑いを浮かべつつ寄せた顔を滑らせるようにして唇を奪う。
有無を言わさぬというように指は更に割れ目を探り回し、スリットの合間から肉芽を探り出して押しつぶす。
コリコリと上下に弾くようにして愛撫する最中、ずるりと舌を口内へ滑り込ませれば、探りまわる。
小さな舌を絡め取り、上へ下へ転がすように絡めていきつつ、混ぜ捏ねた唾液を啜り、幾度も深く貪っていく。
ぼやけた宴の賑わいよりもはっきりと、くぐもった水音を響かせながら彼女の王子様は、獣へと変わっていった。
■マリナ > 「そんなこと言われたら期待しちゃいます。ずっと窓を開けて待っちゃいますよ。」
帰ってくる方向はもうわかっているから、忠犬さながら彼が出発したと同時に待ってしまう自信がある。
そんな日は少女は役立たずにもほどがあるだろう。お兄様も秘書さんも呆れるに違いない。
けれどそのくらい彼に依存しきっているので、少々お小言もらったくらいでは矯正できないかと。
今だって人目を気にしながら密着していて、羞恥心より恋心を優先させてしまっている。
そこへ獣欲を露わにした発言を受けたものだから。
「あ……、… え、ぇ、ここでは無理ですよ、だって… あっ、…ぇ、あ、本気ですかっ…!?」
少女が一瞬止まったのは、仕事の後に女性を買うことがあると聞いたのを思い出したためで、
さらに今日は買っていないことを知って安堵も混じった反応。
発散できない彼には可哀想な話だというのに安堵してしまった罪悪感と、やっぱり――本音は買ってほしくないわがままと。
そんなものも吹っ飛ぶような彼の手元に少女はうろたえる。
軽口と本気の境目がいまだに判別しきれてない。
下着に比べれば厚い布となるドレス越しであっても、指の感触はよくわかる。
今度は甘えるためにではなく、人目から逃れてごまかすように彼の首筋に顔を埋めれば吐息が熱くなっていた。
柔らかな肉の裂け目に指が押し当たるたび、かすかに腰が震える。
「ふ…、… ぁ …ここで?ここでです、か―――…」
念押しする少女の唇が塞がれ、熱を帯びた息がふわりと彼の口内に忍び込む。
今度は彼の貌を見たかったようで、薄く瞳を開いて視線を落としていたけれど、
的確に秘裂の上部でおとなしくしていた肉芽を見つけられ、くにゅと押し潰された瞬間にぎゅっと目を閉じてしまい。
「ッんふ…… ッ…! ン、ん…ぁ ……、あ…」
刺激を与えられる小さな突起は、たぶん少しずつ膨らんできている。
下着をぽちりとごくごく小さく突起の証を作っているのだとしても、
指に押し込まれているのだろう感触は少女自身より彼の指先が感じられること。
あまり器用ではない少女は、せっかくねだったキスがもう一度叶ったというのに集中できていなかった。
絡まる舌は従順に舌先をくっつけるだけで、唾液が唇の縁を濡らすのもかまわず、彼の名を呼ぼうとしてまったく音にはなっていない。
待って、と示そうとして緩んだ腕が彼の肩に触れたものの制止するでもなく、
この場所で痴態を晒しそうな気配に困っているのは事実だというのに、求められるならすべて差し出してしまいたい欲もあり。
―――ひく、とまた震えた腰が、性感を炙られていることを正直に訴えている。
人目が気にならないはずもないのに。
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ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にレナリアさんが現れました。
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■レナリア > 夜明け近くまで催されていた酒宴の熱気が、漸く薄れゆく昼下がり。
薄いレースのカーテン越し、窓から差し込む日差しが弱く照らし出す寝台の上、
薄手のナイトローブ一枚の身体に寝具を纏わりつかせた己は、
其の時、やっと、泥のように深く重い眠りから目覚めた。
「………ぅ、ん……ん、………」
僅かに熱を孕んだ目許を手の甲で軽く擦り、寝乱れた黒髪をかき上げながら、
緩慢な瞬きと共に室内へ視線を巡らせる。
上掛けもシーツも白く清潔そうで、然し異常に乱れているような。
家具調度は上質なものが揃っているように見えるけれど―――
問題はどれひとつとっても、見覚えが無い、ということ。
「……此処、は……一体、―――――」
気怠さに支配された肢体を寝台に伸べた儘、此処に至るまでの記憶を辿ろうとする。
昨日は確か、夫に連れられて城へ出向いた筈だけれど―――
いつもながら騒がしく、己には気疲れすることばかりで、早く帰りたいと思っていて、
―――――途中から、記憶が無い。
夫は何処へ行ったのか、此処は誰の部屋なのか、己は何故此処に居るのか。
思い出そうとすればするほど不安が募り、心細さに自然、我が身を抱くように腕を這わせた。
己の手指が触れるだけのことに、ざわりと粟立ってしまう肌の反応も恐ろしくて。
■レナリア > コ、コン―――――
不意に響いたノックの音に、びくりと身を竦ませたものの。
失礼します、と聞こえた声は耳慣れたもので、ほっと息を吐いた。
己の傍仕えの一人、年嵩の女性が一部の隙も無い仕事着姿で現れ、
お支度を、と促される。
湿り気を孕んだローブから、きちんと皴を伸ばされたドレスへ。
着替える間に告げられたのは、昨夜己が急に倒れた為、
城内で寝室を借りたのだということ。
夫は先に戻っているらしいこと、其れから―――
寝起きの頭は動きが鈍く、言われたことを其の儘飲み込むことしか出来ない。
けれど途中でただ一度、傍仕えの女が己の項辺りへ、やけにしつこく白粉を叩いた。
其れだけは少し不思議に思って首を傾げたが、問い返そうとはしない。
其処に浮かんでいた、明らかな情事の痕跡と思しき紅も、
屋敷へ帰り着く頃にはきっと、巻き戻って跡形も無い。
そうしてまた、正体の見えない不安だけを降り積もらせて、
己は時を重ねてゆくことになるのだった―――。
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