2019/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 廊下の片隅【イベント開催中】」にリシェさんが現れました。
■リシェ > 「………っ、けほ…」
(噎せてしまう。まだ、喉が、ざらざらする。
…今日は。宴席に連れ込まれたり、並べられたり、はしていないものの。
かといって、扱いが変わる、という事はなく。
つい先程まで、とある貴族の男性に、口腔での奉仕を、命じられていた。
といっても。奉仕、という態は、前半だけ。後半からは、頭を掴まれて。壁に押し付けられて。思う様、喉奥まで押し込まれて。
人通りの在り得る、廊下での口虐。それが、興奮を増したのだろうか、たっぷり吐き出された白濁。
目を白黒させながら、一滴残らず、飲み干した事を確認されれば…もう用済みだと、置いて行かれた。
男性の気配が、消えたなら。我慢が限界。噎せて、咳き込んで、息苦しさで浮かんだ涙を、ぐしりと拭う。)
「…み…ず……」
(或いはそれ以外でも、何でも。喉を潤す物が、欲しい。
食道の、ずっと深い所、まだ絡みついている、熱くべたついた白濁を、流し込む為にも。
立ち上がると。くらくら、目眩。それでも、壁に手を突いて。どうにか、身を支えながら。)
ご案内:「王都マグメール 王城 廊下の片隅【イベント開催中】」にレイン・レジネスさんが現れました。
■レイン・レジネス > 廊下で事を為していれば、それを見る者とて有るだろう。
大概の者は、見世物が終わりを迎えたなら、己が用件の為にその場を立ち去る。
が――例えば酔狂者。
暇を持て余し、かつ、誰かが〝使った〟後だろうと構わない。
そういう性質の女は、漸く身を支えるばかりの少女の前に、立ち塞がるように現れた。
「終わった?」
その一言に込められた感情は、本人の表情に比べれば実に多彩だった。
誰かが嬲られる姿を見る愉悦。ただ見ているだけだった事への鬱屈。
そして、良い玩具を見つけたものだと、嗜虐の牙を剥く獣の唸り。
「いつもながら、散々だねえ、君。
親切なお姉さんが助けてあげようか」
親切などと、どの口が吐くものか。既に女の目は、捕食者のそれへと変わっている。
どう使おうが苦情の出ない素敵な玩具だ。どうして喰らわずに居られようか。
■リシェ > (これが、例えば貧民地区の真っ直中、等だったら。
例え、手酷く犯された、襤褸雑巾のように打ち棄てられた、使い古しだったとしても。構わず、群れて集る者達が居る、筈。
そんな事もなく、見物人自体も、差程多くなく。三々五々と立ち去っていくのは。
この城では、当たり前の光景だとか。女日照りの者など、まず居ないだとか。…今でなくとも、この少女は、使えるだろうとか。様々な理由が有った筈。
だからこそ。放置された、少女自身。無防備に、歩きだそうとしていたものの。予期せぬ、誰かが。前に立った。
…まだ。くらくら、目眩がしているのは。さんざん、頭をシェイクするように、腰をぶつけられて。脳味噌が、動転したままだから。
幾度も。頭を揺すって。へばり付いた、澱のような残滓を、追い払って…誰かさんの一言目。そして二言目。
どちらもが過ぎた辺りで、やっと、相手が誰なのか、理解した。…だから。目を見開いてしまう。)
「、…れじねす、さま……」
(思い出した。というより、忘れられる、筈が、ない。
彼女に”使われた”時の、経験は。それこそ、つい先程の行為など、児戯程度にしか思えない程の、事柄だった。
じり。半歩ばかり、無意識に、身体が退けてしまうのも。きっと、仕方のない事の、筈。)
「たすけて、って。……レジネス様?せめて、此処から。…連れ去って、いただける…の、でしょうか……?」
■レイン・レジネス > 「連れ去ってあげても良いよ?
……けどねぇ、君がお気に召す場所は無いんじゃないかな」
何時かも確か、同じ事を言われた。此処から連れ去ってくれるのかと。
気安く請け負いはするが――真実の望みは叶えられまいと、今は何となく分かる。
彼女にとっての〝此処〟とは、狭義の場所ではないのだろうと思うからだ。
此処でない何処かへ連れていけと乞われて、提示できるのは――
「何処か小さな部屋でも良い。私の屋敷でも、逆に中庭だって構わない。
が……何処へ行ってもめでたい事に、君の命運は変わらない。
せいぜい群れ集まる相手の数が変わる程度さ。
私一人か、それとも大勢に寄って集って嬲り尽くされるか、その程度の違いだ。
何せ君には首輪が付いていないからねぇ」
何処へ行こうが少女の役割は変わらない。
何処へ行こうとも庇護者が無い限り、少女の役目は変わらないのだ。
それを改めて言葉にして、肉体を苦しめられた少女の、次は心を穿たんとしながら。
「はい、飲み物」
ブラウスの胸ポケットから、二本の試験管を出した。
鮮やかな色の薬液が収まった小さな管。これもまた水分ではある。
片方は透き通る赤。片方は不自然な程に明るい緑。
「赤い方は身体を狂わす媚薬。疼きも熱も、狂おしい程に高まる。
緑の方は精神を狂わす媚薬。快楽が欲しくて、それをくれる人が恋しくなる。
……どっちも無味無臭。好きな方をどうぞ」
水の代わり、と言うつもりだろう。
飲みたければ飲め、強制はしない。少女の反応を見る、悪趣味な遊びであった。
■リシェ > 「…其処を、レジネスさまに…委ねるというか、っっ、こほ…信じる、というか。
出来れば良いと。思うのですが…はい。どうせ、変わらないのだとしても。多少、改善は。図りたい…ものです。から。」
(言われずとも、解っている。自分自身の、生き方、もとい生かされ方。
それは、過去に遡って、生まれ方自体、やり直しでもしなければ。…別の何か、誰かでなければ。変わらない。
解っている癖、また、口にするのは。半分、皮肉か。自虐、なのかもしれない。
案の定、と言っても良い、返された答えに。やや、力を抜くように、背中を壁に預けると。
其処へ差し出される、二種の液体。ぱちりと瞬きしてしまうのは。殆ど城しか知らない、少女にとっては。試験管など、初めて見る物だったのと。
それ等を満たす液体が…これも、当然というか。飲料である風には、見えなかったから。)
「…あなたさま、一人に、でも。…あなた様にでしたら……嬲られ尽くしそう、ですが……
はい。そう、ですね。…首輪とは。逃がさない為、捕まえておく為の物。なのでしょう…?」
(人差し指を。右、左、赤と緑。それぞれの間を、行き来させながら。少しだけ、唇を尖らせる。
逃げられない、逃げる意思がない、逃げてどうなる物でもない…逃げても、何も変わらない。
そんな事は。言われずとも、少女自身が、誰より知っている事だから。
解りきった事を、敢えて、言の葉という刃に変えて、突き付けられるのは。そういう嗜虐なのだと、分かっていても。嬉しくなくて。
だから、選んだのは赤い薬。言葉に薬に、上げて下げて、突き放しては焦がれさせて。そんな振れ幅で、心ばかり弄ばれるのは…正直。)
「……怖い、選択肢、です。ですから、わたしは……」
(逆張り。逃げる。赤に満たされた試験管を。ぐぃ。一息に傾けて、喉へと流し込んだ。
■レイン・レジネス > 試験管の中の液体の、味は水と然程変わらない。飲食物に混ぜ込む為のものであるからだ。
冷たい水とは言い難いが、喉の奥に引っかかる感触を洗い流すには十分であろうか。
が――液体が喉を通り胃の腑へ落ちていった時に、その効力は身体に表れるだろう。
嬲られ鳴く為に育て上げられた全ての器官が、快楽を求めて熱を帯び始める。
焼ける程に熱く、叫びたくなる程にむず痒い。指を立て掻き毟れば、如何ほどに心地良い事か。
……が、その一方。思考ばかりは、普段と然程変わらぬのだ。
それは無論、性の陶酔に思考が霞む事はあるだろう。だが、過剰に狂わせるという代物ではない。
あくまでも身体を弄ぶ為の薬であるが故、効力は偏って発揮される。
「やっぱりそっち? ……実を言うとね、まだ緑の方、飲んだ人いないんだ。
だからどこまで効き目があるかなんて分からないんだよ……ああ、残念」
使われぬ方の薬液はポケットへと戻し、さして開いてもいない距離を詰める。
試験管を掴んだ手の、手首に指を絡めて捉え、引いた。
多少喉が潤ったとしても、まだ嬲られた疲労も抜けきらぬ身体を無理に歩かせるようにして、
向かう先は王城に幾つもある客室の一つ、さして珍しい仕掛けも無い普通の部屋。
その道程を行きながら、女は、取って喰らわんとする目はそのままに言う。
「本当に連れ去られたいなら、首輪を掛けてあげようか?
私の名を刻んで、私の家名を刻んで、誰の物かはっきりと分かるようにしてさ。
何処で使うのも構わないが、最後は私の屋敷に届けるように、そう取り決めをして。
……私に委ねるって言うのは、つまりそういう事だよ」
〝改善〟に対する案として出たのは、首輪で繋ぎ止めようかというもの。
独占欲――と言うのもまた違うか。他者に貸し出す事を厭わぬどころか、望んでいるような節もある。
この提案に応じた者は、今までに殆どいない。だからこそ提案は、本気ではあるが、気軽に吐き出される。
〝ただの玩具〟から〝所有者が貸し出している玩具〟に変わる気はあるか、と。
■リシェ > (飲み干して。途端、熱が沸き始める。
多くの薬で強いられる、良く有る類の発情と、違う点が有るとすれば…熱の出所。何処から、どう、沸いてくるのか。
どう熱くなって。どれだけ耐え難いか。それ等を、見失ってしまう類では、ない事だろうか。
肉体か、精神か。迫られた、その選択通り。何処までも、薬効は、肉体へだけ。
空にした試験管を、彼女へと、差し出す。その合間だけでも。精臭を洗い流された喉から、飲み落とした胃の奥へ。
其処から…きっと、本来求めるだろう場所、身体の奥深くへ。立ち所に、本来なら、耐え難い程の熱さが。…快感への、欲求が。
自由な側の片腕が。壁に凭れた、そのままで。きゅ。肩を。胸元を。抱き締める。
腕に潰される、自身の乳房も。触れるだけで、焼け付きそうな程。自然、両脚もがくついて。震える膝は、壁がなければ、どうにも危うく。
それでも。震える睫の下から、彼女を見返す瞳が。少し、苦笑めいた物を浮かべて。)
「…無理矢理、飲ませた…事は。無いの、ですね…?レジネスさま。
……其処は、ひょっとすると。…お優しいのでしょうか……」
(いや、きっと。自ら、堕ちる事を、望ませるから。自分から選ばせたいから、なのだろう。彼女の場合。
そんな風にも思うから。詰まる距離、掴まれた手首。…そんな接触にすら、生じる快感に。びくり、大きく身震いをして。
…それでも。逆らう事、逃げ出す事、等はない。引かれる侭に、頻繁に「使われる」施設でもある、何処かの客室へと。連れ込まれていくのだろう。
引かれ歩む間。問い掛けに、少しだけ。思案気に、目を伏してから。)
「……それは…逆に。質問を、返すようで。恐縮ですが……
レジネス、さま。…公共物の、独り占めは。ルール違反です。……いえ、それよりも…
触手使いに、魔物飼いの名も、加えて。…後ろ指を指されずに、疎まれずに、怪しまれずに……お済みに、なりますか?
…同じ輩だと、魔族の走狗だと、有らぬ疑いを、掛けられて。是幸いと、レジネスさまの家を、名を、貶める口実にされて。
等しく、わたしのような立場に。…誰にでも犯される、虐げられる、使い潰される…そんな身に、堕とされるかもしれないと。
あなた様こそ、首輪で、この城に繋がれて。玩具に成り果てるかもしれない、等と。
そういう危惧は、抱かれないのでしょうか……?」
(最近になって。外を知った。知りたくなった。
だから、例え首輪を填められ、リードで引っ張り回される、犬の散歩のような物でも。城という名の、籠の外に迎えるならと…思わないでは、なかったけれど。
寧ろ、それだからこそ。安請け負いは出来なかった。
少女にとって、”改善”でも。当事者、彼女にとっての”改悪”となるのでは。きっと、無意味だから。
…けっして。彼女の立場を、危うんだ、心配した、訳ではない…けれど。)
■レイン・レジネス > やがて辿り着いた部屋は、さしたる仕掛けも無い平凡な客室。
寝台が一つ。調度品が幾つか。責め具も無ければ枷も無い。
扉に内側から鍵を掛けたなら、後はもう、誰の助けも入らない。
鉄格子こそ無いが、此処の本質は檻と然程変わらない。
引きずり込んだ贄の背を押して寝台へと導き、自らも腰を下ろすだろう。
その、背に触れる手、肌を擽る衣擦れまでが快楽を呼んでいるのだと知りながら。
まだ本当に注ぎ始めるには至らず、まずは言葉での戯れから。
「……ルール違反、成程それはそうだ」
この一つに限り、女は頷いた。理屈として、反論の余地は無い。
腕を組み、首を傾げ、言い訳を探すそぶりは見せたが、どうにもそれは上手く行かぬようだ。
故に、次に口を開いた時に出た言葉は、些か開き直った代物だった。
「……まぁ、なし崩しに既成事実にしちゃえば、ほら。
後から文句を言う人もそんないないって――だいたい代わりは居るものだし」
それから、咳払いを一つ。目から少しばかり、凶暴の気が失せた。
怠惰な性質ではあるが、真面目に問われたならば真面目に返すだけの良識と理性はあるのだ。
ましてやそれが、自分の〝欲しいもの〟からの問いであるなら、尚更。
「――まず、リシェ。一つ勘違いをしているようだから言っておこう。
私の家名をこれ以上貶めるのは難しいと思うんだ……うん。主に放蕩とかの悪評で、うん。
……ついでに言うとね、狙われるのは弱い生き物だけだよ。
誰だって口から触手を突っ込まれて、内蔵全部グチャグチャに掻き回されるのは避けたいものさ。
だから言ってしまえば、その問いの答えはね。〝危惧なんて全く、これっぽっちも〟だ」
毒を持つ生物は派手な体色で警告する。毒を持つこの女は、放埒の生き様で警告する。
触れれば刺す――これが退廃の王都を、後ろ盾も無く遊び歩く術だ。
その毒、手より余程自在に動く触手は、既に衣服の隙間から這い出し、誘い込んだ獲物たる少女へと伸びる。
脚に纏わり付いて衣服の内側へと入り込み――内側からドレスを、ぼろきれの如く引き裂かんと。
「それとも口説き方を変えた方がいいかな。
〝命令する、逆らうな。私の首輪を伏し拝んで受け取れ〟って?」