2019/02/03 のログ
■ギュエス > 『それにしても、随分と幼いですなぁ。ゴルトムント伯は少女趣味をお持ちか?』
『いやいや、あの方は老いも若いも関係なく、美人であれば食らうお方よ』
『精力の滾りも逞しいのですなぁ。戦場を駆け抜けた古強者は違うという事か』
――口々に感想を躱し合う貴族達を尻目に、男の視線は彼女に注がれていた。
彼女が自分を売り捌く、その瞬間を見逃さない様に。覚悟の上の選択なら、嘲りながらも踏み躙りはするまい。
男に全ての純潔を捧げる。その言葉は、この大広間に確かに広がり、どんな契約書よりも強固な不文律を生み出す。
曰く、シェリー・ファルスタッフと呼ばれる少女は、ギュエル・ゴルトムントの所有物であり、愛玩雌奴隷であると。
「ほぅ、この場でよく言った。泣き崩れるかと思ったが、中々気骨があるではないか。
であれば、褒美の言いつけも、出来るな?――さぁ、目の前に、お前の純潔などでは到底贖えぬ金貨がぶら下がっているぞ?」
彼女が言葉を口にしたなら、その瞬間に彼女は泥沼に落ちる。貴族の欲望を煮詰めた様な、下劣で醜悪な底なし沼に。
成人するまでの費用を工面する――それは褒美の様で、実を言えば何よりも凶悪な制約だ。
彼女がそれを認めれば、男はいつでも払い渋る事で彼女の尊厳を嬲れるのだから。
――やがて、彼女は貴族の雌犬になる事を承知する。しかも、迷いながらも日和らずに、純潔を差し出した。
ならば、少しばかりは良い目を見せてやろう。唱えるは呪文。渦巻くは淫魔の魔力。
「ふふ、ふ、はははっ、やはり良い子だ、シェリー!気に入ったぞ!確かにお前を私の物にしよう。
此方に来い。私の前まで来たら、皆の方を向け。お前に一つ、個人的なプレゼントをやろう」
彼女が言う通りに動くのを確認したうえで、彼女の下腹部へと手を伸ばす。
子宮の上あたりに手を置けば、そのまま手元に貯め込んだ淫魔の魔力を流し込んでいく。
強制的な発情と性感帯の励起――それと同時に、彼女の下腹部に、ハートを象った紋章を刻み込む。
それこそは、この男――ギュエス・ゴルトムントの起源。人間と淫魔の間に生まれた、半人半魔の力の証明。
やがて、赤紫色に瞬く紋章を刻み終えると、漸く男は手を除けて、一度皆に見せつける様に立たせながら。
「これで契約成立、だな。お前の心は自由のままだ。内心で私を憎もうが嫌おうが構わん。その刻印も、じきに輝きを失って消える。
だが、それとは別に、お前はもう、雄には敵わない。汗を、肉棒を、先走りを、精の予感を受けたら、お前は恭順するしかないのだ。
では、シェリーの処女を頂くとしよう。だが、これは私の慈悲だからな。ほれ、そこに四つん這いになれ。初めてのセックスを、皆に見せつけてやるとしよう」
彼女の体に隷属の証拠を刻み付けた男は、そのまま彼女に屈辱を強いる。その代わりに、彼女の望んだ対価は、確実に彼女の手元に入るだろう。
何せ彼女は、女としての幸せを生きる為のはした金に変えたのだ。それくらいは、払ってやらねば男が廃るという物だろう。
■シェリー > もはや後戻りは出来ない。
貴族たちが囁き合うように、これから自分は食らわれるのだろう。
もはやそれでも良かった。
これできっと自分も、母も楽が出来る。
ずっと自分を抱き続けるほどこの男も暇では無いだろうし、飽きたから殺すとかそういう事もないだろう。
成人するまでは捨てられないように努力し、援助無しでも生きていけるように学ぶ。
若干無理矢理だが前向きな人生設計をして自分を慰めた。
それでもその場に崩れ落ちないで済んだ程度で、がくがくと震えてはいるのだが。
「あ……ありがとうございます……どうか、あなた様のものにして下さい……」
今は本心からそう望んでいる。
それで当分の生活が保障されるのだから。
少なくともそう信じていないともう心が壊れそうだった。
幼い心には大きすぎるストレスをほんの数分で受け、判断力も鈍っている。
求められるがままにギュエスに近付き、指示されたとおりに立つ。
「えっ……んんっ!?あ、あ……これ、は……」
他の国ではいざ知らず、この国ではかなり重要な位置を占める魔術がある。
それが女を辱めるこの手の術だ。
そんな種類の魔術を好んで学びはしないが、知識としては持っている。
その魔力の雰囲気と我が身に刻み付けられる紋章。
なまじ知識がある故に、名実共にこの男の所有物となった瞬間を見せ付けられる事となるのだった。
それは屈辱でもあり、悲しくもあり。
だがほんの少しだけ幸せかもしれないと思った。
どうせ肉の穴として使われるのであれば、痛くないほうがいいな。
そんな子供っぽい発想からであった。
「くぅ、う……ありがとう、ございます……」
絶望した、それでも何とか取り繕った表情で呟き、おずおずと四つん這いになる。
公開処女喪失など、望んだ事どころか想像した事も無かった。
現実感が無さすぎるせいか思ったよりは冷静に行動できている、と自分でも思う。
どんな状況にせよ逆らう事などできはしない。
無理矢理犯されるか従順に犯されるかくらいしか選べそうには無かったのだが。
■ギュエス > 【後日に継続です】
ご案内:「王都マグメール 王城」からギュエスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からシェリーさんが去りました。