2019/01/27 のログ
シェリー > 「パイ……!」

滅多に食べる事の出来ない甘味に表情がぱぁっと明るくなる。
必死に背伸びして取り繕っていた表情が一瞬年相応の子供らしいものになった。
だがそれではいけない、ここは礼儀としては遠慮すべきなのだろうか。

「そ、そんな……私のようなものに、お構いなく。
 こちらこそ、私で宜しければゴルトムント様に何かお持ちすべき所を……」

実際の所それで相手を喜ばせることが出来るのか、それとも親切を無碍にされたと思われるのだろうか。
分からないが、今は自分の信じる様にやるしかない。
ただ慎重に、言葉と行動を選んで。

「は、はい、ありがとうございます……きゃっ」

よく手入れされた髪の毛はさらりとしつつも柔らかく、男の手に少しくすぐったい感覚すら与えるだろう。
内心はびくびくしながらも大人しく、そして嬉しそうな表情で撫でられていたが、引き寄せられると驚きで小さく悲鳴を上げてしまう。

「えっ、あっ……申し訳、ありません……よろめいてしまいまして」

大丈夫か、との問いに話を合わせて再び笑顔を浮かべる。
少しずつ分かってきた。
この男に取り入る為にはただ言葉を交わすだけではだめだと。
膝に乗れと言う提案を受けて、それは確信に変わる。
しかしただただ餌を食われて終わらせてはいけない。
決意を持って言葉に答える。

「そ、そんな無礼な事……本当に私の様な者がその様な光栄を頂いても、よろしいのですか?」

目の前に跪き、席に座るギュエスの膝に触れるように手を置く。
上目遣いで切なそうに男の顔を見上げ、精一杯の媚を込めて問いかける。

肯定されるのであれば、そっとその膝の上に乗るだろう。
スカートを持ち上げ、薄い下着で包まれた年の割にふくよかな尻がその硬いものに当たるような位置で。
最も、笑顔で振舞うその瞳にはうっすらと涙が浮かんでしまうのだろうが。

ギュエス > 「やはり甘味が好みか?ならばあとで、好きなだけ食わせてやるとしよう。
 何なら、家族の分も持って帰るかね?遠慮はいらない、好きなだけ望むとよい」

直ぐに剥がれる付け焼刃。それは無礼を通り越して、いっそ微笑ましい。
お飯事をする子供達を見て、作法の有無を確認するような無粋は愚の骨頂なのだ。
結局遠慮をする様子に、男は思わず笑いを零しつつ。

「ははは、聡明なだけでなく、気も利くか。ますます良いな。
 ――では、私が望むものを述べるとしよう。無論、シェリーでも用意できるものだ」

撫でる髪の感触は、さらりとして心地よい。
引き寄せた時の声音も中々そそる。そして何より頭が良い。
――ならば、この場でこの男に取り入る意味を、少しばかり教えておこう。

「ふむ、学生の身で酒精でも嗜んだのかね?さぁ、遠慮せず、膝の上に座るがよい。
 生憎と私はせっかちでな。あまり待たされるとつい苛立ってしまうのが悪い癖なのだ」

媚びを売るような上目遣いに、好々爺のような笑みを返す。
その裏ではしっかりと欲望を煮えたぎらせており、彼女を逃がすつもりは全くない。
やがて彼女が膝の上に乗るならば、これ幸いにと右手を太腿に、左手を胸元へと伸ばす。
そのままごつごつとした分厚い掌で肉を揉む様に掴みながら、彼女の耳元に顔を寄せていき。

「シェリー、お前が私を楽しませるならば、お前の望むものをやろう。
 富ならばすぐに用立てる。人脈ならば他の貴族に売り込んでやる。
 それが望みなのだろう?そのためにこの場にやってきて、私の膝に乗っているのだろう?
 ならば、お前が私の悪徳を受け入れる限り、確かに恩恵を与えてやるとも。この約束は違えまい。
 ――受け入れるかね?もし、お前が私の雌になることを誓うなら、今すぐ、小便を漏らして見せろ」

彼女以外には聞こえない様に、囁くような低い声で告げる。
彼女の狙いも、その成就も、条件も。その全てを彼女に突き付ける。
拒絶するならばその時は、彼女が受け入れる迄この場で辱めればいい。
受け入れるならば、彼女の粗相にかこつけて、場所を変えて嬲る事にしよう。
どちらにせよ、男に声をかけられた時点で彼女に逃げ場などないのだ。

シェリー > 「あっ……」

せっかちだ、と言う言葉を聞いて丁寧ながらも急いで膝に乗った。
自分でも用意できるもの、とはまさか頭を撫でさせたりと言う程度の物では無いだろう。
その覚悟はしてきた、はずなのに。
うっすらと涙を浮かべた目で男の顔を見る。
太腿や胸を弄られるのは初めてではないし、忌避感もそれほどではない。
だが自分より二周り以上は年上の初めて会う男に抱き寄せられ、明らかに性的な目的を持った手つきで嬲られるのは心地のよいものではなかった。
上げた声も、大きくは無いとは言え悲鳴に似たニュアンスのものである。

「え……そ、そんな……」

男の言葉は確かに望む物であった。
それは富であり、人脈であり、出世への足がかり。
この貧しい生活から母共々抜け出る道。
だが、提示されたその対価はあまりにも大きかった。
どこかの部屋に連れ込まれ性欲の捌け口にされるくらいは考えていたが、まさか並み居る貴族達の目の前で……それどころか大物貴族の膝の上でお漏らしをさせられる事になろうとは。
そもそもこの提案は本気なのか、何かの引っ掛けでは無いか?
そんな風な考えも頭を過ぎり、思考は迷路に入り込む。

「で、出来ません……!この様な所で、そんな無礼な事……!」

小さな声で囁き返す。
そうだ、普通に考えれば自分の膝の上で粗相をしろとなど命じる者はいない。
その代わり、我が身を苛む手を止めはしない。
自分からまだ未熟な果実を押し付けるような動きすらした。

ギュエス > 「やはり良い子だ、シェリー。増々気に入ったぞ?」

こちらの機微を読み取って、素早く行動が出来る。
それは大人であれば容易いが、この年齢の子女に求める物ではない。
しかし彼女は、確かに男の機嫌を窺いながら、最適解を選んで見せた。
うっすら涙を浮かべた表情。笑顔は彼女の覚悟の証明なのだろう。
なればこそ、その笑顔を歪めたくなる。鳴かせたくなるのだから仕方ない。

「ほぅ、私の言葉が聞けないと?私に従えないと?折角ここまで頑張って、自分の努力を不意にするのかね?
 ――生憎、ここの者達は、シェリーを助けてはくれないよ。それよりも、同じくシェリーを辱めたい輩ばかりだ。
 ここで私の手を跳ね除けて、他の者に嬲られるのも、まぁ良いかもしれんがね。その時は、じっくり見させてもらうさ」

意地悪く囁き返しながら、太腿を撫でる右手は緩やかに彼女の股座へと伸びて、下着の上から秘所を弄る。
左手もささやかな胸元を揉みながら、その先端の蕾を布越しに探り出して、摘まもうと試みる。
明らかに淫らな愛撫を衆目の前に晒しながら、身を寄せてくる感触を味わいつつ。

「――それとも、この場でなければ私の言葉に従うのかね?それなら地下の部屋を一つ借りてやってもよい。
 あるいは、そうだな……シェリー、お前は賢いから、ここで粗相をする代わりに、何を私に与えられるか、自分で考えてみてもよいぞ。
 私が満足する答えを導き出せたならば、その通りにしてやろう。だが、もしも私の興を削ぐような真似をしたならば、そうだな……」

彼女の股座を弄る指は、下着の上から陰核を探り当てると、その少し下を執拗に撫で始める――丁度尿道の辺りを。
そして左手は、胸を弄るのをやめると、彼女のスカートを捲り上げ、比較的肉付きの良い尻肉を左右に開くように掴んで。

「……学院にシェリーの居場所がなくなってしまうかもしれないな。前途有望な若い娘の将来が、露に消えるのは何とも、悲しい事だ」

権力による絶望的な将来を滲ませながら、愛撫だけは緩やかに続く。
彼女の余裕を削ぎ取る様に、そして周囲の者に彼女の名と痴態を見せつける様に。

ギュエス > 【後日に継続となります】
ご案内:「王都マグメール 王城 宴会場」からギュエスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 宴会場」からシェリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にラファルさんが現れました。
ラファル > マグメールの王城の中とあるホールで、それなりの規模の立食パーティの中、こつ、こつ、と小さなヒールの音を立てて歩く少女がいる。
 金色の髪の毛を揺らし、上品なドレスをまとった小柄な子供は、どこかの貴族の娘かどうかと見間違うだろう、服装で。
 その実は貴族ではなく、富豪の娘であった、なぜそんな少女がそのような格好をしてこのような場所にいるのかといえば。

 ――――趣味のためであった。

 とは言え、普段好む半裸の格好ではさすがに止められるので、少女は着飾ってここに居たりするのである。
 木を隠すなら森の中、貴族を隠すなら、貴族の中。
 とある貴族の晩餐会に何事もなく潜り込んで美味しいご馳走をパクパクモグモグ。
 小さな子供だから少しぐらい気品が悪くても大人は見ていないことが多い。
 それに、たくさん貴族がいるとひとり紛れ込んでもバレにくいものである。
 挙動不審ならともかく堂々としてる上に、声をかけてきた貴族の人に上品に挨拶をして返答して見せれば、バレることもない。

 ―――ここにいる貴族の名前は来てすぐに聞いてみて把握済みだから。

 ニコニコと笑いながら、貴族のおばさんのお話を聞いて、ご飯を食べて、貴族のおじさんの御機嫌伺いをしている少女。
 違和感なくそのパーティの中溶け込んでいるし、たのしんでいたりする。

ご案内:「王都マグメール 王城」にタマモさんが現れました。
タマモ > 『今日はお誘いがあって立食パーティーですから、ご同行お願いしますわ~』

そんな話を、この王都内を任せている式から聞かされたのは少し前か。
場所が場所だからと、普段の着物からドレスに着替えさせられた少女。
こう、最初は不機嫌そうにしていたのだが…並ぶ料理を前にして、そんなものは吹っ飛んだ。
ここではシェンヤンから来たシノと名乗る商人上がりの貴族。
その付き人として来ているはずなのだが…

「では、適当に食べてくるからのぅ?」

しゅたっ、と手を上げて、後は任せて並ぶ料理へと一直線。
どう見ても付き人っぽくない行動だが、気にしない。

ラファル > 少女は、パクパクモグモグ、大量のご馳走を平らげていた。
 あまり大量に食べていると、いろいろ不審がられるだろうと思いますが、そのへんは少女の技量。
 隠密と忍びのスキルを駆使して人の気が向いていない時に速攻口の中へ。
 周囲の人からはそんなに食べているようには見えておりませんし、あれやこれやと手を出しているので一箇所だけ空白のように減るということもありません。
 色々と才能を無駄遣いしているのです。

 それと、ここに来た理由はまだあります。
 今現在、分身がこっそりと場内を駆けずり回り、情報を収集しております。
 こういうパーティの噂話、師団の団員の噂話。
 下位幹部に回る情報などなど、あれやこれや、と掠め取っていたりします。
 それをどうするか?どうもしません、修行の一環としての情報収集なので。

「――――およ?」

 ふと、聴こえてくる声。
 視線を向ければ、以前山の中で餌付けしてくれた人がいるじゃありませんか。
 なんでこんなところにいるんだろー。
 興味がむくりむくむく。コツコツ、と近づいていきましょう。

「――――ごきげんよう、タマモ様。」

 にっこり笑い、スカートの橋をつまんで上手にお辞儀。
 半裸の時と服装の全然違う幼女がそこにいました。

タマモ > さぁ、早速と料理に手を伸ばす少女。
なのだが、ぴくん、と今は隠して見えない耳が揺れる。
明らかに、この場において自分と同じ存在が居る、それを感じ取ったのだ。
どんな存在かって?それはあれだ、料理第一?
こんな場所に集まる貴族の連中ってのは、無駄に話し込んでいるものである。

その動きに反応し、ちらっ、とそちらを見れば…

「………おや、誰かと思えば。
えーっと…と、ともあれ、久し振りじゃのぅ?」

声を掛ける前に近付いてきた少女、見覚えは…ある。
挨拶代わりに、ひらりと手を振って言葉を返す。
もうちょっと礼儀作法を学べ、そう言わざるを得ない。
って言うか、名前を言おうとして、忘れて誤魔化したっぽい感じだ。

ラファル > 「むーっ!」

 ぷくーっ、少女の両の頬が膨らんだ。
 ええ、直感的に少女は目の前の女性が自分のことを忘れてる様子を感じ取った模様。
 前回会った時は、野生前回で、半裸で胸ベルトと短パンだけの状態なので。
 ドレスを着て、手袋までして着飾っている今と比べれば同一人物認定も難しいかも知れないのだ。
 とはいえ、少女は自分に出来ることは相手にもできると考えるタイプ。
 自分が有能と考えないタイプなのであった。

 ちなみに、以前出会った彼女は子供状態であった。
 少女は、匂いと、魔力の質で覚えていたので、姿が大きくなっていること自体に驚きはしなかった。
 自分もドラゴンの姿に変化もするから、物事は本質で見るタイプなのだ。

「おねーさん、ボクのなまえ、わすれてるでしょ?」

 ぷく、と頬を膨らませたまま器用に尋ねる少女。
 じー、と恨みがましく見上げるのだ。

タマモ > あ、何か怒った。
目の前で頬を膨らませた少女に、そんな感想を頭に浮かべた。
ちなみに、少女が前と同じ格好をしていても、同じ反応をしていただろう。
自慢じゃないが、一発で名前を覚えられるなんて自信はない。
前に会ってそう経ってなかったり、何回も会ってたりしている相手は別として、だが。

自分が前に会ったのは幼女状態、今は元に戻っている。
なのに見抜いたのは、別に気にしてはいない。
それは、自分も同じように本質を見抜けるからだ。

「うぐっ…ちゃ、ちゃんと覚えておるぞ?
森で会ったじゃろう?山菜料理と肉を分け合ったじゃろう?
ほれ、合っておるはずじゃ…!」

図星を突かれ、視線を彷徨わせながら誤魔化そうと。
うん、唯一聞かれた名前だけ答えれてない、アウトだ。
少しの間を置いて、はふん、と溜息。

「………すぐに名前を覚えよ、と言うのは苦手なのじゃ。
悪いとは思っておるが、どうしてものぅ…すまんな?」

うん、折れた。
じっと見上げる視線を返しながら、詫びておく

ラファル > 「―――――。」

 じーーーー…………。
 最初の言い訳じみたこと、確かに山菜とか食材を訳あってご飯を食べさせてもらったことは覚えている。
 料理のことをお約束したのも覚えている。
 彼女の言うことは間違っていなかった。
 で、結局彼女はため息を吐いたが、おぼてない事を白状して、からの謝罪の言葉。

「うん、いいよ。
 ボクはラファル、だよ。」

 ごめんなさいを言ったから、これはこれで終わり。
 にこーっと笑いをこぼして少女は怒りを収めた。
 ちゃんと覚えてね?と言わないのは苦手だと彼女が告白したので、無理に言うのは悪いことと思った。
 今すぐ覚えろというようなことは言わないのだ。

「ところで、タマモおねーさんは、何しにここに来たの?
 もしかして偉い人?」

 話しながら貴族たちの隙を突いて、肉料理をひゅぱっと手にしてもぐしゃぁっと、口の中から胃の中へ。
 会話している間さえ、会話に支障のないレベルで食べてしまう少女がここにいた。

タマモ > どうやら、これ以上は怒られずに済んだようだ。
はふーっ、と今度は深々と息を吐く。

「ふむ…そうそう、ラファルじゃったな、思い出したのじゃ」

ぽむっ、と手を打って言葉を紡ぐ。
思い出したとは微妙に違うが、気にしないで貰いたい。
まぁ…次がないようにするには、何度か会うべきなのだが、難しいところである。

「あー…別に、呼び捨てでも構わんのじゃが、それが良いならば良かろうか。
ほれ、あそこに居る妾の式が、一応は呼ばれたらしくてな?
付き人兼護衛代わりとして、連れて来られたのじゃ」

ちょいちょいと、離れた場所で他の貴族と話す、紫のドレスに身を包む少女を指差して答える。
調べたのなら、その少女の事も分かっているだろう。
表面的な立場から、少女は妖の類である事も。

もちろん、少女と同じくして、己も料理に手を付けている。
ただ、隠す気はまったくないらしく、普通にもしゃもしゃ食べているが。

ラファル > 「思い出したなら、ボクが名前言う前に、言って欲しかったなー?」

 にしー、と意地悪な笑いを浮かべて見上げるのは、怒っているのではなくて、からかうための笑いであった。
 底意地悪いというか、基本的には子供でいたずらっ子なのでございます。
 しばらくはこのネタでいじることは確定になりましょう、ええ。

「だって、今は、おねーさん、だもん。
 貴族社会ってそういうところ面倒くさいんだよねっ。だから、ここではおねーさんて言うんだ。

 あの人の?
 あの人って、シェンヤンの大商人の……。
 ご主人様が護衛って、不思議だね。」

 指を指された先を見て、ああと、頷いて、敢えて大商人の娘とは言わなかった。
 言葉を切ったのは、彼女の立場もあるだろうことを察しての事である。
 大商人自体は、商人のネットワーク……親のそれだが、を通じて知っていた。
 国が違うので別に交流はないので、本人を見るのは初めてである。
 式……確か師匠が言ってたな、と思い出す。忍術の修行のことで。
 まだ、式を扱えるほど教わってはいないけれど。
 なるほどなーと、もしゃもしゃ食べている様子を見ながら、少女もこそこそっと、もしゃもしゃ食べる。

「ボク、おねーさんは、ずっと山で静かに楽しく過ごしてると思ったけど。
 結構街とか来るの?」

 街に来たから、式に呼ばれてここに連れてこられたんじゃないかな、とか思って問いかけた。

タマモ > 「うぐっ…ま、まぁ、ほれ、確かめる意味も込めて…無理があるか」

唸りながら、適当な理由を付けようとしたが…諦めた。
まぁ、悪戯で言われてるのは分かるし、こちらも気軽に言っている感じはある。
大丈夫、その内に名前はちゃんと覚える…予定。

「そんなものかのぅ…まぁ、それならばそれで良かろう。
まったくもって面倒な話じゃ、故に任せておるんじゃがな?
………まぁ、護衛と言う点では間違いなかろう。
妾が居れば、そうそう何も問題とならんからのぅ」

要するに、王都内の事は面倒なので丸投げしてるって感じである。
まぁ、相手に対して顔は覚えられるが名前が覚え難いとか、それだけでも致命的なのは間違いない。
己は頭よりも体を使うタイプなのだ、どちらかと言えば後衛型のはずなのだが。

逆に、大雑把な事ならばちゃんと覚えられる。
式から伝えられた、この王都の情報。
もちろん、この目の前の少女に関しても、情報としてはあった。

普通に食べながら、目の前でこっそり食べてる少女を見遣る。
うん、やっぱり面倒そうだな、なんて思いながら。

「妾はどこでも楽しめるぞ?
山でも、川でも、海でも、自然を理解すれば自ずと分かってくるものじゃ。
もちろん、街でもな?別の意味で楽しめるのも良いな、うむ。
だからこそ、ちょくちょくと街にも来る。
せっかく式の邸宅もあるのじゃ、使わねば損じゃろう」

ふふんっ、と偉そうに胸を張りながら答える。
まぁ、自然に引っ込んでた時期があって、そんな知識を覚えたなんて言えない。
ちなみに、ここに呼ばれたのは偶然居たからだが…それも言わずにおいた。

ラファル > 「ざんねーん、むりがありすぎまーす。」

 今更ですねとばかりに少女は笑ってみせる。
 楽しそうに、くるり、くるりとタマモの周囲を歩き回る。
 そのうちでも覚えてもらえるなら良いだろう、少女はそう考えている様子で。

「んー、しばらくお貴族様として、このお城に住んでみるなり、お貴族様の習性観察してみるといーよ?
 ほんと、どーでもいいことに全力だから。

 ねー。
 というか、バレたら一緒に退治されそうで怖いねー。」

 面倒な話という彼女に同意して笑い、こくこくとうなづく。
 彼女の実力派さらっと見ただけでも、魔王に匹敵するような気がする。
 とは言え、なんかいろいろ隠してる気もするし、ざっと見ただけなので、確定的には言えないのだけれども。
 少女のことに関しては、どんな情報が回っているのだろう。
 まあ、たいてい碌でもないことだろう。
 いつもどこにでもいる放蕩娘とか、無限の胃袋とか。
 冒険者してるとか、頭悪いとか。そんなところだろうか。

「んふ?別の楽しみ方?
 どんな楽しみ方、あるの?」

 自然というところに関しては、野生が基本の少女なのでよくわかる。
 なので、あえて聞くのは街の楽しみ方、である。
 別のという言い方が気になって、彼女の視点での楽しみ方に興味が沸く。
 面白そうに思えたなら真似する気マンマンらしく。
 キラキラと目を輝かせて見上げる。
 教えて教えて、と、顔中に浮かぶのだ。

タマモ > 「むむむ…今だけの優越感を味わっておくが良いのじゃ。
お主の名前なんぞ、すぐに覚えてくれる…!」

いつもならば、だむだむっ、と地団太を踏んでるところだが…さすがにここでは出来ない。
代わりに、ぺちぺちぺちと頭を叩いておこう、痛くないけど。
そして、実に簡単な事を、さも大事のようにのたまうのであった。

「うむ、全力でお断りなのじゃ。
狭い鳥篭の中で自由に出来ようと、息苦しくて敵わん。

ばれたら、か…その時はその時、なんとでも誤魔化せば良い。
どこぞの師団の連中ならばともかく、そこらの連中なんぞ軽いものじゃ。
もしそうなったら、妾に任せるが良い」

やる前から、もうあれだ、何となく分かる事である。
お勧めの観察らしいが、いらんいらんと手を振っておいた。

力に関しては、少女の思う通りにあえて隠すように抑えてある。
それを解放したならば…少女の想像を越える、かもしれない?

ちなみに、少女に関しての情報は大した事はない。
その家族がどんな風で、何をしているとか、その程度。
もっと細かく調べる事も出来るが…そんな知識、王都中のものを詰め込んだら破裂してしまう。

「おや、そちらに興味が向いたのか?ラファル?
子供と遊ぶのも楽しい、道を覚えず歩き回るのも面白い。
小さくも大きくも、悪戯と言うのも楽しいものなのじゃ。
もちろん、お主が前に言っていたような気持ちの良いものも含めて、な?
色々と考えを巡らせれば、楽しみ方なんぞいくらでも生まれるものじゃろう」

さすがに、今すぐすべてを思い出して伝える事は難しい。
なので、思い出せる事を適当に並べて伝える。
一部、こんな少女相手に言う事じゃないだろう、と周りに思わせる内容もあったが。
むしろ、もっと違うところに考えを巡らせろ、とも言われるかもしれない。

ラファル > 「わーい。早く覚えてねっ!」

 ぺちぺちぺちぺち、頭を叩かれるけれど、彼女の悔しそうなお言葉と。
 早く覚える宣言に少女は嬉しかったので、素直に嬉しいと言い切るお子様。

「で す よ ね ー。

 多分ボクも、直ぐ息苦しくなると思うよー。

 ん、でも、最近師団も活発だよ?
 もしかしたら、ひょろっと入ってきたりするかもだしだし?

 とはいえ、そんなことになったらボク逃げるから気にしないでー。」

 手を振って、嫌がる様子に全力の同意。
 お貴族様の生活とか、自由な野生の少女がしようなどと気が狂って死ぬ。
 いざという時に何とかしてくれるという頼もしい宣言に対しては。
 少女は速攻逃げる宣言。ええ、逃げますよ風のようにピューっと。
 だって、少女はストライダーであり、逃げる隠れるがメインの職業でございます。
 戦闘は手段であって目的ではないので、基本は任せて逃げます。

「うん、だって、楽しいことだったらやってみたいじゃん?
 ボクの知らない楽しいことなんてうらやまけしからんだよ!

 ふむふむ、ふむふむ。

 ……うん、どれもふだんからしてるや!」

 はい、目的もなくうろつきます。
 いたずらは基本的に、今目の前のおねーさんにも仕掛けるぐらいには。
 えちいこと、大好きなのです。

 適当に伝えられたことに、全部やってるという、聴く人が聴けばギョッとするだろう返答。
 うんうん、良かった全部知ってるー。少女は嬉しそうでした。 

タマモ > 「うむ、何度か会えば覚えれるから安心せい。
まぁ、覚えるのに一番なのは、愉しむ事じゃがな」

と、言ってはいるも、会わないと覚えれないという可能性。
続く言葉は、聞く者が聞けば、何言ってんだと言われかねないものだが…やはり気にしない。

「互いに似寄っておる感じじゃからな、何となく分かるのじゃ。

ほほぅ…まぁ、無駄に争いにはならんじゃろうがな?
状況次第では逃げる必要も不要となろう」

ふっ、と遠い目。
良い意味なら良かったのだが、この場合は…何とも微妙。

まぁ、師団には関係者が居るのも、そう言う理由だ。
もっとも、最近現れたどこかの師団に関しては、あれだが。
その時はその時だろうと、軽く考えるのはいつもの事。

「………なんじゃ、やっておるのか。
ならば、何ら問題もなかろう。
機会があれば、共に楽しんでみるのも手じゃ」

うんうんと、少女の言葉を聞きながら頷く。
やはり、あれだ…互いに似ている部分が多そうだ。
と言う訳で、そんな誘いを最後に付け加えておいた。

…なんだろう、そろそろ周囲の視線がちらほらと向けられている。
そんな会話をしているんだ、当然と言えば当然だろう。

ラファル > 「何度目で覚えるかなー?数えちゃうよ、数えちゃうぞー。」

 にーまにーま。
 面白そうなことになったなぁ、なんて思う少女は、人間ではない感性。
 覚えられないということよりも、覚えるまでの邂逅を楽しむつもりらしい。
 弄る方向で。

「野生の タマモが 現れた。

 それが一番だと思うよ、喧嘩はめんどくさいものー。
 うん?」

 状況次第という言葉に、なぜにと首を傾ぐ。
 遠い目をしているので、何かあるのだろうかという思考に移動した。

 彼女の遠い目の理由が先の似るという理由なのか、後の逃げることも不要の方の理由なのか、解らなかった。

「一緒に?
 うん、いいよ!面白いことは大歓迎してるよ!!」

 お誘いに関しては即答で返事。
 来る者拒まず去る者追わず、えちいことは大歓迎の少女であり。
 周囲の視線に、あ、目立ちすぎちゃったかなと、周囲を見ててへ、と笑ってみせた。

タマモ > 「良いじゃろう、その勝負、乗ったのじゃ!」

びしり、指差して言い放った。
って言うか、勝負でも何でもない。
まぁ、何度も会うのは悪くもなかろうが。

「いやいやいや、野性とかお主も似たようなものじゃろう!?
そう、面倒でないのが一番じゃ。
………あぁ、大した事でもないし、気にせんでも良いぞ?」

ぽむ、と肩に手を置いて、そこは主張しておく。
自分だけじゃないだろうと、言葉の通りに。
と、不思議そうな仕草に、手をぱたぱた振ってそう伝えておいた。
実際に、大した事でもないのだし。

「ふむふむ…では、次にでも、たっぷりと楽しませてやろう。
まぁ、期待に副えられるかどうかは、してみれば分かる、うむ」

少女の即答に、くすりと笑う。
ぱちん、と一つ指をまずは鳴らし、すぅっと目を細めながら、顔を寄せれば…
まぁ、避けなければだが、頬に口付けの一つでも落としておこうか。

周囲に注意を払っていれば、不思議と注目されていたのが解かれているのが気付けるだろう。

ラファル > 「え?勝負なの?じゃあ、何回で覚えるか予想するのー?」

 言い放った彼女に、目をぱちくりしながら答える。
 まあ、すぐにいっか、と思い直して、何回で覚えるかなーと考える。
 次あたり覚えそうな気もするなぁ、とか。

「私そんな野蛮なことできませんわ?

 本当に、平穏が一番でございます。」

 肩に手を置いた彼女の主張に対して少女はにこやかに返答してみます。
 ええ、ドラゴン、猫を被るの図。
 楚々とした仕草はどこからどう見ても育ちの良いお嬢様。
 いえ、もともとお嬢様ではありましたが、それを前面に出しただけです。
 必要とあればお嬢様になることもできるらしい。

「あ。」

 避けることなくほほに唇を受ければ、少女も手を伸ばして首筋に腕を回して、頬にキスを返そう。
 周囲に結界が張られ、その結界の質が人の目をごまかす……意識をそらすそれだという事に気がついたらしい。
 そもそも、少女の竜眼は人と見るものが違うので、魔力や気など、目に見えぬ力も見ることが出来るのだ。
 なので、視線が切れたこともすぐに気がついたので、大胆なキスでお返しということで。