2018/10/10 のログ
マリナ > 王城での無菌室育ちに加え、今現在もこんな生活をしていれば世間をほとんど知らない。
そんな少女にとって、肉親を除き初めて触れる若い男性は甘過ぎる。
彼が肉欲にまみれた獣ではないことも含めて。
男性とは、こんな風に優しく話すことがあるのか。まろやかに触れてくるのか。
自身の境遇を思ってくれる彼の心情に気付くことなく、ただただ従兄からキツく言われている
歓待を実行することと、少女自身の初めての経験に気持ちが浮つくばかりで。

けれど、彼の口から発せられるのは従兄の望まぬ言葉。
少女の顔が目に見えて不安げになった。
今までの男たちは任せておけとしか言わなかったから。
彼らの恩恵を従兄が本当に受けたのかは、知りようもなかったけれど。

「でもそれではお兄様が……」

起き上がったばかりのベッドへ、また背が押し付けられる。
不安を取り残したまま二人の距離は縮まり、彼の呼吸と香りが感じられた。
力ずくで組み敷かれ、乱暴に快楽の底に突き落とされるのとは違う。
指先の動きが、そわそわと少女の胸と背に何かを呼び起こさせるような、初めての。

「ヴィクトール様……。マリナはとても、……怖いです」

従兄のためではなく楽しむという未知の行為に呟く少女の貌が、何もかも見透かすような瞳に映っていた。
決して彼自身が怖いという意味ではない。けれど、やはり何かが怖い。
怯える少女の思考が、揺れる二つの影が一つになった瞬間に鈍っていく。
慣れた様子で唇を重ねる彼に対し、少女は目蓋閉じ、たどたどしく応えた。
されるがままに口吻を受けるばかり。呼吸もすぐに乱れ、彼の唇に熱く吐く。
薄く開いていく唇が男を受け入れ、触れる舌がぴくんと驚くように揺れた。
――――彼の味がする。触れ合う舌の上で唾液が絡まる。

「は……ふぅ、―――ん……んくっ……」

唇の隙間から漏れるくぐもる声が、乳房に触れる指に戸惑い、揺らめいた。
白い乳肌がネグリジェごと柔らかく指を沈み込ませ、かと思えば繊細なタッチで翻弄してくる。
ふっくらと柔らかい乳輪は、最初こそ淡く色を透かせるだけだったけれど
触れられてもいないのに少しずつ尖ってきた様子で、ネグリジェを持ち上げるような形が変わってくる。
ツンと、不自然に生地が突き上がり、乳輪と乳頭の境目がはっきりしてくる輪郭に。
ぞわぞわ。焦れて、唇と唇、舌と舌がじゃれ合いながら少女は目を開ける。
近過ぎて見えない、相手の表情。
だからどうしたらいいのかわからず、もどかしい気持ちを訴えるように
自らも舌を彼のそれに押し付け、顎を反らした。
曝け出される喉が上下に、こくんと動く。口腔で溜まった交わる唾液を嚥下する音が、かすかに。

ヴィクトール > 知らないと囁いた言葉に、わかり易いほどに不安を浮かべていく。
これが狡猾に身体を差し出す魔女なら、意地悪だと笑うぐらいだろう。
新雪の銀世界の様に、穢れを感じぬ純心に触れれば触れるほど、あの憎たらしい顔をした男が、この娘を食い物にしてきたのかと憤りを覚える。
だからこそ、少女の中に肉欲ではなく自分を刻み込もうと押し倒す。

「俺は約束してねぇ。でも、マリナは仕事をした。それで十分だ。それで満足しねぇなら、攫っちまうのも悪かねぇな」

クツクツと悪どく笑う男の顔は、傍から見れば姫君を奪い去ろうとする悪漢かもしれないが、見た目とは異なると知る彼女にはどう映るやら。
唇が重なる手前、怖いと囁いた言葉に掌が答える。
反対の掌が背中へと回れば、這い上がりながらするりと首筋を撫でていく。
項を擽り、後頭部の金糸に手櫛を掛けながら添えていき、身体を引き寄せるようにして、胸板と触られていない乳房を密着させてしまう。
膨れた乳輪の柔らかさも、自身とは異なるニップルの感触も固く引き締まった雄々しい胸板から伝わり、びくりと脈打つ肉棒は、振動を太腿へと伝えていく。
幼さ残る辿々しさで閉ざされる瞳も、愛らしくて唇が緩むも、啄むのは辞めない。
徐々に溢れる吐息に肉欲の鼓動は高鳴り、力強い振動が胸板から乳房へと伝わらせる。
触れる舌に舌が跳ね上がるも、逃さないと上から絡めて、表面を舐め回し、付け根や側面と擽るように幾度も絡ませ合う。
ちゅぷっ、じゅ……ずぐっ。
響く水音だけが天幕の世界を包み、男の舌に微かに残った酒が、果実の様で直ぐに消える甘みと、グレープフルーツの様な苦味を交える。
大人の口吻と言わんばかりに、味覚にすら自身を伝えながら、溢れそうになればずずっと唾液をすすってもっとと唇を押し付けた。
その合間にも、掌は房の感触を楽しみ、ふわふわの感触に癖になりそうな感覚を覚えながらも、無遠慮にむにゅむにゅと手の中で形を変えさせる。
まずは感触を楽しみ、それが終われば、フェザータッチで少女の心に火入れを始めていく。
強い火力で、一気に焦がして貪り尽くす、嵐のような快楽では味わえない快楽。
弱い炎でゆっくりと芯まで熱を通し、煮込んだ肉がとろとろに崩れていく様に、理性も身体も蕩かすための下拵え。
膨れてきた乳輪に気付くと、その縁をゆっくりと指の腹でなぞりながら、爪先がギリギリに先端に触れない程度に近づいては離れる。
キスと共に、繰り返し、繰り返し、少女を甘く焦らしていく中、彼女から押し付けられる舌に、ずるんと表面が強く擦れ合う。
そして、息継ぎに唇が離れると互いの唇の合間を、ランタンに照らされる銀糸がゆっくりと滴り、途切れて闇に消えていく。
それよりも、自ら喉を鳴らして飲み込む少女の仕草に、嗚呼と言いたげに唇が開いた。
そして、開かれる瞳には、甘ったるい物足りなさに解けていく少女の顔が移り、碧眼の戸惑いにニィっと口角を上げていった。

「……怖いっていったけどよ、本当は心臓が暴れるほど知りてぇんじゃねぇか? ……知っちまったら、この先のセックスが、薄く感じそうで怖ぇってだけで」

優しく触れて、甘く唇を重ねて、肉欲を焦らして昂ぶらせて。
何も怖がるようなことをしていないのに、彼女の瞳は戸惑いを映す。
その理由を、短い合間から感じる彼女から想像すれば、静かに低い音で振らせていき、鼓膜を揺さぶる。

ご案内:「王都マグメール 王城 私室」からマリナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 私室」からヴィクトールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 第十二師団執務室」にノワールさんが現れました。
ノワール > 先日の、貴族街での鳳物での一軒の報告書を読み、女はフルフェイスの奥でほくそえんでいた。
出てくるわ、出てくるわの余罪の数々を流し見ながら、肩を震わせる。
よくぞまあここまで悪後いことが出来たものだなと。
短い十二師団の歴史の中でも、ここまで罪状が並んだ報告書はそうめったにお目にかかれない。
羊皮紙3枚にも及ぶ報告書を、机の上に投げて背もたれイスに深く腰掛けた。
ぎしり、と椅子をきしませて。

「はぁぁぁ………。それでシャノーゼ、例の貴族様は?」
『ああ、ひどいものですよ。口を開けば自分は貴族だの一点張り。
あとはうちへの恨みつらみくらいですかね、証拠が挙がってるのにわめくだけわめいて話にもならない。
ありゃ口を割らせるのに、相当苦労しそうですね。』

苦笑している副団長の顔を一瞥して、また肩を震わせた。
この手の貴族はどうしても認めないからな、なんて冗談めかした言葉しか出てこない。
だが、これだけの罪状と奴隷にされていた旧ティルヒア人の証言。
あとは、証拠もそろっているから有罪はほぼ確定だろうと、女は予測していた。
あとはあの家に囲われていた、メイドや従者の処遇だが。

「……面倒なんだよな、それが一番…。」

きしませた椅子をもとに形に戻すように、前のめりになる。
肘をつき、手を組み、その上に額を載せる。
そして、深い深いため息をついた。

ノワール > 貴族の家が一つ潰れると、最低でも二桁の従者が路頭に迷う。
貴族に罪はあっても、かかわっていない従者までとばっちりを食らわせるのはいつも後味が悪い。
だがここで野放しにできるほど、この貴族の罪状は軽くはならない。
金に物を言わせて無実に差たら、また同じことを繰り返す、
見せしめのためにも、しっかりと罰を与えさせるべきだと、いつも肝に銘じていた。

「かかわっていたことが裏付けられる従者は、同じように。
それ以外、例えば奴隷や何も知らなかった従者は斡旋できるところを探す。
いつものように手配してくれ。」
『面倒なことですね、全部一括で知らないも罪ってことにできないんですか?』

それをしたら無責任だろうが、とため息をついた。
できるかできないかといわれたら、できるという答えが浮かぶ。
だが、それをしたら十二師団の評判…いや、気にすることでもないのだが。
一応そこを落としたら、貴族の的になるだろう。
だから、最後まで面倒を見るべきだと、女は思う。

「…面倒でも頼む、シャノーゼ。今度、美味い茶葉でも届けるからさ。」
『はあ……仕方がないですね。了解です、団長殿。』

ご案内:「王都マグメール 第十二師団執務室」にポチさんが現れました。
ポチ > 部屋の中に突如現れる青い光によって作り出された魔法陣。
一瞬のまばゆい光が部屋を包むと、その魔法陣の中心にぽつんと座りきょろきょろと周囲を見渡しながらどこかぼーっとしている少年。
少年が身に纏うのは白いシーツを適当に体に巻き付けているだけのみすぼらしい少年であった。

「ここ? どこ?」

ぽつりと、小さく呟きかくんと首を横に傾け問いかけた。

ノワール > 「………はっ!?」
『………なんだっ!?』

いや待て、何が起こっている?
突如として魔法陣が生み出されたかと思ったら、その中にいるのは…少年?
いや、何もない状態でいきなり少年が現れるとか、正気の沙汰ではない。
何が起こっているのかなどと、理解するには唐突なことにこちらは慣れていない。

「…………………むしろこっちが聞きたいくらいだ…。貴様…何者だ。」

明らかに、魔法陣から現れている時点で人間ではないことなどわかり切っている。
背中の大剣に手をかけ、机からそろりと移動する。
副団長に目配せし、その男も腰に下げているミドルソードの手をかけていた。

「……シャノーゼ、出口を固めておけ。…こいつは逃がさずに捉える。」
『了解です、団長。』


動かれるよりも早く、副団長が出口を固めてくれた。
いざという時の退路は確保した、あとは…どう出てくるかを注意深く見ていた。

ポチ > 突如現れた闖入者。
きょろきょろしていく内に自分が先程までいた路地裏ではないようで、不思議そうな顔をしながら、ペタペタと床を触っている。
どこと聞いては見たが答えはやはり帰ってこない。
そして逆に問われた言葉。
少年の少ない語彙と記憶の中には無い単語でついつい繰り返してしまう。
「貴様…何者?」

口に出して、自分の今のシチュエーションに当てはめてみれば…名前を聞いているのだろうかと、青い瞳が腰に下げられる剣の柄に手を掛け、扉に立ちふさがる男と、自分よりも大きいかもしれない背中の大剣の柄に手を掛ける相手を見比べる。

「ポチ? ポチはポチだよ?」

自分を指さしたままそんな自己紹介をするが、この緊迫した空気を読めていないのか感じていないのか…
自分を指さした指で扉を塞ぐ相手を指差し。
「シャノーゼ? 人間。」
指は空中を泳ぎフルプレートアーマーのフルフェイスの人物を指差し。
「団長? リビングアーマー?」

なんとなく魔物は覚えているようで、少年は小さな胸を張って満足げ。

「リビングアーマーと人間が一緒にいる? 不思議…」

胸を張った後にふとわく疑問。不思議そうに二人を見比べている。

ノワール > ポチ、というのが名前らしい。
名前らしいが……魔法陣から突然出てくる時点で、警戒させるには十分すぎる乱入。
以前、知り合った第七のと話をしたが、それを現実に見ているようだ。
剣に手をかけたまま、にじり寄るように。

「では、ポチとやら……。お前は、どうやってここに来た?
ここは王城の執務室だ、貴様のようなものがおいそれと来られる場所じゃないぞ。」

後ろのシャノーゼに目配せする。
こくり、と頷いた副団長に相槌を打ち、剣から手を離した。
子供とはいえ、二対一で卑怯だなどといわれるつもりもないし、筋合いもない。
状況からして、ここに転移させられた何か、ということくらいしかわからない。

「…この前はお化け呼ばわりされて、今日は化け物扱いか、まったく…。
まあ、いい…私も人間だ、モンスターじゃない。
それでポチ、私の質問に答えろ…黙秘……ああいや、嘘をついたら…おやつ抜きだ。」

…悲しいかな、こういう子供の扱いは慣れている。
まさか、こんなところでこんなスキルが役に立つなんて思わなかった…と、心の中で肩をすくめた。

ポチ > にじり寄られても、逃げる事は無い。
ぺたんと座ったまま相手を見上げている。
相手の言葉を聞く。


「おやつ? よくわからないけど、ポチは質問に答えるよ。 だから痛くしないで?」

記憶も無く、食事も餌としか言われず与えられなかったため、よくわからないものを抜かれるのは怖くは無い。
が、質問に答えなければ痛い事をされるのは知っている。
「路地裏で、寒かったの。
それで、温かい所に行きたくて想像してみたの。
そしたらね、頭の中に綺麗な絵が出てきて、
地面に描いてみたらここにいたの。
おうじょー? しつむしつ…。
街で一番大きい所?そこなら温かいと思ったの。」

状況を説明するのに拙い言葉ながら身振り手振りを交え、状況を説明する。

外と比べ物にもならない暖かい部屋。
隙間風も野ざらしでもなければ、結果に満足気。
ある意味で危機に飛び込んできたなど露とも思っていない様子で、にこにこと笑っている。

「モンスターじゃない…残念…。
お友達になれると思ったのに…。」

記憶を失ってから奴隷商人やら貴族の間を渡ってくる間、友達は化け物やモンスターと呼ばれていたため、
それだけで仲間意識や、親しみを持っていたため、
すこし寂しそうににじり寄る相手を見上げ。

ふとした疑問。
「教えて?おやつ?って何? 貰えると嬉しい物? 餌?」
そういえば、今日も少年にとってまともな物は体の大きい浮浪者や犬が取っていってしまったと思いだし、視線を自分のお腹のあたりに寄せ手のひらでその場所を撫でた。

ノワール > 「………シャノーゼ。」
『……ははっ、なんか警戒したこっちが馬鹿みたいですね。』

後ろのシャノーゼは、苦笑しながら県から手を離した。
邪気どころか、何かのたくらみを抱えているような様子もないし、何かしらの事故に巻き込まれたのか。、
それとも天才的な、魔法の才能でもあったというところか。
悪意を持つ何かが、ここに転移させてきたと予測したのだが。
何しろ十二師団は貴族にすこぶる評判が悪いから、恨まれるのも当然だと思っている節があるので。

「ポチとやら、君の言うことを素直に信じるつもりはないが…。
とりあえず、路地裏からここに急に飛んできたのはわかった。
シャノーゼ、この子におやつを出してやってくれ。」
『了解です、団長。坊や、そこに座りなさい。』

備え付けられているソファに、ポチを座らせるように副団長が誘導する。
棚の中からケーキとポットを出し、まずはケーキからポチの前においてもらった。

「それがおやつだ、食べなさい。…あと、いろいろと話を聞かせてくれ。
まず、なぜポチは路地裏なんかにいたんだ?」

ポチ > なんだか脱力感に包まれている二人を少年は不思議そうに眺めていて。

転移したその場所がいわくつきな所とは露とも知らず。

「ポチは嘘付かないよ?」

座りなさいと誘導されれば素直に従いソファーへポスっと腰を下ろす。
捨てられたソファーとは比べることも出来ないふかふか感に目を輝かせ軽く、その上で体をゆする。

「これがおやつ? 食べて良い?
ん。なんでも応えるよ?
えっとねー。怖い人たちから逃げて、ここに来て、大きな通りだと違う怖い人たちに追われるし、終われない場所が路地裏だったからだよ?」

またも身振り手振りで回答になっているような回答になっていないような説明をしてから、目の前のケーキ物珍し気にじーっと見つめ。
ひょいっと手でつまみパクリ。
フォークで食べるという経験は無く自然な動作で。

腐りかけの酸っぱさ苦さとは違う甘さ。
口の中に広がるクリーム。
べちゃっとしていない柔らかいスポンジ生地。

「…ふぁぁぁぁ…。すごいねー。 ふわふわトロトロですごく甘いー。
ポチは本物を知ってしまった…」

はぐはぐと、口の周りが汚れても気にする事も無く口を大きく開け、頬張っていくが、あっという間に無くなれば、名残惜し気に指をペロペロと舐めている。