2018/09/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にマルグリットさんが現れました。
マルグリット > (それはいつもの通り、ほんの小さな好奇心から始まった。

数日、口の悪いメイドに言わせると「知恵熱」らしい発熱を伴う体調不良に悩まされた己が、
ようやく寝床から身を起こした昼下がり。
何を見るともなく窓から眺めた中庭に、見覚えのあるメイドの後ろ姿を見つけた。
彼女が一人であったなら、そんな気も起こさなかったかも知れないが――――
左右から屈強な男たちに抱えられ、引き摺られるようにして木々の影に消えたから、
着替えるのももどかしく、夜着のままで部屋を飛び出してしまった。

当然のごとく、中庭へ降りて行った時にはそこに人影は無く、
ただ、周囲を見回していたら古びた小屋が目についた。
そっと近づき、扉を押してみれば―――――ぎぎい、と身の竦むような音を立てて、
それが内側へ向かって開いた。
てっきり物置の類かと思っていた小屋の中には、湿った空気が澱んでおり、
地下へ続くらしき暗い石階段が、ぽかりと口を開けていて)

………ここ、って、……いったい、何なのかしら。
皆さん、下にいらっしゃるってこと……?

(さしもの好奇心旺盛な娘でも、一瞬降りるのを躊躇う程度には、
見るからに、おどろおどろしい空気を撒き散らす階段だった。
それでも、せっかく来たのだから降りて確かめてみようか。
見つかって叱られるのは嫌だから、このまま立ち去ろうか―――――
暗く沈んだ階段の先を見つめ、暫し、思案するやに立ち尽くし)

ご案内:「王都マグメール 王城」にルフェリアさんが現れました。
ルフェリア > 「ありゃ?」

いつもの『お楽しみ』の時間の前。
地下牢へと行く彼の前に――なにやら、地下を覗き込む少女が一人。
さて、前にもこんな事があったような……?

「お嬢ちゃん、そんな所で何してるのかなぁ?」

護衛の屈強な騎士を侍らせた女装貴族は、少女に尋ねる。
見た事無い顔だが――なかなかに未熟で、美味しそうだ。

マルグリット > (ひとの気配に、決して敏くはないぼんやりした娘である。
声をかけられて、文字通り飛びあがらんばかりに驚いた。)

きゃ、………ぇ、あ、え、……えと、……

(慌てて振り返った先に居たのは、騎士様と――――
声をかけてきた相手の顔と、その格好をじっと見つめて小首を傾げる。
女のひと、に見えるけれど―――――何かが、違うようにも感じられて。)

ご、ごめんなさい……あの、ちょっと、知っているひとを見たような気がして、
でも、……ごめんなさい、私、もう、失礼します、ね?

(わからないけれど、早く立ち去った方が良い気がした。
ぺこん、と頭を下げて、長い寝間着の裾を翻し―――――現れた彼らの脇を擦り抜けて行こう、と)

ルフェリア > もちろん、それではいはいと見逃せるわけもない。
――白い肌に少し尖った耳。エルフの血が混じっているのだろうか?
いずれにしろ、穢れを知らない可憐な少女のような相手――極上の獲物と見れば。

「まぁまぁ、そう焦らず――中、気になるんでしょ? 見ていきなよ」

くすりと笑うと傍らの護衛に命じ。
貴女の腕を掴んで捕えようと

マルグリット > (令嬢の護衛、と思しき騎士様の大きな手が腕を掴んだだけで、
小走りに立ち去ろうとした娘の身体は、大きく反動を受けてよろめいてしまう。
湿った床の上でたたらを踏み、なかば抱き取られる格好にもなりながら、
見開いた瞳でおどおどと、「令嬢」の顔を見つめ)

で、でも、……私、でも、こんな格好で……あの、
お部屋を、黙って出てきてしまったん、です……。
きっと、叱られてしまいます、から、あの……お願いです、どうか、

(離してください――――と、消え入りそうな声で。
屈強な騎士様の腕の中から、何とか逃れ出ようと身を捩るが、果たして。)

ルフェリア > くすりと笑いながら少女を見る。
――ネグリジェは質の良いものだし、おそらくは貴族、あるいは王族の娘。
まぁ、誰でも良い。ヤバい相手だろうと、もみ消すのは父なのだから。

「――大丈夫だよ、少しくらい。ほら、キミの知ってる人も、下にいるかもよ? 案内してあげる」

くっくっと笑いながら護衛に合図し。
貴女を無理矢理地下へと案内しようとする。
狂乱の宴が開催される地下牢からはくぐもった声が聞こえてきて――

マルグリット > (どうしてだろう、大丈夫だとは、もうどうしても思えなかった。

けれど、男の腕から逃れ出る術は無く、結局は引き摺られるように、
更に抗おうとすれば、小脇へ担ぎあげられて。

地下へと連れて行かれる娘の耳が、微かにその「声」を捉える。
いや、怖い、誰か―――――と、叫ぶ娘の声もまた、
底知れぬ闇の中へ飲み込まれて―――――。)

ご案内:「王都マグメール 王城」からルフェリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からマルグリットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にマルグリットさんが現れました。
マルグリット > (夜半過ぎ、周辺の居室に住まう者も、もうそろそろ寝静まった頃か。
与えられた居室の寝床で眠っている筈の娘の姿は、まるで幽鬼のようにふらふらと、
静まり返った暗い廊下を歩いていた。
僅かに足を引きずり気味に、己の腹の辺りへ庇うように両腕を絡ませ、
ぼんやりと虚空を見つめる眼差しに、常の如き好奇心の光は見えず。
煮詰めた糖蜜を思わせる、どろりと濁った翠玉は、まるで瞬きすら忘れたよう。
人形じみて感情の抜け落ちた顔の、頬とくちびるだけが、不自然な赤みに彩られていた。

熱い、喉が渇いた、―――――うわ言のように、そのふたつを訥々と呟きながら。
洩らす息遣いは普段より、浅く、忙しなく熱を孕んで。)

ご案内:「王都マグメール 王城」にルシアンさんが現れました。
ルシアン > ――世の情勢がどうであろうと、悪い事を考える者は変わらず居るわけで。

孤児院の子供に害を成そうとしたクズを締め上げ、その背後にそこそこの立場の貴族が居ると「穏便な方法」で聞き出して。
その証拠が城にあると聞きだしたのが昨日の事。――あっさりと潜入してその証拠の書面を持ち出せたあたり、王城の警護はどうなってんだと他人事のように頭を抱えて。
それは勿論、青年の技能有ってこそではあるのだけれど。兎も角、長居は無用と帰り道を急ぐ、その途中。

「………?」

闇と影に紛れ、静まり返った廊下を走る。その途中、ふと目に留まった白い影。
それに目を止めたのは、単なる気まぐれか、偶然だったのだけど。
少女…だろうか。使用人でもない、貴族かあるいはもっと上の子女か。
それ自体が居る事に不思議はないのだけど。わずかに引っかかったのは、その所作。
まるで熱に浮かされたような…明らかに尋常ではない様子。わずかに逡巡して。

すっと、その少女の背後へと。隠密の技を使えば、半ば朦朧とする相手に気取られることはないだろうか。
そのまま、もし叶うなら…その口元を抑え、背後から抱き寄せるようにして。
そのまま、通路の脇道あたりの物陰へと引きずり込んでしまおうと。

「…静かに。黙っていれば危害を加える気はない。……何かされたのか」

病人か、あるいは…この城の中で行われる事は、それなりに知っているつもり。
短く誰何の言葉をかけてみる。反応があれば、良いのだけれど。