2018/05/21 のログ
ご案内:「王城 練兵場」にマリアージュさんが現れました。
■マリアージュ >
王都の整えられた、煉瓦の壁で囲まれ。さらに周囲に木々や芝生が植えられた練兵場。
ランニングをしたり、剣を振る練習を大人数でしても大丈夫な広さを持ったその場所。
その芝生の上に、敷かれた綺麗な布の上で、そんな練習を見ているのです。
一緒に練習をしてもいいかしら?と尋ねたところ。
後で、というので。素直に座り、王城の侍女からお茶の用意もされまして。
クッキーの皿も目の前に。
他の人が見たら、どう見ても令嬢のピクニックの様子です。
「はぅ・・・:
茶器を用意されても、それを入れるのは自分です。
お茶を美味しく淹れるのは大事な仕事なのです。
今日も美味しく淹れられましたわ、と。お茶をくぴり。
本人はいつでも参加できる気概を持っているつもりなのですが、
見た目はのほほんと春爛漫な雰囲気にしか見えません。
■マリアージュ >
十分な準備体操や鎧などを付けたままのランニング、
素振りなど。
春の日差しでぽかぽかとする中、木陰で日に焼けないよう配慮された場所。
シートの上に乗ってきて寝そべる、王城を縄張りや仕事の場とする猫や犬が寝そべるのです。
ちら、ちらっと見られるのに気付きもせずに。
ちょっと早いお茶の時間のような様子で。
でも、たまに、たまーに見られているのに気付きますと。
「――あっ、わたくしの番かしら?」
と膝の上に乗ってきた猫を撫でた手を止めて横にどけようとするたびに。
まだだから、まだ早いから、ととどめられるのでした。
ご案内:「王城 練兵場」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > またいつのも調子で、総大将やら軍団長に呼び出され、その要件が終わった直後。
今巷を騒がせているテロについての任務を当てられたので、これから拠点に戻り出兵の準備を行おう。
その前にちょっと城内を眺めておこうかなと立ち寄った練兵場に、よく知る人物が場違いな雰囲気を醸し出していた。
「マリアージュ…お茶をする場所にしては色気が無いような気がするよ」
王城に存在する練兵場の一つ。
兵たちが汗水流して訓練を行っている片隅で、まんまピクニックな様子のマリアージュの姿があった。
彼女には拠点の動物の世話などを頼んでいるが、それ以外の時間は基本的に彼女の自主性に任せている。
まさかこんな場所にいようとは…。
■マリアージュ >
王城だと貴族や王族に媚びは売っても騎士などには傍若無人な猫が、
背中をぺたーっと付けるようにダレた姿で膝の上に乗り。
そのお腹のふわふわ毛を手で撫でて愛でていますと。
ふと、影が差しまして顔をおっとりと顔をあげるのです。
そして、ほわっと暖かい笑顔を向けまして。
「あっ、団長さん、こんにちわですわ。
――違いますわ、練習の番が回ってきますのを待ってますの。
あれですわ、強くなる練習です」
ちょっと唇を可愛く尖らせて言うのです。
膝の上の猫を重そうに両手で持ち上げて同意を求めますと、
「にゃ”~」と眠そうに不満の声。
そんな猫とマリアージュだと、猫の方が強く見えそうでしょうか。
■ヴェルム > 相変わらず、動物に好かれている様子の彼女。
そんな才能?に羨ましさもあるが憎らしさもあったりする。
彼女によって拠点の守りの一角を担っていた番犬たちが、見事に性格も見た目も丸くなってしまってた。
さすがにダイエットさせるよう言いつけた。
「練習……うぅぅん…」
なんとも、なんとも微妙な表情。
彼女の言う練習とは、兵たちがやっている剣術などのことだ。
だからこそ唸る。
彼女に練習用の木刀を持たせれば、どこにぶっとばしてくれるかわからない。
兵たちもそれを理解しているのか、はたまた彼女の雰囲気からアカンと思ったのか、練習させるつもりは全く無さそうだ。
「えーと、一応…よその部隊だからね。
練習はウチに帰ってからにしたらどうかな?」
他所の舞台に迷惑を掛けるわけにはいかないところ。
わざわざここで練習に混ざることはないだろうと、彼女を言いくるめようとしてみた。
■マリアージュ >
王城の番犬である、日ごろは寡黙でストイックな狼犬も、
無警戒に腹を見せて寝そべっている姿を横で見せておりまして。
ダイエットに参加している師団の犬は、毎食をとても美味しそうに食欲旺盛な姿に。
実に健康的なのでした。
「きっと、練習しましたらわーんって、たぁーって。
すごく騎士っぽくなれますと思いますの」
真面目な顔で、こくん。
その澄んだ声が聞こえたのか、近くの騎士が首を横に激しく振っているのです。
包丁ならきちんとつかえますのに、人を傷つけるような道具になると。
目を瞑って手を離してしまうのはいつもの事。
「――ご一緒に練習しましたら、いけませんの・・・?」
猫を両手で胸に抱きかかえまして。
きょとん、と首を小さく傾げさせるのです。
そして、猫の首裏にふがふがと顎を当てながら。
「時々、頑張ったら、とか。やればできるとか、
見る事も練習とか、出番ができたらとか。
お昼寝も騎士としての練習だ、とか。
皆様、言ってくださってますわ?」
ちょっとふがふがと、猫がくすぐったそうな様子を見せている後ろで。
で、いつになったら練習できますのかしら?
と、きらきらとした目をヴェルム様に向けるのでした。
■ヴェルム > 彼女であれば敵の番犬とか馬とか、あるいは野犬やオオカミでも手なずけられてしまうのだろうか。
そうであるなら便利だし確かめてみたくもある。
だが戦場に立たせるには彼女は余りにも、すんごく未熟だった。
「そ、そうだねぇ」
彼女の騎士像は、なんと言うか抽象的。
まるで御伽噺に出てくる騎士をイメージしているかのようだ。
まぁ、かっこいい鎧にかっこいい剣と幼かった自分もそういうのに憧れた時期もあった。
しかし、彼女は剣が握れない…物理的に。
前代未聞、空前絶後な存在だ。
「…うぅぅん…」
彼女にはできるだけ剣から離れた職務を与え、そして訓練もランニングや体操といって基礎的なものしかやらせていない。
まぁそれも合格点かどうかは微妙なところだったが。
だがもう誤魔化すのも難しい頃合いか。
猫に顎を当ててきらきらとした目を向けられてしまえば、またしても唸るように困った顔を。
「わかったよ…僕が稽古をつけよう」
幸い、与えられた任務には時間もある。
この場所の一角でも間借りすることができるのなら、彼女の希望を少しでも叶えてあげよう。
当然、どうすれば彼女がまともに剣を使えるか脳みそをフル回転させてめちゃくちゃ考えまくっていた。
■マリアージュ >
猫は俺は関係ない、とばかりに大きなあくび。
小さくても獣な風格なのです。
「お父様やお兄様みたいに、立派な騎士になれると思いますわ?」
目指す騎士像はあるのですけれど。
人の為の騎士、今やあまり居ない騎士の中の騎士、としての姿。
それが御伽噺みたいな騎士だとは思っていないのですけれど。
そのせいもあって、無邪気に自分もなれる、と澄んだ心根を見せうのです。
「先日だって、タナー砦で黒い獣と戦いましたわ?」
師団の隊舎の、棚の上に逃げた黒猫との戦い。
ほのぼのとした戦いを見せていたのです。
ランニング、といっても。騎士が歩く程度の速度の駆け足だと、
へとへとな感じですけれど、勝手に周囲の自然の力で癒される身体は、
数時間でも走ったりはするのですが。
短距離走だと50mでも限界。
他の人に会わせて走らせれば数百mで足が動かなくなってしまうほどか細い体力。
柔軟体操だけは人がびっくりするほど柔らかいのですけれど。
「――!。はいっ!
よろしくお願いいたしますわっ!」
花が咲き乱れるような満面の笑顔をみせまして。
まだ膝の上で寝て居たい不満そうな猫をシートの上に下ろしますと。
膝を揃え、裾を抑えながら。
おっとりと優雅に立ち上がります。
「どんなお稽古を致しますの?。
わたくし、何でもできますわっ!」
胸の前でぐっと小さく握った両手。
ぴょこぴょこ跳ねるようにして髪とスカートの裾を軽やかに揺らすのです。
■ヴェルム > どうしてか、彼女に懐く?猫はそのほとんどが、いかにも図々しい雰囲気を醸し出していたりする。
だからどうしたという話だが。
彼女の語る父親と兄上の存在は、少々触れづらい話題だ。
その話になって彼女の隠された記憶を僅かに開いてしまったような気がする。
ともかく、彼女の中では父親や兄上が立派な誉れ高い騎士であるらしい。
彼女の優しい心ならば理想の騎士になれることだろう…剣の才能を除けばだが。
タナー砦とはよく言ったもの。
たまたま遭遇したその黒き獣との死闘は、呆れを通り越して最早微笑ましさすらあった。
ともかく彼女は、筋力不足は否めないながらも剣を震えない身体ではないはずだ。
「うん、まぁまずは剣を振ることができるか見せてもらおうか」
彼女の訓練は、まずそこから。
師団に招いてからほとんど触れることの無かった剣、それを使えるかどうか試してみようというもの。
もちろん真剣では危ないので訓練用の木刀。
正直それでも危ないような気がしてならないが、さすがに木の枝を持たせるのは可哀想だった。
練兵場の一角をお願いして借り、彼女と二人で早速素振りの練習を始めることにしよう。
■マリアージュ >
シートに降ろされた猫は、ヴェルム様の足元にてけてけ。
猫パンチ、猫パンチ。
八つ当たりをするのですが、それで満足しててけてけ、駆け出しまして。
木の上に上って丸まり、休むのです。
先代の『邪眼の騎士』と呼ばれた父、そして今そう呼ばれる兄。
そんな人々に甘やかされて大きくなったのです。
騎士とは、こういうもの、と生まれ育ってきたのでした。
立ち上がると、犬が何か遊ぶの?とむくっと起き上がり。
尻尾を振りながらマリアージュの後ろについてくるのです。
「はいっ!。時々、きちんとえいっ、と出来ますのよ?」
それをはにかんだ笑顔で、自慢げに言うのです。
腰に差している、瀟洒な拵えですが。
普通の小剣よりも短めで、細く、刃も付いていない玩具と変わらない小剣。
その鞘を両手で取れば、胸の前で小剣をんしょ、と抜こうとするのですが。
目の前に差し出された木剣。
目をまじまじと大きくさせてしまい、ちょっと困ったように眉を寄せるのです。
「こ、これですか・・・?」
恐る恐ると伸ばして、ガラス細工のように華奢で細く、小さな両手でその木刀を・・・。
――重そうに、木刀の先がふらふらと揺れて下がってしまっています。
癒す力は、なかなか尽きない生命力になっていますが。
おかげで筋力はあまり育っていなく、ほっそりした腕がぷるぷると震えています。
「み、見ててくださいまし・・・にゃぁい~~っ」
目をぎゅっと瞑って、力一杯、ふらふらと木刀の先を揺らしながら持ち上げようとするのです。
頭の上に持ち上がったのでさえ、奇跡の様ですけれど。
そのまま、ふらふらと。ふらふらと。
その身体をよたよたと動かし、後ろに倒れそうになっているのでした。