2018/04/15 のログ
■エズラ > しばらく休んでいると、先ほどまでの訓練を見ていたと思わしき若い兵士達が、連れ立って手合わせを申し込んでくる。
男はしばらく面倒くさそうに知らんぷりをしていたが――
「……分かった分かった、付き合うぜ――」
もう少し、身体を動かすことになりそうであった――
ご案内:「王都マグメール 王城」からエズラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にベルナデットさんが現れました。
■ベルナデット > 静かな時間の流れる王城庭園。
木漏れ日の下、純白の少女がゆったりとベンチに座っている。
純白の髪、胸の谷間を強調するドレス、フリルがたっぷりとあしらわれたスカート……長い睫毛に飾られた瞳を閉じて無音で佇むその姿はまるで童話の中から出てきたよう。
かすかに小鳥の囀りが聞こえるとうっすらと瞳を開き、長い睫毛越しに木立を見上げる。
そこに緑の羽を持った可愛らしい影を見つけると口元に嬉しそうな笑みが浮かんだ。
ご案内:「王都マグメール 王城」にヘイグイさんが現れました。
■ヘイグイ > 王城庭園より少し遠くの通路で、王国の高官数人が歩いている。複数の堅い靴の音が響く。
高官達は、帝国からやってきたと思われる官人数人と話をしていた、高官の方が帝国官人よりも人数は多いが
官人の方は帝国風に武装した3人の護衛によって守られている。2人の官人のすぐ横に上等な黒い長包に
身を包んだ細身の男がそれを静かに聞いていた。そして意見を求められれば静かな目線を向けて
落ち着いた口調で話している。長包の男も政治家であるようだが、他の官人達と比べて控えめな意匠で
より洗練された佇まいをしている。
木漏れ日の差し込む庭園に差し掛かった所で高官や他帝国官人とは別れるようだが
そこで足を止めて話していた時、庭園に見える女性が王国高官の目に留まった
それに合わせて官人や長包の男もその方向を見ると、官人たちはやや顔をしかめた
それは眩しかったからである。木漏れ日の中に一つだけ存在していた女性は
日差しの反射で、まさにその人こそが光を放っているようであったからだ。
小太りの王国高官達は、何事かと目を凝らして庭園を見た
■ベルナデット > 囀りかけてくれていた小鳥が不意に飛び立つ。
軽く口を開いて残念そうな表情を浮かべそれを見送り、そして、視線を前方へと戻すと視界の端に先程までは無かったものが映り、そのまま首を巡らせる。
その空色の視線の先、軒下には帝国の交換らしき人々がこちらを注目しているのが見えた。
注目を浴びるのには慣れている。
祖国では聖女として扱われていたし、純白の髪やウェディングドレスが人目を惹くことも理解していたから。
故に少女は洗練された自然な所作で瞳を伏せ、軽く頭を下げた。
純白の髪がさらりと肩から落ち、少女の豊かな膨らみを撫でる。
■ヘイグイ > 女性が頭を下げる様子に、官人達は護衛を見やると規律の取れた動きで一礼した。
長包の男の方は少し思慮ありげに自らの唇を撫でる様な仕草をする。
白い姿だけでは分からなかったが、空色の瞳と顔立ちで思い出していた。
帝国と近隣小国間で、該当する国家の象徴が帝国との外交を担当する話を既に男は耳にしていたからだ。
それはおよそ2か3年前の話だったような気がしていたのを何となく考えていると
帝国の官人達は眉一つ動かさないが、良いトコで寝食し太った王国高官は明らかに数人
喉を鳴らしていた。蛇のような切れ目がソレを見た後、遠くの女性に目を凝らせば
成る程、そうもなるだろうという胸元を見せる意匠の服を身にまとっていた。
■ベルナデット > 何人もの男達の視線を感じる。
それは物珍しさ故か、それとも……。
とりあえずは何か重要な話し合いをしている可能性もある。
こちらから話しかける必要はないと再度静かに瞳を閉じ、胸元へと掛かった純白の髪を優雅に掻き揚げ、瞳を閉じて日光浴を続けることにした。
■ヘイグイ > 高官達は暫く話をしていたが、官人と高官達は奥へと入っていった。
先ほどまでその場に立っている場所には長包の男だけだった、非常に鋭い切れ長の目をして
日光浴を続ける女性の後ろ姿を見ると、男は通路の方をゆっくりと抜けると、庭園の木々の下を
黒い革靴の足音を立てて近づいた。
男の髪は本当に黒く、木漏れ日から光を受けると蛇皮のようなうねる光が男の髪に走った。
非常に整った物腰で歩いた先、女性の前に立つ。
「肌寒さも大分薄れた」
そう一言、声をかけるか呟くかでもない。そう女性の前で呟いた
■ベルナデット > そして、しばらくゆったりとした時間が流れる。
遠くかすかに話し声が聞こえるが特に耳を傾けるようなことはしない。
重要な話であれば聞くべきではないし、聞いた所で自分に何か出来るとも思わないから。
そうして瞳を閉じ、暖かな日を浴びていると遠くから石畳を踏みしめる音が近づいてくる。
それが目の前で止まり、男性のモノと思しき声が聞こえるとゆっくりと瞳を開く。
「……。」
長い睫毛に飾られた瞳と可憐な唇を弓の形に洗練された優雅な笑みを浮かべ、男を見上げた。
かすかに風に純白の髪が流れ、キラキラと木漏れ日に輝く。
■ヘイグイ > 愛想よく笑いかけてくれる女性に対して、ちょっと眉を上げながら再び一礼した。
だが女性が喋る様子はない。ざっくりとこっちの様子で分かったので言葉が分からないのか
いや、外交担当として選出されたのであればそれは無いハズだ、とも思ったが
「あー…ロマンティアの方で…話した方が分かりやすいですか?外交担当という事で…もう一通り学んでいたかと」
男がその次に喋る時に口にしたのは流暢なロマンティア語圏の言葉だった。
すぐ近くに立っているが、衣装と様相の違いからか男がまるで女性の影のようだった。
こんなに長くは無いだろうが太陽が昇れば本当に分からないのではないかという勢いである。
■ベルナデット > 思わぬ故郷の言葉で話しかけられると驚いたように瞳を見開き、嬉しそうに破顔する。
右手を上げ、細い指先をまるで指揮でもするよう虚空に踊らせる。
『こちらの言葉で大丈夫ですよ。』
細い指先は仄かな輝きを持つ軌跡を描き、それはこの国の文字を紡ぎ出す。
男のほうからちゃんと読めるということは鏡面文字で描いたのだろう。
しかし、本来難しいそれをよどみなく行うあたり、いつもの慣れたことなのだろう。
両手を上品に膝の上へと戻し、微笑みを浮かべたまま軽く小首をかしげて見せる。
■ヘイグイ > 指先から現れる文字に、深く関心を示すように身を低くして読む。
「あぁ、言葉の方は解していましたか…お話にならないのは【献身】の一つですか?ロマンティアは宗教を国家運営の主軸とした国ですから」
女性とは初対面であるが、彼女の国について随分と詳しかった。帝国人である事も考えると
目の前の男はそれなりにこの女性に関わっているか、やじうま根性で詳しく調べたかのどちらかである。
何にせよ、この王城を対戦中である国の高官達と話している以上それなりの地位を有した政治家である事が
伺える。
■ベルナデット > 「……。」
男の言葉に微笑みのまま小さく頷く。
よく調べていますねと両手を胸の前に組んで小首を傾げた笑顔で表現し、わずかに衣擦れの音を響かせる。
目の前の男は先ほどまでの様子から見ても政治家であろうことは見てとれる。
故に無碍にはせず愛想よく親交を深めているのだ。
もっとも……生来の人懐っこさと2年間に及ぶ外界との隔絶を経験している少女は誰相手であろうとも無碍な態度を見せることはないが。
■ヘイグイ > 「そうですか…では声が、献身に捧ぐだけの逸を有していると…」
男は可愛らしい仕草で振舞う女性を静かに頷きながら見ていた。
そして帝国人である以上、目の前の女性がその清廉潔白さだけを指標に現職に選出されたわけでない事も
また聞きながら伺っていた。男はココで初めて穏やかな微笑みを投げかけると
そっと女性の形ではないが同じく白いしなやかな指を持つ手を開いて差し出した
「帝国シェンヤン、北部外交支官代表…黒鬼(ヘイグイ)です」
他官人達と同じく冷たい雰囲気を纏った様子もなく、目に穏やかさは薄いが
微笑みかけて握手を求めた
■ベルナデット > 男の言葉に少し照れたようにはにかみ、両手の指先で可憐な唇を隠す。
そして、差し出された手を小さな手で握り返し、逆の手で虚空に光の軌跡を残す。
『ロマルティア正教国より派遣されておりますベルナデット・クェルハと申します』
すらすらと連ねられる文字は帝国のモノ。
名目上は外交官であるが、その実は人質兼貢物である。
しかし、そんな境遇など感じさせない木漏れ日のような笑顔を男へと向け続ける。
■ヘイグイ > 「ではクェルハ女士…帝国政府へようこそ、貴国の繁栄を…」
言いかけると男の目つきが物凄い冷たいものに変わる。高みから蛇が見つめているのに似ていた。
だがそれは女性に向けられたものではなく、小さくなる瞳がゆっくりと横に逸れた。
慎ましやかに、丁寧にその女性の手を離すと顔も通路の方に向けられた。
男の目線の先にいるのは何だか笑いながら話している王国の高官達だった。
歳を取り、太った姿の…けして良い容姿ではない中年たちが話している
「あぁ…御覧になるといいクェルハ女士、実に楽しそうにしているだろう。自分らがお飾りであるのも
気付かないでいて…幸せそうだ」
皮肉たっぷりに女性に話を振った。勿論向こうには聞こえない
■ベルナデット > 男の歓迎の言葉に瞳を伏せて頭を下げる。
そして、国を代表するにふさわしい優雅さと微笑みを持って男を見上げ、そっと指先を踊らせる。
『ありがとうございます
我らの繁栄は貴国と共に』
あくまで立場は同等。
例え、一方的に人質を要求され不平等な条約を結ばされていても。
故に少女は背筋を伸ばし続ける。
「……?」
不意に目の前の男の目元が鋭くなり、視線が横へと向けられると釣られてそちらへと視線を向ける。
そこには王国の中枢に携わる男達の姿。
嫌悪感を隠さない男の言葉に困ったように苦笑を浮かべ、頬に手を当てる。
だが、聖女と謳われる少女が、幾度となくそのお飾りの取るに足らない男達の上で腰を振って淫らな姿を晒しているなどと目の前の男が知ればどう思われるか……。
■ヘイグイ > 「そして………」
男が言葉を繋げた、去っていく高官を見えなくなるまで眺めていると再び目は女性に向いた。
男は近くに遭った石作りの構造の上に腰かけ、タバコを吸うかで迷ったが、目の前の女性を
チラチラとみると、やはり煙草を吸うのをやめた。
そして繋いだ先の言葉から続けて口にした
「自国を守るためにその身を変えるというのは、何も神の意向には反していないだろう。
今貴方の心情と肉体がどう求めるのかは別として、貴方がこの場でどう生き、民衆が何処まで信じるか
コレにはロマンティアの【神としての器】が試されているのです。」
「貴方はあの醜い飾り物を踏み越えて、高みへ昇華するだけの器の可能性がある」
男は知っていた。目の前の女性が一つ今の日差しが沈めばどういう【外交】を行っているかを
しかし、そのうえでこの言葉であった
■ベルナデット > 「……?」
男の視線が戻ると少女の視線もまた男の顔を見上げ、続く言葉に話の先を促すよう小首を傾げて見せる。
いちいち可憐な仕草からは少女が良い人たちに囲まれ大切に育てられて来たことが伺えるだろう。
続く言葉をじっと真剣な表情で聞き、そして、ほんの少し影を感じさせる微笑みを浮かべる。
売女と罵られることも少なくない、そんな自分を認めてくれているのだと、変わってしまったことは何も悪いことではないのだと……ほんのりと頬が染まり恥ずかしそうなはにかみを浮かべた。
今晩も呼ばれた部屋で男の上に跨り淫らに腰を振る行為にも意味がある。
肉欲に溺れるのではない、何かしらそれに意味があるのだと……与えられた言い訳に少女の胸が少し軽くなる。
■ヘイグイ > 「コレは貴方ではなく、今度は貴方が神に与えた試練だ。神もまた信仰と共にある、信仰が無ければ
存在は出来ないのです。神が時代と共に変わった自らの国、時代と魔の欲望に対抗する為に変わった貴方の肉体。」
「その変化を、神が受け入れたのなら…こうなるよりも前と同じく愛する価値がロマンティアの神にはある」
「声と体の清らかさまで運命に捧げたのです。それぐらいは神に突き付けても良いでしょう」
男は立ち上がれば、今度はココで会った中で一番穏やかな笑顔を向けてそう言葉を投げかけた。
失礼、と一言かければ、その白く美しい髪を手の甲で撫でた。
「そして、この試練の中に貴方の傍を支える者はいずれ…現れる事になるかもしれません」
男はそう女性の傍で呟けば、胸元にいれていた時計を見る
「あぁ…こんな時間か、さて…私はそろそろ【ブサイクなお飾り】と一緒にバカみたいに肉を貪り食わなくては」
どうやら夜に晩餐があるようだが、先ほどのイメージとは違った随分と粗暴な冗談を
女性にかけた
■ベルナデット > 上目遣いでじっと見上げながら男の言葉に耳を傾ける。
国の神官達に聞かれたら不遜だと怒られるような物言いだなと思いつつ、顔を真っ赤にして怒る恩師達の顔を思い出し、思わずくすりと笑みが零れる。
神の御心はわからないし、何かを求めようとは思わない。
しかし、優しい人なのだなということはわかる。
純白の髪を撫でられるとくすぐったそうに首を竦め、嬉しそうに笑う。
「……💛」
続く言葉は気休めだろう、だが、異国の地に独りぼっちで放り出され貪られるばかりの少女にとっては希望でもあった。
ほんのりと頬を染め嬉しそうな微笑みを浮かべ、照れたように口元に右手を当てる。
そして、去り際の言葉には口元を隠したまま可笑しそうに喉の奥で笑い、形ばかりの視線でダメですよ、と伝える。
■ヘイグイ > 視線を向けられれば自分の眉間を指で叩きながら
「おぉ、これはいけない…」
「それでは白極の聖女よ、私はコレにて失礼。」
「案ずるな、闘争の勝利は貴方と共にある。」
権謀術数などを得意としている男。闘争とはつまり…そういった政治的な戦いの事を差していた。
経緯を表し、ロマンティアの形式で一つ祈れば
背中を見せて男もまた通路の方へと消えて行った
■ベルナデット > 男の祈りに両手を胸の前に組んで祈りを返す。
何気ない祈りではあるが、こと聖雪とも呼ばれる聖女の祈りとなれば不運を退ける加護ともなる。
そして、去り行く男の背中を視線で追い、その姿が見えなくなるとゆっくりと瞳を閉じた。
夜まではまだ時間がある……それまではこうして穏やかな時間を楽しむことが許されているのだ。
ご案内:「王都マグメール 王城」からヘイグイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からベルナデットさんが去りました。