2017/11/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (――――ひた、ひたり。
小さな焔が揺れる手燭を片手に、もう一方の手でストールの上からお腹を押さえ、
静まり返った暗い廊下を辿り歩く。
ひどく喉がかわいているのだけれど、部屋に置かれていた水差しがもう空になっていた。
仕方なく借り物のベッドから抜け出し、体調不良の間だけ、と与えられた居室を出て、
はなはだ不案内なままに、廊下をとぼとぼと。
夜会やら、それに付随する貴族のお楽しみやらで、以前から良く出入りしていたエリアとは、
ここはずいぶん離れているらしい。
それでも、こうして歩いているうちには、どこかの部屋から誰かが―――
そうでなくても、廊下の向こうから誰かが現れて、水場のひとつも教えてくれるのでは、と。
足取りがおぼつかないのは、素足のせいばかりではない。
お腹から下が疼き、痺れていて―――まだ、悪い夢のなかにいるようだった。)
ご案内:「王都マグメール 王城」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (暗闇に揺れる手燭の明かり
ゆらり、ゆらりと揺らめくナカに、ふと、浮かび上がる輪郭が在るだろう
人影、まるで彼女を待ち構えていたかのように佇む其の姿は
きっと、彼女の良く知る其れで――そして、彼女を誰よりも知る、其れで。)
――……ごきげんよう、御散歩かな?
(響く一言は、まるで、彼女の頭の中へと反響する様に。
鼓膜へと直接注がれる様に、近くで。
彼女が求めては居なかっただろう邂逅、だろうけれど
誰かに出会う、と言う目的は、こうして果たせただろうか)。
■リュシー > (輪郭のぼやけたまるい光のなかに、ぼんやりとした影が浮かびあがる。
誰か――――を、確かに探していた。
けれど、その影との距離からすれば、信じられないほど近くで。
耳朶を弄り、鼓膜を侵すように響く声音は――――もしかしたら、いま、
一番聞いてはならないひとの声、だったかもしれない。)
………さん、ぽ、じゃ、ない……。
そんな、余裕…ない、ぼく、いまは……、
(喉が、ひりひりと痛みはじめていた。
返す言葉が擦り切れてしまうほど、深く眉を寄せてしまうほど、
一度、足を止めてしまったら、もう歩き出す力も絞り出せないほどに。
結果として、己の足を止めた声の主を仰ぎ見る眼差しは、
とてもとても、恨みがましく濡れたものになるはずだ。
八つ当たりと言われたって、この相手にはもう、取りつくろう必要もないだろう。)
■ルヴィエラ > (――返るのは、憔悴にも似た声音。
恨みがましげな瞳が、けれど艶を帯びて濡れた儘
睨む、にしても力無く見詰めて来るならば。
足元から腰元までを照らす明かりの中へと一歩踏み出し、其の姿を現して。)
―――……見れば判る、判らない筈も無い…だろう?
何時もならば、愉快な会話を多少なりと愉しむべき所だが、如何やら其の余裕も無さそうだね。
(一歩、距離が縮まる程に。 其の身体はきっと、己が存在へと反応を示すだろう。
けれど、其れは「今までと変わらない」反応だ、彼女が抱えていた其れとは異なる。
ただ、ひとつ確かなのは、彼女の胎の奥底に渦巻く痺れと疼きは、一層強まるという事だろうか。
異なる二つの要因が、其の胎奥で、異なる熱を灯す様に――どくり、と。)
……だが、キミにとって逢いたくない筆頭が私だとしても。
誰よりもキミの力となれるのも、また、この私だと思うが、ね。
(彼女の目前へと歩み寄り、そして、其の瞳を、同じ目線で覗き込んだなら
其の脳裏へと響かせる言の葉は、まるで父が娘へと向ける様な穏やかさと、優しさを帯びて。
――其の下胎を押さえつける掌へと、己が掌を、そっと重ねて行こうか)。
■リュシー > ――――わ、かって…な、ら、なんで、訊くの…。
(はじめから気づいていて、いま、ここで己を見つけてくれたなら。
何故、そんな無意味な質問を口にするのか、なんて―――これも、八つ当たりだ。
けれどもう、―――まともに、理性を働かせることすらおぼつかない。
いつものように、もうずっとそうだったように、創造主たる彼が近づけば、
己のなかの雌の部分は、満たされたくて疼きはじめる。
喉のかわきはすぐに、別の種類の飢えへと変換されてしまう。)
―――― ぁ、……は、ぁ……ッ………
(立っていられない、身体が、もう言うことを聞いてくれない。
膝から崩れ落ちてしまいそうで、子供のように泣きじゃくってしまいそうで。
彼の言葉に、そんなことない、と突っ撥ねてしまえたら、どんなにか―――
でも、もう無理だった。
どくん、どくん――――彼の掌が己の手に重なった瞬間、ひときわ大きく拍動する子宮。
目の前にたたずむ男の懐へ、埋もれるように縋りついて、全体重を預けてしまおう。
からん、と手許から転がり落ちた手燭が床を転がり―――小さな焔が、じゅ、とはかなく掻き消えた。)