2017/09/02 のログ
ルーク > 「のんびりとしている姿しか見ていないので、少し想像しづらいですが冬の精霊ですし、これからの季節が本領発揮といったところでしょうか」

丸い体につぶらな瞳。
その姿からは中々想像しづらいが、冬を司るといわれる精霊に見合ったちからはあるのあろう。
…それよりも、『お嫁さん』『お嫁さん、嬉しそう』と丁度氷室で念話で彼らの声と、自分の心の声が聞こえてしまったときのことを思い出してしまい、少し恥ずかしげに視線を彷徨わせてしまった。

「そうですか、神話関連の書籍を探しても実は見つけられなくて、神話の研究書ならば乗っているかと思って借りてきたのですが…。では、彼らの事は貴方様にお聞きしてもよろしいでしょうか?」

分厚い神話研究の書籍の中にも、神の声を告げる鳥のことはのっていないようで、自分も契約をすることになるなら彼らのことを知っておきたいと思うのと、夢で見た白い羽と声が気になっていて。

「…そう、ですね。その先にある養成所にも、行かれない方がよろしいかと思います。」

その先にある養成所で、ルークは育った。だから、そこの有り様は知っている。
心優しいこの人が、そこを見ればきっと苦しむだろうとそう思うようになったのは、心をを持ったからで。

「そのようです。不快感はありますが、まだ嘔吐するほど酷くはないのだと思います。はい、重々気をつけます。」

優しく髪を撫でられるのも、また擽ったいようなそんな心地になる。
大切にされているのに、また自分もこの方と、この方の子を大切にしたいと思う。
だから、素直に頷いて。

「…私を娘として、ですか…。駒と、血を残すための道具として作られた私ですので、娘として見られることはないでしょうね。」

ルークが、ルーアッハとの間に血縁関係があることは調べれば分かることだったため、そこに驚きはなかったが、まさか娘と認めるようにつきつけるとは思ってもおらず、また驚きに瞬きを繰り返す。
彼とルークの間に親子としての情はなく、予想通りのルーアッハの答えにたいする寂しさはない。
それでも、そこからさらに条件を提示することでルークを正妻の立場に認めさせたのだ――あの祟り神と恐れられる人に。

「――ん…はぁ…アーヴァイン様…こんなにも、幸せでいいのか怖くなります…。」

幸せすぎて不安になるのを、感じ取った彼の腕がしっかりとルークの体を抱きしめて唇を奪われる。
重ねるだけのその仕草が、水に溶かしたインクのように広がる不安をかき消していくようで。
嬉しい、嬉しい、愛しい、愛しいと泉から湧くように溢れる感情に彼にだけわかる微笑を浮かべて。

アーヴァイン > そうだろうなと小さく頷きながらも、ふと恥じらう様子が見えればなんだろうかと思うものの、その理由はともかく、相変わらずに恥じらう顔が可愛いものだと表情が緩む。

「無駄足にさせてしまってすまない…それで、何を知りたいんだ?」

続く言葉に、小さくなづきながら彼女の問いを確かめる。
改めて確かめたい事、それの見当がつかない分に彼も興味を惹かれていく。

「…義父のああいうところが嫌いなんだがな、まったく」

見てしまえば、間違いなく大喧嘩になるだろう。
彼女の予測はよく当たっていて、察しつく本人も、呆れたようにため息を零しながら呟いた。
そして、思っていたよりは身体の不調は苦しく無さそうだとわかれば、安堵の吐息をこぼしつつ、素直に頷く彼女を優しく包み込む。
子を授かるという事の変化は、よく分かっていないが、彼女が人らしさを深めていく事で一層守りたくなる。
ほんの少しだけ抱きしめる腕に力がこもるほど。

「だろうな、だから想定内の結果に落ち着けて良かった」

目を丸くする様子に楽しげに微笑みながら、小さく頷く。
あわよくば、自分も彼女も体のいい駒にしたかったのだろうが、そうは行かない。
そうならないこともまた、力の証明となって義父は認めざるをえない。
利害一致と互いの境界線ギリギリをすり抜けて、欲しい居場所を掴み取れたのは、何よりも腕の中で安らぐ彼女のためだ。

「いいに決まっている、ルークは…今までずっと、人らしい幸せを奪われたんだ。それまでの分を、これから取り戻すのだから」

朧月夜のように、自分にだけ分かる微かな微笑み。
それが心地よく、喜びに胸が満ちていく。
愛していると耳元に優しく囁きかけながら、背中に回した片手を下腹部へとあてがう。
手の甲を重ね、優しく擦るようにして可愛がり、彼女の幸せの結晶を確かめ、するりとその手を背中に戻していく。
臀部を擽るようになぞりあげるのは、愛しさ余っての悪戯といったところか。

ルーク > 「何を、というと彼らという存在の全てを、ということになるのですが…。貴方様のパートナーであるハンスという隼と、リトルストームとの違いや、能力のことなどでしょうか…。」

神の声を届ける御使い、人が乗れるほどに大きな体、念話という形で人語を解す事、それくらいしか隼たちにたいする知識はなかった。

「あまり、よく覚えていないのですが夢を見たようで、夢の中で白い羽と声を聞いたような気がして、それも隼に関係あるのかと思いまして。」

羽=鳥となると、思い浮かぶのはやはり彼の傍でよく見ることのある大きな隼の姿で。

「そうですか…。」

人を駒や道具として扱う考え方。人道的とは決して言えず国の暗部の一つ。
しかし、それが影で国を維持してきたのも確かで、そしてそこで駒として育ってきたルークには、否定も肯定もできなかった。
ただ、こうなのだとひとつの道だけよりも、彼のような考えが加わる事で変わる何かがあるのはその身をもって知った。
優しく、力強く包み込まれる腕の中で触れるぬくもりに、伝わる鼓動に安心するように吐息をこぼして、その背に自らの腕を添える。

「アーヴァイン様…私を人にしてくださって、居場所までくださって…本当に、有難うございます…。」

幸せすぎて、こんなにも幸せでいいのだろうかと迷い不安に思う心を、彼がはっきりと肯定してくれる。
それだけで、安心することができる。
彼の隣にいていいのだと、その場所を手に入れてくれた彼に報いるのは、素直に受け入れる事だと思うから、微笑を浮かべてお礼の言葉を彼へと紡ぐ。

「――っ…んっ…あ、アーヴァイン、さ、ま…」

背中から回った手が、まだ膨らみのない腹部を愛しそうに撫でると幸福感に満ち満ちていく。
しかし、その手が臀部へと滑るとぴくっと体を跳ねさせながら悪戯に頬を真っ赤に染めて。

アーヴァイン > 「そうだな…概要から話すと、ヤルダバオートとは異なる、この地に本当にいた神の使いが彼らだ。リトルストームは成長体で、長い年月を経て、彼らはサンダーバード……ハンスのような、真の姿に変わるらしい」

彼らの事を話すとなると、色んな情報があり、何処から手を付けたものかと思案顔を見せたが、まずは全体図を答えていくことにした。
何処と無く言葉遣いがたどたどしいリトルストームと比べ、流暢に人の言葉を話したハンスは、成長した結果ということだろう。
続く言葉に、しばし考えれば……恐らく、と前置きの後、言葉を重ねる。

「ミレー族は俺のような符号が見える奴の声を、神の声と聞いていた…と思っていたが、それ以外にも他者に予言を告げるものがいるのかもしれない。それこそ、リトルストームやサンダーバードが、ルークを求めて語りかけた…とかな、接点は何度も作ったのもあるからな」

鳥が本当に声を届けていたとするなら、彼女へ届いた声も、一種の予言なのかもしれない。
白い羽と声、彼らの羽もところどころ白が交じるが、雪綿毛の様な真っ白なものではない。
聞こえた言葉からの想定を語ると、どうだろうかと様子を確かめる。

「しかし、ルークに出会えたことは感謝するとしよう」

彼女が駒でなかったら、ここに居ないかもしれない。
それこそ、世継ぎを生む生産工場にされて、生きることも知らぬまま身体が衰えて死んでいたかもしれない。
いろんな暗い予測の中で、こうして出会えたのだからと呟けば、彼女の温もりに安堵しつつ瞳を伏せる。

「居場所を求めたのも、人になろうと願ったのも、ルークが俺を受け入れてくれたからだ。寧ろ、礼を言いたいぐらいだ。変わらぬ俺でいられたのも、ルークがそばに居てくれたからだ」

幸せに満ちる彼女を見る度、自分は一人で歩いていくわけではないのだと、安堵する。
組織の上に立ち、他者と触れ合っても、自分だけの誰かは中々出会えなかった。
誰かのものであり、消えていくものもあれば、心が崩れ落ちていく様に苦しくもなる。
純粋で綺麗な心に、自分を魅了する為に作られたような姿形と、全てが満たされる存在。
人を超えて生きられたのも、目の前で薄っすらと微笑む彼女あってこそだ。
ありがとう と、こちらからもお礼を紡ぎ、琥珀色を見つめた。

「声も艶っぽくなったな、あまり聞いてるとこの場で押し倒したくなりそうだ」

恥じらいながらも、撫でる掌に抗わぬ彼女に意地悪に微笑み返す。
母体に悪いかもと思えど、やはり男なのは変わらない。
甘い声に少しだけ欲を唆られつつ、体を抱きかかえ、膝の上へと下ろすと、自分の腰を跨ぐように座らせ、向かい合ったまま首筋に顔を埋め、悪戯に吸い付いていく。

ルーク > 「ヤルダバオートとは別の神様の使い、なのですか。アーヴァイン様の傍にいる隼のような大きなものは、組合のリトルストーム隊では見かけませんが、他にも成体の隼はいるのでしょうか。」

概要からしてまず一つ驚いたのが、隼たちがその言葉を伝えるという神の違い。
この国での現在の主神はヤルダバオートとされ、アイオーンの名を知る者はごく限られた者だけであった。
ルークもまた、この国の成り立ちや、ノーシス教については習っているがそれはこの国で当たり前に教えられる、200年ほど前に改変された歴史だった。

「…どうなのでしょうか。夢の中で、真っ白な羽が降ってきて、何を願うのかと、何れ会えるのを待っているよ、と言われたような気がします。」

夢の記憶のため、ところどころ曖昧な部分があったが特に印象に残っているのは白い羽と、それに触れた打ち捨てられたモノたちの傷が癒えて消えていったこと。
夢を思い出すようにしながら、確かめる言葉に夢の中で言われた言葉を口に出して。

「…はい…」

ルークという駒を彼に投げ渡したのは、ただのルーアッハの気まぐれであったのかもしれない。
それでも、だからこそ彼に会う事ができたと思えば、彼の言葉に素直に頷いて。

「人らしさなどわからないと、そうお伝えした私に人らしさを教えてくださったのは貴方様です。願いも、想いも、人らしさを知らなければ抱くことはありませんでした。貴方様がいてくださったから…。」

人らしく振舞うように、と言われた時『駒』である自分には人らしさなど分からないと答えた。
そのまま、モノとして扱うほうが楽であっただろうに、彼は人の生活を見せ、触れることをの温もりを与え赤子に言葉を教えるかのように一つ一つルークに教えてくれた。
だから、彼の隣にいたいと、彼と同じものを見たいとそう願いが生まれた。
茶色の瞳と琥珀の瞳が見つめ合い、想いを交わす。

「…んっ――ぁっ…アーヴァイン様に、触れられるとどきどきして、ふわふわして…とても、心地よくて…」

向き合うように、彼の膝を跨ぐようにして座らせられると首筋に彼の唇が吸い付いてくる。
ぴくくっと甘い痺れに体を震わせきゅっと握り締めることで、彼の服の布に皺を作り。

アーヴァイン > 「ミレー族達がいう真の神、アイオーンが彼らの言う神であり、今のヤルダバオートは憎き敵だとも言っている。彼らの巣になる渓谷に、あと二体、サンダーバードがいるのと…うちの参謀が契約した、最年長の大鳥、ロックがいる」

驚く彼女に対し、さもありなんといった様子で語り続ける。
母親がミレー族の文化や歴史を研究していたのもあり、それに連れ回された幼少期を送っていた。
それが彼の始まりでもあったが、隼達との出会いの接点でもある。
今の王国にとって正常とされる宗教が誤りである証拠である隼達を、戦いの場以外長時間晒さないのは、要らぬ混乱を避けるという意味もあった。

「……若しくは違う眷属かもしれない。リトルストーム達と、スノウフルーフ達が繋がったように、念話自体は一種の網で、その端がいろんな眷属と繋がる連絡網…というといいかもしれない。そこに繋がったルークを、白い羽の何かが見つけた、とも言える」

彼女の情報と現状を整理するなら、予想としてそんなところだろうか。
そんな話をする合間も、甘ったるく重なり合い、言葉と抱擁を交わす中、心を擽るような言葉が並び、照れくさそうに笑いながら見つめる。
それならお互い様といったところかと呟いたところで、首筋に悪戯を重ね、耳朶に甘噛みをすれば、ゆっくりと唇が離れていく。
白い首筋に薄っすらと赤い鬱血跡を一つ残して。

「その反応がたまらなく可愛いからな、つい可愛がりたくなる……さて、もう少し話をしてもいいが…ルークは話と交わり合い、どちらがお望みかな?」

悪戯を仕掛けたのは自分とは言え、ほんの少しのじゃれ合いで蕩けていくような声に、此方も欲望がじわじわと燃え上がりそうになる。
けれど、何かを知りたがる彼女を抑えて抱いてしまうのは忍びなく、苦笑いでどちらを取るか確かめれば、するりと抱きすくめて、悪戯もなく重なり合うだけの抱擁で答えを待つ。

ルーク > 「ミレー族の真の神、アイオーン…。ヤルダバオートが敵なら、ミレー族と人間との確執は奉る神の違いからでしょうか。リーゼロッテさんのザムくん?はリトルストームになるのですか?」

真の創造神の存在は、歴史から消され人々に忘れ去られつつある。
神が人を捨てるのか、それとも人が神を忘れるのか…。
初めて知る事に驚きつつも、そんな風にミレー族と人間との確執の原因を考えてみて。
成長のハンスですらあの大きさだ、最年長の大鳥となるとどこまで大きいのだろうと、想像してみるが難しい。
この間会った彼の義妹君の相棒の隼には会えなかったが、彼女が契約している隼はあと二体いる内の一体だったりするのだろうかと、問いかけて。

「違う眷属。何れ会えると言っていましたが、どこにいけば会えるのでしょう。――っんっ…っ…」

降り注ぐ羽は白くとても綺麗で、響いた声は優しい感じがしたように思う。
彼についていくための翼が欲しいと、願うルークがその翼をもつものに早く会いたいと思うのは無理からぬことで…。
しかし、敏感な首筋や耳朶に甘く噛み付かれて甘いしびれが幾度か体を駆け抜けていくと、思考がまとまらなくなってしまう。
彼に触れたい、触れられたいと女としての欲が目を覚まし始めて。

「…っ…はぁっ…その、……うぅ…」

話を聞きたいのも本音ではあるが、少しの悪戯でとくとくと鼓動が早まり体が火照りを感じている。
恥ずかしそうに、困ったように上目遣いで見上げると恥じらいながら視線を彷徨わせて。

「その…アーヴァイン様に…抱いて、いただきたい、です…。」

蚊の鳴くような小さな声は彼に届いただろうか。

アーヴァイン > 「母もそうだろうと研究をしていたからな、可能性としてありえる。問題は、どうして対立するに至ったかだが…その転換期は1世紀より前らしく、情報がないらしい。ザムか、あれはリトルストームだな、一番成長してはいるが」

彼女の想像に同意するように頷くも、何分人々の記憶から消し去るほどに時が経ちすぎた。
続く問にも小さく頷くものの、他の鳥達より成長が進んでいる事に違いはあるが、大きな差ではない。

「何れ会える……もしかして子供の事だったら驚きだがな」

何れ、それが出産の時を指し示しているようにも聞こえれば、苦笑いを浮かべながら紡ぐ。
だとすれば随分と仰々しい子供を授かったものだと。
悪戯に弱いところへ指先や唇を這わせていくと、あっという間に彼女の熱も宿っていく。
甘い掠れた声に見つめ返す視線も、少しだけ欲望混じりの強い視線になってしまう。
狼狽するような恥じらい方に柔和に微笑めば、小さな声は聞き逃すこともない。

「分かった、それなら部屋に行こうか…お腹に良くないからな」

寒空の下で始めたら、宿りたての子供が驚いてしまう。
冗談めかした言葉で頷き、立ち上がると本を代わりに抱えて掌を差し出す。
普段なら横抱きにして連れて行ってしまうが、敢えてしなかったのは万が一転んで子供が壊れてしまったら怖いからだ。
何事もなく無事に産み、もっと感情豊かに母子揃って育つといい。
そう思いながら、肌寒い廊下を彼女の手を握りながら進み、部屋へと戻っていくのだろう。

ルーク > 「そうなのですか…。」

時が流れ、人の記憶からも消え、記録もなければ調べる術はない。

「はい。…子供は、普通の子供のほうがいいと思いますが。」

生まれてくる子供が、羽をもった子供だったら驚きだ。
健やかな子が生まれて欲しいとそこは思うわけで…。

「…はい…。」

彼との交わりを望む声は、確かに彼の耳に届き手を引かれてベンチから立ち上がる。
廊下から部屋へと入れば、寝室の柔らかなベッドの上で冷えた肌を温め合い、夜は更けていく。

ご案内:「王都マグメール 王城 庭園」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 庭園」からルークさんが去りました。