2017/05/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」にランティさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」にクロエさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」からランティさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/中庭」からクロエさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 訓練場」にクロエさんが現れました。
■クロエ > 「――っとと、脇が甘いよっ!」
木剣を打ち鳴らす音が、訓練場に響く。
石が敷き詰められた長方形のリング、その上に居るのは数人の騎士だ。
その内の一人――両手に木剣を構えた少女は、左手の剣で対峙する騎士の得物を受け流し、懐に入り込むと同時に右手の木剣を脇腹へと当てる。
防具を打ち込む音が響き、衝撃に打たれた騎士は後ろへと下がった。
「ん、これで勝負あり、だと思うんだけど、まだやる?」
目の前の騎士は苦虫を噛み潰したかのような表情でこちらを見て、やがてリングから降りる。
これで全員に一敗ずつ、土を着けたことになるのだが。
「それにしても、うん。連戦はフェアじゃないと思うんだけどなぁ。
出来れば挑戦は明日以降にして頂きたい所なのだけど……どうかな?」
首を傾げ、問いかける。目の前の騎士達が往生際よく引いてくれるかは、彼らの疲れ次第。
何か空気の変わる切欠が欲しいなぁ、と内心面倒そうに独りごちるのだった。
■クロエ > 『待て、先ほどは調子が悪かったんだ。もう一度やれば負けることはない。
それに、俺の得物は、剣じゃなく槍だ。なに、こっちの方が得意だからな!』
騎士の内の一人が、木剣を木槍に持ち替えながら、威勢よく言葉を飛ばす。
対する少女は苦笑とともに、両手の木剣を弄びながら。
「んー、構わないと言えば構わないのだけど、それで負けたら諦めてくれる?
それが条件でよければ、君の提案に乗るよ。もう一戦、戦おうじゃないか」
少女の提案には不承不承ながらも頷き、男は槍を構える。
対する少女も、石の足場の上に立ち、同じように構えを取る。
本来の戦場では有り得ないが、この場においては礼節が重んじられる。
一礼し、そして眼前の騎士の仲間が合図を上げると共に――。
「……ん、それじゃ、行くよ?」
距離を取り、槍を振るわんとする騎士目掛けて、姿勢を低くしながら前へ。
跳躍の勢いで穂先をすり抜けると、そのまま肉薄し、左手を柄に絡める。
一瞬で槍の行方を固めると、騎士は慌てて横に槍を振り払った。
「っ……それなら、こうだねっ!」
槍に絡めた腕を締め、振り回されるままに身を躍らせる。
着地だけは細心の注意を払い、足がつくと同時にもう一歩前へ。
槍を二度振り回す隙など与えはしない。備えていた右手の木剣を、右下から左上へ。
胴を打ち払い、駆け抜ける。後は残身とともに。
「……これで一撃打ち込んで、ボクの勝ちだと思うのだけど?」
一分にも満たない交錯の末、二度目の敗北を得た騎士は、悪態と共に槍を投げ捨てていた。
ご案内:「王都マグメール 王城 訓練場」にアシュトンさんが現れました。
■アシュトン > 元気だねぇ……
(何時の間にそこに居たのだろうか。ごねる男を少女が一方的に打倒した、その場から幾分と離れた位置。
地面に腰をおろし、興味があるのかないのか、微妙な響きの呟き声を漏らす男がいた。
恰好からすれば、明らかに騎士や貴族の部類ではない。むしろ分かりやすい位に冒険者や傭兵の類だろう
もっとも、割かし堂々としている辺り、許可はもらって城にはいってきているようだが)
ただま、あんな風に勝ち続けると後がメンドクサクなるよな、きっと
(むしろ既に若干面倒な雰囲気もあるが。
やられてる騎士たちにもメンツ、というモノがある。一方的に勝負が決まり続けると、厄介な感情が湧いてくるモノである。
若くして強いと言うのは素晴らしいが、素晴らしいだけで世の中回る訳ではないのである)
■クロエ > 『くそ、覚えてろよ!次は負けねぇからな!』
まるで悪役の様な台詞を吐き捨て、騎士はこの場を後にする。
彼の矜持が、この場に留まる事を許さなかったのだろう。
周りの騎士達も、彼の後を追う。その様子には小さく嘆息しながらも。
「ん、卑怯な手を用いないなら、いつでも挑戦は受け付けるよ?」
後ろ姿にそれだけ告げると、左手の木剣を鞘に納め、投げ捨てられた槍を拾い上げた。
先の扱いで損傷がないかを軽く検め、木槍に傷がないことを確認して。
「もう、武器を大切に扱わない人が、強くなれる訳ないじゃないか。
……っと、ここにいない人の事は、口にしないの礼儀だよね。うん」
槍を携えた少女は、近くの備品置き場まで足を運び、空いている箇所に立てかける。
次いで近くにある休憩用の横長椅子に腰かけて、どこからか取り出した水筒の蓋を捻り開けて。
中の水を二口ほど飲み込んで、長めの息を吐く。ようやく一心地ついたような気分だ。
なお、こちらを見ている存在が居る事はなんとなく分かっているが、訓練を見られることなど珍しいことではない。
故に少女は、視線の主のことを気にすることなく、しばしの休憩に入っていた。
■アシュトン > わぁい、なんて分かりやすい捨て台詞。
いっそ清々しいレベルだな……
(逃げ去ってゆく奴らの背中を見送り片手を振りながら、小さく笑うように鳴る喉元。
あの調子なら、騎士を辞めて山賊なんかになっても十分やっていけそうである。
周囲に一旦と落ち着きが訪れれば、もそりと立ち上がり。
少女の座る長椅子の方へと緩い足取りで近づいていった)
やぁ、若いのに随分と良い腕してるんだな。驚いたよ。
ただま、もう少しとばかり手心を加えてやっても良かった、風にも見えたけどね。
ま、気を付けることだ。
(挨拶代りに口元へと緩くと笑みを浮かべながら、妙に気安いような語り口。
最後のセリフは冗談とも皮肉とも混ぜたような言い様で、それに合わせて肩が微かに揺れていた)
■クロエ > 休憩がてら、座った少女が始めるのは使っていた木剣の手入れだ。
表面の傷を確認し、備え付けられている鑢で軽く撫でて、平らにしていく。
傷があると、相手の鎧や得物に引っ掛かり、下手すれば折れてしまうのだ。
鑢掛けの後は、同じく備え付けの布で磨き、滑らかな表面を整える。
黙々と行う一人の作業は、模擬戦で高ぶった心を落ち着かせるのに丁度良かった。
やがて、緩やかな足取りでこちらに近づいてくる気配を感じ取る。
同時、丁度良くかけられた声には顔を上げ、男の方を向きながら。
「やぁ、見てたんだ。ありがとう、まだまだ未熟な身だけど、そう言って貰えるのは嬉しいかな。
手心を加えて、それがばれればより面倒だし、何より彼に対して失礼だと思ったのだけど、だめだったかな?
うーん、気を付ける、かぁ。難しいなぁ――あぁ、ボクだけ座っているのもなんだし、隣に来る?
作業しながらになっちゃうけれど、ね」
剣を磨くのには、まだ時間がかかるから、と男に席を勧める。
最後の言葉には苦笑を浮かべ、一本の剣の整備を終えて。
もう一本――左手に持っていた方を鞘から抜いて、膝に置く。
受け流しに使っていた分、傷が多くてでこぼこしているのを確認すると、まずは軽く鑢掛け。
そろそろ話し相手が欲しくなってきた頃合い、男の存在は、少女にとっても丁度良かった。
■アシュトン > 明らかに年下の女の子に負け続けるってのは、誇り高い貴族生まれの騎士様達には、大分とこたえるからな。
そこから気合いを入れて修行に励む、なんてやつもいるが。まぁ少数派だろうな。
(肩を竦める仕草の後。横を勧められると軽い会釈の後に、椅子へと腰をおろし。
武器の手入れをしている様子を何の気なしと眺めた後、視線を相手へと戻した)
わざと負ける必要はないが、ちょっと位相手に勝利の夢を見せてやっても、良かったかもしれないな。
あんまり心を折り過ぎると、どんな手を使ってくるか分からんのでな。
暗い夜道で襲われたりな、どうなるかあんまり想像はしたくないだろう?もっとも、余程不意を打たれない限りは、対処できそうではあったけどさ。
(上に視線を移せば、両足がパタパタと揺れる。
まぁ本人が来るならまだいいが、「その手のプロ」を呼ばれると大分厄介だろう。具体的に言えば、今少女の隣にいるような奴だが)
■クロエ > 「ん、それは理解できているんだけど、手加減をバレずに出来る程の腕は無いんだよね。
ほら、気づかれないように手加減をするには、かなりの技量差が必要でしょ?
修行をすれば最終的に自分の糧になるのに、何でしないのかはわからないかなぁ」
隣にやってくる男。人当たりよく応じた者の、名も知らぬ相手故に警戒は崩さない。
これでは休憩にならないような気もするが、常在戦場とでも思えば鍛錬の一環にはなるだろう。
丁寧に鑢掛けをしながら、時折ちらりと男に視線を向けて。
「ん、次からは考えてみるけれど、出来るかどうかは別問題、かな。
やけっぱちになるなら、その分の時間で槍を振るった方が良いと思うんだけども。
――そう言う手合いは、素人ならばどうにかなるけれど、玄人相手には厳しいよね。
特に町中だと、建物壊す訳にいかないし、死角は多いし、逃げ込む場所もいっぱいだから」
少女はそれなりの腕を持つ騎士だが、それでも暗殺者や傭兵等に不意を打たれればどうなるかはわからない。
今は秘めている魔剣を解放すれば、どうにか切り抜けられるかもしれないといったところだ。
故に、少女は面倒だと言わんばかりに嘆息して、木剣の表面を磨きながら。
「お兄さんのアドバイスは、しっかり肝に銘じておかなきゃね。
っと、自己紹介くらいはしておこっか。ボクはクロエ。姓は伏せさせてね?」
人に名を尋ねる時は、先に自分から名乗るべき。
――名前を用いる呪術などもあると言うが、それを気にしていては対話などできはしない。
ちょうど剣の磨きも終えた処で、滑らかな表面を二、三撫でると、鞘へと納めていく。
■アシュトン > その辺は、まぁその通りだな。圧倒できる程度の技量がないと、上手く力を抜くのも難しいからねぇ。
戦いで加減をするのが難しいなら、普段の生活で何かしら気を使ってやるとか、かな。
はは、君はまだ若いから分からないだろうがね。世の中、正論だけで回ってる訳じゃない、って事さ。
(扱く真っ当な事を相手が口にしているのは確かだが、そう世の中は綺麗に出来ている訳ではないらしい。
歳と見た目相応といった物言いに、なにやら楽しげなわらいごえを漏らしていた)
君たち騎士ってのは、正面から戦い合う技術を磨いてるからな。そういう場面において強いのは確かなんだが。
絡めて、不意打ち、闇討ち、そういう手を使う奴らはまず最初から、君らの有利な戦い方に持ってきてはくれない。
…………というか、建物壊すって随分物騒な単語が聞こえたんだが?
(何、壊すの?ってツラで首をかしげる。
貧民区のボロ家ならまぁハンマーでもぶん回せば壊れそうなモノであるが。
平民区以上となるとそうそう簡単に壊れるモノではない。大概石造りだろうし)
アシュトンだ、姓はない。
今日は、そうだな、臨時講師みたいな用件で来た。
勿論、君らのように「まとも」な騎士やら兵士には関係のない話だがね。
(くくっと、漏れるのは小さな笑い声。
特に貴族や王族の嫡子から騎士になった輩には多いだろうが、勝ち負けより先に名誉やら誇りなんてのが前に出てくる。
結果、戦場でも正面から堂々、なんて戦い方になり易いが――それで勝てたら苦労はないのである。
情報収集、偵察、警戒、罠、等。そういう裏方仕事も重要なのだが、騎士連中がそんなことをやりたがる訳もなく。
主に、傭兵やら冒険者上がりの兵士達を相手にした用件だ。清濁併せ呑んだ実践主義の騎士なんかも、たまに見るが)
■クロエ > 「やっぱりまだまだ未熟だなぁ、上手く力が抜けるなら、ここまで面倒じゃないんだものね。
んー、気を使う、ねぇ……顔を突き合せれば直ぐに突っかかってくるから、なにすればいいんだろう?
あはは、うん、お兄さんが言ってることも、理解はしてるはずなのだけどね……」
理解しているつもりでも、それを実践出来るほど世の中を生きているわけではない。
楽しげな笑い声には苦笑しつつも、忠告してくれる存在はありがたかった。
「ん、そうだね。確かに、さっきの戦いもわざわざ礼をして、合図を待っての戦いだもの。
全然実践的じゃないし、現実的じゃないよね。それに、有利を取るのは当たり前のことだから、不意打ちや闇討ちを非難する気はないよ。
あぁ、うん。壊していいなら、壊しちゃうよ?全て壊してしまえば、死角も何もないし」
壊せる前提でさらりと言う辺り、そう出来るだけの何かを持っていることは伝わるか。
例え石造りであったとしても、超高熱に晒されれば溶けてしまうのだ。
無論、周囲に敵しかいない状態で、人の営みが無い事が前提になるから、実際には取らない手段なのだが。
「ん、アシュトンさんだね。――臨時講師、かぁ。道理で、全く隙が無いものね。
まともな騎士には……ってことは、ボク達騎士が普通にはしないこと、って感じだよね。
だとすると、真っ正面でなく敵を倒す方法とか、戦わずして勝つ方法とか、そんな感じかな?」
クイズは得意だよ!とでも言わんばかりに推測し、首をかしげて答え合わせ。
木剣は後でしまうことにして、男との会話を楽しむことにする。
■アシュトン > あいつらの方が年上だろうし、その分少し顔を立ててやるとか、それ位でいいんじゃないかな。余計に譲り過ぎると多分余計図に乗るタイプだろうし。
食事の列でちょっと順番譲るとか、或いは相手の得意そうなことを聞いて教えてもらうとかな。
はは、まぁ後10年も生きれば身に染みる位分かるさ。
(そんな、ほんの少し気を使って、少しだけ相手が気持ちよくなれるような事を、口に出す。
彼女の腕前なら暫くとすれば出世もありえるだろうし、そうすれば世の中の汚さも嫌って程見ることになるはずだ)
ま、練習から何から全部実践的にすればいいってもんじゃないけどね。
特に騎士なんてのは、儀礼的なもんも重要視されるだろうからな。
ただま、本気のたたかいってのはもっと別の要因が大きいって言うのも、覚えておいて損はないわな。
なにそれ怖い、超怖い。まぁそんな事が出来るなら、どちらかと言えば野戦向きか……
(なんとも言えない感じに、両目が細くなった。
とりあえず、市街地戦にこの子を放り込んではいけない、そんな予感がする)
隙?大分呑気にやってる心算なんだがな。
まぁそう言う事だな。情報収集やら偵察やら、後は敵の進軍を遅らせる罠の設置、とかな。
流石に商売道具だから全部が全部は教えられないがね、毒物やらの調合も少し、教えたりもしたな。
(懐から薄い黄色の付いた瓶を取り出せば、ちょいと左右に振ってみせた。
中身は揮発性の麻痺毒である。なるほど、これを吸わせれば戦わなくても勝てるだろう]