2017/05/09 のログ
■ルーク > 「――……それでは…それでは嫌なのです…。アーヴァイン様の隣に立って、居たい…。貴方様を守れる存在でありたい…。」
瞳から溢れる熱いものと一緒に、ルークの胸の内からどんどんと溢れてくるのは彼への想い。
ただ、彼に庇護され抱えられるお荷物になりたくない。
足元に散らばる冊子は、彼への縁談の申し入れだった。
彼が第零師団の二代目に就任した直後と比べると、そういった縁談の申し入れは少し落ち着きを見せていたがある事を契機に再び増加していた。
そこに映るのは華やかな女性たちの姿。
彼女たちのように華やかさも、後ろ盾もないあるといえばカルネテル王家の子を宿すための血だけの自分。
それでも、彼の隣にいたいとそう望んでしまった。
彼の隣にあるために、抱えられ守られるだけの存在にはなりたくないと、そう涙の滲む声が訴える。
「――っ…駄目です。優しいお言葉を今かけられたら、止まらなく――…っ」
優しい声と言葉に、決壊した涙は彼の肩を濡らす。
押さえ込むように二の腕に爪をたてていたルークの腕が、縋るように彼の背に回るとその服の布を握り締めて嗚咽を咬み殺す。
愛していると、低い声が耳へと滑り込むとまた涙が一層溢れてくる
■アーヴァイン > 養子とは言え、その血はカルネテルの一つとなった。
故に、繋がりを求める貴族は増え、縁談の話も直接かけられることもあったが…全てやんわりと断っている。
必要がなければ、政の交わりはしたくない。
こうして傷つけられて涙を零す彼女を抱きしめるように、暖かな繋がりが欲しいからで。
「……その気持ちと同じぐらい、俺もルークを大切にしたいんだ」
自分に寄り添うだけの存在ではなく、守る人でありたいと願う言葉は、以前と変わらなかった。
だからこそ、それ以上に求めはしないが、代わりに自身の気持ちを静かに語る。
庇護されるのは嫌で、自分も彼女を守りたい。
相思の言葉を囁きかけながら、抱きしめ続ける。
「止めるな、全部吐き出してくれ。それが一番…苦しみをなくしてくれる」
じわじわと暖かな湿り気が広がっていく。
濡れた吐息が肩に掛かる中、背中に彼女の両手がかかっていく。
ずっと二の腕を掴んでいたのも知っていたが、無理に剥がそうとすると、嫌だと逃げてしまいそうだからとそのままにしたが…解けていく感触に、安堵の吐息が溢れる。
「……ルーク」
愛の言葉に続けて、彼女の耳元へ呼びかける。
駒として着けられた名前も、こうして呼びかける音と人が変われば、全て意味を変えるだろう。
黒髪を撫でていた掌を頬へと滑らせ、するりと顎に重ねていく。
顔を上げさせるように促せば、そのまま濡れた金色を暫し見つめ、それから何を言うわけでもなく顔を近づけた。
唇を重ね、空気を求めて重ね直し、重ねてと繰り返す口吻は初夜の甘いキスとは少しだけ違う。
愛している、それを言葉ではなく唇で伝えるように、何度も重ね続けた。
■ルーク > 「…っ…心を知れば、知るほど以前よりも弱くなっているように感じます。弱くては、貴方様の傍に立つことができないのに、傍にいたいとどうしても思ってしまう。」
弱い自分が彼の隣に立つことを、彼に守られなければ立っていられない自分を、誰よりも自分が許せない。
大切にしたいと、同じように想っているのだと彼から告げられれば心が大きく揺らぐ。
傍にいたい、傍にいたいと欲が溢れてくる。
「――っふ……っ…っ…」
止めるなと、ルークが許さなかった押さえつけていたものを彼が許してしまうから、熱い涙がとめどなく溢れては肩を濡らしていく。
ひくと何度もしゃくりあげ、嗚咽を噛み殺しながら二の腕に爪を立てていた指は、今度は彼の背の布を強く握り締めて皺を作る。
腕の力強さと温もり、優しく低い声はルークが必死に一人で立とうとしていた虚勢を引き剥がして裸にしてしまう。
虚勢が剥がれた心は、まだ殻の中から生まれたばかりの心で柔く脆い。
「――ぁ…っ…ん……っく…」
『ルーク』と駒の一つを認識する為だけの名称は、彼が意味を持って呼ぶことで一人の個としての名前となる。
もう何度、彼にその名を呼ばれ、呼ばれる事に慣れた。
愛していると、そう囁いた声がルークの名を呼び頬へと手が重ねられる。
弓やペンを扱うタコのできた硬い手の感触。
涙に濡れた顔をあげれば、まっすぐに見つめる彼の瞳と琥珀の瞳が重なり合う。
唇がそっと重ねられ、離れては再び重ねられる。
愛していると、触れる唇から深く深く繋がって染み込んでいく。
そのぬくもりに、また琥珀の瞳から大粒の涙が溢れては頬を濡らし、求めるようにルークからも彼へと唇を押し付けるようにして重ね合わせていく。
愛していると、慕う心を自分からも彼に伝えるたくて。
■アーヴァイン > 「弱くか……確かに、自身が傷つけられれば、その痛みや苦しみに弱るかもしれない。だが逆に……他者を守る時には、強くもなれる。ルークに会いたいが為に、ドラゴンフィートからここまで、数分で飛んで来るなんて、無茶が出来るぐらいにだ」
今は自身への刃が深く突き刺さる痛みだけで、弱くなったと語るも、その逆を囁く。
自分ではなく、愛する他者への気持ちが限界を超えることもある。
もしも自分が誰かの手で死の危機に瀕したなら…彼女は限界を越えてでも、相手を屠ろうとするに違いない。
想像させると、違う方向へ意識が流れてしまいそうなので、自身の身で感じさせぬように、例え話を囁く。
「……いい子だ、ずっと泣きたかったのを溜め込ませて悪かった。もう、大丈夫だ」
視線が重ねれば、彼の目元も薄っすらと濡れているのに気付くかもしれない。
普段で見えない、子供のように泣きじゃくる姿に、じくりと胸の奥が痛くなり、同時に庇護欲を強く掻き立てられる。
そしてその欲望は、愛となって強まり、互いに求め合うようにキスが繰り返されていく。
「ん……」
彼女からも答えるように唇が重なると、少しだけ驚くものの…それだけ頼ってくれているのだと嬉しさに変わる。
キスの合間、言葉にしてあいしてるを繰り返せば、今度は首筋へと顔を埋め、甘く吸い付くようなキスを重ねた。
じゅっと吸い付き、何度も繰り返し、こそばゆい刺激と水音を響かせながら鬱血の跡を残す。
この娘は自分のものだ、まるでそう記すように赤い花弁が首筋に咲き乱れるだろう。
「……っは、ルーク…不躾かもしれないが……俺の部屋にいかないか?」
繋がり合いたい。
性的なそれは結果でしか無く、もっともっと抱きしめて傍にいたい。
酷い交わりで傷ついているだろうからと、明確に交わるとは告げず、薄っすらと苦笑いを浮かべながら金色の瞳を見つめる。
普段とは違う、幼子のように脆く感じる彼女の頬に、硬い部分が多くなった掌が重なり、優しく撫でるだろう。
ご案内:「王都マグメール 王城」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からルークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にランティさんが現れました。
■ランティ > 王城の外壁に立つ物見塔の最上階、窓から身体を乗り出して街を眺める女の姿があった。
ぼやっとしたぼさぼさの灰色髪に、野暮ったい黒縁眼鏡、化粧っ気も無いローブの女である。
見張りの兵士が呆れたように声をかけるので、女は振り返って、へらっと笑った。
「いやあ、すまないねえ 良い景色なものだからついつい
…いい天気だねえ兵士君、こんな場所で時間を過ごせるなんて、贅沢者だよ君ィ」
ふひひ、と笑いながら窓枠に腰を掛ける。
すっごく迷惑そうな顔をする兵士なのだけれど、姿勢は崩さない。
仕事中の兵士に、しかし追い出されないのは、女が名のある貴族だから。
ご案内:「王都マグメール 王城」にガリアさんが現れました。
■ランティ > 「ボクを通したのがばれたら、君が𠮟られるって?
ははは、ああ、大丈夫大丈夫、ちゃあんと今回は許可を取って来たからね
君に迷惑はかけないよォ …うん? 貴族がこんな所でフラフラしてるだけで迷惑って?
はははァ、そりゃあそうだね一本取られた」
頭をわしわし掻いて笑いながら、杖を肩に担いで見せる。
「だけどねえ、この王城でここより高い所は、それこそ王族だけが入れる上階層だけだろう?
だから仕方ないんだ、諦めてくれたまえよ」
■ガリア > (ふぁぁ、と欠伸を零しながら物見塔の上まで上がってくる騎士一人
非番、と言う訳ではないが、現状担当する業務が在る訳でもなく、ほぼ穴。
せめてのんびり過ごそうと、空気も風も良い上の方まで上がって来た訳だが
途中、見張りの兵士に小突かれる。 何だよ、と言う視線で其方を向けば
顎で示された其の先に、一人のローブ姿が居るのを眼にして――)
――――……珍しい、物見塔なんぞに何か用かァ? 景色は良くても、囲ってるのは武装した野郎だけだぜ。
(――矢鱈とざっくばらんな声を掛けたのは、多分時間帯的に眠かったせいも在る
其れとは別に、其の顔に多少の見覚えが在ったからだろう
幾度か、戦地でも見かけた事が在る魔術師であり、貴族。
本来ならば目上なのだろうが、どちらかと言えば魔術師としての名前の印象が強かった)。
■ランティ > 「貴族(バカ)と煙は高い所が好きと言ってね…え? あ、いやいや、そんな顔しないでおくれよ
ノーブルジョークって奴だよ 笑えない? あ、はい、申し訳無い…
…あ、ほらほら、誰か来たみたいだよ、交代の時間じゃあないかい?」
気を紛らわすために飛ばしたジョークで、兵士に引き攣った笑いを向けられて凄く情けないことになる大貴族。
慌てて足音の方に顔を向けて示したところで、現れた顔に眼鏡の奥で目を瞬かせる。
「うん、貴族(バカ)と煙はー…」
言いかけて、兵士に何とも言えない目線を送られて口を片手で押さえた。
それから、褐色肌の騎士にへらりと緩い笑顔を向ける女は、窓枠に腰掛けたまま、どうも、と片手を揺らして。
「逆を言えば、武装した男達しかいないけど、景色は良いんだ、ここは
今日は風も強いから、いい気分だしねぇ…ふぁ おっと、失礼」
のんびりした雰囲気で欠伸を零し、ガリアに首を傾げて見せる。
「君は交代要員かな? どうも、ええと…なんか、どこかで見かけた気がするね
ボクはラントリウス、名前はなんだい、褐色の君」
■ガリア > ――――……高いトコに上って来たからってか? ……おう、良く判ってるじゃんか。
(――耳は良い。 鼻も良い。
少なくとも今自分が上って来たタイミングで紡がれた言葉だと察しては、三白眼をじっと向け
其れから、やれやれ、と言う感じで肩を竦めては、あっさりと肯定して見せたか
窓枠に腰掛けている相手の姿に視線向ければ、其方へとのんびり歩いてゆき)
許可さえ取ってるんなら良いけど、せめて落ちんなよ?
―――んや、関係無いね。 俺様ァただの自主休憩って奴。
どっか…ってと、多分何時ぞやの遠征だろうなァ、俺ァガリアだ、何度か見てる。
そっちが覚えてるかは知らんけどなァ。
(続いて、口にするのは以前行われた短期遠征の事
軍事的、治安維持的な側面も強かった遠征の中に、お互い居ただろう、と告げて)。
■ランティ > 「意外と感覚が鋭いんだ、ボクは 敏感肌でねぇ」
ふひひ、と細い腕を伸ばして、その腕を撫でて見せる。
目つきの悪い騎士からじっと見られても、気の抜けたような垂れ目で悠々と見返す。
騎士と貴族が一間に居れば、兵士はそっと部屋から外れる。 扉の向こうには居るのだろうけど。
「あははァ、落ちかけたら助けておくれな、騎士様
自主休憩ねえ、良い事だ、上手く休まないと疲れてしまうからね
ガリア、ガリア…ああ、あれだ、遊撃任務について行った時に隊長をやってた子だね
お久しぶり、その後の戦でも大活躍だったと聞くけれど」
頬に人差し指を置いて暫く考えた後に、ふわっと綻ぶように微笑んだ。
緩く穏やかなその雰囲気に反して、戦場では天幕から出て戦場を馬で駆ける姿を見せている。
剣こそ振るわないが、弓の距離から放つ魔法は苛烈で、ガリアの先駆けを随分と楽にしただろう。
「それでガリア君、君も風景を見に来たのかな? どうだい、隣に座って物見と行こうじゃあないか」
弓手が並んで射れる程度には横に広い物見の窓、隣を叩いて気安く誘う女だ。
■ガリア > いや、敏感肌ってそーゆー意味合いじゃねぇって。
(空気を読んだのか、或いはこの二人が揃った事で面倒な気配を感じたのか
部屋を外れて行く兵士を横目で追いかけてから、窓際まで歩み寄る
己が目の前、暢気な雰囲気だったり、かと思えば女である事を思い出させる微笑だったり
何処かつかみどころの無い類のこの魔術師は、けれど戦場では酷く優秀な戦力だった
斥候や尖兵と言う役割を担う上で、彼女に随分と助けられたのは事実だ
特に、味方の被害を抑えられたという点に置いては特筆すべき物が在る。)
……大活躍と言うほどの事はね。 大将首獲ってったどこぞの団長さんやら
実際の指揮を担ってたどこぞの副官さんやらに比べりゃ、そうでもないさ。
……そう言えば、ちゃんと礼を言う機会は無かったなァ…、……あの時は、助かったぜ。
(魔術師であり、貴族である相手の立場は少々特殊だ。
戦が終わった後で、まともに顔を合わせたのは久しぶりだと思い返せば
今は違うとしても、当時小さくも隊を率いていた立場として
先ずは何よりも、素直に礼を述べて置こう。
窓際、促される儘に自分もまた、ひょいと腰掛けては、外を眺めるよりも
目の前の相手を、じっと眺めて)。
■ランティ > 突っ込む言葉にきょとんとしてから、それから楽しそうにコロコロと笑った。
「君は珍しい騎士だねえ、これでもボクは、この国の大貴族なのだけれど?
そんな無遠慮に突っ込みを入れる相手には初めて会ったのだけれど? ん?」
大貴族、と腰に手を当てて胸を張って見せる。 分厚いローブでも分かる豊かなふくらみが揺れる。
言葉だけを追えば、鼻持ちならない貴族が生意気な騎士をいたぶるような内容だが、
柔らかな表情とそんな仕草で、楽しんでいるのがガリアにも伝わるだろう。
そして、礼の言葉を受ければ、また表情が変わる。
野暮ったい黒縁眼鏡を外せば、落ち着いた貴族らしい静かな瞳を細め、頷いて見せる。
「遊撃隊が本陣の首を取っては、別動隊にした意味も無い
君の任務はあくまで陽動と、本陣の動きを邪魔する部隊の殲滅だったのだから、
団長の居る本隊が、敵に邪魔されずにぶつかり合えたのならば、君の働きは、大将の首を取るのと等しい武功だ
誇りたまえ、騎士ガリア 良い働きでした」
軽い謙遜に返したのは、しかし、貴族としてのまっとうな評価であった。
華々しい首印を挙げる事と同じように、泥臭く戦う事の意味を、女はよく知っているのだ。
眼鏡を掛け直せば、またすぐにへら、と口元を緩めるのだけれど。
「こちらとしても、敵の動きを間近で見れて勉強になったので有難かったよ
正直、君以外の隊は何やかやと言葉を付けて、僕の同行を嫌がったんだ
まあ、騎士でもない貴族がついて行ったら、あれこれ首を突っ込まれて面倒だと思われたのだろうけれどねえ」
頭を掻いて笑い、隣に座った騎士に肩を竦めて見せる。
着古したローブに振る息の杖、ぼさぼさの髪、化粧っ気のない顔。
それでも、隣に座ったガリアの鼻を擽る女らしい甘い香り。
こっちを見つめるガリアに気付き、風景から視線を動かして、どうかしたかい、と首を傾げて見せる女。
■ガリア > ―――……あー…知ってる、ただなんつーか…こう、アンマリ気を張って応対するって気分が沸かなくてなァ。
悪い意味じゃなくて、気楽? ……同じ戦場に出てたからかもなァ。
(気に障ったなら気を付けるけどな、と、一応一言添えては置くけれど
恐らく後半の言葉に余り嘘は無い、同じ戦場に立った者として
どちらかと言えば貴族と言うよりも、身内、或いは戦力、仲間
そんな印象の方が、相手の場合は強いのかも知れない
胸を張れば、矢鱈主張する胸元が目に入って――恐ろしく目に毒だったけれど
序に、其の胸元に遠慮無く視線向けたりする様な雑な騎士が、目の前にも居たけれど。)
………そう言って貰えると、嬉しいね。
与えられた役割を全うするのが騎士で、俺達は間違い無く其れをやり遂げた。
大将首を採って英雄になるだとか、そう言った望みが在った訳じゃないさ。
一番は、俺の隊の奴等が…、……まぁ、怪我人は出たにしても、無事に欠け無く帰って来れた事だ。
(そんな最高な事って、中々無いぜ?と、相手の目の前、歯を見せる様な笑みを浮かべるだろう。
其々の隊が自らの役割を果たしたからこそ、首級を獲れたのだと理解している。
だから彼らに対する羨望だとかはこれっぽっちも無いのだ。
野暮ったい眼鏡の下に隠された、本来の、貴族としての素顔は
恐らくは、今の己に与えられた、十分すぎる程の賛辞だろう。)
――…戦場に一度脚を踏み入れたら、肩書きなんて物は大した役にも立たないからなァ。
皆一律に戦力、んでもって戦士だ、役に立つって気概さえ在るんなら気にしないさ。
――…まぁ、正直、同行したいって言う魔術師が、まさかこんなのとは思わなかったけどなァ?
(じーっと、目の前に座る相手の姿を、眺める。
貴族で、女で、魔術師。 しかも戦場に進んで立とうとするなんて
矢張り、当時のどの隊にとっても、随分奇異に見えただろう。
けれど、其れが偏見の視線である事は、あの時、どの兵士達も思い知っただろう
此方の視線に気付き、首を傾げる女に構わず、視線を向けたままだったけれど
――ふ、と、表情一瞬緩めて、其れから、小さく咽喉奥で笑い。)
いや…判らないもんだと思ってよ。 中身はこんな良い女な癖して、ナァ?
■ランティ > 「なァに、君は今日はお休みなのだから、騎士として接さなくたって怒りはしないさ
はははァ、戦友特権としてランちゃんとでも呼んでくれていいのだよ」
年上で、貴族で、階級も上とくれば、そんな冗談を向けられたら曖昧な笑みを浮かべるのが常だろう、
さっきの兵士はそうだったのだけれど、しかし、そんな事よりも視線が下がってるガリアに気付けば、
眼鏡の奥で目を瞬かせて、ちょっと恥ずかしそうに笑い、胸に手を置く。
「どこを見てるのかね、君は もう少し遠慮がちに見たまえよ、まったく…
ああ、でも、そうだね 戦って死ぬのが本分と言う者も居るが、戦って勝って、なお生き残るのが最上だ
部下を前に進ませるしか能がない者も居る中で、君は良い騎士だね、ガリア」
明るい笑顔にこちらも微笑んで返す。
勲章を渡す身分ではないけれど、これ位は向けられる。
そして、まさかこんなのとは、と言う言葉に思わず吹き出した。
自分の膝を叩いて笑う姿は、貴族どころか、酒場に居る庶民の様な気楽さで。
「こんなのとはお言葉だねぇ いや、本当に君は、遠慮がなくて面白いな、ガリア
…って、何だい、そんな見ても何も出てこないぞゥ?」
自分の頬に手を当ててちょっとくすぐったそうに笑いながら首を傾げる女。
遠目で見れば、貴族と言うよりは書庫で書き物をしている事務官か研究者のように見える。
しかし、良い女と言われて驚いたように垂れ目を丸くした顔は、子供の様で。
「そんな事をボクに言う男は、あまりいないなァ
夜会の美辞麗句だと、逆にもっと華々しい言葉で飾られているけれど
…その、なんだね、シンプルに褒められるとこう、結構くすぐったい物だねェ」
ふへへ、と緩く笑いつつも、化粧をしてないから判りやすい、僅かに赤らんだ頬。
■ガリア > (――きっと、ごく一般的な貴族相手だったらこうも行かないだろう
流石に己だって時と場合と相手は考えて気は遣う、何故なら面倒が無いからだ
けれど逆に言えば、面倒な相手でさえないのなら、これが自然体。
ランちゃん、と言う呼び名を聞けば、思わずフハハと声を上げて笑い
其れから、下がっていた視線を上げて、再び相手の瞳を真っ直ぐに見れば。)
―――……へぇ、遠慮がちなら見ても良いのか?
……クク、闘って本当に死にたい奴なんざ殆ど居ないね、闘って、生き残って帰りたいのが本心さ。
死ぬ覚悟より、生き残る覚悟の方がよっぽど力に為るって…まぁ、少なくとも俺ァ思う。
(――何よりも、斥候、と言う役割を当てられる事が多い自分達にとっては
生きて、味方に有益な情報を持ち帰る事が何よりの役目でも在る
兵士にだって家族は居るだろう、兵士だって、この国に生きる護るべき存在なのだ
ゆっくりと、窓枠に凭れていた身体を起こしては、相手の方へと寄って行く
笑ったり、或いは顔を赤くしたり、感情の良く現れる其の顔を、ひょい、と間近に覗き込んでは。)
洒落た言葉で遠回しに言うのは苦手なんだよ、イイ女、って一言言うのにどんだけ必要なんだって。
―――……何なら、此の儘押し倒してやりたい位には、な?
(伸ばす両腕が、女の顔横、窓枠部分へと。
まるで、両腕の狭間に閉じ込めてしまうみたいにして身を寄せたなら
――何処か、相手の反応を伺うような悪戯っぽい金の瞳が、目前の菫色の瞳を、静かに絡め取る、様に)。
■ランティ > 笑うガリアにこちらも笑って返し、しかし、見て良いのかと言われれば、その眉間を軽く指ではじいてやった。
「騎士の美徳に紳士的と言うのもあったはずだけれど?」と揶揄いつつも、
手を置けるほどに豊かな胸はガリアを誘うようで、視線を挙げたガリアの視線をまた呼び寄せる。
「そう言う事だね、ボクも同意見だ
ましてや斥候と言う者はー…」
まさに、ガリアが思っている兵士の大命題と同じことを口にする女。
うんうんと頷く様子は学者のようで、そして、語るのに没頭するあまり、
覗き込む顔に気付くのが遅れて、ガリアの腕の檻にとらわれた事に気付く。
「…若いくせに、こんな行き遅れた女に手を出そうとは、変わり者だねえ
ましてや貴族を…こんな場所で …扉の向こうの兵士に聞かれたら、大事になるんじゃあないかィ?」
顎を引き、少し恥ずかしがるような仕草。 しかし、戦場で振るった魔術を起こす様子もなく。
近づく顔を見つめ返し、眠たげな眼を細める。 長い睫毛が印象的だ。
「怖くないなら、味見してみるかい…? ん?」
くすんと笑えば目を閉じる。 顔を近づければ、甘い香りが強くなり。
■ガリア > ―――……其れは、習った覚えが無いなァ?
……紳士的な扱いが好きな連中相手なら、其の時に少しは考えるさ。
(ならば、紳士的でさえあれば、悪徳に身を染めて良いのかとも言える
自分らしく居る事で、誰かの気分を損ねるのならば其の時に考えれば良いのだと
小さく、笑い飛ばす様に伝えては――弾かれた眉間に懲りず、まだ視線は胸元に落ちるんだろう
僅かに、相手の意識が逸れた所で、既に其の体躯は両腕の間に囚われている
気付いたかに瞬く瞳が己が瞳を捉えるなら、紡がれた台詞に、また先刻みたいに
歯を見せるような笑みを浮かべて、其れから。)
……行き送れたかどうかは関係無いだろ、それとも、生娘って話かい?
――…確かに、こんな場所っちゃこんな場所か…、……でも、だ。
判ってて、味見だなんて挑発してくるんなら…、……大して、変わらないんじゃねェか?
(――俺も、アンタも。
囁く言の葉と共に、また、残った僅かな距離を埋めて行く。
まぶたを閉じた相手の、唇を、其の吐息までをも奪うかに、深く、深く重ねる口付けと共に
片腕が、女の腰元を柔く抱き寄せて、互いの身体を密着させるんだろう
窓枠の上、僅かでも踏み外せば真っ逆様に落ちてしまう筈の中でも
其の腕の中へと囚われるのなら、酷く、安堵に満ちた支えとなる、筈か)。
■ランティ > 「色々と、昨今の騎士の内情に思う所があるようで?
まあ、今は特に考えなくても良いとしよう …ほらまた」
真面目な雰囲気の後に視線を落とされれば、おかしそうに笑いを零す。
そして、囁く声の低さに男を感じてぞくぞくと身震いしてしまう。
唇が重なれば、化粧っ気は無いけれどぷっくりと柔らかい唇が男を迎える。
抱く腰は細く、しかし、撫でた臀部は柔らかく大きく、女らしい体付きだと分かる。
分厚いローブで馬上に座っていた時な猫背でふとって見えたのだけれど、
こうして抱けば、胸に押し上げられたローブの布が腰回りに大きな隙間を作っていただけだと分かる。
舌を絡める水音、離せば、吐息を零して鼻にかかった笑い声。
「残念だけど、初物はどことも知れない伽の教師に授業料代わりに渡したよ 貴族の嗜みとしてね
…うん、でも、その男よりもやはり、こういう逞しい腕は良いな、寄りかかっても揺るがなくて、安心する」
抱き寄せる腕に手を添えて、自分から男の胸板に身体を寄せる。
抱いた腕にたっぷりとのる胸の重さ。 柔らかさは蕩けたかのような感触で。
今度はこっちから、と挑むように笑ってから重ねる口付け、舌使い。 男のかさついた唇を濡らす。
「…こんな事になるなら、ローブの下もしっかり着込んでくるんだったかな」
そんな言葉を零した女。 ガリアがその言葉に疑問を持つような目をした後で、自分でローブの裾をめくって見せる。
靴、細いくるぶし、滑らかなふくらはぎに、柔らかそうな太腿に…
そのまま、下履きも無く下着の飾り紐が細い腰の括れに結んである。
…上着の裾の気配も無くて…。
「いや、ある意味その、こういう事をしやすい服装なのだけれど…
…下着しかつけてこなかったのだよ、その、普段はこうではないんだけれどね? 本当だよ?」
少し赤らむ頬、言い訳がましく言葉を重ねつつも、裾から手を放し、ガリアの首に両腕を回して無防備に。
■ガリア > ……さて、如何かね。 殆どの奴らは確りしてるさ、俺と違って紳士的だしなァ?
……まぁ、今は関係ないさ。
(――ローブと言う物は、特に魔術師の好む其れは
時に其の体格や体つきを全く判らなくさせるらしい。
抱いた其の身体は、女として正しく健康的な柔らかさを帯びている
以前馬上での姿では判らなかった其の姿勢の良さは
戦場を駆け回る事が出来た其の理由としては、納得出来る物だったし
何よりも、互いの胸板で押し潰されるのが判る程の豊かな乳房は
こうして相対して話をしなければ、案外判らなかったのではと思う
囁く声音と共に、口付けを一度解いたなら、微かに乱れた相手の吐息
遅れて響く笑い声に、此方もまた合わせて笑えば
不意に、持ち上げられた女の裾の中へと、視線を落として)
―――……そうかい、でもまァ…其れなら気兼ねも無いって事さ。
……しかし…アレだな、普段はこうじゃ無いってなら、何でまた今日はって聞きたくなるな。
(何も、ない。 いや、最低限の下着だけはあるのだが、ローブの下に纏うには余りにも、薄着
言い訳めいた響きの相手の言葉に、本当か? なんて三白眼を向けてみたりするけれど
でも、直ぐに笑い飛ばして、身を寄せてくる女の身体を腕に抱き締めなおせば
其の体躯を、今度は己が方へと抱き寄せて――膝の上、腰の上へと、跨らせよう
より、安定感の増すだろう体躯と腕の中で、指先がローブの舌、下着の紐をするりと解いて。)
腰、上げて置きな。 ……弄ってやるから。
(触れる、指先が女の秘裂へと這う。 緩やかに粘膜を指腹が擦り上げるなら
浅い箇所を捏ねるようにして、穏やかな愛撫が、始まるだろうか)。
■ランティ > 「…」
関係ないさ、と諦観するようなことを言ったガリアに、なんでか、女は優しいキスを一度だけ。
唇を離してくすくすと笑う表情は、野暮ったい眼鏡もあってか貴族とも思えない気安い笑顔。
抱き寄せる腕の力に身を任せれば、ガリアの胸板に潰れた胸がローブの布にすら谷間を浮かべる。
それをガリアが指摘すれば、「使いどころがなくて困ってるのだけどね」と冗談めかして笑う。
それに手を添えれば、武器を扱うのに慣れた騎士の大きな手にも余る豊満さを楽しめるだろう。
「今日は暖かかったし、誰かに会う予定も無かったからねェ
…侍女のいう言葉を聞き流していたけど、誰が見てるか分からない、と言うのはこういう事か」
まさか侍女も、こんな火遊びを貴族の跡取りがするとも思わなかったろうけれど。
本当だとも、と三白眼に頷いて、なお不審げな目を見れば、本当だって、と情けなく垂れ目を潤ませた。
笑われれば、意地が悪い男だ、とその頬に手を当てて、軽く抓ってやり。
「…ん、」
男の膝の上、向き合うように跨る。 身長差があるからか、膝をつけば男の目の前にたわわな果実。
解いた紐で、男の腿に下着が張らりと落ちた。 …うっすらと湿っている、可憐なレースの下着。
ローブで見えない脚の間に男の指が忍び込む。
僅かな茂みの感触の奥に、温かく柔らかな秘裂の感触。
ふぁ、と吐息を唇から零し、そっと目を閉じる女。
くちくちと弄られるそこは、指先にぬめりを覚えさせる。
少し指が割れ目を広げれば、ひく、と腰を震わせる。
僅かに漏らす遠慮がちな吐息、甘い汗の匂いが男の雄の部分を刺激する。
■ガリア > ―――……?
(其の口付けの意味は、残念ながら察する事は出来なかった
向けられる笑みが、ただ穏やかなものだった事だけは、感じ取れたけれども。
女の身体を、ちゃんと自らの身体にしがみ付かせれば、もう片方の掌をローブの下に
裾側からたくし上げるようにして指先が触れるなら、其の柔らかく、掌にすら有り余る其の乳房を
ゆったりと根元から絞り上げ、柔く捏ねて弄びに掛かるだろう。)
いやいや、思いっきり見張り兵に会ってたじゃねェか…。
バレちまったら、そう言う趣味でも在るのかと思われるぜ? あと王城ではダメだろ、流石に。
(廊下を出歩いたりだのする事に為るのだ、目ざとい輩に出くわして居たら如何する心算だったのか
やれやれ、と呆れた風に肩を竦めて見せるけれど――まぁ、其れもあくまで揶揄だろう
頬っぺた抓られたなら、其れこそ今の女には意地悪い三白眼で見詰め返してやり。)
……案外、濡れてるな。 ……なら、解しても大丈夫そう、か?
(指先に、触れる蜜の感触。 僅かに押し込む様にして指を沈ませれば
溢れる蜜を潤滑として、指先を半ば程まで飲み込ませ、触れる粘膜を、肉の襞を
探るようにして、ゆっくりと丹念に擦り上げ始める、か
女の中、刺激の強まる場所を、性感の核を覚え込みながら、煽る熱情
こつりと、自らの額に女の額を重ねては、柔く唇を掠めさせ
或いは、吐息零す其の唇へと、口付けを重ねたりして戯れながら
女の身体を、開いて行く。 雌として、熟れた其の身体を、目覚めさせに)。
■ランティ > 気にしなさんな、とくすくすと笑って返す。
裾から忍び込んだ腕が裾をたくし上げれば、夕焼けの赤い光の中、
女の柔らかな細い身体がローブの陰にさらされる。
薄地の下着越しでも、指に力を込めれば沈み込むほどに柔らかい乳房。
んん、と小さく甘い息を漏らす女は、少し恥ずかしそうに眉を下げて。
「すれ違ったり、少し話すだけじゃあ、ばれやしないさ …めくれても、膝ぐらいまでだろうし
…こんな風に、ちゃんと身体をまさぐれるくらいじゃないと、…んっ はぁ…ばれないはずだったんだけど」
男の手が胸を絞るようにすれば、たぷん、と下着から溢れるように男の手の中に沈む。
ローブの熱い布越しでも、先程以上に柔らかく形を変え、波打つような果実。
「…優しくしてくれよ? 余り、自分では弄らないし…身体を重ねるのは、久々なんだ」
指が身体の中に沈めば、キュ、とガリアの肩を掴む手に力がこもる。
内側は肉厚の感触で、少し硬いのは、女が言うように暫く解していなかったせいだろうか。
話し始めた時の余裕のある風ではなく、少し緊張するような表情だけれど、
額を寄せられて視線を挙げた所に、柔らかな口付けを受けることで、少しだけ表情が和らぐ。
戯れるガリアの口付けに、唇を柔らかく重ね返し、誘う舌に遠慮がちに舌先を触れ合わせる。
時折、指が膣内を引っ掻く動きに、悩まし気な吐息を零して腰を揺らす。
手の中で弄ぶ胸は、掌にぷっくりとした先端の感触を返す。
どこか甘えるように腕に力を込め、男の顔を胸に抱き寄せ、
男の額や耳に唇を寄せ、じゃれるように甘く噛む。
冷静に魔術を振るう魔術師としての顔とも、ゆるく笑う貴族の顔とも違う表情。
■ガリア > (――女を感じさせる、柔らかな感触。 揺れる果実は見目からも其れを主張する様で
当然、其れに煽られぬ筈も無い。 平然として居られるのなら、彼女を腕の中に捕える筈も無い
感触を愉しむ為の指先の動きは、次第に悦を与える為の愛撫へ変わって行く
乳房の芯を捏ねては、乳腺を解して先端へと向かい、膨らんだ其の尖りを捏ね回し
乳輪に沿って擦り上げれば、淡く快楽に変えて行こう
久方ぶりだと言うのなら、余計に、時間を掛けて。)
―――……なら、ちゃんと解れるまでは弄ってやるさ。
……力抜きな、弱いトコ、探ってやるから。 ……自分から、思い出して…教えてみろよ。
(まだ、緊張を孕むのだろう。 何処か頑なな膣肉を、慣らし、そして懐柔するかに擦り上げて行く
入り口から中ほどへ、中ほどから更に奥へ、抽挿している感を覚えさせ
探り当てた女の弱い箇所を、集中的に狙って責め立てて行く。
スポット、裏面、側面、そして、奥。 恐怖や苦痛ではなく、悦を与えるのだと身体に教えながら
指先を次第深みへと推し込んでしまえば――其の先に、指先が、ぷくりとした肉の隆起へと到達する
其の奥へと侵入する事を阻むかに鎖された肉の輪が…子宮孔であると、女自身は自覚出来るか
ぐに、ぐに、と指の腹が其の扉をも捏ね上げて行くならば
其の場所すらも、懐柔しようとしているかの、如くに。)
……奥も…、……開くから、な。
(女の胸元、其の頭を抱き締められながら、囁く。
じゃれ付くような女の唇の感触に、くすくすと小さく笑いながら
ローブ越しに、ふうと吐息を吹きかけて、女の胸元を暖めよう、か)。
■ランティ > ガリアの手が自分の胸を掴み、甘く揉みしだくのを見下ろし、男に味わわれる女としての気持ちを思い出す。
普段は一人で人ともあまり関わらずに過ごす王城の生活。
身分を隠して冒険に出ても、この野暮ったい見た目と軽薄な笑顔では、女として見る男も少ない。
…ガリアが胸を絞るように揉み、先端をこねれば、ひゃん、と子猫のような声を漏らしてしまう。
慌てて手の甲を唇に押し当て、顔をそむける。 耳が赤くなるのが分かる。
ガリアは、まるで生娘のような仕草を見て、どう思うだろうか。
「…それはどうも …なんともこう、君は随分と女の扱いに慣れているようだ
悪い男だ、そんな、女に…はふ…っ ぁ…教えろ、なんて
… …その、なんだ… っ、は、…入り口、浅い所、いじられると… …気持ち良い…」
文句を言って一度唇を噛んで、それでも、恥ずかしそうにかすれた声で、気持ち良い場所を教えてしまう。
段々とほぐれる膣内の感触、ガリアの指に絡む液体も増える。 少しの緊張が残る様子だけど、拒む事は無く。
むしろ、久々であるのに乾いた感触の無い胎内は、きっと、慣れれば柔らかく濡れやすい、
女らしい味わいなのだろうとガリアに妄想を走らせる。
「…ひっ」
ひくん、と指から逃げるように腰が跳ねる。
こりこりとしたガリアの指先の感触、そこを触れた瞬間、反射的な動き。
一瞬詰まった息を解き、短く速い息をつく女。
また指が埋まり、奥の入り口を弄れば、声を我慢するように、口に当てた手の甲に真珠のような歯を立てる姿。
「…は、あ… …あ、あんまり、奥まで、されると…少し痛い、かも…
んっ …声、聞こえたら、事だろゥ…? …あんまり、いじっちゃ… はぁ…ぅ…」
じわ、と胸元に染み込む男の吐息の温かさ。
攻めるようにガリアが動く時よりも、こんな風に優しく甘やかに触れられた時の方が、表情が柔らかく。
…意外と甘えん坊なのかもしれない。 気付けば、男の指の根元まで愛液が伝う程に、濡れてほぐれていた。
■ガリア > ―――――……声、出したいか?
(響く、女の甘い声音。 慌てた様子で唇を押さえる姿に、そんな事を囁いてからかえば
顔を擡げて、女の首筋へと唇を寄せ、其の薄く白い肌へと口付けるか
舌先を覗かせ、緩やかに素肌を擽ってやりながら、女自身が告白した弱みを捕えては
指腹が、優しく其の場所を掘り当てて、愛でてやるんだろう
――扱いは、きっと生娘を、或いは経験の浅い娘を相手にするのと同じだ
ただ、今は優しく、甘やかす様に。)
―――まァ、それなりに、じゃねェかな。
嗚呼…まだ、奥は慣れてないか。 ……じゃあ、擦る位にしといてやる。
……声…我慢出来なくなったら、俺の肩にでも噛み付いてな。 ……自分のじゃ、痛いだろーに。
(奥底を捏ねる指胎の動きを、和らげる。 触れる事は止めないけれど
肉の隆起に沿って、先刻よりも優しく、撫でる様な強さで触れては
今は其処に意識を向けさせ、其処が女の身体の奥、雌たる場所なのだと覚えさせれば良い
其の内に、指の根元までを蜜が毀れ、其の身体から緊張が解れた事を伝えるなら
ゆっくりと指先を引き抜いて、身に付けて居た騎士服の上着を、床へと脱ぎ捨てる
僅かな衣擦れの音を、女のローブの下に隠れた、互いの下肢の辺りから響かせては
――両腕を女の背へと廻して、其の身体を、ゆっくりと抱き寄せ。)
―――……下は…最初は、見ない方が良いかもなァ。
……挿れるぜ、ラン。 ……身体、全部預けな。
(膣肉へと、触れさせたのは、先刻まで其の場所を愛でていた指先とは比較に為らぬ、熱
膣孔が、其の形に押し広げられて行くなら、先端だけですら感じられるだろう其の太さと堅さ
互いの瞳を重ね合うようにしながら、女へと、視線を背ける事を許さなければ
――解れきった其の膣肉ですらも、まだ、飲み込むには苦心するだろう其の熱塊を
時間を掛けて、ゆっくり、ゆっくりと。 先刻、指先が触れていた女の子宮、其の戸口を押し上げるまで
繋がり合う、其の合間の表情を、眺めていようとするんだろう、か)。
■ランティ > 「…流石に、声が出たら、兵士に示しがつかないだろゥ…?」
馬鹿者、と意地悪な事を言うガリアに返して、しかし、ローブの首元から伸びる細い首に口付けられれば、
舌が這う柔らかな感触に、子猫のような声を漏らしてしまう。
年甲斐も無い、と言葉を零して、恥ずかしそうに目を伏せるけれど、指の動きに翻弄されてしまう。
「そうかい …まあ、貴族と言えども身体は普通の人間さ、優しく扱ってくれないと…
… … …うん」
なんとか自分なりの威厳を保とうとしたけれど、こちらを心配しての言葉に絶句し、
こくん、とまるで子供のように頷いてしまう女。
甘えるようにガリアの肩口に頬を摺り寄せれば、遠慮がちに、はく、と小さな歯を立てる。
刃を押し返す男の逞しい感触に、自分が噛んでいた自分の手の細い感触との違いに、生々しい実感を覚えた。
「…そ、うだな… …まったく、こんな所で男に身を任せるなんて、想像もしてなかった
っ こ、このタイミングでその呼び方は、ズルいと思うのだけれどねェ ガリア
…さっきは呼ばなかったくせに、…まったく、この色男」
自分が冗談で提示した愛称を囁かれれば、なんだか酷く恥ずかしくて、逞しい男の首筋をカリカリと齧ってしまう。
熱い感触を感じれば、はひ、と齧った口元から息が漏れてしまう。
先端が過ぎ、ゆっくりと幹が埋まる感触、少しだけ噛む力が強くなる。
苦しそうな吐息を鼻から零しながらも、しかし、きゅうと抱き着く腕の力は弱く、…女らしく。
中ほどまで埋まった所で、男の視線を感じて顔を上げる。
上気した頬に潤んだ瞳、うっすらと汗ばんだ頬に、灰色の髪。
「…見ないで…んん、ん…っ」
きゅう、と目を閉じて唇を噛む表情は艶やかで、先程の余裕はない。
それでも、何とか根元まで腰を埋めれば、潤み過ぎて一筋涙をこぼしためでガリアを見つめ…。
「…ガリア …その、こんな歳にもなって、あの…こんな事を言うのも何なのだけれど…
… …キス、してくれないか? …唇を塞いでくれないと、多分、声、出してしまうから…」
酷く恥ずかしそうに目を伏せてから、おずおずとガリアの目を見た。
■ガリア > ―――……其の時は、俺が怒られるだけさァ。
(貴族に手を出した、と言う事実はともすれば危ういのかも知れないが
元々己は素行不良で名前が通っているのだ、今更お咎めが少し増えたところで変わりはしまい
其の後で女が己を厳しく糾弾するなら、其の時は流石に何かしら面倒に為るだろうが――
――素直に、女が己が肩口へと歯を合わせる。
頑丈な肌は、噛まれた程度では傷すらも残らないだろう
其の背中を一度、あやす様に撫ぜてやってから、ぐり、と腰を揺らしたなら
程なくして、完全に落ち切った女の腰を、ゆったりと、揺さぶる様にして
其の腹の中へと受け止めた、雄の存在を、掻き回す様にして主張させよう。)
―――……貴族とか、正直如何でも良いだろ。 俺は、イイ女だから抱く。
欲しいと思ったから、抱く。 ……孕ませてやりたいと思ったから、抱くのさ。
……動くぜ、ラン。 ……良いだろ? 其の呼び方、俺ァ嫌いじゃねェしな。
(腰を、緩やかに揺さぶり立てて行く。 一度ではなく、続けて、何度も。
熱塊の存在を、女の胎内へ馴染ませる様にして熱を交わせば、くぷくぷと最奥で、鈴口と子宮孔が口付けを交わす
腰を抱え込み、もっと深いつながりを齎せるように、少しづつ抱き寄せて行きながら
――穏やかに、奥底を捏ねてゆく。 口付けと共に。)
―――……キスに頼ると…案外、声、漏れちまうかも知れないぜ?
……なんせ、俺ァ意地悪だし、な? ……でも、其れでも良いなら…、……お望み通りに、だ。
(――大丈夫だ、と断言してやらない所が、言葉通り意地悪なんだろう
女の目の前、また、にい、と歯を見せて笑って見せながらも――けれど、直ぐに其の唇を、塞ぐ。
口付けによって其の吐息すらも貪ってやりながら、次第に、腰の揺れを強めて行けば
――始まる、交合。 女の身体を、或いは心までを、雄が暴いて行く時間。
先刻は指先が一つ一つ愛でた粘膜の性感を、熱塊が、すべて纏めて掻き乱して行く――優しい圧倒、を)。
■ランティ > 「…その時は、ボクが何も言わせないけれど こんな国だ、貴族の火遊びと言えば噂の火も立ち消える」
そんな事を言いながらも、火遊びに慣れているとは言い難い初心な反応を見せる女なのだけれど。
ましてや、背を優しく撫でられて、うっとりと吐息を漏らす様子なんて、大貴族の面影も無く。
ガリアが腰を揺さぶれば、やっと飲み込んだ熱杭に身を妬かれるような息苦しさに、息をつめて。
分厚い筋肉に歯を立てて堪えるけれど、口の端から吐息が漏れ、唾液が一筋男の肩を伝う。
「…っ、ガリ、ア… …き、君のって、普通より、大きいんだよ、な?
前、入れられた、物より…苦しくて… …お腹の奥までぎちぎちなんだ、けれど…っ
は… ぅ、…言い方は悪いが、内臓が押し上げられてる感じが、こう、変な気分だよ…」
自分のお腹を撫でて肩で息をする女の中は、男を受け入れてぎちぎちと熟しきらない固さで締めあげる。
しかし、自分の存在を馴染ませていく雄を根元まで飲み込む身体は、、
子宮を押し上げられる感触を、不快だとは思わなかった。
「そんな、ぐりぐり、腰を動かさな、いで… はぁ…あっ …君の形を、覚えてしまう…」
恥ずかしそうに目を伏せた女は、そう囁く。
良い女、欲しい、孕ませたい…露骨なそんな言葉を吐かれた女の反応は、
拒否でも、文句でも、需要でもなく…
「…馬鹿者」
照れて抱き着く、甘える物だった。
愛称でまた呼ばれて、自分の顔が赤くなるのが分かったから、
片手を自分の顔に押し当てて、浮かばない言葉を探すように頭を振った。
「ん、っ …っちゅ、は… ガリア、君は本当に、もう、…もう…っ んっ く、ぅ…っ
…恥ずかしい、じゃないかァ…」
聞こえてしまったら、と思えば、その後が面倒だ、と言う貴族的な考えではなく、
女としての羞恥心が顔をのぞかせる。 強く唇を押し当て、舌を絡める。
苦しい程に自分の中をこじ開ける雄の熱、喉に流れ込む男の唾液の味、自分を抱く腕の太さ、支える胸板の逞しさ。
…それは、伽を教えるお上品な貴族には無い、戦う雄の力強さ。
溺れてはいけないと思っても、身を寄せて、身体を預けるこの時の安心感がとても心地よくて。
こちゅこちゅと男の先端が自分の中を突く度に、きゅうきゅうと胎内が絞り、飲み込む動き。
子宮の入り口が粘着き、先端に口付けるような感覚が分かってしまう。
男が腰を突き上げる度に、めくれ上がったローブの裾から現れた胸が揺れる。
大きめの乳輪がぷっくりと膨れ、男の胸板にこすりつけられるたびに身震いして、鼻にかかった吐息が漏れる。
胸や腰回りは豊満で、肌は艶やかに男の手に吸い付いてなお柔らかく。
胎内はまだ硬さが残るが、痛みも無く根元まで強直を飲み込んで、濡れそぼっている。
…女として極上の身体を持て余していた女は、うっとりと潤んだ瞳でガリアを見つめる。
それは、ガリアが時折街で買う安宿の娼婦とは違う、情念を感じさせるもの。
優しく圧倒され、身体を蹂躙されるのが、こんなに気持ちいいとは知らなかった。
ガリアの鋭い目に見つめられ、口付けを交わすうちに、自分が雌であることを思い知らされて…
それを自覚すると同時に、
「…ふ…っ ぅ…っ ~~~…っ!! っ♥ っ! …っ♥」
唾液を口の端から零しながら、何度か身体を震わせ、胎内をきゅんきゅんと締め付ける。
軽い絶頂、それは、自分で触れている時以外では感じなかった感覚で、ましてや男とまぐわっては初めての経験だった。
■ガリア > ――――……なら、其の時は宜しく頼むさ。 ただ…、……貴族様の特権を、ンな事で使うのは勿体無い、ぜ?
(可能、なのだろう。 彼女の家柄と其の影響力を鑑みれば、きっと。
其れでも、其の『火遊び』で彼女の立場に泥を跳ねさせるのは
貴族社会を取り巻く薄汚い野望や欲望の視線を、少なからず集めるのと同じだ
悪戯を仕掛けたのは己で、彼女はただ、其れに乗っただけ
ならば、責を負うべきは女ではなく、男で在るべきだろう――そんな、妙な価値観
円を描くようにした腰の動きは、熱塊を胎内でくねらせる事となる。
砲身の形に合わせて伸縮と癒着を繰り返し、搾り尽くそうとするかの粘膜を愛で
捉えて離さない子宮孔の肉輪に沿って鈴口を辿らせれば、指で触れられるのとはまた違う
粘膜同士の摩擦と言う、淫靡な感触が胎の奥へと響くだろうか
まるで、始めて受け容れたかのような感想を零す女へと、小さく笑いかけたなら
――ぐちゅ、と、其れまでよりも少しだけ深く、上と下と、二つの口付けを強めてやり。)
―――……さァ、如何だろうな? 一々他の奴と比べなんてしないし…嗚呼、でも、だ
フツーの野郎達に比べれば、ちょいと大き目かも知れない、かもな。
……最初はそうさ、でも、其の感覚と気分、変えてやる。 ……奥ってのはなァ、一番深くイケるんだぜ?
(びくり、びくり、腕の中で身体を跳ねさせる女を、強く抱き締めてやる。
軽く弾けた快楽の極みを、逃がしてやらない様に、更に塗り重ねてやる様に
ずるりと、一度大きく女の身体を抱え上げれば、熱塊が膣孔から半ば抜け落ちて
それから、再び其の身体を腰の上へと穏やかに落下させれば、再び飲み込まれる熱塊が
先刻とは違い、ずるりと一息に粘膜を擦り上げ、掻き乱して強烈な悦を巻き起こす、か
そうして何よりも、どちゅ、と突き上げる子宮孔への、奪い去るようなキス。
まだ、目覚めていない女の新たなる快楽を、刻み付け、覚え込ませる為に
奥底を、小突き上げる、か。)
……如何しても、声、抑えられそうに無かったら…、……服でも何処でも、二回引っ張れ。
此の儘…突き崩すからな、ラン。 ……御前の子宮…堕とす、ぜ。
(口付けと共に、女の肺腑へと流し込んで分け与える、己が肺腑の空気
窒息してしまわぬ様に、或いは、嬌声が響いてしまわぬ様に抑えてやりながらも
――与える快楽に遠慮なんて、無いんだろう。
ずるりと、舌先を女の口内へと捻じ込んでは、相手の舌を絡め取って擦り合わせる
互いの唾液を混ぜ合い、女の咽頭へと流し込んで行きながら、その口内を、或いは舌先を口淫染みて扱いてやれば
――獣性に、手管が伴った。 其れこそ貴族達の其れとは世界が異なる
女を、雌へと堕として愛でる。 雄に、比喩無く喰らわれる、そんな行為なのだと、知る事と為るか)。
■ランティ > 「こんな時じゃあないと、使う道も無い物さ」
ふひ、と緩く笑って見せる。 それはきっと、貴族としての処世術の仮面なのだろう。
緩くて魔術に傾倒した、変わり者の貴族。 大きな権力を持ちながらも、闘争に巻き込まれないようにするための顔。
しかし、ガリアの矜持を、優しさを見透かす様な目で微笑み、甘えるのではなく、与えるような優しい口付け。
「ガリアは損する性分だな …いや、だからボクも、こうして、身を預けても良いと思ったのかもしれないのだけれど」
ふふ、吐息を漏らして微笑む女は、褒め言葉なのかどうなのか怪しい事を言った。
ねっとりと腰を使って自分の隊内を味わう男の動きに、強く息を吸って、震えながら長く息を吐き出す。
指や道具みたいに乾いた感触ではなく、同じ粘膜がこすれ合う…溶けあうような感触は、未知な味わい。
笑いかけたガリアに、蕩けた目で見つめ返し、何か言おうとして、その口をキュッと噛み締めた。
「ちょっとねェ… …謙遜が過ぎるんじゃあないかい?
…んっ♥ …ガリ、ア…そんな風に、頑張ってせめて、ボクが本当に堕ちてしまったらどう責任取るつもりだい?
面倒、な…貴族女を試す様な真似、したら…っ! …っ♥ ダメ、だよゥ…♥」
たしなめるように言いながらも、ゆっくりと引き抜く動きのきょとんとした後、打ち込まれ、声をあげてしまう。
ノックの音と、面倒事は御免だと言う様な兵士の問いかける声。
それに、何とか取り繕った声で、転びかけたのだ、なんて返してから、
ガリアの頬に両手を添えて、泣きそうな位蕩けた目で見つめてしまう。
本当は、調子に乗るな、なんて強い言葉で動きを留めさせようとしたのに、
「…覚えてられたら、引っ張る…よ… …ね、だから、 …っ♥」
ちろ、と甘えるように舌を出して見せた女は、そのまま喉の奥まで犯されるような口付けを受け入れる。
頬に添えていた手はもう必死でガリアの首にしがみつく事しかできず、
お作法として身体に教えられていたセックスとは違う交尾の激しさに、涙をこぼしてしまう。
舌が吸われ、絡められ、自分よりも背の低い、自分よりも逞しい男に襲われるように顎を反らせば、
口内に溜った、男の味がする唾液を喉を鳴らして飲み込み、もっとと自分からねだるように舌を絡める。
戦場では良く通る音で詠唱を放っていた女の声。
物見の塔で再開した時の、緩んだ声。
騎士の奮闘を湛える貴族の声。
そのどれとも違う、ガリアの耳の奥を蕩かすような甘い声で、
「…ガリア… …伽とは、気持ちい、物なのだね…♥」
くすん、と甘く甘く笑い、服を引っ張ろうとした手を、改めてガリアの首に回せば、
激しく突き上げられる視界の中、男の太陽の様な黄金の瞳を見つめ、
そして、二度目の…先程よりも強い快感に身を震わせ、腰を跳ねさせて達したのだった。
■ガリア > ―――其の笑い方見てると、どうもアレだ…、……虐めたくなるなァ。
損はしてないさァ、第一、損の前にそもそも得をしてるだろォ?
(何か、割とひどい事を呟いて、笑った。
其れが女の被る仮面なのだと判った今、何となく其の笑顔は、意地悪したくなるらしい
何故か何て自分でも判らないが、こいつめ、だ何て冗句染みて囁けば
熱塊を、子宮孔の真ん中狙い済ます様に突き上げて、快感を叩き込んでやろうか
一度は部屋の中からの音に、一言物申すとばかりの兵士が声を掛けてきたけれど
女が何とか其れをやり過ごすなら、一度お互いに視線を絡めて、危なかったと可笑しそうに笑い。)
―――……そうしたら…また、孕ませに通ってやらないと、なァ?
堕ちて、目覚めちまった子宮、何度だって狂わせて…虐めてやるさ。
来な、ラン…、……こっちなら、少しは声出しても平気だ。
(――あっさりと、意地悪い瞳ながらに、そんな言葉を吐いて見せるのだ。
女の身体を、ふと抱え上げてしまうならば、窓際からゆっくりと離れて
部屋の中、奥にあるもう一つの扉、見張りの仮眠場所へと歩いて行く
――二度目の絶頂にに達した女を、繋がった儘、抱き締めながら、だ。
余りにも甘い、蕩ける様な声音は、雄の本能を擽り揺さぶる物だろう
だから、だ。 ――其の声音を、もっと、抑える事無く聞きたいと思ったのは。
扉を片掌で開けば、酷く狭いスペースだろう
人一人が横に為る事が出来る程度の、簡易的な寝台が在るだけ
けれど、扉を身体で閉めてしまえば、厚めの扉は二枚先の外にまで
声を響かせる事は無い筈だ。)
……そうさ、もし気持ち良く無いってんなら…其れは、何かが間違ってんだろうよ。
―――ラン…、……次にイク時は…、……もっと、凄いぜ?
御前の子宮、俺で染めてやる。 ……孕ませてやるから、なァ。
(――余りにも、攻撃的で、暴力的な言葉の筈。
けれど、其れを紡ぐ声音は、きっと、随分と穏やかだったろう
寝台へと腰掛ける、そして、振り乱し始める腰は
きっと、其れまでの加減も容赦も無い、本当の――女を堕とす為の、其れ。
声を抑えさせる事なんて考えない、女の中に在る雌の本能を引き摺り出す様な交尾は
一度目も二度目も上書きして塗り潰す、快楽の極み。
子宮孔を拉げさせる熱塊の先端が、其の肉輪へと減り込むのが、女に感じられるだろうか
大きなストロークによる、トドメを与えようとしている熱塊が、其の末に
女の中で、一際強く、穿ちこまれただろう、其の瞬間に)
――――……、……灼かれちまえ。
(――爆ぜる、灼熱。 膨れ上がり、脈動する熱塊。 競りあがる陰嚢が女の臀部へと押し付けられ
強靭な、強烈な雄の存在を、女の中へと暴れさせれば。
抉じ開けた女の子宮へと、人間の雄では与えられぬ、濃厚で途方も無い勢いの精を噴出させて
女の身体に、刻み込んでしまおうか。 ――本当の意味で、初めて其の身体を、純潔を奪った雄の存在を)。
■ランティ > 「なんてことを言うのかね、君は…貴族を苛めようだなんて不敬な話だ
…ん、まあ、こんな年増を抱いて楽しいと言うなら、まあ、こちらとしても悪い気分じゃァないのだけれど」
そんな事を言うのは君位なものだ、と呆れたように眉を下げて笑い、
コイツめ、と叱るような物言いが、意外と不快ではなくて目元からふわりと力を抜く。
んく、と突き上げる快感と熱に息をつめて、それから、ちょっと笑いあって。
「ガリア、君はもうちょっと貴族と騎士の立場を考えないと、いつか火遊びで身を妬き焦がされるぞ?
でも、まあ、そうだねェ …こんな風に、お腹の奥まで味わわれた事なんてなかったから… んっ♥ 少し、驚いてる
…狂ったら、色んな研究が終わらせられなくなるから困るのだけれどー…きゃんっ♥」
抱き上げられ、繋がった場所がずぶりと体重を乗せて沈み込めば高い声を漏らし。
自分の身体を軽々と抱き上げるその力に驚きつつ、浮遊感が不安で思わずぎゅっと抱き着いた。
ガリアの胸板で潰れる胸、汗が滴り、ガリアの脳を焼きつかせるような甘い甘い雌の匂いを漂わせていた。
そして、兵士が使っている男の匂いが染みついた安いベッドに寝かされれば、
胸の上までローブをたくし上げた女の艶姿 豊満な胸がだぷんと揺れ、
男が掴んだ腰の丸さ、淡い茂みの奥で押し広げられた秘部の生々しさが男の目を奪う。
明かり窓から差し込む赤い光を受けて尚、女の身体は白く艶めいて…。
「ガリア、貴族の跡取りにその言葉は重いぞ? まったく…
…うん、試してごらん? …ええと、だけどね、あれだぞ?」
真っ赤になった顔を、両手で隠す。 処女が破瓜を受け入れるような、初心な仕草で。
「中に精を受けるのは初めてなんだ …少し、怖いから…
… …強く、抱きしめてくれないか?」
そう言って頷いた女、それを貪る雄。
最初の一突きの強さに目を見開いて、シーツを掴む手に力がこもる。
腰が反り、喉が晒されるほどに身を反らす女は、強い快感に、子犬が鳴く様な声をあげる。
体の奥の、雄の味を知らない子宮でさえ、精を欲して疼くほどの激しい攻め。
一突きどころか、引き抜く動き、突く動き、その全てに声を乱してしまう。
二回握れば攻めが緩まるかと思い出すのも一瞬、もう、それすらできない程に乱れ、腰を捻じり、快感に身をゆだねる。
そして、最後の声。 雄が雌をねじ伏せる、征服の声。
一瞬だけガリアの目を見てしまえば、その目の強い光に居竦められた女は、
「…は、い…♥」
小さく頷くのみ。 そして、吐精の熱に妬かれれば、ひときわ高い声をあげ、身を震わせる。
脈動も、熱も、子宮を満たしていく精の重さも全部感じられるほどに鋭敏になった感覚。
その全部に苛まれ、女は、初めての深い絶頂を覚え、遅れ、2度、3度強い痙攣をして、意識を飛ばす。
甘く深い息を零しながら、潤んだ視界で出来た事は、自分を抱く男の逞しい胸板に甘え、寄せる事だけだった。