2017/02/06 のログ
■アマレット > 王城の内部、軍関係の区画にて。たった今、上官の一室より廊下へと姿を現した一人の女騎士。腐敗し、歪んだこの王都にあって、これまで穢されることのなかった、幸運な娘が。一室へ向けて敬礼をして見せてから、歩みだそうとし、妖仙に気づいた。一見して幼い少年のような姿に驚いた様子で瞬き、そちらへと足を向ける。
「どうしました、少年。迷子ですか? こちらは軍機密を扱うこともある区画ですよ。」
男のような容姿にしては細くまろやかに響く声音が、窘めるように響く。妖仙の身体を遮るように、腕を広げて追い出すような仕草をして見せる。そうして、叶えば妖仙の目前まで進みて、床へと片膝付けて目線を低くして見せる。まさに子供相手にするように。
「目的の場所まで送って差し上げます。だから、この奥へ進むのはお止めなさい。」
広い王城内で幼い子供が迷っていたならば心細かろう、と努めて優しげな声音を作ってそう提案をして見せる。
■ホウセン > これまでも廊下の左右に扉は幾つもあったが、どれもこれも閉ざされたままで終ぞ壁と代わり映えしなかった。そんな折、十歩の距離を置いた扉が一人の人間を吐き出すのを見ると、興味を向けるなというのが無理な相談だった。己を視認した気配を感じ、制止の声に大人しくその場に留まる。妖仙より頭一つ二つは高い背丈。声の質は男のそれとは違うように聞こえる。
「迷子というよりは、探検中じゃな。悪戯の類は、鬼に見つかったら切り上げ時と相場が決まっておる故、無駄な抵抗はせぬのじゃ。」
袂から両手を出し、両肘を肩の高さまで挙げて小さく万歳した降参のポーズ。子供の恐怖心を煽り立てぬという配慮に満ちた所作に、騎士然とした相手の性別に見当をつける。中身と外見が異なるのは、家柄に纏わるしきたりなり、しがらみなりがそうさせるのだろうと目し、特段舌に載せて確認することは無い。
「然し、このまま退散というのも芸がない故、何ぞ物珍しい所に案内するが良い。何しろ、城の中はまだ知らぬところが多いのじゃ。未知の物が山積しておるとなれば、またぞろ悪戯の虫が騒ぎ出すとも限らぬ。」
騎士の親切に我侭を投げ返す辺り、甘やかされて育ったドラ息子連中の言動に似通うかもしれない。ほぼ水平になった相手の目線。男と認識するには聊か整い過ぎている相貌を眺めつつ、良い考えだろうと言いたげに、にぃっと口角を吊り上げた。
■アマレット > 探検、と悪びれぬ態度で告げる少年に女騎士はふと口元を綻ばせる。異国情緒溢れる整った容姿に、どこか古風な言い回し。大人ぶろうとしているように思えて、つい。柔らかく微笑んでは、歩を進め。
「素直で大変結構です。ですが、私が鬼というのは聊か傷つきますね。」
こんなに優しいのに、等と冗談めかして口にする。しかして、片膝ついて目線ほぼ同じ高さとすれば、漆黒の瞳の深さに一瞬息を呑んで。ふる、と首を一度振れば仕方ないと言わんばかりに苦笑浮かべて、妖仙の小さな頭を撫でようと手を伸ばし。
「では、庭園はいかがですか? 垣根の迷宮などは、中々面白いものですよ。」
甘やかされて育った貴族の子息あたりに似た言動。そういった手合いには、王城警備の任務中にも出会うことはあって。対処は慣れを思わせて。幸い女騎士は任務を終えて、あとは騎士団寮へ帰って寝るだけといった所。しばし子供の我侭に付き合ってもいいだろうと口角釣り上げた少年へ、立ち上がって手を差し出すか。
■ホウセン > もっともらしく理由をつけたものの、真意は底が浅い。何処ぞの伯爵家のご婦人の元に引き返したとて、彼女の権威を飾り立てる為の毛並みの良い愛玩動物扱いをされ、愛想笑いを振り撒くのに終始する未来しか見えない故に、他所に避難したいというだけの話。そのお供が、件の御仁よりも十二分に見目麗しいのだから、其方に飛び付くのが人情というものだろう。小さな頭に伸ばされた手は避けず、寧ろ甘やかせとでも言いたげに撫でられるに任せる。サラリとした柔らかな黒髪が掌の動きによって流れを変え、然し小さく頭が揺れるだけで元の形に整う。
「呵々!その気の利いた提案に免じて、鬼の称号は取り外してやろうぞ。故に、別の呼び名を見繕わねばならぬが…名は何という?」
差し出された手を握る、細く、柔らかな手指。見た目どおりというべきか、子供にありがちなやや高めの体温が、掌を通じて伝わるだろう。庭園へとの提案に、婉曲な”是”を投げ返しつつ、早く案内せよと強請るようにクイクイと騎士の手を引いて催促。王城で、こんな夜間に子供連れという奇異な光景も、騎士の顔が衛兵達に知れているという事情と、ささやかな無関心とで咎め立てされることなく、庭園への移動はスムーズに。
「ぬぅ、流石にまだ夜は冷えるのぅ。早ぅ儂を連れて行くが良い。迷宮…等と銘打つぐらいじゃ。それなりの物を期待しておるぞっ。」
屋外に足を踏み出すと、澄んだ空気と冷え込む夜気に曝される。インドア系妖仙は軽く猫背になりながら、それでも騎士の導きに応じて歩を進めるだろう。期待しているのは二点。其処に誰もいない事と、垣根が足を踏み入れた者の姿が隠れてしまう程度の高さを有している事を。
■アマレット > 妖仙のサラリと柔らかな黒髪を撫でれば、その手触りは上質の絹にも劣らぬもので。しばし委ねられるまま撫でながらの会話となったか。僅か乱しても、すぐに元の形へと整う毛並みの良さに感嘆を覚えつつ、惜しみながら小さな頭を撫でる手を離した。
「ありがとうございます。私の名は、アマレット。あなたのことは、何とお呼びすれば?」
小さな子供に対しても、敬語を崩さず位の高いもののように扱うことにも慣れた態度。騎士としての経歴の長さ、あるいは育ちの良さを感じさせるか。小さな少年の、温かな掌が差し出した自身の手を握る。そして催促するように手を引かれれば、笑みを浮かべて小幅に合わせてゆっくりと歩き出す。幸いにも誰に咎められることも、止められることもなく。屋外に出れば、夜気はまだ冷たく、風もある。猫背になる妖仙とは違い、こちらは背筋まっすぐに伸ばしたまま、歩みゆく。やがてたどり着いたのは、常緑の垣根が、女騎士の背も軽く越して聳える迷宮。広い庭園の一角であるそこに踏み入れば、静かで、人の気配もない。
「どうですか? 中々見事なものでしょう。慣れない者は、本当に迷い込んでしまうのですよ。」
暗に、自分は慣れている、と言いながら。妖仙の手を引いて入り組んだ垣根の中を歩く。そのあちこちに小さな広場があり、ベンチが備えられている。
■ホウセン > 妖仙自身の呼び方に言及されると、隠匿する理由も見当たらず、商家としての屋号を省いて”ホウセン”とだけ名乗る。而して垣根の迷宮とやらは、妖仙が期待した二つの要素を持ち合わせ、其れらを差し引いても十分に見栄えのするものだった。垣根で視界が遮られているため、全景を眺めるには高い位置から俯瞰しなければならないのだろうけれど、スケールが桁違いらしいとは森の中にも通じる緑の匂いが確信させる。
「うむ。此処を選んだお主の慧眼は、褒めてつかわすとしよう。その栄誉に溺れることなく、くれぐれも儂を置き去りにしてしまわぬよう励むが良いのじゃ。」
確かに、案内が無ければ迷子必至の空間だ。夜の散歩と洒落込む酔狂な王城の住人の為なのか、垣根の倍の高さをした外灯が点在しており、夜間だといっても完全に闇に没することは無い。ペタペタと雪駄の底を鳴らしながら、暫しの散策の間、”おぉ”とか”ほほう”とか、感嘆の声を漏らす。その歩みが止まったのは、幾つ目かの広場。其処には東屋とベンチが対になっていた。
「ちと、ここで小休止じゃ。ほれ、お主も腰掛けるが良い。」
歩き回るのに疲れた様子は無いが、それでも其処のベンチを指し示して騎士を追い立てる。腹に一物抱えているらしく、先に案内役を腰掛けさせようとする聊かの不自然さを有した振る舞い。どうやらお人好しの類に見える騎士が、子供然とした我侭に折れたのなら、ちょこんとその膝の上に乗っかろうとする。騎士に背を預ける向きではなく、正対するように太腿を跨いで。
■アマレット > 名を尋ね、答えを得れば一度確かめるように、ホウセン、と口にして。異国風のその名に不思議そうな顔を浮かべて、すぐに微笑へと変える。そして踏み込んだ垣根の迷宮の中、手を引いて進みゆく。誰の姿もなく、ただ垣根よりも背の高い外灯に照らされた薄明りの中を、女騎士は迷う様子なく歩き。
「光栄の至り。もちろん、置き去りになどしませんよ。」
繋いだ手、しっかりと握り直してそう言えば、感嘆の声を漏らす妖仙を連れて、奥へ奥へと。進んでいた足が止まったのは、幾つ目だかの広場。休憩を求める少年に、歩き通しで疲れただろうかと様子を窺い。そうでもないようだと思えば、小首傾げながらも促されるままベンチへと先に腰を下ろす。
「……大人びているかと思いましたが、案外と甘えん坊なのですね。」
くす、と微笑んで膝の上に向かい合わせで座ってきた少年の背へと手を伸ばす。抱きかかえるような形となって、存分に甘やかしてやろうという姿勢。お人好しとは見抜かれた通りに、子供らしい我侭に付き合ってやろうと。
■ホウセン > 騎士の太腿に掛かる重みは、妖仙の小柄な見た目を裏切らず軽い。それは嵩張る呉服という装いをしていたとしても、誤差の範囲。太腿の厚みの分だけ下駄を履かされているお陰で、先刻の廊下でのやり取りと同様に、目線の高さはほぼ等しい。背に腕を回されれば、衣服に包まれた華奢な骨格も何一つ隠さずに伝わってしまうだろう。庇護し、甘やかす対象。その認識を補強する要素しか、存在していない。そう、今のところは。
「何を言うか。お主が儂を甘やかしたがっておるように見えたから、その要望に答えただけじゃぞ。」
ふん…と、不本意そうな口振りを作るけれど大根役者振りが甚だしく、戯言に毛が生えた程度の台詞。背伸びしたい年頃の子供が、強がっているだけ…の筈だった。妖仙の黒い瞳が、膝の上抱っこされている事で近しい位置にある騎士の赤い瞳を真正面から覗き込む。外灯を背にして逆光になっているせいで、騎士から見ると妖仙の顔は薄っすらとした影で塗り潰されているのに、”視られている”と伝わるであろう不条理。視線が重なるのは、幾秒か、幾十秒か。少しずつ、少しずつ浸透する毒。己の変容に気付いて早々と視線を逸らせば良し、万が一そうでなければ…
「甘やかすなら甘やかすで、寒空の下、儂をこのままにしておくのは上策ではなかろう?”腕に力を入れて、身体を重ねぬか”。さもなければ暖も取れぬ。」
微弱ながら”言霊”を使っているとはいえ、そんな荒唐無稽な理屈にさえ、否と返せる健全な思考力が蝕まれてしまおう。
■アマレット > 膝の上の重みは、さほどない。むしろ軽いと言った方が正しいだろう。衣服越しにも体温の高い子供の体躯が感じられる。庇護しなければならないのだと、そう強く思う程に華奢な骨格が背に回した手から伝わる。その少年が、妖仙が、何をしようとしているのかも、分からずに。
「おや、そうでしたか? ふふ、ではそう言うことにしておきましょう。」
子供が背伸びをしているような、大根役者振りに、思わず笑い零して。近しい目線にて視線が絡まる。否。逆光の中で、影になった少年の瞳が、強く自身を見ていると、感じる。数秒が、数十秒に。おかしい、と感じた時には意識がぼんやりと、ぼやけ始めて……。
「そう、ですね。」
短い応え。そうして女騎士は膝上に座った妖仙の身を抱き寄せる。厚い生地の騎士装束の下の、柔らかな乳房の感触が知れてしまうやも知れず。荒唐無稽な理屈だというのに、意識のどこかは冷静であるのに。思考力が鈍っている。少年の言葉が正しいように思えて。髪から香る甘やかな女性の匂いがはっきりと分かるだろうほどの距離となって。
■ホウセン > 抱き寄せられる侭に細い身体を騎士の側に傾ける。腕の中にすっぽりと収まると、着衣越しにでもそうと分かる胸の膨らみの感触に、己の見立てが誤りでなかったとの確証を得て、そこはかとなく満足げに。甘い香気に浸りながら顎を肩口に乗せると、女の耳元と妖仙の口元は酷く近しい位置に。お人好しが高じて、実際の効き目以上の反応となっている可能性もまだ排除できぬが故に、続いての言葉を流し込むのだ。まだ変声期も迎えていない、聞きようによっては少女の声にも、掠れた女声にも聞こえそうな声で。
「善哉善哉。これならば儂が凍える心配はなくなろうというものじゃが、お主の識見はこの程度ではあるまい。人が最も効率的に温まれるのは、”直に肌を触れ合わせること”じゃと、知らぬ筈はなかろう?」
試しにというべきか、上背を伸び上がらせ頬と頬を重ねる。外気で聊か冷えてはいようが、それでも密着すれば幾分は温い。首筋には妖仙が吐き出した息が掛かり、これも野晒しになるよりは暖が取れよう。鈍っているらしい思考と、”言霊”に胡坐をかかず、傍証を与える事で外堀を埋めてやり――
「斯様な野暮ったい服は邪魔故、脱ぐがよい。惜しげなく、”肌を晒す”のじゃ。」
そう、事も無げに言い放つ。男装しているのが、本人の好みなのか、それとも何かしらの事情があるからなのかは知らぬが、少なくとも誰が見ても性別を見誤りようが無い程度の露出を促し、曝け出された肌には、妖仙の小さな手がペタペタと足跡を刻む筈で。
■アマレット > 細い身体が自身へと凭れかかってくる。腕の中にすっぽりと収まる小さな少年の身体を抱きしめて。耳元へと寄せられる、まだ変声期前の高く澄んだ、聞きようによれば少女とも思えそうな声。声が、鼓膜を震わせる。呆けたかのように仕事をしない理性を寝付かせるような、言霊がさらに注ぎ込まれる。知っている。凍えた肌を重ねれば、温まることができるのだと。知識は。
「……はい。知って、います。」
実際に、背伸びして頬を寄せて肌重ねれば、外気で冷えた感触の後に、じわりと熱が伝わってくる。首筋に掛かる温かな吐息には、ぞくりと背筋震わせて。吹き込まれる言霊に、抗うことは出来ない。襟の高い騎士装束の前を、ぷつりと開く。ゆっくりとした手つきながら、確実に前を寛げる。袖を落とし、下に着こんだ薄手のシャツもボタンを外せば、はらり、と白い布の合間から、白い肌が姿を現す。長躯にしては控えめながらも柔らかく盛り上がった乳房を差し出すようにして。シャツの袖からも腕を引き抜いて、上半身を露わにとする。冷えた外気に、薄らと鳥肌立たせながら。性別を偽ることも出来ない姿で。妖仙の小さな手が素肌に触れれば、は、と短く呼気を零して。
■ホウセン > 特段の魔術耐性を持ち合わせていないのか、それとも妖仙の風体に油断したのか。ともあれ、仕掛けた”悪戯”は、思ったよりも女の心身に馴染んでいるらしい。そう窺い知れる、従順な脱衣。上半身が一糸纏わぬ姿となる頃には、恐らくは騎士としての職責を果たせるよう訓練を積んでいるのであろう体躯と、女性らしさを兼ね備えたシルエットが一目瞭然に。妖仙を温める為に、女が己の身体を冷たい外気に放り出す最中、小さな小さな手が、胸の膨らみを下方から掬い上げる。
「くくっ、お主の献身は、弱き者を守ろうとする騎士の誉れに他なるまい。じゃが、儂とて過酷であることは好まぬ。こうも鳥肌が立っておるのを見ると、温めてやりたくなるものじゃ。こうしてやれば温く…いや、”熱く”火照りはせぬかのぅ?」
控え目とはいえ、女の乳房は妖仙の手には少し余る。然し、小さな掌はこなれた手付きで膨らみを揉み込み、捏ね回し、その弾力を愉しむ。親指と人差し指の股で先端部の突起を挟み込んで、指の間でクニクニと玩具にする。男として振舞っていた騎士の、埋もれている牝の悦を穿り返そうとするように。
「嗚呼。それでも儂の手だけでは、お主の上背を全て包んでやることはできぬ故、せめて此処だけは重点的にシてやろう。”熱く”、”熱く”、”酷く熱く”のぅ?」
”言霊”を重ねる。悦楽を漏れ出させる小さな亀裂を、金槌で叩き割り大穴を抉じ開けるが如き所業。妖仙の糖蜜めいた声という毒を聴覚から流し込みながら、丁寧に爪の切り揃えてある人差し指の先で、乳首の下側の側面をカリ…っと小さく引っかく。この女騎士が、性的快楽の何たるかについての知識や経験を有しているかは分からぬものの、お構い無しに指を跳ねさせ、先端の突起を弾き上げる。
■アマレット > 魔術耐性は、なくはないものの高くもなく。尚且つ、妖仙の子供然とした風体に油断していたこともある。仕掛けられた悪戯は容易く女騎士の心身を蝕んで。従順に妖仙の言霊に従い、衣服を脱ぎ捨てる。騎士としての訓練に常日頃励んでいる鍛えられた体躯と、控えめながらも女らしさを持つ肢体を妖仙の視界に晒す。自身の体躯と比べて小さな、とても小さな手が胸を持ち上げるかのように触れてくれば、ん、と鼻に掛かった声を漏らし、触れられ慣れていないことを示す。
「ええ、そう……ですね。熱く、なって……」
慣れた手つきで乳房を揉まれ、捏ねられ、胸の頂きを指の間に挟んで弄られると、派手に仰け反って、馴染みのない快楽に身を捩る。常日頃男として振舞っており、周囲にも女であることをまるで意識させずにいた騎士が、今は牝の部分を曝け出している。耳には甘い毒のような囁きを注ぎ込まれ、手指からは自慰すら行ったことのない女の身の内から、快楽を引きずり出される。
「あ、はっ……やぁ……ん……」
言霊が、感覚を更に鋭敏にさせてゆく。爪の切り揃えられた、形良い指の先が乳首の側面を小さく引っ搔いた瞬間、背を反らす。胸を捧げだすかのように。馴染みのない感覚は、熱く、痒いようにも思えるけれど。身体の芯を疼かせて。我知らず、膝を擦り合わせてしまう。
■ホウセン > 快楽を得る事に慣れていないせいで、悦楽の往なし方も分からない様子で、大袈裟に背を反らす女。その太腿の上に乗っかっているのだ。バランスを崩してしまいそうなものだけれど、駻馬を乗りこなすが如く軽く尻を浮かせてやり過ごす。女性らしい身体つきをしている癖に、牝としての悦びを知らぬらしい身の上に、身勝手な憐憫を重ねる。
「如何じゃ、この温まり方は。存外、お主も気に入っておるように見ゆるが…はてさて。」
明言こそしないが、こうも密着している間柄だ。己の尻の下でモゾモゾと動く両脚を感じ取れぬ道理は無かったし、それが何を意味するのか分からぬような無知さ加減は持ち合わせていない。右手を乳房から離し、ピンと伸ばした人差し指を胸の谷間に、其処から正中線を通って、鳩尾、臍と辿り、終いには臍の下に。狙いをつけるよう指を突きたてる。
「大方、此処が切ないのじゃろう?善い善い。知らぬというのなら、儂が手取り足取り教えてやろう。安んじて”身を委ねる”がよい。さすれば…」
愉悦を教えてやるとの大言。指先が指し示すのは子宮。牝としての最重要器官を標的とした宣告。
傍から見れば大人と子供でしかない取り合わせ。女騎士が庇護の対象と目した妖仙に躾けられる背徳の時間はまだ開幕したばかりで――
ご案内:「王都マグメール 王城」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からアマレットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にリシェラさんが現れました。