2017/01/11 のログ
■クラーラ > 王都の闇を見つつ夜が更けていく中、彼女が足がかりを見つけたかは今はわからず……。
ご案内:「王都マグメール 王城」からクラーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にサロメさんが現れました。
■サロメ > 周辺に部下の女騎士を連れて王城の廊下を歩く
アイスブランドを携え凛として歩く様子は久々のもの、
自然と、コトを周知している貴族達は遠巻きにそれを見ていた
──自身を蝕んでいたモノはアミュレットと身につけている
完全に封印されているために今は何も感じないが、ゆっくりにでも対処法は考えていかねばならない
が…今はそれよりもやることがある
第七師団
将軍オーギュースト
副将軍サロメ
両名が復帰したとあれば、王城の中が一気に慌ただしくなるというものだった
■サロメ >
自身に起こったことは兎も角として、
腐敗した連中により政治の根本はいずれ覆さねばならない
その為には…まずは馬脚を現した貴族から
言い方は悪いが、吊るし上げる形でも良い、糾弾する必要がある
そういった、言葉を武器に戦うのは師団長は幾分も不得手である
──まぁ、そういった議題を持ち出しに城に来てみれば、
半数以上の有力者は欠席と相成った、わかりやすいにも程がある
「当然ではあるな」
やれやれと肩を竦める
自分を囲んだ貴族達の顔、声、忘れようはずもない
一番の証拠となるサロメ自身が帰ってきた、そのことを危惧する貴族も多かったらしい
「しかし収穫なしで帰るわけにもいかない。
片端から当たってゆくぞ」
王城に住まう一部の貴族達、魔族との繋がりや、成りすましを危惧されている者もいる
そのリストを手に、一部屋ずつ訪ねてゆくのだ
ご案内:「王都マグメール 王城」にクラーラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にサロメさんが現れました。
■サロメ > 厳かな作りのドアを順繰りノックしていくものの、反応はない
彼らにもネットワークがあり、情報を共有しているのだろう
「……まったく」
話にならない、と目を顰める
■クラーラ > 昨晩漁っていた調書のところに残っていた、ほんの僅かな接点。
それを確かめようと、その貴族がいる部屋を目指し、廊下を歩く。
いつもと違い、王城の中は妙に静かだった。
最近までは暇潰しのように誰かが宴を開いていたと言うのに、今日はそんな雑音が聞こえない。
もぬけの殻といった感覚を覚える中、廊下の角を曲がると顰め面をみせるサロメと部下達がそこに居た。
「こんばんわ……元気そうで何より」
夜の挨拶と共に、彼女の方へと歩いていくと、ノックしていた扉の方を見やる。
先程の様子といい、いないのだろうと察すると、視線を再び彼女へと戻し、小首を傾げる。
「城の中が随分と静か……だけど、どこも留守?」
問いかけつつ、手にしていた調書の本を胸元に抱えた。
■サロメ > 「ん───君は確か」
見覚えがある、魔法剣の指南役を務めている───
『主が臥せっていた時に協力を申し出てくれた者じゃぞ』
帯剣していた剣の宝玉が光り、声が響く
それは剣の主と、クラーラにのみ聞こえるだろうか
「…そうだったのか。
どうやら心配をかけたらしい。今はこの通りだ」
僅かに頭を垂れ、言葉を続けた
「アダン・フェリザの件も含め、娼館に集まっていた貴族どもを洗い出してやろうとしたんだがな。
どこから話が漏れたか…どいつもこいつも留守を決め込んでいる」
少し乱暴に扉をノックする
……まったく反応がない
■クラーラ > 「ちゃんと顔を合わせたのは初めてね、クラーラ・ダマシュラッグス……この間は貴方の魔剣とお話したけど」
以前と違い、凛とした様子の彼女に安堵の笑みを浮かべる。
彼女の魔剣の言葉にお久しぶりと、小さくつぶやいてご挨拶を。
「そんな……私は何もしてないから」
頭を下げられれば、少し驚きながらふるふると頭を振る。
自分なりに何かと歩き回りはしたが、結果は騎士団の長と将軍が呪いに対処したと少し耳にした程度。
寧ろ、何もできなかったという淡い罪悪感すら覚えながら、こうして一人調べ回っていたところだ。
「そう……一人完全に足がついてたら、もう掴まったら逃げようがないから」
ネットワークは一種の根。
芋づるとはいったもので、誰かが捕まればあっという間に関わった黒星は引きずり出されそうだ。
いるのなら、ドアが大きく揺れる音が聞こえないことはないだろう。
それでも反応がないと、再びドアの方を見やる。
「いっそ蹴破る? 私も…ここの人に聞きたいこと、あったから」
半分本気混じりで宣うと、小さくため息をこぼした。
■サロメ > 「剣の声が聞こえるのか?
──成程、君を味方と認めているわけだ、珍しいなゼルキエス」
そう腰元に声を投げると、若干不満げに宝玉が明滅した
「申し遅れたな。サロメ=ディレイン=アクアリアだ。
そして…王城に訪れていた理由も似通っているということかもな」
ノックする手を止めて、一旦部下を下がらせて
「ん…この部屋は誰の部屋だったか…、
蹴破っていいものかどうかは判断しかねるがな」
リストを眺めながら苦笑する
■クラーラ > 彼女の言葉に、意外そうに目を丸くしながら、視線を剣の方へと傾け、再び彼女の方へと戻す。
「多分、ケラウノスのおかげ。この子はしゃべらないけど…。 そうなの? 自然と声を掛けてくれたから、元から朗らかなのかなと」
不満げな光にクスっと微笑んだ。
「よろしくね…。うん、調書を手に入れて、最近の犯罪について洗ってみたら……サロメさんの行方が分からなくなってから、ここの貴族が貧民地区の裏路地で襲われたって。でも、その後も…この人の使いが、ここで襲われてる」
貴族が治安の悪いところをわざわざ出向き、その後も人を使っても訪れていた足跡が残っていた。
その理由さえ掴んでしまえば、後はそこから彼女を壊した事件の張本人を探れるのではないか。
そう思い、ここへとたどり着いたのだ。
その内容が書かれた調書の本をすっと、彼女へと差し出した。
「悪党の可能性有りだしいいよね……とは、いかないね」
まだ確証らしいものは掴んでいない、釣られるように苦笑いをこぼすと、改めて彼女の顔を見つめる。
「……強いね、真実に触れたら…辛いかもしれないのに」
自身を壊した存在へ近づく、それは壊れていく瞬間をもう一度脳裏によみがえらせるかもしれないと思えた。
こうして手勢を率いて、自ら足跡を追いかける彼女に、 敬仰の意を紡ぐ。
■サロメ >
部下が下がり、気兼ねなく魔剣についても会話することが出来るようになった、とりあえず…
「彼女は声をかける相手を選ぶよ、元々が偏屈な魔道士だったらしい」
苦笑を浮かべるままに柄を撫でる
「ふむ…釈明してもらう必要はありそうだな」
手渡された調書に目を通し、その続いた言葉に小さく笑って
「ああ、第七師団にいると皆バカになってしまうらしいぞ。
天秤にかけてどっちが重いかなど考える前にやるべきことに突っ走ってしまうんだ」
なにより
「何より、この国を守る立場の人間としてはな。
ようやく訪れた機会というものでもある。自分可愛さに立ち止まっていてはまた逃げられてしまうからな」
■クラーラ > 人を選ぶといわれれば、そうなんだと呟くものの、その後の言葉のほうが、顔に驚きを満ちさせる。
「ぇ…? ゼルキエスさん、人だったの……?」
追いかけ続けた魔剣は人の手によって作り出されたものや、古から残された人ならざる者の化身といったもの。
人の意志を剣に宿したものは、今まで見聞きしたことはなく、興味を惹かれ、少しばかり嬉しそうな笑みを浮かべる。
「したくないから…逃げてるんだと思うけど」
応じないのも一種の証拠とも言える。
敬意を評した問いに、何故か微笑む彼女にゆっくりと首を傾けると、色味の薄い金糸がさらりと揺れた。
「……お馬鹿になったサロメさんが、思い浮かばないんだけど。寧ろ、サロメさんが皆の暴走を止める、留め金だとばかり…思ってた」
彼女もそんな風に、なりふり構わず突っ走るのだろうか。
言葉通り、そんな姿が浮かばず、不思議そうに彼女を見つめる。
「訪れた…って、サロメさんに酷いことをした犯人を、追い詰める機会…? 私は…そこまで踏み出せる自信はないよ、今でもそういうことを思い出すと、竦みそうになるから」
自分との違い、こうして改めて言葉を交わして心の強さに目を伏せた。
機会があるからと、また歩き出せた彼女の強さに敬意を覚えながらも、どうして?とも思う。
たった一度の辱めだけでも、死にたくなるほどの痛みだったことを思い出すのは、今でも辛い。
■サロメ >
「ああ、そう聞いてる。うちの家計に縁のある…おっと」
喋りすぎだと言わんばかりに宝玉が煌めく
悪かったよと目を伏せ、再び柄を撫でた
「勿論それも必要だし、けれどそればかりじゃダメなんだということも学んだのさ。
冷静に危ぶまない行動ばかりをしていては機を逃す、そんな時もある」
そんなわけで、ドアの前に立って
「…この国は、女の身で騎士として生きるには厳しい場所だな。
私も一度目は君と何も変わらなかったよ。支えがなければ立ち上がれなかった。
今回も、きっとこうやって再び剣を持つことは出来なかっただろうな。
───答えとしては簡単なものさ」
大きく息を吸って───勢い良く、ドアを蹴り破った
「背中を押してもらえるから、踏み出せるんだ」