2015/11/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > 「状況を説明しろ!」

オーギュストの怒号が響く。
普段は王城になど詰めない男だが、今日は事情が違う。
オーギュストの悪い予感は当たった。
南方に展開する師団と連絡が取れない。
何かが起こっている、それは確かだった。

「南方、第34連隊からの定時連絡無し!」
「南方諸都市に不穏な気配! 市内で警備兵と市民が集結しています!」
「フラ=ニス市に謎の集団が乱入したとの未確認情報あり!」

執務室では連絡将校たちが、次々に入る報告に悲鳴のような声を上げていた。
これはまずい。情報が錯綜している上に、報告は全てひとつの可能性を示唆している。
オーギュストは呻くように言う。

「謀叛か……!」

オーギュスト > 「タナールへの遠征軍を呼び戻せ! 最優先だ!」

オーギュストの声に反応し、3人の連絡将校が飛び出す。
幸い、タナールへの軍は進発したばかりだ。
これを呼び戻せば、とりあえずの戦力にはなる。

南海諸侯の謀叛。
タナール方面にかまっている暇など無くなる。
この機に魔族の侵攻があれば防げない、が……

(そこは何とかするしかねぇな)

幸い、北方国境付近の街には、いざという時の疎開の段取りを伝えてある。
魔族の進軍速度は基本的に遅い。連中が色々と寄り道するからだが、今回もそれに期待するしかない。

「ダイラスの艦隊を王都に呼び戻せ! 叛乱軍に乗っ取られるとまずいぞ!」
「閣下、王都に篭城は……」
「不可能に決まってるだろ! てめぇ、国の機能を止める気か!」

王都が陥落しなくとも、もし包囲されれば各軍の連絡、各地の情報の集積点が封鎖され、この国は致命的なダメージを被る。
何としても叛乱軍を王都近郊までで食い止めなければならない。

ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」にサロメさんが現れました。
サロメ > 怒号と喧騒に包まれた執務室
そこへ静かな顔をして入ってきたのは将軍の副官、サロメである

「廊下まで響き渡っていますよオーギュスト将軍。
 何事ですか?ただならぬ状況というのは理解できますが」

今しがた王城へと戻ってきたサロメにはこの有様は理解できない
色々と報告することもあったが、とりあえずは後回しだ

オーギュスト > 「サロメか、いい所に来た」

オーギュストは副官の姿を認めると、一呼吸吐く。
今日は酒を飲んでいる暇などない。水差しから直接水を飲むと、机の上に広げた地図を示す。

「南方の師団と連絡が取れん。
この方面に魔族の展開は無かった。魔王クラスが乗り込んで来たってのがなけりゃ……」

そして南方の都市、『堅実なる街フラ=ニス』を指し示す。

「フラ=ニスが謎の集団に占拠されたって話しもある。未確認だがな。
だが、総合して考えりゃ……」

オーギュストは嗤った。
窮地にあってこの男は、焦る事も怯える事もしない。
ただ、嗤う。獣の如く。

「南海諸侯の誰かが謀叛を起こした」

サロメ > 「成程」
オーギュストとは対照的に、この副官はまるで氷のように冷やびやとした態度を保っている
将軍の説明を受ければ地図を眺めて…

「"誰かが"ですか。
 勿体ぶりますね、どうせいつもどおり大筋の検討はついているのでは?」

オーギュスト > 「この状況で推測で物は言えん。が……」

オーギュストはそれでも地図の一点を指差す。
フラ=ニスの東にある島。フラ=ニスをこれほどの速度で占領できる軍など、一つしかない。
まず間違いはないだろう。

「ティルヒアだ、まずこいつと見て間違いない。
他の南海諸侯じゃ、勝算が薄すぎる」

逆に言えばティルヒアをこれまで野放しにしていた王都の役人どもの怠慢なのだが、今言っても仕方が無い。
今はティルヒア軍の目的、位置などを掴むのが先決だ。

サロメ > 「ティルヒアの女王は以前から王都には非協力的でしたね。
 そういう意味でも、可能性は高そうですが…謀叛の理由が不透明ですし、現状は可能性に留めましょうか」

オーギュストの分析も推察も概ね正しい
とはいえ、謀叛となれば話は大きいものになる

「取り敢えず、魔族と小競り合いをしている場合ではなさそうですね」

やれやれ、と方を竦めた

オーギュスト > 「そういう事だ。
――お前も前線に出てもらうぞ。人間相手なら、お前の指揮の方が良い」

厄介なのは、おそらく軍団が相手にするのが人間だろうという事だ。
第七師団は対魔族のエキスパートである。逆に言えば、人間相手の為の編成ではない。
人間相手、つまり統率の取れた軍隊相手だと、第七師団はどうしても普段の力を発揮できない。
何故ならば、どうしても人間の軍勢相手では戦列の崩しあいになる為、持久力に欠ける第七師団では不利になるからだ。

その点、サロメの指揮ならば安心できる。
戦線を維持し、持久の戦いを挑むなら、彼女以上の人材は第七師団に居ない。

サロメ > 「構いませんが、突貫工事になりますよ?
 人間相手となれば随分と勝手も違いますし編成を大幅に変更しなければ」

的確な指示を出す剛毅な将軍と、淡々と言葉を向ける副官
やりとりを見守る周囲の兵士達も自然とその様子に落ち着きを取り戻していく

「(はぁ…今日もまた眠れそうにないな…昨日寝ておけば良かった…あ、商店街のケーキバイキング明日までだったっけ…今回も行けないな…)」

内心はともかく

ご案内:「王都マグメール 王城 将軍執務室」にサリファスさんが現れました。
サリファス > 慌てて駆け込む野獣の様な男。
紙束を執務室の机に撒く、南部地方の略地図と有力者の名簿だ

「遅れました閣下、この通り南部地方を浅く探ってみたぜ。
…あと実家は動員して即出兵したみたいだぜ。くはー」

どっすんとソファーに腰掛、葉巻をくわえる。
ブーツに所々泥が跳ねており、急いで帰還したようだ
火を着けるべきか悩んでいる

オーギュスト > 「構わん、今のままじゃロクな戦力にならん。
――相手が王都近郊に来るまでに、編成しなおせ」

かなり無茶な命令だが、サロメならやってのけるだろう。
彼女の睡眠時間が悲惨な事になるかもしらんが、そんな事は有事故気にしていられない。

と、そこで。
入ってきたサリファスに目を向ける。

「ご苦労――
って、あの一家はブレねぇよなぁ本当」

南海諸侯相手に何処まで出来るかはわからないが、フォンロークが一当たりしてくれるならありがたい。
とにかく情報が足りない。相手が王都近郊に攻め上ってくるまで――時間は無いが、その間になるべく情報をかき集めなければ

「吸いたきゃ吸え、遠慮はいらん」

サロメ > 「…行動が早いな、サリファス」
残雑に撒かれた紙束を見て感嘆の息を漏らす

「フォンロークが?
 …敵の正体も掴めないというのに、早急な…」
問題が怒らねばいいが、と僅かに額を抑えて


「半日で何とかしますよ、将軍の予想通りなら大きな戦いになります」

サリファス > こいつはどうもと一礼し、火をつけ燻らす。
サロメのケツを眺め、地図をさしティルヒアの名簿を見せる

「ふァー…サロメちゃん、お久しぶり。元気してたァ?。
反乱鎮圧は早急じゃないと、特にフラ=ニスは最低でも取り返しておかないとね、敵がどいつであっても。
まー……目星はついてんだけどね」

首をポキポキならし、すごく大雑把な南海の海図を取り出し
嘆くように屑篭へ放り投げる

「今頃、主導権を握り返してるんじゃないですかね?。
海戦はともかく速攻と野戦は得意なんで。
それでいかにしますか将軍?」

オーギュスト > 「――だったら楽なんだが、そりゃねぇな」

地図を見てオーギュストは唸る。
残念だが、事はそう簡単ではない。

「この前、俺がダイラスの艦隊を大分酷使しちまったからな……
制海権は向こうのもんだ。となると、相手はティルヒアからの補給が自由自在。
足止めくらいは可能かもしれんが、奴らすぐにこの王都に迫ってくるだろうよ」

主導権のあるうちに相手の玉を狙う。
叛乱ならばなおさらだ。敵はこちらの準備が整う前に、王都を落とそうとするだろう。

「王都の南で食い止め、連中を押し返す。
サリファス、てめぇは相手の主力軍の位置を探れ。
サロメ、今回は防衛戦だ、重武装の編成でいけ。
武器や食料が足りなかったら、近衛軍からかっぱらってこい!」

サロメ > 「…将軍の前だぞ、慎めサリファス」
ちゃん付けの呼び方に少しばかりジトっとした目線を向けて

「マグメールに謀叛を起こすなど並大抵のことではない、状況は厳しく見るべきだ」
それは将軍も承知のようで、唸る様子を見れば僅かに眉を顰めて


「簡単に言ってくれますね…全員に装備を整えさせるには確かに数が足りませんが。
 全く、第七師団への予算の切り詰めがこんな形で響くとは…」

サリファス > 「ははっ、いつもの連中つれて自分らはオリアーブ島まで潜入しておきますわ。
制海権が厳しいでしょうが、少数で潜り込む分には平気でしょう。」

葉巻を燻らし、予定を立てていき必要になりそうなものを紙に書いていく。

「あいあい、サロメ副隊長閣下でございますね。
……今夜のご予定は、編成でも手伝いましょうか?」

二重の意味でニヤリと笑って、サロメの体に視線をはわせながら聞く。
事務仕事もアレも得意でタフなのだ

オーギュスト > 「予算の事は言っても始まらねぇ――今回は竜騎士団は使えん。歩兵を中心にいくぞ」

こうなると騎兵が居ないのが辛い。
魔族相手に騎兵はそこまで有用ではないので第七師団はほとんど騎兵を揃えていないのだが、対人間相手ではやはり騎兵が欲しくなる。

「あぁ、情報を頼むぞ。
何なら褒章も――って、とっとと行けてめぇ!!」

サロメにちょっかいを出そうとするサリファスを怒鳴りつけると、再び地図に目をやる。
主戦場をどこにするか。それも問題だ……

サロメ > 「やる気があるのは結構だが無茶はするなよ。
 あと、編成の見直しは一人で十分だ、気兼ねなく出立するといい」

淡々と返していると将軍が怒鳴りつけていた、コレ以上は言うこともあるまいと向き直って

「寄せ集めの部隊が多いですからねウチは。
 今から騎乗運連も遅すぎる上にそもそも重装馬の数が足りませんし、
 騎兵に関しては他に期待しましょう」

サリファス > 「つれないじゃんかー、寝ぼすけの副隊長くせに。ははは。
重騎兵は貸せないだろうけど、補給の方は親父が寝返りを警戒してたんまり運んだんで頼っても良いってさ。」

ニヤニヤ笑っているとオーギュストに怒鳴りつけられ、しゅたっと身を正す。

「クははっ冗談、冗談ですよー、将軍。
オルヴァのクソ兄貴も正規王国軍として派遣されるみたいですしね。
耳はやい王城の連中が冒険者や傭兵の義勇軍を結成してる見たいですぜ。
くく、では南部で」

うやうやしく一礼すると足早に扉に向かい逃げるように退出するだろう。

オーギュスト > 「お上品な戦いは専門外だからな……
仕方が無い。犬は噛み付く、猫は引っかく、相応しい戦い方っつーもんがある」

そして地図の一転を指し、サロメとサリファスに告げる。

「ここだ、アフリーク。
おそらくここが、次の戦場になる。
なるべく情報を集めておけ」

そう告げると、サリファスには退出を許すだろう。