2023/06/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 表通り」にメイラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 表通り」にトリステラさんが現れました。
メイラ >
 日中の王都マグメール 富裕地区 表通り
 目貫である大きく豊かな路。
 左右に商店商いが並ぶ平民地区に比べ、富裕地区は露天が極端に少ない
 全ての店構えは石の壁が備わり、開放的な場所はカフェくらいなものか。
 兵の見回りが強い理由もその一つだろう。
 ここで無暗に闇バイトでも行って強盗を働けば、問答無用というものだ。

 気温もあってか、比較的涼し気な今日
 日光も強くならず、涼し気な風が吹いている。
 開放的な野外カフェとして設けられた店舗にて 大きなパラソルの下
 日陰で提供されるテーブル
 足元は虫除け草の絨毯カーペットと石畳で足裏を包み、踵を鳴らす。

 平民地区に比べ品のある軽食らを囲みながら、向かい合わせではなく隣り合わせのように食事
 それを行う黒髪赤目に、白いトラバサミのようなギザ歯を口元から覗かせるメイラ。
 隣には青みのある髪が並び、同じく軽食を食べている。
 珍しくも、一人で出歩く王都での時間ではない様子を見せているだろうか。
 二人が出している空気も、一人で醸し出すメイラの空気からは到底出ていないものだ。


   「わたくしは草など食べませんわよ。」


 メイラの注文したものはカツレツ風のステーキ
 炭水化物を傍に置かず、パン粉で包まれたステーキ肉を切り分けて食べていた。
 赤身のあるカットされた果肉やリーフもなく、柑橘果が味変用に置かれているだけ。
 それだというのに、肉食令嬢に対して傍にいる青髪 トリステラ
 メイラの肉だけ食べる姿に、栄養バランスを解いているのかグイグイとサラダ
 リーフと緑瓜のスライスで歯止めされたそれを向けてきている。
 やいのやいのと、目の前の怪物混ざりにこんなことができるのは少人数だろう光景。

トリステラ > 地区ごとに特色は色濃く出ている街。
その中でも特にわかりやすいのは、治安の差といった所だろう。
もっとも、一番治安が保たれている富裕の地区であっても、絶対の安全はなく。
それこそ貴族や、裏の力のあるものが関われば、衛兵とて市民の平等な味方ではなくなるのである。
それはこの街らしくもあり。
無法がはびこっている貧民地区などに比べればずっと安全なことには変わりはないのだった。

少し過ごしやすい気候が続けば、外を歩きたくなるのは人の性というべきだろうか。
人々の往来で賑い、そこかしこで思い思いの時間を味わう。
そんな人々で色々な店が並ぶ通りにはにわかに活気づいていれば、どんな場所でもやはり一般向けの店が並ぶ通りは、明るいものであるようだ。

「酒類と同じように…野菜もえいようだけではない。
意外に肉の味を膨らませてくれるものだぞ?」

外用の衣服、というわけでもないのだろう。
何時もの調子で、女は彼女の世話を焼くように動いていれば、外出した先での食事であっても、それはやはり変わらぬ行動となったようだ。

栄養バランスは大事とはいえ、ヒトのようでいて人ならざる者同士である。
実際に多少栄養バランスが崩れたとて、大きく異常をきたすことはそうそうないのは実際に間違いないのかもしれない。
けれども、ああでもないこうでもない。
そんな様子で野菜類を拒否する彼女を見れば、女もまたただ栄養を説くのではなく。
あの手この手で食べる方向へと導いていくことにしたのかもしれない。

「それに私だって…肉は好きだからな。
肉を好む気持ちは分からなくないぞ?」

菜食に偏っているわけでもなく。
それでいて肉食に偏っているわけでもない。
両方をバランスよく食べるタイプであれば、肉を好むことに対して無理解というわけではないのだ。
理解しているものからすれば、猛獣に言うことを利かせようとしている。
そんな風に見えるかもしれない。
けれども、女にとってはそんなことは頭にないのだろう。

一人の人同士。
対等に見ていれば、恐れることもなく。
傍から見れば頭の固そうな、世話焼きな友人。
そんな風にも見える様子で、もう片方のフォークにサラダと同時に来てた肉の破片と、葉物を一緒にさし。
口に入れて肉だけとはまた違う味の良さ。
そんなものを見せるようにしつつ、さらにぐいっと向けていたサラダを更に向けるのであった。
勿論、咀嚼中はしっかり口を閉じているのは忘れることもなく。

メイラ >
 悪意無き悪意 いや、善意
 メイラはそこらの男より骨も肉も強く、歯は歴史あるオーブンで木を燃料に
 硬く燻し焼かれた塩皮のパンですらゴリゴリと砕ける顎を持つ。
 立ち眩みもしなければ、スタミナは未だ衰えを感じているつもりもない。

 そんな強い者に、栄養バランスやγカロチンやビタミンΩなど知ったことではない。
 肉の味を楽しめるのだぞ、とグイグイとくるそれを いーやーでーすわぁー と
 唇に触れてくるのを何度も拒んでいるものの、やがては口の中に押し込まれているだろう。
 ドレッシングが掛かっているものの、うぐぅと貌で表現しながらバリムシャと咀嚼されていく野菜。


   「おうぇ 口の中に自然地帯が生えていますわ。」


 芋類の土の香りや葉の青臭い匂いを敏感に感じ取るように
 森と大地が口の中で顕現していると述べながら、口直しに柑橘を絞ったカツステーキの中心
 真ん中の幅が広いところを切り取り、口の中にガモッと押し込んで浄化していく。
 わずかな獣匂と肉の味 パン粉と油の甘さ。
 やれやれ、と悪意無き善意を受け止めおわり、携えるグラス
 ややオレンジ色味がかかる、軽い口当たりのフルーツエールをグーッと飲み干すだろう。
 顔付きもやっと、草を食べさせられた弱った貌から元に戻っている。


   「全く ステラはわたくしの事が嫌いですのね。」


 無理やり馬や虫の食べるものを与えるとはなんて酷い片割れなのだと
 休日の時間を気楽に過ごしている様子である。
 尚野菜を以前に食べた記憶はいつかと聞かれたら
 戦場で薬草を口の中で噛み砕いて肌にこすりつけた時 と答え
 何時だったかと言われれば さぁ と本当に覚えていない様子。
 尚噛んで砕いただけで呑みこんですらいない。

トリステラ > 強靭さ、特に戦闘方面に向けたバイタリティや資質などは圧倒的に彼女の方が得意だろう。
けれども、同じ混血とはいえ、バランスよく食べている女の方が、ある意味強靭よりな体を持っているのに、奇妙ともいえるのも間違いではないのかもしれない。
実際に単純な意味での美味しさという点では、肉や魚。
それに類するものの方が女も美味しさは分かりやすいのだから、雑食であっても気を抜けば肉に偏りかねない部分もあるのだろう。

「嫌いならバランス何てとかないさ。
でもまさか其処までとは…すまなかったね」

人それぞれ苦手なものというのは当然あるものだ。
しっかりとした、しっかりとし過ぎたその顎の力をもって、食べるだけ食べ尽くしていくのを見たのもつかの間である。
上書きするようにがっつりとエールを乗せて肉を搔っ込んでいく様子に、流石に苦笑の一つも零れることになった様だ。

もっとも、女としても嫌がらせの類ではなく。
あえて食べないだけで、きらいも嫌いな食べ物であったとは思わなかったのだろう。
流石に謝罪の一つを乗せながらも、女もまた野菜と香草焼きの肉類と、バランスよく食事を口へと放り込んでは咀嚼していくが。
彼女に比べればスピードは遅く、迫力がないのはご愛敬か。

「だけど、よく食べました…。
香草焼きとかでも、好みに気を付けないといけなそうだね」

少なくとも良薬口に苦し。
とばかりの薬草、しかも塗り薬用に比べれば、食事用の野菜はマシだろう。
あいた手で、一つ間を置いてから手を伸ばし。
よしよしとばかりのその頭を少し撫で付けようとすれば、なんとなく保護者か妹でも可愛がるようにも見えるかもしれず。
より知っているものからすれば恐れ知らずな図にも見える、なんてこともあったかもしれない。

そんな風に食事を楽しみつつ。
料理の構想をちょこちょこ練っていく様子を見せるのは、料理を作った時に、食べられない、好まない。
といった材料を避けるためのものなのは間違いないようだ。

メイラ >
 戦場での狂気
 闘争での強さ
 玉座での忠義

 メイラ・ダンタリオの中で構成される要素を大きく占めるもの
 眼で見て耳で聞き肌で感じ取る光景は、それらばかり。
 休日の束の間 片割れと過ごしながらサラダの一片を口に押し込まれ
 口の中が森になっていると言いながら弱い表情を見せるそれ。
 こんな光景を眺められる者は、数が少ない。
 野菜を草と呼び、口慣れしていない故での正直な感想を聞ける立場として
 クスクスと笑むそれは優越が間違いなく含まれている。

 メイラは口元をナプキンで拭いながら、食べ終わりと共に一杯の紅茶で食後の口の中を清めながらも
 謝意と優越による気持ちよさが含まれた謝罪 隣り合うようにして食していたせいか
 簡単に手を伸ばして髪に触れ撫でてくる手つき。
 それをプライドも意思もなく、好きにしていればいいというようにさせるがまま。
 互いの立場上 食事は振る舞われる物であるべきながら、偶に立場を用いて作り
 食を提供する身であるトリステラは、ハーブなどにも気を使おうかと言う素振り。
 片割れの振る舞う手料理には顎を撫で、素人の作るハーブ臭すぎる料理というわけではないのだ。
 特に心配もしていない 獣臭と打ち消し合うだけの程度で済ませるだろうとカップに口をつける。


   「貴女なら失敗をすることもないでしょうに。」


 信頼の裏返しか 初めての料理には決められた分量を用いて資料を眺めて作るような性格だ
 止める台詞すらないのが証拠だろう。
 何時作るの?と小話を交えながら、ならあの日に作ろうかなどと返ってくる。
 食事を終えれば、金銭を支払う後には二人で表通りを歩き始めるだろう。
 日傘も特に必要がない日光 メイラは黒で統一した、熱を吸いやすい身なりだというのに
 汗を一つかかず着こなす辺りが、やはり人より強いというところもあるのか。


   「どこか行きたい場所はありませんの?」


 腰に携えている大小の刀を挟みながら、左腕に絡む形で腕を合わせ歩くだろうか
 二人でぶらつくのも久しいせいか、メイラの足取りも目的もなくゆったりとしたもの
 周囲は、あまり見ない怪力令嬢の空気の少し緩やかな光景にやや目が留まる。

トリステラ > 料理一つとっても育ちや個性が出るものである。
そういう意味では女の構成成分としてひろく占められているものは知識をため込むことである。
ともすればお堅く、ともすれば用心深い。
自らフィールドワークをして情報を集め精査することもあれば、机上の空論だけではなく。
経験をもって知識に裏打ちをする分、確かにとてつもなく失敗した料理を作るということもないだろう。
こだわりすぎるがゆえに、彼女の好みを踏まえれば、スパイスをグラム単位で細かく調整しそうなのは間違いなく。

素材からしっかりとこだわる。
そんなことすらしそうなものであれば、他のものには少々肉の味が強く出る。
香草焼きを一つとっても、そんなものが出来上がりそうなのだから、心配は少なくて済むというのは、女のいい点でもあるかもしれない。
もっとも、頭を着やすく撫で付ける。
そんな普段ならあまりしないようなことをしている様子を見れば、彼女への信頼ぶりも伺えるというものでもあるのだが。

「当然…と言いたいところだが…。
何事も絶対はないからな…万全にやるつもりではあるが」

とはいえ、絶対というものがそうそうないのが現実である。
彼女の言葉に頷きつつも、その失敗を極限まで削るつもり満々であることを告げる様子は、相変わらずともいえるかもしれない。
舌鼓を打ち、そしてその合間に次に料理を作る日取りを決める。
そんなたわいない会話を楽しみつつも、ゆったりとしたひと時を過ごしていくのは、この街では少し贅沢な時間でもあるのだった。

「美味しいものは…食べたからな。
帰りに湯殿でも酔っていくのは良さそうだけど…」

行きたい場所と言われても、直ぐに出てこないのが普段書物とにらめっこをして、奥まった場所に入り浸っている弊害か。
食事も終わり、涼し目とはいえ、直射が降り注ぐ中、そのままの服装で歩みを続けていく。
そんな様子からは人より頑強であり。
彼女はその色からして更にというのが伺えるかもしれない。

彼女の素性を知っていれば、下手に声をかけてくるようなものはなく。
女は散歩しつつ当てもなく歩くのも楽しいという様子であれば、家に帰る前に行く場所くらいしか直ぐには浮かばなかったようだ。
散歩を楽しみ、そしてそのちょっとした一日の疲れを湯に溶かし。
夜の時間をゆったりと楽しみ一日を終える。
贅沢な時間の使い方だが、たまにはそういうのも悪くはないのでもあった。

メイラ >
 右の利き腕自体は譲れるほど己惚れていない
 左腕にトリステラの右腕を絡ませ、互いの手のひらは絡み合わせるように交差する。
 いつものように身に着けている指先から手首までの 手袋のような丈しかない黒鉄の篭手
 その上からとなるひんやりとした感触の硬さ。
 それでも握り返していることに変わりはないだろう 鋭利な指先自体貫くこともない。
 身に着けるものは最低限 腰の獲物が際立つほどの二人。
 護衛も馬車も無しののんびりとした散策の中 この時間を簡単に終わらせるつもりもなさげなメイラ
 稀な休日を家族との時間に費やし、適当に過ごす父親のようなそれとは違う

 トリステラ自身、物欲もなく共に過ごしていれば満足げな様子
 食事の時のようなメイラが普段魅せる機会も無いような一部の切り取り
 それを感じる優越でおおむね満足な様子で、一時の宿を提案する。
 装飾品や興味のある茶葉や香 質のいいペンや乾きやすいインクなど
 求めたいものを買うついででもよかったものの、書物関連にも手が行かない様子なら肩を軽くあげて見せ。


   「あら、“もう?”」


 湯屋で察したらしいメイラ
 軽食と言う形にしているせいか問題ないものの、表情は別段変わりなく
 トリステラの求める言葉には、いつものように受け取って見せる。
 ときめきよりも日常的 高鳴ることはなくても、熱くなることはできるだろう。


   「貴女も日中に抱かれたいと言えるのだから、大概ですわね。」


 わたくしはてっきり路地裏で誘いかけてくると思っていた、などと返事をするあたり
 メイラ自身立ち寄る場所がなければ行きつく思考は同じ様子
 老舗の木造建築の旅館に行くべきか 公衆浴場と言う気分でもない
 二人の足先は特に問題もない天気 コツコツと富裕地区ルートをたどりながらたどり着くのなら
 数時間は其処で滞在して、好い仲とやらをするのだろう。

トリステラ > 戦うものとして、どれほど強くても慢心をし過ぎない。
それを体現しているかのように、利き手をフリーにして利き手ではないほうで腕を組み手を絡める。
そんな形をとっていれば、それが隙だとおもって手を出す。
何て命知らずがいた場合、どうなるかは最早明白といっても過言ではないだろう。
文字を相手にしている女とて、彼女ではないとはいえ腕は立つのだ。
手を出すものがいたとしたらそれは、国のことをあまりにも知らぬ流れかはたまた。

多くを欲しがり、散財をする。
そういうタイプでは無ければ、金銭が最低限あれば後は溜まり。
そのうち持て余すということにもなりそうな気もするが。
その辺りはこの国で暮らしていればそこまで考えなくてもいいことでもあるだろう。
それこそいいものを長く大事に使うタイプであれば、編纂室で使っているものが壊れることは早々なく。
そこらの書店の書物は既にそれより詳しいものが大体収められているという部分もあった様だ。

「外を歩いた〆には…さっぱりするものじゃないか?」

大きく汗をかかなかったとしても、外を歩いていれば埃などもあり。
ひろい湯船でゆっくりと、そして身をしっかりと洗い流す。
というのは一日の〆には悪くはないと思ってのことだったようだ。
けれども確かにいつものことであれば、含まれる。
二つの意味のうち片方を。特に拾い上げるように零されていけば、返す言葉に続くように、少しの間をおいてその返された言葉の意味は直ぐに分かることになったのだった。

「そちらの意味で…真っ先に判断するのもお互い様…じゃないか?」

大概と言われればお互い様と返してしまうのは、そちらの意味で第一に取った彼女も似たような者なのは、決して間違いでも過言でもないからであった。
とは言えやはり返す言葉と内容の大胆さでいえば、彼女の方が輪をかけているものであれば、返しつつも苦笑交じりの笑みの一つも零れてしまうのは、ご愛敬のようである。

足の向くまま気の向くまま、歩きなれた彼女にエスコートされるでも、され返すでもなく。
歩調を合わせて二人で進んでいけば、やがりたどり着いて一息入れていったのは間違いないようだ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 表通り」からメイラさんが去りました。
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