2023/02/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にソティさんが現れました。
■ソティ > 富裕地区、王都の地区では最も安全な地区と言われている。
だが、それは絶対と言える様なものではない。
実際に体験をして、初めてそうなのだと知る場合も多いだろう。
元々は、宿を確保し続ける為に必要なお金をどう稼ぐかを探っていた。
そうはいっても生活の術を知ったばかりの彼女には、まだ賃金を稼ぐ手段までは教えられていない。
剣の腕があるなら稼ぐ手は幾らでもあるのだろうが、そこに到る交渉術も伝手も無いのだ。
色々と考えを巡らせながら、周りの会話に耳を傾け何か無いかと調べ続ける。
そうしている内に入ってしまった通りから少々外れた路地裏で、何処かから見られている様な気配を察知して。
ピタリと歩みの足を彼女は止める。
「……?」
気配はすれど姿は現さず、不思議そうに小首を傾げた。
■ソティ > 起こる出会いは幸か不幸か。
そもそも感じる気配が出会いとなるものなのか。
気配を感じ取っているだけで、その気配の主は偶然この路地裏に入っただけかもしれないのだから。
建物の隙間を流れる微風に、白銀の髪とドレスの裾が小さく靡く。
片手で鞘に収められた剣を抱えながら、揺れる裾を軽く抑え、もう少しだけ様子見を。
その気配が何事もなく通り過ぎるなら、気を取り直して歩みを再開するし。
何かありそうなら対処するだけ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にロイスさんが現れました。
■ロイス > 彼女が立ち止まった直後。
彼女が気配を感じた路地裏から、緑のマントで身体を覆った男が出てくる。
出くわした形になった男は、一瞬「うわ」と一歩下がり、
「君は……ええと、迷子かな?それとも、同業の冒険者さん?」
この年頃は、男女問わず判別がつきにくい。
帯剣している所を見ると、恐らく後者なのだろうが、周囲への威圧の為に使えなくとも帯剣しているケースはある。
迷子なら保護、冒険者なら少し話を聞いてみようと、彼女の方に歩いてくる。
■ソティ > ゆっくりと周囲を探る視線が何かを捉えた。
そこから現れたのはマントで身を覆う一人の男性だ。
感じた気配が正しかった事を確かめる様に改めて視線が男性へと向けられる。
一歩下がった様子に対してのアクションは、ただ見詰めているだけど薄い。
「迷子……は、違う。…冒険者も…違う、と思う」
迷子、道に迷っていないのだから否定。
冒険者、名前は聞いた事はあるが細かくは知らないから否定。
どちらも否定された男性は、どう返してくるだろうか?
■ロイス > 自分が挙げた二つを否定されると、「ん?」と一瞬首を捻ったが、しかし冷静に考えると、別に他に幾らでも可能性はある。
冒険者じゃなくても帯剣はするし、迷子じゃなくても単に近道とか、散歩とか、此処を通る理由など幾らでもある。
そう考えると、保護だのなんだの考えるのは過干渉か、と思い、肩の力を抜く。
「そっか。迷子じゃないなら良かったよ。
今はオフだけど、最近はこの辺りの警備を任される事が多くてね。
最近、裏路地から変質者に襲われる事例が……あ、しまった」
そこで、今の自分が、その変質者と間違われかねない状態にあると気付いたのか、男は頭を掻く。
「急に話しかけてごめんね。
一応、怪しいものではないんだけど……冒険者は身分証明が難しいからな……」
もし、彼女がこちらを怪しんでいるなら、此処を立ち去った方が彼女の精神衛生上は良いのかもしれないが。
とはいえ、路地裏ではないにせよ、この辺りは人通りが少ない。
できれば、人通りの多い所まで、彼女について行った方が良いかもしれないと少し悩む。
■ソティ > 自分の答えのせいか、男性は首を捻る。
何か間違った事でも言ったのかどうかと考えを巡らせ始めたのだが、男性の言葉を聞いてそうでもないと理解した。
ただ、なぜ『しまった』なのかは理解していない。
再び小首を傾げて、頭を掻く男性をジッと見詰める。
「警備…冒険者……身分、証明…?
よく分からないけど…別に、話し掛けただけなら…謝る必要、ない」
男性は、警備を任されていると言った。
その後に、冒険者である事も伝えていた。
どっちなんだろうか、と兼業を知らない彼女は不思議そうに考える。
考えながら、なぜ話しただけで謝るのか分からないので、そう伝えておく。
そんな彼女の様子を気にしていて、表情を読み取ろうとするなら。
逆に何を考えているのか分からない、表情の変化の無さに困ってしまうかもしれない。
■ロイス > 「え、あ、そう……?」
謝る必要がない、と言われると、うーん、と考え込んでしまう。
どうやら、警戒はされていなさそう……なのは分かるのだが。
では、どう思われてるのかという疑問については寸分も解らない。
ただまあ、警戒されていないのなら、最初に考えた通りに。
彼女を人通りの多い通りまで案内すれば良かろうと考え直す。
「ええと、じゃあ。
この通りは、一人で歩くのはちょっと危ないから。
安全な通りまで送っていくよ」
何だかナンパの様でもあるが、致し方ない。
人通りがあるところまで、そう遠くも無いのだ。
自分の言葉を実行すれば、ナンパだの何だのに間違われる事もあるまい。
そう腹を括れば、自然男の表情にも力強さが戻る。
自分の決定に「うん、そうしよう」と小さく呟いてから、
「あ、そうだ。自己紹介が遅れたね。
俺は、ロイス。平民地区住みだけど、富裕地区の警備依頼も大分受けてるから。
道を間違えたりはしないと思う」
と、自己紹介するのだった。
■ソティ > 「……うん、そう」
それで納得したのなら、それで良いと。
自分がどう思われているのかは、彼と同じく分からないが、そこは大して気にしてはいない。
「ここ…危ない……?
……そう…探しもの、見付からなかったけど…いいか、分かった」
それが誘っているかの様にも受け取っていないのだろう。
素直に受け取ったか、コクンと頷いてみせる。
もっとも、第三者がもし見ていたならそう見えているのだろうが。
風も緩やかになったか、片手で抱えていた剣を両手で抱え直し。
「自己紹介……私は、ソティ」
そう自分も自己紹介を返すのだった。
■ロイス > 「探しもの……?」
と一瞬首を捻る。この辺りで何かを探していたのだろうか。
一瞬、手伝おうかとも思ったが、しかし彼女が分かったと言えば、男も二の句を継ぐことは難しい。
実際、この辺りの通りが危ないのは事実なのだ。自分が周辺を見張っても、悪漢に徒党を組まれれば万一はある。
それを思えば、軽々に手伝おうと言うのも憚られた。
……まあ、彼女の本当の実力を知っていれば、そもそもそんな心配など杞憂だと解る筈ではあるが。
「ソティちゃんか。じゃあ、俺が前を行くから、ついてきて」
そう言うと、ソティを先導して歩き出す。
その後は、彼女を無事送り届け、解散となった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からロイスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からソティさんが去りました。