2016/11/30 のログ
アニマ > 富裕地区の一角をてくてく歩くメイド服の少女。
手元には大事そうに使い込まれた手帳を持ち、そこにかかれた似顔絵を探してこの辺りまで歩いてきていた。
周囲も好き物のお金持ちの家に努める小間使いと思ってかあまり彼女に目を向けることもなかった。
以前来たときは別の服だったからかなんだかすごくじろじろ見られていたらしいけれど
この服ならあまり気にされないのだからこれをくれた人はすごいと思う。

「えと…フォーク、さん…、うん、フォーク、さん、ですね…このあたり…にいるはず、なの…ですけれど」

今朝覚えた顔を思い出しながら繰り返すように名前を呟く。
覚えている限り一度あった人がいる場所は大まかに感じ取ることができたから、
忘れてしまわないうちに届けたいものがあってこんなところまで足を延ばしてみた。
けれど肝心のその人を細かく探す手段がないことにきがつくと…

「…えーっと」

とりあえず困惑して立ち尽くしてみたり。
その様は完全にお使いに来たものの迷子になった小間使いのようで…。

フォーク > 「しかしくつろぐなぁ~」

男は大きく背伸びする。
やはり高級住宅街の景色は絶景だ。
綺麗な噴水はあるは、整備された緑の木々はあるは、露出高めのメイドさんはうろついているは……。

「メイド?」

コーヒーカップを摘まむ(指がでかいから取っ手の中に指が入らない)手が止まる。
よく見れば、我が家を定宿にしている少女ではないか。
毎朝、顔を合わせる度にちょっと驚いた顔をするのが気になるが、色々と面倒を見てもらっている。
お茶とケーキくらいごちそうしても罰は当たらないだろう。

「おーい、アニマ。こっちこっち!」

男は手を振って、少女に声をかけた。

アニマ > 「…迷子というのはこういうことを言うんですね」

なんだか焦りが一周回って悟った顔でつぶやく。
実際に自分がなってみると心細いものだけれど、同じ位感慨深くもあって。
誰かが誰かを呼んでいるような声に気が付くとそちらに顔を向けて、今朝覚えた顔を見つける。

「あ…」

見つけた。と胸をなでおろしてそちらに歩いていく。
”知っている人に会える”ことが嬉しくて少しだけ小走りになりながら。

「えと…フォークさん、忘れてしまわないうちに、お渡ししたいものが、えと、あって…
お忙しい中失礼かな…とは思ったのですけれど…」

本当に運がよかったと近づいて息を整えながら思う。
この人に関わる事に関して私はとても幸運なことが多い。

フォーク > 「いや、今日はオフだから気にしなくていいぞ」

戦にお呼びがかからなければ、大体は暇をしているのだ。
だけど同居人にはちょっぴり見栄を張りたい年頃なのである。39歳の男の子。

「そいつはご苦労さんだったな。まあ座れよ、お茶とケーキをご馳走するから食ってけよ」

と、少女に相席するように勧め、近くにいたウェイターにケーキセットを注文するのである。
別々に注文するよりセットの方が割安になることに今気づいた。なぜ自分は別々に注文してしまったのか。
悔いても仕方が無いので、忘れることにする。

「で、何を持ってきてくれたんだい?」

少女が持ってきたものを受け取ろうとした。

アニマ > 「えと…ありがとうございます」

小さく、けれどしっかり礼をして引いてもらった席に座る。
こういう時に断るのはかえって失礼だった…はず…。たぶん
ならおとなしく座っておこう。

「あ、はぃ、これ…お仕事に使われるかなって思って」

手帳に挟んでおいたそれを取り出す。
それはとても上質な紙で、描かれた絵は王都全体を示したもの。
記録として保存しておいたものを記憶だけで模写したのだけれど…
数少ない取柄として映像記録水晶よりも精密にものを書き写したりできるというのがあって…
ずっとお世話になっていたお礼にと少しずつ書いたものがやっと完成した。
それを渡そうとこんな遠くまで歩いてきた。

「あの、どこか違うかもしれませんけど…その、ほとんど…同じの…ハズです…」

少しずつ声が小さくなるのはどうしても抑えられない。
たとえ手帳にそう書いてあったとしても、実際に上手にできているかは
自分自身にはわからないのだから。

フォーク > 少女から貰った紙を開く。
地図だった。王都全体を示す地図だ。どこかで見覚えがある。

「あ……これはボードゲームの」

紙の質と状態が全く違うのでしばしの間気づかなかった。
これはボードゲームの盤に描かれている地図を模写したものだ。しかも男が記憶している限りかなり精密。
男は自分が持っているボロボロの原本と見比べてみる。そして二枚を重ねて、太陽に透かしてみた。
精密どころか原本と重ねても一分の違いもない精巧な写しだった。

「おいおいおい。お前さん、すごい技術を持っているな!」

少女にこのような記憶力と器用さがあるとは思わなかった。
男は少女の頭をぐりぐりと撫でる。

「ありがとうよ。今度から使わせてもらうぜ」

そんなことをしていたらお茶とケーキがやってきた。
少女に食べるよう勧めて。

アニマ > 「えと…その、性格といいますか、記録とか、模写とか、そういうのだったら…
上手に…できるはず…です」

そういう生き物なのだから当たり前だけれど。
なんだかずいぶんと驚いてもらえた様でそれがくすぐったいような気持ちで。

「…よかった。はぃ、また必要になったら声をかけてくださいね?」

ぐりぐりと頭を撫でられながらはにかむ様に笑う。
日記帳にはこうされるのが好きだと書かれていた。
その気持ちが今はよくわかる気がする。

「えと…いただきます」

ケーキを口に運び、その甘さに一瞬手が止めるのと同時に
口の中の幸せな甘さにぼーっとしながら先ほどとはまた違ったとろける様な笑みをこぼす。
ああ、ケーキってこういう味がするんだ…
それがとっても美味しくてつい一生懸命口に運んでしまって。

フォーク > 「ほー、原本じゃとっくに煤けてわからなかった所までバッチリ写されているじゃないか。
 目もいい方なのかい?」

年代が経ちすぎて、擦り切れたり劣化したりで何が描かれているのかさっぱりわからない部分も見事に復元されている。
地図の右上に記されていた小さなエンブレムが鷹だったことなど、すっかりと忘れてしまっていた。

「ははは、じゃあまたこの地図がボロボロになったら新しいのを書いてもらおうか……」

な、と続けた瞬間。男の脳裏に稲妻が落ちた。
古い地図を新しい紙に正確に模写ができるということは……。

(古すぎて何が描かれているかわからない宝の地図を復元できるっちゅうことやんけ!)

くだらないことばかり頭が回る。
男はケーキを食べて至福の笑みを浮かべる少女の方を見た。

「なあ、アニマ。ちょっとここにお座り」

自分の膝に座るように言うのである。

アニマ > 「えと…そんなに悪くは…ないと思います」

普段はそこまで深く情報を取り込もうとはしていないけれど
元々彼女は物を見ているというより記憶を見ている…に近い。
人などはいろいろ邪魔するものが多いので出来ないけれど、
書物や単純物であればやろうと思えば作られた瞬間から今に至るまで
どんなことがあり何が起きたのかすら読み取ることができる。

「大体一度見れば…簡単なものでしたら再現できます…」

身を縮めながら口にする。
”この書類ができて丁度3000時間後の状態を再現しろ”なんて言われても
普通にできてしまうのが彼女の種族だった。
それが当たり前すぎて逆にそれ以外の感覚がつかめないというのもあるのだけれど。

「は、はぃー」

過去の私は言ったことはないようだけれど地味に彼の膝の上に座るのは好きだったようで
その乗り心地を確かめるように少し普通に座るには高い彼のひざ元によじ登るようにして座る。
なるほど…大きくて確かに座りやすい。なんだか安心感がある。
そのまま楽しむように足を少し揺らしながらきょとんと見上げて次の言葉を待ってみる。

フォーク > 「いやあ、驚いた。たいした才能だぜ!」

少女は国一番の金持ちになれる可能性を秘めている。
ただ惜しむらくは、その類い希なる能力の凄さに本人が気づいていないことだ。
ならば誰かがその能力を活用すればいい。活用しつつ少女にも幸せのお裾分けをするのだ。

(だが欲張っちゃいけねえ)

男は幼少期からそれなりに本を読んでいた。欲深な人間は破滅する結末の寓話も腐るほど読んできた。
少女に酷使をさせると、何かしらの禍が起こるだろうと考える。
ここぞという時に少女の能力を借りるのがベストだと帰結した。

「なあ、アニマ。これからも俺を助けてくれよな?」

膝の上に乗った少女の腹を左腕で支える。
そして右手は少女のスカートの中に潜り込んだ。下着の上から秘所をゆっくりと弄ろうとする。
事情はよく知らないが、少女はよく物忘れをする。メモをよく取っているのは物忘れを防止するためだろう。
だから男は、少女の肉体に記憶させようとした。
自分と一緒にいることで味わえる肉の悦び。快楽を少女の体に刷り込んでいくことにした。
女性経験豊富な男だからこそ成せる業だった。

アニマ > 「そう…ですか?えと…ありがとうございます」

彼女にとっては”デフォルト”状態の能力の為、首をかしげながらも褒められることに
くすぐったそうに返す。
それよりも人間のほうがずっとずっと羨ましかったから。
だからこそそれが”特別”という意識は完全に欠損していた。

「ぁ…」

腕の中のそれは途端に体温を上げていく。
たとえ覚えていなくとも、記録していなくとも
そういったものが確かに体のどこかに残っていて…

「ん…ふ、フォ…フォークさんが、そう…ぁ、仰るので、あれ…ばっ」

途端にとろけていく体温と吐息の合間にとぎれとぎれに言葉を返す。
頬は紅潮し、瞳はいつも以上に潤んで見えるかもしれない。

フォーク > 男の無骨な指は、下着の中へと侵入していく。
少女が濡れているのを確認すれば、秘裂への愛撫を行って。
純白のテーブルクロスが目隠しになっているので、周囲からは膝の下で何が起きているかはわからないだろう。

「ああ、俺が困った時で構わないから……な」

女に情を仕込む時は、たっぷりと快楽を与えることである。
肉の快楽は体に深く刻まれるものだ。
肉欲に抗える人間など、そうそう居ないと男は考えていた。

「ちゃんとケーキも食べるんだ……朝の日課みたいにね」

男は少女が食べていたケーキの皿を引き寄せ、左手の中指にクリームをたっぷりとつける。
そして中指を少女の口元へと持っていく。
右中指は、少女の肉豆を探ろうと蠢いていた。

アニマ > 「困った…時、はぁ…です、か?」

内腿を擦り合わせるようにして跳ねそうな体を抑えて
上がる息を抑えようとする。
布越しでも疼いてしまう感覚が直接触れるものになるとより強くなっていく。

「わかり、まし…ぁぁっ」

甘い声を上げそうになるのを咄嗟に抑える。
いくら常識や種としての感覚がおかしい彼女でもこんな場所で甘い声を上げてはいけないと
知識としては理解している。
だから必死に声を抑えようとする。
そうして目の前に翳された手に縋りつくように舌を這わせた。

「ん…ちゅ、はぁ…あま、ぃ、…です」

それで意識を逸らそうとするあまりかえって淫靡な姿になってしまっているのには
全く気が付いていなかった。

フォーク > 「そう、困った時だけでいい。あとはお前さんの自由さ」

男の指が少女の口内粘膜を蹂躙する。
歯茎だけではなく、歯の裏側まで執拗に刺激していった。
粘膜は刺激の強さを弱めれば、性感帯になるのだ。

「わかったか。じゃあご褒美にイカせてやるからな」

肉豆には強い刺激を加えていく。こねくり回すように指を動かした。
公衆の前で羞恥を受けることが少女にどれほどの快楽を与えるかはわからない。
それでも伝わってくる少女の熱は、興奮していることを如実に主張していた。

「これからも頼むぜ、アニマ」

少女が絶頂を迎えるまで、指を動かし続けた。

アニマ > 与えられる愛撫に甘い声を零さないようにただ与えられたものに
「-っ、ぁ、っ、ン…んんっ、んー」

声を押し殺しても、喉の奥から零れる声を押し殺しきれない。
鳥が鳴くような声を小さく、けれど確実に零しながら
貴方の手に縋りつくように手をかけた。
口元は一生懸命舌を這わせるあまり涎が銀色の糸となって滴り落ち
スカートにまるで愛液のようなしみを広げていく。

「ごほう…び?」

とろけた表情であなたに聞き返す。
彼女にとって利用だろうが何だろうがどうでもよかった。
ただ自分が必要と言ってもらえるだけで十分だったから。
それに私はただ記録するだけの道具で、道具として使ってくれるというのだから
なんの異論があろうか。

「は、ぃ、わか…―――――!?」

返事をしようとして気を抜いたのだろうか?
体ががくがくと震え弄る指を強く締め付ける。
目を強くつむっているもののその震えは断続的に続いていく。
それに合わせるようにその手に温かいしぶきがかかり、貴方のひざ元をも濡らしていった。

フォーク > 少女が指を締め付けてきた。
当たり前だが、無垢なように見えても少女の体はしっかりと牝の機能を兼ね備えていた。

「ようしちゃんとイケたな、えらいぞ」

痙攣する少女の体を抱きしめながら、男は頷く。
男の鼻に甘い女の香りが伝わってきた。
愛液で濡れた指を男は舐めて綺麗にすれば、少女を膝から下ろす。

「そろそろ戻るか。風邪を引いちまうだろ?」

少女の股間も、男の膝も濡れている。季節柄放置すれば風邪にかかるかもしれない。
男は勘定よりも少し多めに金を払った。二人がしていることに気づいた人もいるだろう。
そういった意味を込めての慰謝料を含んでのものだった。

(予想以上の出費だったけど、なんとかなりそうだ!)

少女の能力を活かせば、かなり稼げそうだ。
男は少女の尻をぽん、と撫でる。日常的に行われるスキンシップだった。

アニマ > 「は…ぃ…」

ゆっくりと体を相手に預ける。
じんわりとした疲労感があるけれどそれが気持ちがよかった。
これが達するということなのかとどこか他人事のように思う。

「はぃ、…フォークさん」

躊躇いがちに名前を呼ぶ。
記録としてのこの人のことを知っていても、
なんだか大切な何かを間違えてしまっているようなそんな気がして。

「帰ったら…ん、暖かいもの、作りますね?
えと、作れるものでしたらなんでも大丈夫、ですから」

知らないことを沢山教えてくれるこの人にあえたのはやはり幸運だったと思う。
この人が困るとき…そんな時があるのかは正直言ってまだ想像もできないけれど…
その時はできれば恩返しがしたいと思う。

フォーク > 「シチューとかがいいな」

寒い季節はシチューが温まる。
無理にカッコつけてテラス席に座ったのが無謀だった。

「おっと」

家に戻る道すがら、男はくるっと少女の方を向いた。

「言うのを忘れていた。俺は困った時はお前さんに助けてもらうけどよ。
 お前さんも困った時があったら、俺に言えよ?」

ただ頼るだけでは申し訳ない。
男も少女にとってできることがあればやるつもりであった。
そしてまた、帰り道を歩きはじめた。

アニマ > 「シチュー、ですね。はぃ、わかりました」

上がった息を誤魔化すように普通の声を装う。
まるで何事もなかったかのように帰路に就く二人。
その中でどうしても小走りになってしまう彼女に気が付いた男は歩幅を少し緩め
そうして歩幅を合わせて貰える事を少しうれしく思いながら数歩後ろを歩く。
…その道中投げられた言葉につい立ち止まった。

「…はぃっ」

そして花が咲くような無垢な笑顔を浮かべて答え、小走りに男のもとへと走り寄って行く。
まるでその手を繋ぐかのように寄り添って歩きながら確かにその少女は笑顔だった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からフォークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からアニマさんが去りました。