2016/05/28 のログ
■ヘレボルス > 「『そのカラダで』ェ?ああ、そーーだよ」
厭味たらしく言葉を伸ばし、威嚇するように口を開く。
エルフのようにほっそりと長い耳が、悪魔めいた犬歯と相俟って目立つ。
「どっからどう見ても、この僕が真っ当なニンゲンな訳ないだろ?
だから腹ン中のガキも、まともじゃねーんだよ」
声を震わせて気丈な台詞を吐くテルヴェに、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべる。
相手を壁際まで追い詰めんとじりじりと身を寄せ、被さるように上から覗き込む。
「あのなあ、ここに居るのは人間だけじゃねーんだぞ、お坊ちゃんよ。
お前が頑張って頑張って口にした『イイこと』が、案外僕にとっちゃ悪いことだったりすんだぜ」
ギザギザとした歯を噛み締めて笑う。
「ほれ、腹のガキが言う訳だよ、野郎のチンコが欲しい、チンコが欲しいってよ。
なのにお前は、僕のガキをみすみす死なすつもりかァ?」
言うだにめちゃくちゃな屁理屈である。
が、他人の精を搾り取らねば後々の報酬にならないことだけは確実だった。
「オラ、それでもお前は僕を止めんのか?」
ドレスのスリットから露わになった膝が、ゆっくりとテルヴェの両足の間に押し入る。
華奢な内股の間を伝って、股間に押し付けてやろうと膝をするすると持ち上げてゆく。
■テルヴェ > 身なりと膨らんだ腹にばかり目が行って、気づくのが遅れた。この女性は人間ではない。
長い耳からパッと見はエルフに近いが、ぎらりと伸びる犬歯、夜でも鈍い光を湛える蒼い瞳は、こと夜の遭遇においてただのエルフとも違う印象を与える。
ましてや、相手のこの口ぶり……。
「ま、まともじゃない、子供って……まさか、貴女……ま、魔族っ……」
もはや気迫だけでなく物理的な圧力をもって、蛇のごとく全身を締め付けられているような錯覚を受けながら、テルヴェはそう口走り……一度震える舌を止めて唾を飲む。
「……の、魔族の子供が、お腹にいらっしゃるんですか……まさか……」
如何に相手が粗暴であろうと、初対面の女性を確証なく魔族呼ばわりすることもテルヴェの良心が許さなかった。
とっさに頭に浮かんだ次点の解答を述べ、ひとりでそれに納得しかける。そうだ、王都のしかも貴族や王族も住む地区に魔族がいるはずなどない……。
しかし、魔族にも匹敵しようと言う相手の威圧力は本物だ。気弱なテルヴェに逃れる術はない。全身が麻痺したように震え、妊婦のなすがままだ。
そして一方で、相手の発言にも一定の説得力がある。もし腹の中にいるのが魔族の子であれば、人間の精で育つという話もありえなくはない。
この女性も不本意で身を売っているのかもしれない。そう考えれば同情心さえ湧く。いや、それはむしろ親近感にも近いか……?
「……ご、ごめんなさい、お姉さん。僕、そんなつもりで言ったんじゃないです…」
血色の抜けた唇が、今宵遭遇して何度目かのごめんなさいを紡ぐ。実のところ、逃げたい気持ちも優っていた。
「お姉さんの事情、知らなかったから……。
真っ当とかマトモじゃないとかは分かりませんが……お腹のお子さんを死なせたくないってのはホントの気持ちです。
……だから、もう止めませんから……ごめんなさい……」
にじり寄る女性の露出の高いドレスを、お腹と首筋とを交互に見やりながら、懸命に謝罪の言葉を搾り出す。
扇情的で退廃的な肢体を視界の大半にねじ込まれ、テルヴェの顔は真っ赤に染まり、息は荒く湿っていた。
そして……膝の差し込まれる股間の付け根で、厚い布地の内側に何かが膨らみ始め、テントを立ち上げつつあった。
■ヘレボルス > 狼狽えるテルヴェの様子に明らかに嗜虐心を擽られた様子で、イヒッ、と引き攣った笑いを浮かべる。
顔の造形が台無しの、半分キマッているような恍惚さだった。
「なーんだろうなァ、ナニの子どもだか僕には判りゃしないよ。
何しろどこで当たったのかも判らないんだから」
易々と嘘を吐きながら、口づけるほどの距離でテルヴェを嘲り笑う。
肌の上に滲んだ汗の跡が、人間のそれにはない、香油のような甘い香りを立ち上らせてゆく。
まるで媚薬めいた魔性が、さりげなくテルヴェの鼻腔まで届くだろう。
「ふふ……あはッ、はは!ごめんなさいだってよ。怖い犬に絡まれた、早くここから逃げたい、ってツラしてんな。
どうしよっかなァ。逃がしちゃおっかなァ?」
眼下でテルヴェの服の下が膨らみ始めていることに気付きながら、にやにやと焦らすように手を伸ばす。
膝を宛がったまま、白くほっそりとした指がテルヴェの股間へと伸びる。
布地越しに指を絡めて、形を確かめるように。
「……あん?
何だお前、小っさい身体の割に立派なモン持ってんじゃねえか、」
喉の奥から、熱っぽい息が零れる。
「初心なのはポーズか?一丁前に勃ちやがって」
絡めた指をすぼめて、ゆっくりと上下させる。
テルヴェの顔の横の壁に手を突いて、植え付けられた盛りに顔を淡く紅潮させた。
■テルヴェ > 女性の顔に浮かぶイヤらしい笑みに、テルヴェは危うく悲鳴を上げかける。
神経を逆撫でしたわけではなさそうだが、知らず挑発になってしまったことは変わらないようだ。
「……は、はひ、はい……に、逃げたいです……もう遅いし、宿の人も心配して……」
願望を素直に口にするも、それが叶わぬ望みだということはすでに悟っている。
壁ドン状態の拘束から逃れるほど力もなければ素早くもないし、それ以前に脚も腰も震えっぱなしで力が入らない。
……そして、空回りする意志さえも混濁させようとする、妊婦の色香。
間近に迫った唇から吹きかけられるねっとりとした吐息、神経に直接作用して視界を滲ませるほどに立ち上る汗のフェロモン。
怯えきっていた瞳から徐々に震えが除かれ……逆に、眠たげに瞼が臥せっていく。力なく半開きになった唇の端から、涎が雫になって垂れる。
「……はひっ…」
そして、妊婦の細い指が股間に触れると、テルヴェの性徴を感じさせない甲高い嬌声が路地裏に響き、肩がかくんと揺れる。
布地の奥で、小さな身体に比すればやや大きいと推測される怒張が脈打ち、同時にその下についたこれも大きめの袋がもっちりとした感触を伝える。
接触に呼応するように、テルヴェの身体からも青臭い雄のフェロモンがほのかに発散され始める。
「…り、立派なんかじゃ、ないですぅ……比べたことないけど……っあ……あああ……」
ズボン越しに指で肉棒を撫でられると、それに同調するようにテルヴェの肩が上下し、荒く湿った息が吐かれる。
すぐにカウパーの酸っぱい匂いが、テントの突端から漂い始める。
テルヴェはもはや逃げる意志を口に出すこともなく、女性の抱擁と愛撫に身を委ねていた。
魔性の術にかかりつつあるのかもしれないが、彼女のなすがままになるのが彼女のためになるのではという直感が働いたのもあった。
そういう献身的な直感にテルヴェは逆らえない。
■ヘレボルス > 「富裕地区歩いてりゃ、宿に心配掛けず帰れるとでも思ったか?
残念だったな、僕が居るとこはどこでもキケンだ」
とろりとしたテルヴェの顔を前に、唇を小さく舐める。
手の中の昂ぶりが充血してゆくことを察して、低い女の声が囁いた。
「何だよ、ちゃんと硬くなってやがる。
宿に帰る前にスッキリしてけよ、僕ァ優しいんだ。
ほら……とっとと服脱げ。下だけでいいから」
脱げと言いながらも、脱がしに掛かっているのはヘレボルスの方だった。
テルヴェの前に跪き、服に手を掛け、下肢を露わにする。
普段はなだらかな胸が、今ばかりは張りのある膨らみを作っている。
テルヴェの眼下で、自然な谷間が柔らかく揺れる。
「僕が全部済ましてやるからよ。脱いだら地べたに寝転がっちまえ」
顔の高さが逆転し、テルヴェを見上げる瞳が粘っこく潤んだ。
■テルヴェ > 女性の言うとおりだ。この「まれびとの国」には、たとえ王都とて、完全に安心して気を抜ける場所などない。
彼女は自分をキケンと言うが、この遭遇に命の危険がないだけマシといえよう。
……もちろん、この剣呑な女性の気をこれからも損ねなければの話であるが。
そして今やテルヴェは緊張を通り越して夢見心地だ。
目の前の女性の一挙手一投足を赤い瞳で追い、美しさに生唾を飲む。前の客のだろうか、汚れた液体が乾きつつあるのがひどく目につく。
「……っ、あ……やだ、恥ずかしい、です……」
脱げと言われ反射的に手がズボンにかかろうとするが、テルヴェのトロくさい動きにヘレボルスさんが先手を取った。
相手の為すがままに厚手のズボン(鎧のインナーを兼ねる)を脱がされ、下半身が露出する。夜風が亀頭に当たり、全身に鳥肌が走る。
その肌は白く、冒険者らしくはない。半被りの肉棒はびんと天を衝き、その先端だけがほんのりと紅に染まっている。
血管の浮きも少なく、テクスチャだけ見れば無垢そのものだが、大きさは彼の幼い体躯からすれば充分に大きく、中ほどにかけてもっちりと太っている。
そしてサーモンピンクの頭頂部の穴からはトクトクと大量の先走りを垂れ流し、愛撫を待ちわびるように頭を振る。
「……うう、お姉さぁん……ごめんなさい……お姉さんが、その、キレイで、いい匂いで……僕……」
今度のごめんなさいは、自らの現状を客観視しての不甲斐なさから来たものだ。まぁ彼にとっては慣れた感情ではあるが。
自らの性器と目の高さを合わせるようにしゃがんだ女性を見下ろすと、やむを得ず胸の谷間に焦点が合う。
玉の汗がきらめくつややかな双丘、間に深く刻まれた谷間……その奥に、前の客から巻き上げたものであろう貨幣が挟まっているのも見て取れる。
柔らかそうな肉に埋もれたお金たちを羨ましいなあと思いつつも、自らも同様にむしり取られるのではないかという不安がよぎるが、誘惑には勝てない。
妊婦の言葉にしたがい、はだけたお尻を路地裏の冷たい地面につけ、無防備に肢体を投げ出す。
「……お、お願い、します……」
とろんと半開きになった瞳でまっすぐ女性を見上げながら、懇願する。
■ヘレボルス > 「僕をいい気分にさせてくれたら、『こいつ』ちょっとやるよ。
どうぜあぶく銭だ」
胸元に挟んだ紙幣の一枚を、指先に挟んでひらひらと見せつけて笑う。
露わになった肉付きのよい性器を目の前にして、その眼差しがごく一瞬甘くとろける。
「お前、そんなへなちょこでよく夜中に街ン中歩けるな。
女みてえなツラして、くっせえの垂れ流しやがって」
小馬鹿にしたような笑み。
舌や唇が肉棒に触れそうな距離を保ったまま、吐息が相手の亀頭を擽る。
「ビビりすぎて、目ん玉も曇っちまってるみてーだな。
僕がキレイだとは、随分と夜目が利かないらしい」
言葉のとおりに素直に地面に身体を乗り出したテルヴェに、四つん這いで歩み寄る。
跨いで馬乗りの格好になり、スリットからドレスの裾を丸ごと持ち上げて下半身を晒す。
見るからに子どもを宿した身体の、下腹部までふっくらとした白い腹。
触られてもいない女性器の割れ目がしっとりと濡れて、透明な愛液を滲ませていた。
肥大した陰核と思われたものは、よくよく見れば小さな男根そのものだ。
包皮を捲り上げて充血し、ひくひくと震えている。
しなやかな男女の身体が綯い交ぜになった、両性具有の肢体だった。
自ら手で支えたテルヴェの亀頭を、膣の入口に擦り付ける。
互いの体液がねちねちと絡み合いながら、亀頭が肉の襞を柔らかく掻き乱した。
「……途中でへし折れたら、ぶっ飛ばすぞ」
それこそ萎えてしまいそうな脅しと共に、男根を自身の内側へゆっくり呑み込む。
湯に浸したかのような熱が、テルヴェの亀頭を、竿を包み込んでゆく。
たくし上げたドレスの裾を胸元で抑える手が、ぴくりと震えた。
「ん……う、……」
■テルヴェ > 「……えっ?」
相手女性の申し出にテルヴェは目を丸くし、素っ頓狂な声をあげる。
金を取るならともかく、やる、などと……。彼女があぶく銭と言う額でもテルヴェには大事なお小遣い。もちろん条件付きだが。
自信があるわけでもないが、実のところ相手を「いい気分」にさせられなければ自分の命の危機もありえる以上、おなじこと。
そして、間髪入れずに自らの逸物に物言いが入れば、また一粒涙が伝う。
「……ほ、本当のことですよぅ。お姉さん、白い肌で、腕も細くて、とてもキレイで……。
でも、さっき僕を引っ張った力とか、あとそのしゃべり方とかは、やっぱりちょっとこわい……かも……」
雌の吐息に敏感な亀頭を舐められながら、テルヴェは精一杯の悪態で反論する。嘘は苦手だ。
相手の、どこか男性めいて引き締まったところのあるシルエットには違和感も感じる。腹が張っていればなおさら。
しかしその歪さがミステリアスさを帯び、魅力を増しているように感じた。……実のところ、これもテルヴェに植え付けられた根源的性癖ゆえなのかもしれない。
自らに覆いかぶさらんとドレスをたくし上げる妊婦。丸々と膨らんだお腹は、その中に新たな生命が息づいていることを生々しい質量で感じさせる。
そしてその下には、潤いを湛え艶めかしくきらめく女性器……と、男性器?
「なっ……なに、その……えと、えと……クリ……っあああ!!」
顎を引き懸命にその異物の正体を追おうとしたが、腰が降り、自らの肉棒が丸呑みされる方が早かった。
暖かい粘膜が自らのアンテナに触れ、ぬちぬちと水音を立てながら掻き分け侵入していく感覚を、鼓膜と骨伝導の両方で味わう。
愛液が接合部から溢れ、それと一緒に自らの性器が溶けて流出していくような錯覚を覚え、無意識に腰に力がこもり突き上げてしまう。
「あっ!! あ!? や、柔らかっ……あ……なに、これっ、重っ……!」
長めの肉棒を最奥まで突き入れれば、腹腔の中程から重力で下がってきた子宮……胎児の棲家の質量をも自らの竿で受け止めることになる。
コリコリとした子宮口の弾力だけではない。別の生物が中にいて、膣とは別の反応を返す。
今まで感じたことのない未知の感触に戸惑い、かくかくと腰を上下させ、その感覚から逃げようとあがく。
テルヴェの全身は紅潮を増しつつ乱雑にわななき、全身から脂汗が滲んで初夏の夜の路地裏に靄をかける。
■ヘレボルス > 「はん、喋り方がコワいって?悪いなァ、こればっかりはお育ちが悪くてどうにもなんねーのさ。
見た目はいくらでも誤魔化しが利くけどよ……それに多少は腕っ節がなくちゃ、この街では生きていけない」
どこか作り物のような、異質さを湛えた身体。
宵闇でおぼろげに隠されているのをいいことに、すべては語らない。
「気にすんな。
腹が膨れてよーが、イチモツ生えてよーが、今はそのちんこ一本でモノ考えてりゃいいんだよ」
テルヴェを呑んだ腰を震わせて、地面に手を突く。
元のヘレボルスが持つ膣の肉壁と、子宮から伸びる尋常ならざる魔物の柔らかな繊毛とが、
別の意志を持った生き物のようにテルヴェの男根に巻き付き、収縮し、上下する。
「う……ふふ、そんな顔……されたら、立てなくなるまで虐めたくなっちまうなァ」
語る言葉は平静を装っているが、声には紛れもない甘さが籠もっていた。
「全部……もらってやんよ。いくらでも、出して……くれていい」
ドレスの布地ごと腹を手で支えながら、徐に腰を上下させる。
子宮を丸ごと乗っ取ったような魔物の肌が、ヘレボルスの動きに反して不規則にテルヴェへと吸い付く。
目の前のヘレボルスは単純な動きばかりを繰り返しているというのに、
胎内では無数の凹凸が蠢動して、テルヴェの性感を執拗に煽った。
■テルヴェ > 「あ゛っ!? はひゃっ、ひっ!! 変っ、何か、おなか、変っ……っあああ!」
彼女の発言どおり、テルヴェの思考は徐々に削がれ、機能を失いつつあった。陰茎を襲う未知で苛烈な感覚が脊髄を駆け抜け、脳幹を揺さぶる。
目を見開き、ルビーのような瞳で焦点を漂わせながら懸命に女性の裸体を追う。息がつまり、突き出した舌先から涎の雫が糸を引いて飛散する。
妊婦の膨張した腹の中で自らの媚神経がいかなる責めにあっているか、テルヴェには残酷なまでにリアルに理解でき、伝わる。そういう身体なのだ。
本来女性の胎内にはないはずの器官が触手を伸ばし、亀頭に絡みつき、しごき、搾り立てる。その繊毛の一本一本の蠢きまでもが脳内に響く。
もしやこれは胎内の赤ん坊のせいなのか。ヒトの精を吸って成長すると彼女が言っていた、これがその正体なのか。
それを証明するかのように、膨らんだ腹の中で激しく何かが蠢いている……今にもその白い肌を突き破らんばかりに。恐ろしくも妖艶で、目が離せない。
膣のぬめりや蠢きも常人の比ではない。これはまさに魔の快楽、魔族の性交。テルヴェにとっては人間のそれよりも馴染みのある……。
「らめっ! お姉さんっ! お姉しゃんっ!! 僕っ……出……出るぅっ!!」
全くの無経験というわけでもないが、それにもまして早漏体質のテルヴェ。この人外の責めにはひとたまりもない。
白目を剥き、がくがくっと2つ腰を揺さぶったあと、まるで感電したかのように尻を締め、目いっぱいに力を込めて腰を天へと突き上げる。
同時に魔性の粘膜に籠絡された肉棒の突端から、熱く粘っこい液体がぼぴゅっ、ぼぴゅっと断続的に噴出した。射精である。
大量の粘液が尿道を通り抜けられるように無意識的に骨盤を開き、腰を突き上げた姿勢のまま、精液を女性の胎内へと注ぎ込んでいく。
その射精は何十秒、いや1分を経過しても勢いは失われず、ポンプめいて肉棒を拡縮させながら一定量の白濁液を絶えず吐き出し続ける。
「おっ……お姉さぁん……お姉さぁん……っ!! 気持ちいいっ、気持ちいいですっ……!」
猫めいた、おおよそ男性らしくもない艶めいた声で喘ぎ、快感を訴える少年。
乳房を狙ったのか膨らんだ腹を狙ったのかは分からないが、両手をゆらゆらと相手に向かって突き出し、細い指で宙を掻く。
■ヘレボルス > 全身を突き上げる疼きに背を震わせながら、気取られまいとして息を深く吐く。
身体を支える内股が強張って力が入るのを抑えきれずに、テルヴェの腰を柔く挟み込む形になる。
全部自分でやってやると言い切ったくせ、屹立する男根が動かないことへ、もどかしげに腰を振る。
今さら動けと乞う訳にもゆかず、自然と腰の動きを速めることとなった。
身体が揺す振られるたび、堪えて顰めた顔から蕩けた声が切れ切れに零れる。
「う……あ、だめ、や……だめだ、忘れろ。あ、……あッ、あ。こんなの、や、僕じゃ、な……!」
テルヴェが絶頂に腰を突き上げると同時、あ、と短い悲鳴を上げて背を緩く反らす。
同時に、充血した陰核に似た男性器から、透明な体液がぽつぽつとテルヴェの腹へ滴り落ちる。
注ぎ込まれた精液を呑んだ腹が、ぐびりと大きく身じろぎした。
多量に吐き出されたはずの精液は、身重とはいえ限りある腹の容積に対して、異様なほど底なしに呑み込まれてゆく。
身を重ねる前からは想像もつかない艶を孕んだヘレボルスの顔が、うっとりとテルヴェを見下ろした。
「は……ふふ。はあ……だめだ、とんだ拾いもんだ。こんな……だめだって、こんな……」
射精がようやく終わろうとする頃、力なく背を丸めながら、テルヴェの手を取る。
自分の胸元へ導いて、ドレスの隙間へ忍ばせる。
挟み込んだ紙幣の数枚がはらりと落ちるのも構わずに、ふわふわとした乳房に宛がった。
夜気に冷えた肌に、テルヴェの体温が心地よい。
「……それでェ?このスゴいやつは、まだまだ出るのか?」
淫靡な悪魔が獲物に縋るように、未だ熱の冷めやらぬ膣で肉棒を呑んだまま、腰をぐりぐりと揺らめかせた。
■テルヴェ > 股間のノズルから絶え間なく吐き出し続ける精液の濁流。
亀頭を絡め取る異形の存在が、精を体外へと漏らさず飲み干していくのを、テルヴェも感じ取っていた。
まるでフェラチオ、ディープスロートのように。きっと胎の中の胎児に吸収されているのだろう。
……懐かしい感覚だった。僕は以前にもこういうふうに、魔の仔に精を与え、栄養を補い、味を覚えさせ、強大な魔族として産まれるよう……。
「っ……あはっ……はは……かわいい……」
精を吐き出し続ける脈動、痺れにも似た鈍重な快楽に脳を溶かしながら、テルヴェは無意識のうちにそう口走り、顔をほころばせた。
それは、自らに跨って痴態を晒し、顔を染め、喘ぎ、妖艶に微笑む女性に向けて発したのか。
それとも、胎内で精を貪り元気に蠢く魔の子供に向けて放った、一種の母性か。
テルヴェ自身にもわからず、自らの紡いだ生意気な言葉にはっとなって唇を結ぶも、どこか狂気を孕んで崩れた笑顔はなかなか戻らない。
「……い、今の言葉……忘れて……。
……うう、お姉さん、ごめんなさぁい……僕っ……まだ、出そうで……お腹、苦しかったら、離れて……っ……」
潤む瞳で見上げながら、先ほどと同じ弱々しい声で同じように謝罪の言葉を紡ぐ。そのたびに泡混じりの唾液が頬をつたう。
一旦射精は止まったものの、肉棒の硬さは失われないどころかさらに反りを増しているようにも感じられるだろう。
そして妊婦の体の下では胎内の肉棒とシンクロして、少年の下腹部、さらには睾丸までもが同様に脈打っている。
シャツや女性のふたなり棒に隠れがちではあるが、臍の下に刻まれた刺青もまた同様に紅く光っている。
女性に促されるままにテルヴェの手が乳房に触れれば、肉棒はびくんと一つ大きく脈打ち、子宮口を撫で、先端から先走りを潮吹きのごとく吹いた。
か細い四肢の女子に組み敷かれ、力なく震えながら体液を垂れ流すテルヴェの姿は、まさに捕食者のための獲物そのもの。
■ヘレボルス > かわいい、という呟きが、どこか遠いもののように思われた。
「あん……?」
咎めるような調子はそれ以上出てこなかった。
力なく問い返したきり、息をついて半眼でテルヴェを見下ろす。
「何言ってんだ、出したもんほとんど呑み込んじまったのが見えたろ……。
苦しかねーんだ、ちっとも……」
腹を満たすほどの精液が、跡形もなく消え失せたかのように。
白濁の体液で粘膜のように滑る膣は、なお精を欲して止まないらしかった。
咥え込んだ男根の硬さと形状とを刻み込むよう、下腹部に力を込めて柔らかく締め上げる。
「……いいか。お前が出すもん、僕が全部もらってやる。
その代わり、今日の僕の姿は金輪際、綺麗さっぱり忘れろ。
こんなの……こんなの、腹の魔物が見せるマボロシだ。
宿の人間にも、他の誰にも……絶対言うなよ。絶っっ対、にだ……」
言いながら、再び腰を持ち上げる――亀頭が入口まで抜かれたところで、また腰を下ろす。
その繰り返し。じわじわと、枯れるまで搾り取らんとするような上下動。
静寂が支配する路地裏に、小さな嬌声がいつまでも続く。
やがて互いに精根尽き果てるまで何度も交わったのちには、
小遣いとするには少々多い金額が、テルヴェの手に握らされることになる。
そうして夜が明けるのを忌むように、黒いドレスの女は名も明かさぬまま富裕地区から去ってゆく。
ご案内:「王都マグメール富裕地区/路地裏」からヘレボルスさんが去りました。
■テルヴェ > 「マボロシ……」
女性の言葉を反芻する。
自らもこうやってなし崩し的に性交へと持ち込まれた時、特に魔族が相手の時、ある時点から意識に靄がかかったように感じる。
その時の事を思い出しても同様に霧で霞んだ記憶しか引っ張り出せない。
いまこうして名も知らぬ妊婦に組み敷かれ、正気を疑う異常性交をしていることも、きっと明日には夢の中の出来事と同列にしか思い出せなくなる。それがわかる。
僕はいままで何回、何百回、こういう経験をしてきたのだろうか。不安がよぎる。魔族の軛から離れたあとも変わらぬ運命を惰性でたどり続けているのでは。
でも。
「……大丈夫、です……。忘れます、から。
僕は、お姉さんが……お姉さんの、子供が、気持ちいいのなら……僕の精が役に立ったのなら、それでいいです……」
未だに若干の狂気を含んだ、けれど無垢さの面影も残る笑みを浮かべ、応える。
たとえどんな形であろうと、人のためになれたなら、テルヴェはそれが幸せなのだ。たとえそれが魔のモノの利となることであっても……。
自らのイドに深く根を張った奉仕精神、それこそがテルヴェの生きがいなのだ。
「……っは!! あああっ! っおおおお!!」
妊婦のグラインドが始まると、その笑みも崩れ、抑え気味の喘ぎ声が再び喉を突き上げ始める。
……。
…。
雌の汗の匂いが染みこんだ紙幣を手に、夢見心地のテルヴェが平民地区の宿へと戻ったのは未明のことだった。
手や腰に残る柔らかな感触を思い出しながら、テルヴェはそのまま眠りについた。
ご案内:「王都マグメール富裕地区/路地裏」からテルヴェさんが去りました。