2023/02/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/住宅街」にダインさんが現れました。
ダイン > (人通りのほとんどない、閑静な住宅街。
貴族や一部の裕福な商人達が住むその一角で、魔術により金髪碧眼、細身の男に化けて、暗闇に溶け込む濃い紺色の上下の服を着て歩いていた)

「ここは、魔術による防犯がされてねぇことは昼間の仕事で確認したからな。
今日はここに入らせて貰うか」

(貴族の邸宅、魔術的な防御のないそこは昼間に庭師としての仕事で、一週間前に入った屋敷。
ここには令嬢と夫人、使用人のレベルも高いのがいたので、楽しめるだろうと、消音の魔術と軽身の魔術を使い、まずは塀を上っていく)

「見回りもなし、か。まぁ、これくらいの貴族の家ならそんなもんかね」

(音もなく庭へと侵入していき、窓へと近づいていく。
そして気配を探り、誰もいないことを窓を覗いて確認してから消音の魔法で音を消し、鍵開けの魔法で鍵を開けて中へと入っていく。
ここまではトラブルもなく予定通り、後は獲物になる女を探すだけと窓を閉めて鍵をかけてから扉へと向かい、外の様子を窺い誰もいないことを確認してから廊下へと出る)

ダイン > (暗い屋敷の中を暗視の魔術で暗闇でも見えるようにして、消音の魔法を足元だけの範囲で調整して足音を消す。
そうやって屋敷の中をゆっくりと探索し、目当てのモノ、もしくはそれがいるっぽい部屋を探して歩いていく。
どうやら夜は完全に真っ暗になる屋敷らしいのも、こちらにとっては好都合で。
流石に独り言をつぶやくわけにもいかず、ただ淡々と屋敷内を探索していき、獲物を見つけるまでその探索行は続いていった……)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/住宅街」からダインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にマージョリーさんが現れました。
マージョリー > 薄曇りの空の下、休日の昼下がり。
屋敷の裏手、使用人たちが出入りする通用口をそっと開けて、
庭へと姿を見せたのは、この屋敷の『お嬢さま』だった。

とある事件に巻き込まれてから数日、この娘にしては、
ひどく落ち込んで、大人しくしていたものだが、
所詮、しおらしい態度など長く続く筈も無く。
しばらくは外へ出ることまかりならぬ、と長兄に命じられ、
はぁい、と素直に応じたものの―――――

「庭は良いわよね、庭は。
 外、じゃないもの、ここだって家の中だわ」

呟きながら芝生の上を、軽やかな足取りで。
ただの散策ならば堂々と、正面玄関を潜れば良いものを、
裏口から出てきたあたりが、もう怪しいと言えなくもない。
その足の向かう先が、常緑樹の影が色濃い、敷地の外れであればなおのこと。
―――――そちらの方にはやはり、使用人たちしかほとんど使わない、
古びた小さな門がある筈だった。
もちろん、普段はそちらも錠が降ろされているけれど。

「……あそこの鍵、随分前からぐらついてるのよね」

また、ちいさな独り言。
ちょっとした庭の散策だけのつもりとは、とても思えない発言だった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にダインさんが現れました。
ダイン > (がちゃり、と裏口の方から扉が開く音が聞こえて首を傾げる。
今日はこの邸宅で庭木の手入れ、特に比較的樹木が密集して生えている敷地の外れを任されていた。
今日は腰まである長い白髪に豊かな髭の生えた、碧眼の顔に変身の魔法で変わっていた)

「なんだぁ、こっちの方に人が来るなんて珍しいな? ん、あれはこの館の御嬢さんじゃなかったか? 暫く前から部屋に押し込められていたって聞いたが何をしてるんだ?」

(何をしに出てきたのかはわからないものの、周りを見回せば自分以外には誰もおらず。これはチャンスかも知れねぇ、と思えば樹の陰に隠れるようにして少女の動向を窺いながら、そういえばこちらから館の外に出られる裏口があって、近くに小さいながらも庭の手入れ道具などを保管する小屋があったなと位置関係を頭の中に想う壁始める)

マージョリー > 屋敷の規模、伯爵家の家格、それらを維持しているのだから、
雇い入れている使用人の数も、もちろんそれなりに多い。
娘が生まれる前から働いている者も居れば、臨時雇いの者も居る。

基本的に、娘が彼らの顔や名前を、積極的に憶えることは無かった。
彼らの名など知らずとも命令はできるのだし、それ以外に用など無い。
常時、複数の使用人たちに囲まれた暮らしが娘の日常であったし、
ことさらに彼らの目を意識することも無かった。

だから、今も。
庭師と思しき男の姿など、見えたとしても気にもしなかったろう。
隠れて向けられた視線になど、当然気づく筈も無く。
ドレスの肩に羽織った、薄手のストールをそっと掻き合わせ、
吹き抜けるひんやりとした風に、もしかしたら一雨来るかもしれない、などと、
のんきな思考を巡らせながら。
鬱蒼と生い茂る木々の間を抜け、裏門を目指す。
―――――もう、ここまで来れば、恐らく。
屋敷の方からは娘の姿も、それを追う男の姿も、見咎められないだろう。

ダイン > <<場所移動します>>
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からダインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からマージョリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > 富裕層の商店地区
商店――といっても食物や書物を扱う区画ではない。扱うものはサービス―――つまりは風俗。酒と女と色だ。
とはいえ娼婦街のようなシンプルな平民地区貧民地区にあるようなものではなく高級な酒屋やダンスホールや一見社交的なロビーで貴族や王族が談笑をしているだけ――のように一見見える
しかしそこで酒や果物を運ぶのはすべて商品。メイド服やスリットの深いドレスに身を包んだ女達はその王族や貴族、富豪商人達の持ち込んだ商品であり、宝石や文字通り『物々交換』で買われていく


「…まあ、俺があんまし言っていい言葉じゃねえが――狂ってるな」

下卑たいやらしい視線を彼らはもっていない。色狂いのようには見えない。ただただ、それを――人を芸術品。壺や絵画のように取引をする。
まるで自分たち以外の――その女達は人間じゃないかのように、だ
こんな事は筋違いだ。堕天使や魔族を狩る自分とてもっと残虐に相手を殺し騙し貶め殺しているのだから、彼らのそれを避難する権利など少年には無い。

無い――のだが

「まあ、胸糞は悪いな」

いつもの紺色の軍服に身を包んだまま吐き捨てる。
とはいえ、自分はあくまで警護のフリをした下見だ。
表向きは王族様の警護の見回り。下っ端らしい名前も顔も知られない仕事。
少年にとっては普段入り込めないこういう貴族の場所にはいりこんだ魔族や堕天使を探れる。――本来はもうする必要もないことではあるがそこはそれ

――少年はそういうことには忠実なのだ

「こうやって飽きたものを捨てて交換してとっかえひっかえするのが楽しいもんなのかね、人間ってのは」

周囲の気配の"違和感"に注意しながらもそうそう、そんな事件はおきない。だからこそ、警護見張りは難しいのだが
少年はやる気のなさそうな仕草でふらふらと――気をつけるべき箇所を探していく

グラスシエル > "商品"の交換の話をしはじめた依頼主の王族に背を向けて少し歩く。あくまでここの安全と自分の"獲物"がいない事を確認したので移動を広げるだけだ。他意はない。王族と楽しげに交渉する商人の後ろにそれぞれ目を閉じてたっている女が"商品"である事に少年は興味はない。

彼女たちは取引が無事終われば交換され以後は健やかに"商品"として生きる
その生活はきっと貧民層よりは何百倍もマシで清潔できれいな部屋と水と食料がありそれに困ることはないだろう
それはある意味とても安全で幸せなことだ。
自分のように他人の命を奪い幸せを奪い取って生きるようなバケモノが口を出していい話でもないし――そこに怒りや憤りを覚えるようなバケモノならばまず自身が地獄に落ちるべきだ。

「……はっ、身勝手で傲慢なのは人間も俺もかわんねえな」

室外に出て、冷えた空気で頭を冷やす。苛立つような嫌悪感と――同時に湧き上がる自己嫌悪をその空気で冷やしつつ、ゆっくりを庭を歩いて行って。
周囲は特に何もなし――いつも通りの平和でなにごともない時間だ

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からグラスシエルさんが去りました。