2022/12/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 雪の降る夜。
富裕地区の一角にある高級レストランの前に馬車が停められており、その傍には二人の人影。
馬車に背を向ける形で立っているのは、黒いシルクハットにロングコート姿、ステッキを携えた紳士然とした佇まいの初老の男性。
その向かいに立つのは、ミッドナイトブルーのシルクハットとマントを身に着けた長身の男。
マントの前方から覗く同色の燕尾服は隙なく着こなされ、ハットの下に伸びる整えられた金髪は、
男の動きに合わせてさらりと揺れる。
目深に被られたハットとモノクルで人相は伺いにくいが、気品漂うその佇まいは見るものに
この男が貴族であることを疑わせないだろう。
二人は何事か言葉を交わしているが、貴族同士の会話であればこの富裕地区では日常の光景であり、訝しむものなどはいない。
金髪の男は初老の男性から馬車に乗るよう勧められたようだが、口元に笑みを浮かべたまま辞するように掌を前方に向けてみせる。
男性は小さく肩をすくめて笑うと、馬車に乗り込みその場を去ってゆき。金髪の男は脱帽し、頭を下げてそれを見送る。
やがてゆっくりと頭を上げれば、その涼やかな碧い双眸を覆うようにハットを被り直し、
馬車が去った方とは逆方向にむかって静かに歩き出す。
綺麗に整備された富裕地区の路地には今は薄っすらと雪が積もり、男の足跡をぽつぽつと残してゆく。
人気のない場所を一人歩くその姿もまた気品に溢れ、ある種ミステリアスな雰囲気さえ漂わせる。
(……ふー疲れた。あーいう場所のメシは美味いは美味いが如何せん堅っ苦しいんだよなぁ)
……こんなことを考えているなど、おくびにも出さず。
この男が、普段は平民地区を中心に活動している無駄に陽気な冒険者・エレイと同一人物であるということは、
おそらく男をよく知る者でも気づくまい。……否、よく知るからこそ逆に気づきにくい可能性まであるだろう。
余談だが、富裕地区に稀に現れるこの男の存在は”正体不明の謎の紳士”として住人たちの一部で噂になっているとかいないとか。
■エレイ > そのまま、男の姿は雪景色の向こうへ遠ざかり──
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にウィンさんが現れました。
■ウィン > まだ日の高い時間帯の富裕地区の一角にある大き目の屋敷。
そこではパーティーが行われているのか屋敷からは賑やかな音楽が聞こえている。
そんな屋敷の門の付近、屋敷に雇われている警備兵に混じるようにいる冒険者。
そのうちの一人として参加をしては門の外の壁に背を預けて。
「後どれぐらいだっけ?え……終わるまで?それって契約と違ってない…?」
貴族の屋敷に踏み入ろうという物好きなどそうはいないが念のためと雇われている今。
朝から行われている宴はいまだに終わる様子を見せず。
近くにいた警備兵に聞けば終わるまで、契約とは違うが文句を言いに行くことも出来ずにボヤくだけ。
一応食事は出るので文句はないのだが……。
「もっといい外套、用意すればよかった」
そう言っては纏う外套を引き寄せ、寒くなりだした今では少々薄いと言える外套を纏い。
この依頼が終われば良い物を買おうと考え、早く終わればと空を見上げて。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からウィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 とある屋敷会場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > 会場入りした時 一瞬ザワめいたこの年ではもう幾つしかないだろう社交会場の一つ
其処に、婚約者や妻を伴う貴族らの他 友人を連れて歩く者もいる中でメイラが幾人かの武勇に秀でた者らと共に
その会場へと入った後で、これは起こった。
戦餓鬼 王の狂犬 意思は全て一つに注がれるメイラが、この社交界に入った。
それは気まぐれ 友人の誘い ともあれ、今の現状で空いた時間の一時と言えど
会場の中へとヒールの音 黒虎の毛皮のストール 大陸の刺繍と造りを用いたロングスリットドレス姿
今まで何度かは目にしたことのある者は珍しいと口ずさみ 貢献的な行為や武勇の無い肥え豚貴族は舌を打つ。
ともあれ機会と何らかの切っ掛けが交差したことで、こうしてメイラは顔見知り
又は騎士になりたての者などから声を掛けられながら、露出している肩からグローブに掛けての肌
傷や筋肉の凹凸などが見え隠れするそれ
晒された太ももから足首もまた同じように、ナイフやフォーク以上の物品を携えたことがない令嬢らとは違う足。
ギザ歯の三日月の笑みで、きびきびとあいさつを交わしてくる若手の騎士や剣を携える付き人らと終えると
どこかの一人用のソファに腰を落とし、手元の小さな盃に満ちる微発砲の甘いワインを口にするだろうか。
「久しぶりにきたけれど、香水と豚小屋の糞の匂いが以前より強烈ですわ。」
誰かと話をするとき、眉を顰めてそう口ずさむ。
しかし、若手のまだ清い剣の持ち手と話すとき、少しは気分が禊がれているらしい
口だけであり、左程不機嫌ではない様子で時折会話や酒精に興じているだろうか。