2022/04/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 地下Bar 黒鍵」にアウル・リブライアンさんが現れました。
アウル・リブライアン > 平民地区とは違う、静かな時間が流れる趣味や一部の客層
受け入れる幅が少ないように思える、そんな酒場にて。

扉に触れれば、少しだけ鍵盤の音色が聞こえるだろうか
譜面に正確でも、譜面に対する感情が希薄な音色が店内に響く。

音の膨らみではなく、鍵盤を正確なタイミングで叩いているだけのような。
そんな機械的な音色は、譜面に忠実で 譜面に誠実で どこか物足りないような。

だからだろうか、時折弾き鳴らされる 奏者は見えない誰か
造り物のような人の形などが弾く音は
こうして鳴っている間、耳が満足することがないからこそ
何度も聞いていられる。

アウル・リブライアンもまた、同じ理由で、テーブル席にて林檎の蒸留酒を片手に
器用にもその右手は削り出しにされた杢目色が見える
木製の義手の掌が、薄く開いたかのようなまま。
そこにグラスの底や淵を通わせて、きれいに支えて
口に時折、唇と舌を濡らす程度に傾ける。

左手のまだ生きている五指は、テーブルに置かれた持ち込んでいる書物か。
パラリとページを捲る速度は遅め。
酒精と音楽が流れている時間の中で、アウルは一人の時間を満喫しているかのよう。

アウル・リブライアン > やがて夜は更けていき
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 地下Bar 黒鍵」からアウル・リブライアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にキルノーさんが現れました。
キルノー > 夜の更けてきた富裕地区。春先というのもあり人々は表に出てくる。殆ど裸の奴隷や娼婦らも
凍える事がなくなり、しれっと出てくる事もあるだろうと思ったがこの時間では流石に誰も
既に豪華な部屋の中にいた。何時でも人通りのない所へ現れる女は、2階、もしくは3階の豪奢な建物の
窓から見えるうっすらとした光を静かに眺めていた。

「…今日は神聖都市を歩く程、足は乗り気じゃなかったわね…」

いつも通り何も考えずに歩き回った末にたどり着いたのがこの人通りの無い道。
今日は仕事もあったからなのだろうか。ぼんやりと歩いた先は都市部を離れる事は無かった。

「…」

自らの信仰の為に戦う(そして負ける)殊勝な聖職者も、見ないふりをしてる欲望のるつぼには
流石に来ないだろうなと思いながら持て余した足で石畳をコツコツと叩いていた

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にテレジアさんが現れました。
テレジア > 「ようやく見つけたわ、キルノー」

その時、背後から女魔族を呼び留める声。振り向けば、変装魔法で角や翼は隠しているものの、女魔族も知っている魔族がそこに立っているだろう。

「探しに来た理由は分かってるでしょ?はぁ…全く、貴女にも困ったものね」

彼女、テレジアは魔族の国の軍人であり、つまりはキルノーの同僚である。そして、キルノーが抜け出た分の仕事をやっていた女である。
余りに仕事が多いため、流石に呼び戻すよう自身の部下に探させていたのだが、全く見つからず。自ら王国に潜入してようやく、こうして会えたのだ。

「いくらこの王国の警備がザルでも、王都どころか神聖都市にまで訪れるのは正気じゃないわよ…」

そんなことをしているせいで部下も見つけられず、自分が出る羽目になったのだと呆れ顔で肩をすくめる。

キルノー > 聞き覚えのある。というよりも常日頃聞いている声が耳に飛び込んでくる。
女は振り返った。その表情は何処かがっかりしたような下がる切れ長の目が彼女を見る

「テレジアね…」
「私に用事があってアナタが出張ったって事は制空戦闘まで持ち込んだのね珍しく」

女は、くるりと身体を向けると重力に全く逆らわない黒髪が町の照明に照らされ
流れるように光ると。また女の足元に落ちた。

「問題無いわ。砦の兵士ならともかく政治家も兵士も【下半身の槍】で戦うのに忙しいから」
「羨ましいわね、私もあやかりたいわよ」

テレジア > 「そうね、お陰でてんてこ舞いだからせめて本来貴女にしか処理できない書類の山を片付けにきてくれないかしら?」

彼女の切れ長の目に、紫の瞳がジト目を返す。苛立たし気に腕組みして、二の腕をとんとんと指で叩いている。

「そうやって油断してたら、たまにいる強い聖騎士とかエクソシストとかに見つかって討伐されちゃうわよ?」

この国は乱れ切ってはいるが、王がいつまでも決まらないにも関わらず、それでも魔族の国やシェンヤン帝国に呑み込まれない程度には奮戦している。
テレジアも、王国の強い戦士といえば何人か思い浮かぶし、魔族を多数討伐している騎士や聖職者、冒険者の類がいる噂も聞いたことがある。

「ま、休暇はお終いよ。とりあえず明日には王国を出てもらうわ」

逃げないように見張ってるから、と付け加えるテレジア。

キルノー > 「海蝕洞上の城塞にシージビーストを置いたりするから、私とテレジアが出張る事になるのよ」
「北の辺境のシージビーストは足が小さくてあんな起伏の激しい場所踏破出来ないのよ」
「大体攻城戦特化の魔物を防空の城塞防衛に置くなんてどうかしてるわ」
「恩赦は追加で出るんでしょうね、私とテレジアに」

ついてくる彼女にぶつぶつと愚痴を言いながら、明りの灯る窓の数々を眺めて歩く。

「意外と何とかなるのよ、それで何とかなったじゃない私もテレジアも」
そんな事を言いながら、最初は距離を置いていた彼女に徐々に近づくと
お互いの肩をすり合わせる。

「羨ましいわねホントに…沼地の魔物より醜い貴族が美しい娘を抱けるなんて」
「私に待ってるのは安い魔性の臭いがキツいインクで書かれた紙束だけなのに」

そう言いつつ、目の前の彼女にスリスリと肩をすり合わせている。

テレジア > 「きっと決めた奴は肩書は魔王でも頭の出来はオークなのよ。生憎、出るとしても貴女の欲しい休暇じゃなくて報酬金の上乗せでしょうね。私は嬉しいけど」

愚痴に愚痴を返す。
金が貰えるのはテレジアの趣味的には嬉しいのだが、使う暇が無さそうだ。

「そんなに人間の女が抱きたいなら戦場で姫騎士とか捕まえなさいよ。少なくとも魔物ぶつければ実力はわかるし」

まぁ、並大抵の騎士とか冒険者に負ける気がしないのは自分も彼女もだろうが。
だが、たまにただの人間とは思えないほどに強いのがいるのも事実ではあるし、そういうのにいきなり街で遭遇するより戦場で遭遇するほうがまだ実力を推し量れる。テレジアはそう思うのだが…。

「……何、今日は魔族の女を抱きたい気分なの?」

肩を摺り寄せてくるキルノーに、呆れたように声をかけ。

キルノー > 「だから私は300年前の西方諸国議会で【世襲は良くない】って何度も言ったのよ」
「アナタだって見てたでしょ。北西の山岳奪還の報奨金と採掘できる資源につられて
何も言わないからそうなるんじゃない」

愚痴が止まらない。しかし、彼女に身を寄せていると、それもある程度収まっていく。

「……綺麗なら種族は別に関係無いわ」
歩きながら彼女の肩に頭を持たれかけながら、彼女の乳房をスリスリと撫でている。

「そういえばこの前あげた服着た?私がサキュバスの会合で貰った奴っ」
何かと思えばよこしてきた、黒革で出来た前後みぞおちまで脚繰りのある
レオタードの服の事を言っていた