2021/05/11 のログ
ルヴィエラ > 「―――――向こうで?
確かに、商売、という枠組みであれば十分可能だろうねぇ。
けれど、其れは質の悪い奴隷商売のような物だ。
そも、態々娼婦を金で買うよりも、力尽くで奪って飼い慣らすのが主流なのでね。」

(金稼ぎ、という物を主に重要視するのであれば、其の通りだ
されど、此方で行っている娼館の「遣り方」が、向こうで同じ様に通用する訳ではない
種族性、風習、文化の違い――要因は様々有れど、兎にも角にも
己が選んだ土地が、魔族の領土ではなく人間側の領土である理由は、存在する。)

「――私は、私と、私の子達の居場所を作っているだけでね。
ハイブラゼールでは少々手狭になって仕舞った、だから王都に、という訳だ。
――心配要らぬよ、ハイブラゼールでの責任者は私だが
王都での責任者は、あくまで私の信頼する娘の一人――人間なのでね。」

(無論――娼館を王都で運営していくに当たり、外回りを担当しているのは己では有るが
登記上の責任者は、カーナ・エルメインと言う女性の名が、記載されている
無論虚偽ではない、実在の責任者だ。)

「――無論、商いに人脈は必要だ。 特に私のような者が此処に居座るからにはね。
其れを危険と判断するかどうかは、全てそちらに委ねられている。
……ちなみに、一部の騎士たちも上客に成りつつ有るがね?」

(――言わなくて良いことを敢えて言うのは、悪い癖かも知れない
だが、その事実を敢えて伝えて見せながら、伏せていた手札を切って行く様を見せるのだ

己の存在も、娼館の存在も、どう判断されるか危うい立ち位置なのは間違いない
だが、それでも――ハイブラゼールにおいても、王都においても、其の存在に今の所
悪評らしい悪評、というものは立っていない筈だ)。

サロメ >  
「貴殿と、その眷属の居場所は私達、人間達の国に在る、と」

その口振りからもう彼が魔族であることは肯定しているようなもの
忌み嫌われる加護の土地、人間の国に居場所を求める魔族もいる、というのは…皮肉なものだ

「…知りつつ客となっているのか、何も知らずのうちかによっても話は変わる、が…」

やれやれ、と肩を竦めて見せる
射抜くようだった視線はやや落ち着いたものに
警戒するようだった声色も多少、和らいだ

「貴殿の言葉すべてを信用するわけにはいかない。
 しかし、これまで私の耳に貴殿やその店の名が届いていないのは揺るぎない事実だ。
 どこかで情報が止められているにしろ…悪評ならば必ず煙は立つ」

「さりとて何も危惧しない、というわけにもいかない立場だ。
 貴殿の在り方はともあれ…より高位の、例えば魔王からの指示で国を内部から切り崩す。
 そんな事態が起こらないという保証はないだろう」

それとも、人間の国を居場所であると宣うこの魔族は
例え魔王の命であろうとそれに背き、己の居場所を求め守り通すのか…

ルヴィエラ > 「そうだね。 少なくとも私はそう考えている。
魔族の領土では、今居る全ての子供達の無事は保証できない。
勿論、この国に、この大陸に居たとて絶対の保証など在りはしないが…。」

(だが、其れでも選んだという事だ。
再び、肩を竦めて見せながら、ローブへと手を掛ける
其の儘では少々みすぼらしくも見えただろう服装を不意、ぞわりと影に変えては
次の刹那には、まるで貴族めいた燕尾服へと変えて、改めて女に一礼を向け。)

「―――私が考えるのは只、私と、私の子供達の事だけ。
そう言っても、言葉だけで証明をするのは中々に難しいのは確かだがね。
まだ、此方側でやらねばならない事は多い。 けれど、もし私の娼館が上手く軌道に乗るなら
王都の娼館については、完全に娘達へと任せたって構わないのだよ。」

(――魔族を裏切っているつもりなど毛頭ない。 だが、積極的に加担するつもりもない
人間が魔族に蹂躙され、大陸の勢力図が変わってしまった其の時に
自らの、娼館の従業員達が、安全に過ごせる保証こそ、何処にもないのだ。
故に、個人的な立場だけを告げるならば一つ――眺め見守る立場でしか無い、と。)

「………私の娘達は、中には腕の立つ子も居るが、兵士ではない。
それに、娼婦という仕事を与えられなければ、生きて行けなかった娘も居る
全員が全員、私の眷属という訳ではないのだ。 だが、其れも含めて、「私の娘」、なのだからね。」

サロメ >  
「では、例え魔王の命が下ろうと加担することはない、と」

魔族としての立場如何以上に大事なものがある、ということ
自らの娘、いうなれば家族を第一に考える様は、言葉に信を置くならば
この腐りきった国の一部の人間よりも遥かに人間らしい、とすら言えるだろう

「僅かなれど憂いを断つならば、ここで貴殿を討っておくべきなのだろうな」

魔剣の柄にその手を滑らせる

「が、今の話を聞いてはそれが出来よう筈もない。
 貴殿の話を全て信じたわけでもないが、今日貴殿と出会い、言葉を交わしたのは第七師団の甲冑も着ていないただの女だ。
 ……と、いうことにでもしておこうか」

甘い、だろうか
考え過ぎても仕方ないこともある、少々疲れたように肩を竦め、身を翻して

「…術式は解呪しておくように。こんな場所にそうそう人が来るだろうとは思わないが」

ルヴィエラ > 「少なくとも、私が加担して益に為る事は何もない。
ハイブラゼールの娼館も、此方の娼館も、言わば私の家だ。
家を潰されてしまいかねない事を、するはずがない、だろう?」

(少なくとも私は、家を優先するだろうねぇ、と。
告げて、そして、相手が柄に手を載せた其の瞬間も、術式は発動させなかった。
――其の場から此方に攻撃を加える手段なぞ、幾らでも持っていそうな相手だ
斬り捨てる機会なぞ、この会話の中で幾度となく有っただろう
故に――再び柄から掌が離れれば、ふ、と口元に弧を描いた後

隠匿を解き、術式を顕にした後で。 それらを一つずつ、指を鳴らして解除して行こう。
ちなみに、其の中身は、拘束、封印、催淫と、使い魔の召喚。
まるで相手の弱みを、確り把握しているかのような内容だったが。)

「―――最悪、強引に「説得」させて貰おうかとも思っていたがね。
思った以上に話が通じた物だから、つい真面目な会話をして仕舞った。
……では、見逃してくれる礼に、ひとつだけ。」

(ぱちり、最後に一つ指を鳴らすと
次の瞬間、踵を返した女の眼前から、ぽとん、と其の胸元に落下する物一つ
手に取るなら、黒い、蛇が巻き付いた様な意匠の指輪がある筈で。)


「私は夜魔、淫魔、そう呼ばれる者だが、娼館主で有り商売人だ。
何か力になれる事も在るだろう――特に、ハイブラゼールでならばね。
不必要なら壊してくれれば其れでいいが、用件が有れば、気軽に話しかけてくれ給え。」

サロメ >  
「生憎、魔術の類での籠絡は幾らも経験済みでな。
 それに私の剣も鼻が効く、無謀な説得に及ばなかったことは貴殿の命を助けただろうな」

対魔族特化師団とも言われる第七師団の長を継ぎこそしたが、だからといって魔族にとっての殺戮者とはならない
前団長であれば兎も角であり、生きていたら不満も顕にするだろう、が──

「(今はいい。人間を殺し敵対する魔族を殲滅する。優先順位は何も変わらない)」

ひとつだけ、と言葉をかけられ、去ろうとした足を止めて振り返る

「…インキュバスか。催淫の術式が伺えたのも、娼館の主というのも頷ける、──これは?」

胸元に落ちる小さな物体
掌に受け止めてみればそれは黒い蛇の意匠の凝らされた指輪だった

「魔族殺しの集団の長に淫魔が協力してくれる、と?
 ふ…対価を考えるとすえ恐ろしい話でもあるが──頂いておこう」

少々悪趣味な指輪だ、指につけるわけにはいかんな、と零し、それを受け取ると改めて一瞥し、歩みを進め…
酒の席から思わぬ遭遇と対話だったが、王都にも娼館が存在するならば…腐敗した王侯貴族の腹の中など探れるものもあるかもしれない

「……ああ、害をなすというのも淫魔としての話ならば…」

「──その、殺す程に吸わないようにはするんだな。それくらいなら出来るだろう」

足を止め、それだけを言い残して灰髪の騎士は路地を後にするだろう

ルヴィエラ > 「経験が有るからこそ、其処に付け込む術も又多いという事だ
私のような者にとっては、特段にね。」

(淫魔であるが故に、そう言った記憶や経験から揺さぶる事も出来る
相手が、強みであると思っていることが、必ずしもそうでないと言う事は
ひとつ、忠言めいて伝えられる事だろう。

そうして、此方から半ば送りつけたに等しい指輪を、相手は壊さない
身に付ける事こそしないまでも、所持する意志を感じたなら
己もまた、ふわ、と其の背後に、人一人分は飲み込めそうな、影の扉を開いて見せ。)

「長である君との繋がりが得られるなら、私としては願ったりだ。
対価については、其の時々、金銭でも、援助でも此方の益になるなら構わないが
――今、君が想像したような対価ならば、喜んで力になろうじゃないか。」

(勿論、殺しはしないさ、と。 戯言のようにその後姿へ返したなら。
己もまた、影の中へと身を投げて、其の向こうへと消え去る

――扉が閉じる刹那、少々遠くの方から
「次は是非、葡萄酒でも」等という声が、女へと届いたかも知れず)。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区・酒場」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区・酒場」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュクスさんが現れました。
リュクス > 縁あって隣人になったのだから、是非お茶に招きたい。

そんな誘いを無碍に断るのもはばかられ、相手の屋敷を訪ねたが、
平民の住まう長屋ではあるまいし、隣と言っても互いを隔てる敷地は広く、
父の時代には居なかった、古馴染みでもない屋敷の主に対しては、
初めから、警戒を解くなど無理な話だった。

やたらに金をかけたと言わんばかりの応接間で、気を抜けば沈み込みそうなソファに座り、
主はただいま別の客人の相手をしているので、先にお茶を、と告げられた時、
警戒心のレベルは更に跳ね上がった。

表面上は笑顔で、供されたティーカップを手に取ったものの、
口はつけずに――――――いた、筈が。

数分後、抗えぬ脱力感に苛まれ、己は三人ほども座れそうなソファの上で、
ぐったりと身を横たえ、泥のような眠りに落ちていた。

部屋の片隅にさり気無く置かれた香炉の中で、密かに焚かれた香木の煙。
それが原因であることは明らかで、――――――気づかず眠りこけてしまった己の運命は、
この場をセッティングした誰か、あるいは、それを命じた誰かの手の内にある。

リュクス > ――――――――ふ、と、閉じた瞼が震え、開く。

何らかの手違いがあったのか、それとも怖気づいたのか。
寝惚け眼で起き上がり、見回す視界に映るのは、
冷え切ったティーカップと、成金趣味の家具調度。

ふぁ、と小さく欠伸をして、傍らに置いていたステッキと帽子を取り、
ややふらつき気味に立ち上がると、目指すのは扉ではなく、テラスへ続く窓辺。
此方の方向へ、庭を突っ切れば自宅へ戻れる。
あとで詫び状のひとつも届ければ良いだろうと、今はともかく、
此処から立ち去ることを優先し――――――――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリュクスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にレイさんが現れました。
レイ > 日も暮れ街頭には魔法の明かりが灯り始めた時間帯。
本来ならば帰るべき屋敷とは逆に平民地区へと向かって歩く。
肩には小さな背嚢を背負い最低限の荷物を持って。

「よく考えれば屋敷に戻るよりあっちで宿をとった方が早いよね。
なんで気が付かなかったんだよ…」

毎日の移動距離を考えればギルドの近くに部屋を用意すれば合理的。
それに気が付けば家族の反対を押し切り屋敷を後にして今に至り。
ギルドの近くに部屋が見つかるかは不明だが、どこかで宿はとれるだろうと軽く考えて道を歩いて。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からレイさんが去りました。