2020/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にルーミスさんが現れました。
■ルーミス > 「あー……肩が凝る…」
すぐそこの貴族の豪邸で一仕事終えた錬金術士。
強張った肩を揉みほぐしながら、大きなため息をついていた。
それもこれも、明らかに女色に塗れてそうな依頼主が悪い。
伸びてくる手を適当にいなしながら、どうにか商談を終えてさっさと邸宅を後にしたのがついさっき。
馴染みの酒場に行くのもいいが、一旦休んで行こうと思いレンガ通り脇の長椅子に座っている。
「……思い出したらまたイライラしてきた」
忘れろ忘れろ、と自分に念仏を唱える。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にブルートさんが現れました。
■ブルート > すこし暖かくなってきたかな。
商談帰りの道は風が心地よく、陰気な雰囲気を少しはさらってくれそうだ。
だとしても鼻歌をうたうような稚気もない女はというと、先程からどうすべきかを逡巡する。
何も預かり知らぬ相手だ。わざわざ関わることがあるものか。いや然し。
「あの、もし。 ……何か、お困りですか? もしくは、嫌なことがあったとか」
最低限残っていた社会性は、結果、遠目に眺めていた女性に心配の言を告げるに行き当たる。
少し距離空けた正面、身の丈を超える長い棒を肥沃な胸と間に挟んでしゃがみこみ、
きづかわしげに問いかける。話してすっきりすることもある……筈だ。秘密を抱えている身だからそう思った。
■ルーミス > そっとかけられた声に、ふと顔を上げると、正面に女性の姿が見えた。
知らない顔だが、身の丈に合わない随分と長い棒が目立つ。それを挟み込んだ豊かな胸元も。
「あぁ、いや。……心配かけちまったんなら悪い。ちょっと嫌な事があってさ…」
思わず苦笑を浮かべ、かぶりを振る。とはいえ折角声をかけてくれた相手を無碍に扱うわけにもいかないだろうと、少し辺りを見渡した。
「所詮は仕事の愚痴でしかないけどね。ま、それでも話を聞いてくれるってんなら座りなよ」
隣のスペースをぽん、と片手で叩き促す。
■ブルート > どうしよう。初対面の女にいきなり話しかけられて、かえって機嫌を悪くしやしないだろうか…
気位、という言葉が連想される立派な家屋が居並地区なのに、自分のような卑しい訪い人に。
なんて懸念は彼女の仕草を見ると払拭されて、こちらも安堵したように表情を崩す。
「あ…はい、ありがとうございます! …ありがとうございます?
聞き上手かはすこし自信はないですけど……もしあなたの肩がすこしでも軽くなるなら」
立ち上がる。たゆりと乳房が揺れた。棒を一切地面につけずに取り扱い、
スカートに気を使いながら、静かにとなりに腰を落ち着けた。
棒は肩に寝かせるように抱える。護身用なんです、と苦笑して。
失礼にならないように彼女の格好を確かめた。生業をそこから確かめることはできなかったが。
「わたしの名前は、ブルート・ロート、と言います。こっちも、商談帰りで。
ええと……職人さん、ですか?」
■ルーミス > この辺りのご立派な家屋には確かに気位の高い人ばかりが住んでいるが、生憎と自分には何の関係もない。せいぜいが仕事での付き合いというだけだ。
彼女の懸念が読み取れたなら、そう言い訳したかもしれないが一介の錬金術士にそんなことができるはずもなく…
「ん……つっても、別になんて事ない話だぜ。仕事ですぐそこの豪邸に行ったら、家主から手を出されそうになった、ってだけの話」
動く度に揺れる乳房が目を引く。隣に座ったのを確かめると足を組み替えた。
服装は、チューブトップのような露出の激しい衣装にケープのようなものを軽く羽織った姿。
そして、彼女にも負けじと豊かな乳房が見えるだろう。
「私の名前はルーミス。ルーミス・リーデンハイム。
仕事は…まぁ、錬金術士かな。便利な道具を作って、客に提供してる」
■ブルート > 「あー……。 なるほど。
そうなっちゃいますよね。ルーミスさん、わたしから見ても、魅力的だから」
彼女の愚痴は、いわゆる"あるある話"である。女の身であれば、貴族相手ならばとみに、経験をするものだ。
ぎらぎらした欲望と権力の粘着質な光。思わずぶるりと身を震わせた。
覗く血色、肌色、肉付き。確かめるように見てしまったので、少し頬を染めて顔を反らす。
「そうするのが当たり前みたいに……こっちのことをお構いなしに"女である"ということだけを見てくるみたいな……。
ちょっとこう、……悲しくなっちゃいますよね。 こわくなかったですか?」
彼女は技、術で身を立てている、そこに矜持や自信が見えたし、それを踏みにじられた苦しさもあるのかも、なんて。
自分がそうなった時の印象を思い起こしつつ、彼女の顔を見た。自分は怖かった。
■ルーミス > 「どうも。あの男に言われるよりずっと嬉しいね」
不自由なく暮らしている貴族だからこそ、ご馳走へ貪欲に手を伸ばしてしまうのだろう。
粘着質な眼差しや下卑た声を思い起こすと、はぁ、とまたため息が溢れた。
頬を染めていることに気づくと、不思議そうに首を傾ぐ。
「怖くはなかった。…怖いというより、腹が立った、つか。ぶん殴りたくなったけど、一応客だから程々に躱してな」
視線が此方に向いたので、つられるように此方も彼女の顔を見る。自然と見つめ合う形になった。
こうしてみると綺麗な顔立ちだ、とふと気づく。
■ブルート > 「がまん、したんですね。 偉いなあ……わたしなら、多分怖くなっちゃって、冷静じゃいられない。
嫌われたら、なんか嫌な噂も流されそうですし……難しいですよね。
………ね、なんて貴族様だったんですか? 今後の参考に……」
腕っぷしで豪放には暮らせまい。彼女の理性と知性に胸を打たれて、なおさら彼女が魅力的に映る。
強く美しいひと。錬金術師様。
貴族の名をそれとなく聞き出そうとしながらも、興味は既に彼女に移っていた。
「かわりに殴っていいですよ、とはいえないけど……なにかぶつけたいものがあったら、
受け止めたり、聞いたりはできますか、ら……あ、あの、ルーミスさ…ん?」
視線がかち合った。眼鏡の奥、蒼く透き通った瞳はぱちくりとまばたき。
知った風な口を叩き始めていたことに遅れて気づきつつ、
黒曜石のような透き通った瞳から視線を反らせず、頬は更に赤くなった。
胸の下で組んだ指が、所在なさげにもきもきと動いていた。
■ルーミス > 「怖くなるのが普通だと思うぜ。私みたいなのが異例なだけで。
……んー、まぁこの辺での取引相手はあの男だけじゃないし、下手に噂流されると厄介だからな…」
そして貴族の名を聞かれれば、特に変に思うでもなくあっさりと教えた。
確か彼女もこの辺りで仕事をしているようだし、教えておくことで損はないだろ、という思考。
「いや、こうして話聞いてもらえるだけで十分。吐き出したらスッキリした。───あ、いや。悪い」
暫し見つめ合っていたが、ハッとして少し慌てて目を逸らす。
彼女には負けるが、頰を少しだけ染めて。誤魔化すように片手で自分の前髪を弄った。
■ブルート > 「ルーミスさんみたいにそうやって大人でいられたらなぁ、っておもいますよ。
……あ、あの人なんだ……ちょうどいいですね。 うん……。
で、でも、だめですよ! しょうがないなって受け入れるようなことしたら…絶対エスカレートするんですから…」
ここらへんでやっていくためには、なんて折れる彼女を想像すると、
少し心配になってしまった。そんな風になる彼女は見たくない。なんて。
「い、いや、あはは。…綺麗、ですよね、ルーミスさんって。瞳も、その髪も。
ちょ、ちょっとドキドキしちゃった……かな!とか……
……あっ、そうだ。 私の依頼って、受けてくれます?
お薬とか、つくってほしいなーって……だめ、ですかね?」
なんかちょっと変な雰囲気になってしまいそうなので、しどろもどろと視線をさまよわせてから
貴族でもない自分が依頼できる相場なのかもわからないのだった。
言ってから後悔する形になったので、少しこわごわと、目をそらした彼女の顔をうかがう。
■ルーミス > 「……ん、ちょうどいい?」
ちょっと気になる言い方だが、深くは問わない。
心配してくれる彼女に、大丈夫、と片手を振って笑っていた。
今はそうでもないが、短気な昔の自分だったら間違いなく手が出ていたに違いない。
「ま、程々にかわしながら頑張るさ。度を超えたら、手が出ちまうかもだけど…」
しどろもどろになっている彼女を横目に、此方も誤魔化すように小さく咳払い。
「…ブルートだって、綺麗だと思うぜ。瞳の色とか、その銀の髪とか。肌も白くて」
「……ん、依頼か。構わないよ。どんな薬を作って欲しい?」
さておき依頼となれば、こわごわしている相手とは対照的にあっさりオッケーを出す。
身分を問わず、この錬金術士はどんな依頼でも引き受けるのだ。
■ブルート > 「うん。それなら良かったです。でも、たぶん大丈夫ですから。
私も、そういうことがあったら、ちゃんとできるようにならないと……」
下卑た男の欲望に、彼女が晒され、そのししむらに邪欲が這うなど、あってはならぬことのような気がして。
つい興奮してしまった。同時に胸を撫で降ろし、変にとくとくと高鳴ってるのがわかる。
変な花粉でも吸ったかな、と、続く言葉には更に困惑する。深入りしない問いには当然答えなかった。
「えっ…あ、そ、そんなことない、ですよ。 ……だ、だめですって。
ルーミスさん、そういうこというと、変な勘違いされますよ…?」
自分の胸を抱き――質量が強調される形になるが、腕を掌でさすりながら。
彼女の凛々しさとどこかある気高さで褒められれば、思わぬように"転んで"しまいそうだった。
風が涼しく感じる。顔が熱いせいだ。
「あ、あのっ。そう、ですね……、こう、…においがしなくなる香水、とか。
ですかね。その、暖かくなると、汗とかかくし……? 普段からにおいがしてるわけじゃないですけど…っ」
■ルーミス > 「手を出してこない、紳士的な客と取引をするってのが一番なんだけどな」
そういう人がここにいるかというと…いるのかもしれないが、割合的には少ないだろう。
そして少なくとも、この錬金術士の客の中には紳士はいない。
「……誰にでもこういうこと言うわけじゃねーよ。
……ブルートは、言われると勘違いしちまうタイプってこと…?」
胸を抱くと、殊更強調される彼女の胸元に目がいく。のは、この雰囲気からして仕方ない。
依頼については、わかった、と一度頷いて受領したことを示す。値段として口にした金額は、平民でも普通に払える程度のものだった。
「消臭の香水……。確かに、ぼちぼち暑くなってくる頃だもんな。なるべく多めに作っておくか」
■ブルート > 「え?」
受け取った言葉を咀嚼するのに若干時間がかかり、ぱちぱちと目を瞬かせる。
いやいやそんな、ちょっと声をかけてきただけの女にそのような、
聞きようによっては甘やかな言葉をささやく者がいるはずもない……まして女同士。
思わずかき抱いた胸が更にフェティッシュな変形をする羽目になっtなおも、無意識だ。
「あっ、あのっ、……ち、ちが……あの……。
……かっ、勘違いしたって言ったらどうするんですか……! 責任とってくれるんですか……っ」
一旦どくどくと鐘を鳴らし始めた心臓を、すぐに止めるのは今は無理だ。
視線。声が胸を騒がせ、彼女のてのひらの感触が気になるような勘違い。
実際してしまったのだ。いよいよ赤くなって、焦燥のままに口をひらく。汗をかいてしまう、かも。
「さっそく必要になってきた感じが、します……。 うん、それなら、
たくさん、買います、……あ、でも、小分けに買ったほうがいいですね。
ぼちぼち会えるほうが、お話も……じゃなくて……」
ああもう、と首を横に振る。貞操観念が強固なわけではないが、くらついてしまうのは初夏の熱のせいだろうか。
■ルーミス > 見ていた彼女の乳房が、その身を抱くような仕草に合わせて変形する。
それも淫靡に見えるのは場の雰囲気に当てられているせいか否か。
何せ長椅子で隣同士に腰掛けているため、距離は近い。もう少し距離を詰めれば多分お互いの身が触れ合うくらいだ。
「……責任は取るよ。だって、ブルートに勘違いさせたのは私だし」
見るからに動揺して、焦燥してそうな彼女を見つめながらの言葉。
言ってしまってから微かに頰を染めたが、どうする?というように首を傾いだ。
相対して見つめ合い、勘違いの是非を問う。
「小分けに買ってくれてもいいぜ。多分、これっきりで作り終えるってことはなさそうだし」