2019/03/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 楽しげな演奏のリズムに合わせて、身なりの良い子供達が踊っている。
今日は、公園で、とある楽団の青空演奏会が開かれている。
金稼ぎではなく、名を売るための演奏ということで、聞くのはタダ。
そんな文句に釣られて、男はその演奏会に来ていた。
ベンチに座り、近くの喫茶店で買ったコーヒーを飲みながら。
「……♪♪♪」
周りの邪魔にならない様、演奏されている曲を口ずさみつつ、指で節を取って遊んでみる。
テンポの早い曲に合わせて踊るように指を動かせば、何だか楽しくなってくる。
指だけの動きはやがて手首ごとの動きになり、やがて二の腕全体を動かす指揮者のような動きになる。
「ふんふんふーん」
周囲から見れば、迷惑ではないにしろ目立つ動きだが、男は気にしていない。
――気にしていないと言うよりは、楽しむのに夢中で気づいていない感じだが。
■クレス・ローベルク > 「っと」
ついには足まで動きそうになった所で、ようやく自分がおかしな挙動をしていた事に気付く。
いけないいけないと思いつつ、自制して、再び指だけを動かす踊りに戻る。
他に意識を逸らすために、周りを見渡す。
「誰か俺と同じような事してる人、いるかな?」
今日の演奏は質がいい。
音が踊るように弾み、誘うように響いてくる。
こんな演奏に釣られてしまう、お調子者がいないか、と。
■クレス・ローベルク > 流石に、自分と同じお調子者は居なかった。
何だか見て回るのも飽きてきたし、再び音楽に意識を傾ける。
――足が、また踊り出す。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/屋敷裏口」にカインさんが現れました。
■カイン > とある貴族の屋敷の裏門。富裕層の集う地区の一角にしては小さめの路地に面した場所に陣取るその場所に、
短めの槍を片手に腰に剣を履いた大柄な男が突っ立っている。
門を跨いだ先から聞こえるのは、宴も闌といった様子の喧騒である。
それを横目に見ながらだらしなく突いた槍に寄りかかれば自然と嘆息が漏れる。
「全く、ここに居るのは結構なリスクなんだがなあ。
弱みを握られてるってのは困りもんだな」
その屋敷の持ち主の貴族とは随分古い付き合いになる。貧民地区の娼館にお忍びで来ていたのを、
悪さして叩きのめしてできた縁だがあれよあれよと口車に乗せられて偶に護衛を引き受ける間柄だ。
今日は大事な賓客が訪れるとかで駆り出されたのだが…
「魔族を徹底的に排斥唱えてる様な連中を呼ぶ宴に俺を使うなよ、っと。
別にバレる要素はないとは言えバレたら面倒臭いことこの上ない」
ぼやいて視線を表通りに向けると賓客として迎えられていた一部の騎士達が去っていく所である。
直接の知り合いに心当たりはないが、かと言ってリスクも冒す必要もないと裏手に回ってきたのがつい先程。
賓客の案内に笑顔を振りまく必要のなくなったことに安堵の息を吐きながら体を伸ばす。
傍から見ると完全に衛兵がサボって気を抜いている図である。
■カイン > 「しかしこの手の正装ってのは動きにくくていけないな。
騎士とかはこんな格好が常で良く戦えるもんだ」
元より甲冑を身にまとっての戦い方などが元来性に合わない手合である。
自分の豪奢な、言い換えれば余計な飾りのついた衣装を見下ろした後、
遠目に見える恐らく護衛だろう甲冑姿の騎士の姿を遠く見送りながら不思議そうな声が漏れる。
勿論町中で見る騎士達が常にその様な格好ではないのはよく知っているのだが。
「このに衣装引っ掛けて賊を取り逃がしたなんて笑い話があったら、
クレーム入れてやる。…そろそろ終わりじゃあるようだが」
気がつけば宴の音もかなり遠く、客足が去っていくのが裏門からも気配でわかる。
メインの賓客がいの一番に帰った後は好きに離れていいと言われて居る以上、
もう仕事としては終わって居るのだがこのまま根城に戻るのも何となく憚られ手持ち無沙汰の様子で衛兵を続け。