2019/03/08 のログ
■イリーナ > 「ん、んんっ?」
待つ間、流れる音楽に紅いブーツのつま先でフロアを軽く叩く。
やがて首が小さく縦に揺れてノリのいい音楽に耳を傾けていたのだが。
「そうねぇ、この店は初めてだけど――こういうのもたまには悪くないかもね。
あなたは? 楽しんでる?」
くる、と体をフロアのほうへとむけ両肘はカウンターの上。
体をカウンターへと預けながら声をかけてきた相手を見る。
手にもったグラスと続いた言葉には頬を緩めながら小さく頷き。
「えぇ、よろこんで。 こういう場所ですもの、出会いは大切に、ね?」
と、背中側から差し出されるグラス。
苦みが強いが、その分香りも強いカクテルを右手で受け取りながら相手に差し向けようか。
「何に乾杯しましょうかしら……今夜の出会いに?」
あまりいい言葉が思いつかず、その場のノリでそう口にしてみるが。
■イスラ > 「 お陰様で。…とはいぇ、心行くまで…とは。まだ言えなぃな。
ほら、得てして独り身だと…肩身の狭さを感じる物だ。取り分け盛り場といぅ所は。」
(だろう?と、視線で示して見せる。ホールで踊る若者達は、大概、男女…その他の組み合わせも有るだろうが、多くはカップルだのアベックだの呼ばれるペア。
彼等、彼女等の熱狂と――その内に燻る欲望の気配が。物理的な熱気をすら生み、地下ホールを満たしている。
お陰で店内は少々汗ばみそうな程の体感温度。軽く拡げてみせた掌で、首元辺りを扇いでみせる)
「 出会いを祝すのは大歓迎だ。最初の一杯は是非、それで。
――先ずは貴女と出会えた事と、言葉を交わせる事とに、感謝を込めて。」
(二つのグラスがぶつかる澄んだ音。彼女も自分のグラスを受け取った所で、乾杯。
此方は、酒精と糖分の含有量を、出来得る限り突き詰めたかのような。アルコール混じりのシロップも斯くやな一口に舌鼓。
グラス半分干した所で。改めて、彼女の瞳に目を向けて。軽く首を傾げる素振り)
「 …と言っても。出会ぃはあくまで切っ掛けだ。それが良き出逢ぃと言ぇるか否かは――――
もぅ少し。深く互ぃを知ってから、判断させて貰ぃたい……どぅだい?
貴女の事を、是非とも、教ぇて貰ぇればと思ぅんだ。」
(どういう、意味で。と。それはきっと、言う迄もないだろう。
言葉以上に解り易く、行動で示してみせるから――手を取って。その甲への口付けを)
■イリーナ > 「……あぁ」
最初は疑問に、だが続いた言葉と相手の視線を追いかければ納得、とばかりに頷こう。
「なるほど。 たしかに、ひどい熱にあてられそうね?」
インナーの首元を指先でつまみ、身体を冷やすように引いて空気を。
むわりと、汗でこもった臭いが一瞬でてしまう。
相手の仕草をみれば参っちゃうわよね。なんて笑ってみせて。
「えぇ、この出会いに――それにしても、随分と……」
最後は言葉を濁しながらグラスを合わせる。
きざったい、とは言いにくい。 ひょっとしたらお忍びでいらっしゃってるお方ということもあるからだ。
「なにかしら。」
一口、苦みですぅと潤った口から息を吐いて視線を受け止める。
続いた言葉には少し驚いて目がきょとん、と呆けたが。
「誘い方も、キザなのね?」
だが、それも様になっているのだから悪い気はしないのだ。
相手の耳元に顔を寄せながら。
「期待していいのよね? 王子様……」
ふぅ、と小さく熱のこもった吐息をふきかけながらお誘いに応じるだろうか。
■イスラ > 「 勿論、解った上で来てぃるのだけど、それだとしても。
人一人に受け止められる物といぅのは。得てして、決して多くはなぃものだから。
うかうかしてぃると、この熱を受け容れきれずに、内側からどうにかなってしまぃそぅ…なんて、ね。」
(誰とて、熱狂に酔いたい時はある物だ。
若者達が常日頃抱く衝動、熱情、その他を鑑みれば。彼等が熱を発散しなければ、熱膨張で自滅しそうな生き物である事は、自明の理。
自分も、彼等と同類だと。苦笑混じりに付け足せば。コートの向こう、僅かに喉元晒すような彼女の手付きに。片方の眉を引き上げて)
「 …ぉっと。まぁその点は、言われずとも自覚してぃるよ。
けれど、誰しも見栄は張りたぃ、格好はつけたぃものさ。…貴女のょな方の前でなら、尚更に。」
(からかわれているようで、だが、悪い気はしない。
耳を擽る声音と吐息も、擽ったさ以上に、快さを感じさせられる。
…こんな出逢いに期待するから。夜遊びというのはやめられないのだ。
緩く微笑めば、一度両手で彼女の掌を押し抱き。そ、と軽い力を籠めて、カウンターから連れ去ろうか)
「ご期待に添ぇる様。努力させて頂くとも。
ぉ姫様と呼んでも良ぃが、そぅ例ぇるには――貴女は、勇ましぃ物も感じるから。
どぅせなら、名前も知る所から。始めさせて貰いたぃね。……イスラ。僕の事はそぅ呼んでくれたまえ。」
(紅い絨毯が存在する訳ではないし、向かう先など、この店の連れ込み部屋…タカが知れている、と言って良いのだが。
それでも、出来得る限りは雰囲気すらも楽しみたいものだ。
手を重ねれば良く解るのは。お姫様のような弱さではなく、握り込まれる強さを持っている、そんな事実。
違う生き方をしている人との語らいも、また、興味を引かれる物だろう。
先ずは名前から、等と問い掛け、その後もちらちらと言葉を重ねながら。熱狂の渦から、少しだけ遠離る事が出来る。そんな場所へと向かうのか)
■イリーナ > 「へぇ、それも……みてみたいかも」
目の前の、この格好つけの相手が理性を熱で溶かされて……。
想像しただけで、楽し気に実に楽し気に目が笑う。
そのまま首元を晒すしぐさ。
視線に気が付けば、なお楽し気に口元が緩み。
「あらあらお上手ね。 その口で何人泣かせてきたのかしら」
掌で包まれながら最後に一杯を、せっかくのお酒なのだからと飲みほそう。
いざなわれるまま、手を引かれていき――。
「お姫様気分も悪くないのだけれど――。
こんな手をしてるお姫様もいないか……ねぇ、イスラ?」
若者たちの熱から、充てられるそれから二人で逃れるように。
「イリーナよ。 ただの、イリーナ。 お互いに楽しみましょう……イスラ」
問われれば、返す。
■イスラ > 「 あは、はっきり言ぃきってくれる物だね、うかうかしてぃると――
貴女に、焼き尽くされそぅだよ。イリーナ。」
(大袈裟に身を震わせてみせる。彼女が、強い酒気を湛えたグラスを干した所で。
つぃと人々の中をすり抜ける如く歩みだし。ホールの出口へと向かいながら肩越しに、声)
「 さぁ、どうだろう。…少なくとも。
鳴かされるのよりは、多ぃ筈――そぅ、言ってのけたぃ物だと思ぅけど。」
(くつくつ、喉を揺らして笑う。
困った事に。うかうかしていれば、どちらが泣いて、どちらが泣かせる事になるのやら。まるで見当がつかない。
そういう相手なのだという事を。極短い会話で、仕草で。漠然とでも察せてしまうから。
やがて店の奥側へと向かう扉を潜り。其処から先は主に常連、会員、そういう者達の。お楽しみ、の為の場所。
空いた部屋を探す為、幾つも連なる扉の前を辿っていけば。
ホールの熱狂が潮を退いていくのと入れ替わり、立ち替わり。個室毎に微かな、それでも隠し切れない、秘め事の気配。声)
「 容易く折れてしまぅ儚さなんて、それはそれで困り物じゃなぃか。
僕はその強さと、強かさの方が。……悪ぃ言ぃ方をすれば。愉しめると、思ぅよ。
どれだけ熱くなれば燃ぇるのか、強くすれば鳴ぃてくれるのか、逆にどんな強さで鳴かせてくれるのか……嗚呼。」
(重ねた指先が。少し強めに、彼女の手指を握り直す。その侭廊下で反転し。
片手は変わらず、彼女と指を絡め合いながら。もう片方の手を腰へと回し抱き寄せて。
唇と唇が触れ合う刹那。やや高い侭の、広間の熱を燻らせた、自身の体温を伝えながら))
「 あぁ、待ちきれなく、なりそぅだ。……ねぇイリーナ。
空き部屋、見付けるのは後にして。……味見しても、良いかぃ?」
■イリーナ > 「あは。 どうなることやら」
つん、と鼻につく苦みとアルコールでいい具合に気分がノッてくる。
「やーね、こわいこわい……こわいけど、期待もしちゃうかも」
手を引かれてやってくるは、ホールの喧騒とはまた違う…熱。
並ぶ扉、きしむ音にこもる声。
簡単に察しがつく場所へと連れ込まれれば小さく唇が緩み
「……ほんと、随分と啼かせてきたみたいね…イスラ。
その期待にそえるように――楽しませてもらうわ、わたしも」
絡めた指に込められる力。
抵抗することなく寄せられれば、胸と胸を合わせる密着感に小さく息がこぼれる。
同じぐらいの背丈だからか、触れるか触れないかの唇が小さく開き。
「お好きなように――我慢できなくて、最後まで、食べちゃうかも?」
ちろ、と舌先が唇から軽くのぞかせる。
先手は、譲るわよ。とばかりに目を閉じて寄せられる体の力を抜こうか。
■イスラ > 「 どぅやら其処はお互ぃ様。…やれやれ、とんだ肉食の獣を。捕まぇてしまったのかもしれなぃ――ね?」
(酒に酔い、熱に酔い。それ以上に彼女に酔いたいが…相手は間違いなく食わせ物。
やや性急に。今此の場で、等というのも。先手を打つ位はせねばらない、そう危惧したからか。
とはいえ、それすら、年上の余裕で受け止められているような。素直に身を委ねてくれる彼女に。
手玉に取られる可能性を思い、とくりと、重なる胸の内で跳ねる物。
…そんな緊張、悟られてなるものか。触れ合う寸前、微かに舌先を巡らせて唇を舐り、乾いた其処を湿らせて)
「 怖ぃ怖ぃ、矢張り此処は…先手必勝。折角晒してくれるんだ、据ぇ膳を遠慮出来る程――僕だって、大人じゃぁなぃ。」
(寧ろこういう店に集まる客層なのだから。熱に倦かせる青春の暴走、万々歳だ。
更に力を籠めた手は、繋ぎ合う手を手綱の如くに強く引き、彼女の身全体を寄せては抱き止め。
そうすれば、遠慮など欠片も無く。ぬらりとした舌先が。彼女の唇をつつき、擽り…滑り込む。
酒気と酒精の甘味を、苦味を、香りを乗せた舌と唾液を、お互いの中で交換し合う。
それは、口吻での交わりと言い換えてしまえるような深さにて。
同時に、腰を抱く掌を滑らせる。始めは上へ、背筋を伝い、擽り、撫でて。
再度下へと下りていくなら、元有った腰で留まる事はせず。更にその先、尻肉の丸みを包む、確かめる所迄)
■イリーナ > 「そういう相手を手なずけるのも、慣れてるんでしょう?」
周囲からかすかに伝わる熱に煽られるように相手の腕の中で楽し気に笑う。
互いに唇が開けばかすかに香るカクテルの匂いに酔うように首を傾げよう。
「そうこなくっちゃ……ね。 ぁ――。」
密着したとこからさらにきつく、抱き寄せられる。
小さな吐息を出す間もなく唇をふさがれれば滑り込んでくる舌をお出迎え。
生じる唾液とカクテルの残りが互いの唇を濡らし、光らせ、つぶれ、はじける。
味に、香りに、水音に。 乗せられる気分が舌の動きにも表れる。
互いの気分を上げていくように卑猥に、艶めかしく互いの舌を絡ませて。
「っ……ぅ、ん。」
柔らかな指先が臀部へと触れられる。
それに応えるように下腹部を相手の腰へと押し付けながら舌を絡ませて。
女の指先は相手の背中へ。 指の動きと呼応するようにじれったらしくその背中を細い指が這うだろう。
■イスラ > 「 ……ゃれゃれ。過分な期待をされてしまってぃるけれど…応えなぃ訳にはいかなぃから。
鋭意努力させて貰ぅとも。少なくとも、イリーナ、貴女を幻滅させたくはなぃからね?」
(まったく。これでは、どちらが捕らえられたのか。しれた物ではない、と。
だがそれも悪くない、などと考えてしまう事が出来るのも…この雰囲気、熱、そして彼女の感触や雰囲気に当てられて、か。
深く唇を押し重ね、舌を挿し入れ絡め合う。…早々に彼女も応えてくれるから。一方的な蹂躙ではない、お互いの快さを探る舌遣い。
ひたひたとした唾液の音色が、淫靡な声音や物音を通り過ぎさせていく廊下その物で、直に奏でられ始めるのなら。
自分で自分の聴覚を犯すかのような水音に、ますます、のめり込まされる。
引き付け、引き寄せ、やがて背中に壁の冷たさを感じれば。体勢を入れ替えてその侭、彼女の背を。身体を壁に押しつけてしまわんと)
「 ――っ、っふ…ぅん、ん……っくは、ふ…ぁ……ん、んん――――」
(これだけですら、何時迄も続けられそうだと感じる、口付けの快さ。
ねっとりと糸を引く余剰の唾液が、口端から零れ落ち。顎を伝い、喉まで滴り始めたところで。やっと、一度唇を離す。
勿論、唯解放した筈もなく。その侭、垂れ落ちていく銀糸の先端を追い掛けて。唇から顎へ、顎から喉で。舌先は彼女の肌を這い落ちる。
先程僅かに覗き込んだ、喉元まで辿り着けば。唇で甘く衿を食み押し下げて。僅かに汗ばむその喉へ。音を立てて吸い付き、赤々とした痕を刻みつけようと。
…背後にてスカートを捲り上げ、直に臀部を求めた手は拒まれず。寧ろ彼女からも積極的な密着が図られる。
腰、下腹同士が強く押し付け合うのなら。びくんと微かな身震いと……服の向こう。明らかな違和感を、硬い感触を。伝えてしまう事になる。
未だ、其処に関しては何も言わない侭。今は彼女の熱を高めんと。
喉元に、首筋に幾つもの華を散らしながら。そっと、拘束めいて絡めていた指を解けば。彼女の衿を強めに引き伸ばし、押し下げて。
乳房の上端辺りにまで吸い付いてしまおうか。隠す素振り無く、意図的に音を立てて肌を吸う仕草は。
廊下で始まった自分達の行為を、お楽しみ真っ最中であろう他の男女達にも、声高に喧伝するような物)
■イリーナ > 「ふふ、そういう謙遜する人間に限って…ってね。」
探るような序盤から、盛り上げるための舌遣いへ。
挿して、絡めて、逃げて、追って、出迎えて……。
だんだんと互いの動きが噛み合うようになり激しくなる水音が廊下に響く。
「……ぁ、は、っぁ。 ……ぅ、ん。 ぃ、あ…は、ぁ」
すっかりブレーキが外れて夢中になって絡む舌。
指先にわずかに力がこもり相手の背中に指先が立てられる。
そんな中でくるりと、くもなく踊るように態勢がいれかわり壁へと押し付けられれば。
「っ、あ……ゃ、だ。 追い詰められちゃった」
うっすらと開いた紅い眼が、相手をみやる。
口づけだけで上がる息を肩を上下させることで落ち着かせながら――。
首筋への口づけ。垂れた唾液を追うような口遣いに顎が上がり首筋を晒そうか。
もどかしく、女の指先が相手の後頭部に伸ばされねだる様に灰色の髪をすき、おしつけた。
「……ぁ、ら?」
下腹部、密着したそこから伝わる熱。
首筋に吸い付く相手へと自分の熱が伝わる吐息を浴びせながら――。
空いている右手は左の太ももへ。上下にゆっくりと指先を這わせていこう。
主導権は、譲ったまま。
引き延ばされる服から印をつけられるような吸い付きにひときわ大きな吐息がこぼれる。
既に存在を主張する胸の頂も生地をおしあげ、触れる下腹部は愛撫に応えるように腰がうごめき触れ合わせよう。
■イスラ > 「 くふ、ん……っっぁ、…ぁ――ふ…――ぁん、んっ、…っく…」
(深く、深く。願わくば何処迄も…と言いたげに。たっぷりと彼女の口内に、此方の舌を挿し込んで。
逆に彼女から舌先が差し出されるのなら、叶う限り受け容れ、引きずり込み。
こんなにも深く口付けを繰り返すなら、さながら、口腔粘膜による、交わりその物じみる程。
壁へと押し付けてしまえば、彼女の頭が、これ以上下がる事は無いから。ますます、強く押し込み、絡め…
唇同士が外れて尚。言葉通り、追い詰めたそのままで。飽きを知らずに繰り返し、キスの痕を散らしては)
「 ――っ、ん…言ってなかった、けど。……もしかして、こういぅのは。意外?
…僕は出来るなら……貴女に、もっと。噛み付きたぃ、むしゃぶりつきたぃ、…その牙だって、突き立てたぃ……ねぇ、駄目、かぃ…?」
(明らかに声が跳ねたから。流石に、気付かれたのだろうと…そうなると。これ以上は隠せなかった。
太腿を這い上がって来る、彼女の指先。その快さに内腿が震え。此方からも押し付けようと、左脚を前へ…膝が壁にぶつかる迄。
必然、その膝で腿で、彼女の両脚を割り開く所迄。
そうすれば、尚しっかりと下腹同士が重なり合い。太腿への刺激に、よりしっかりと、硬さを主張し始める感触を。
――彼女という女に喰らい付く為の、牙、と例えたソレが。餓えに任せて反り返っていく若さを、否応なく伝えるか。
…半陰陽の特異さを。彼女に、どう取られるのか。この侭受け容れて貰えるのか。
一抹の不安を抱くかのように、弱めの問い掛けを一つ、二つ。
もっとも、叶うなら受け容れて欲しいと――否、受け容れさせてしまいたいと願うから。彼女に熱を注ぐ行為は止まらない。
抱かれた頭を僅かに揺らすのに合わせ、衿を引き下ろす所から、逆にそのインナーを一息に捲り上げる所迄。
跳ねてまろび出る胸元、服地越しにすら明らかだった、先端の硬さへと。強く音を立てる程に吸い付いて。
同時に臀部を擽っていた指先は、とうとう。下着の内側へと這い込んでしまおうかと)
「っふぁ、っふ――ぅ、んん…一緒に。…貴女と一緒に、もっと…溺れたぃんだよ、イリーナ…?」
■イスラ > 【継続させていただきます】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイスラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からイリーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/屋敷裏口」にカインさんが現れました。
■カイン > とある貴族の屋敷の裏門。富裕層の集う地区の一角にしては小さめの路地に面した場所に陣取るその場所に、
短めの槍を片手に腰に剣を履いた大柄な男が突っ立っている。
門を跨いだ先から聞こえるのは、宴も闌といった様子の喧騒である。
それを横目に見ながらだらしなく突いた槍に寄りかかれば自然と嘆息が漏れる。
「全く、ここに居るのは結構なリスクなんだがなあ。
弱みを握られてるってのは困りもんだな」
その屋敷の持ち主の貴族とは随分古い付き合いになる。貧民地区の娼館にお忍びで来ていたのを、
悪さして叩きのめしてできた縁だがあれよあれよと口車に乗せられて偶に護衛を引き受ける間柄だ。
今日は大事な賓客が訪れるとかで駆り出されたのだが…
「魔族を徹底的に排斥唱えてる様な連中を呼ぶ宴に俺を使うなよ、っと。
別にバレる要素はないとは言えバレたら面倒臭いことこの上ない」
ぼやいて視線を表通りに向けると賓客として迎えられていた一部の騎士達が去っていく所である。
直接の知り合いに心当たりはないが、かと言ってリスクも冒す必要もないと裏手に回ってきたのがつい先程。
賓客の案内に笑顔を振りまく必要のなくなったことに安堵の息を吐きながら体を伸ばす。
傍から見ると完全に衛兵がサボって気を抜いている図である。
■カイン > 「しかしこの手の正装ってのは動きにくくていけないな。
騎士とかはこんな格好が常で良く戦えるもんだ」
元より甲冑を身にまとっての戦い方などが元来性に合わない手合である。
自分の豪奢な、言い換えれば余計な飾りのついた衣装を見下ろした後、
遠目に見える恐らく護衛だろう甲冑姿の騎士の姿を遠く見送りながら不思議そうな声が漏れる。
勿論町中で見る騎士達が常にその様な格好ではないのはよく知っているのだが。
「このに衣装引っ掛けて賊を取り逃がしたなんて笑い話があったら、
クレーム入れてやる。…そろそろ終わりじゃあるようだが」
気がつけば宴の音もかなり遠く、客足が去っていくのが裏門からも気配でわかる。
メインの賓客がいの一番に帰った後は好きに離れていいと言われて居る以上、
もう仕事としては終わって居るのだがこのまま根城に戻るのも何となく憚られ手持ち無沙汰の様子で衛兵を続け。