2016/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にネスさんが現れました。
■ネス > ....んー、最近は王都の方が安いわね...
(いつもと変わらない赤いドレスを身に纏い、富裕地区の大きな広場へ足を運んでいた彼女は、商人たちの売っている物を眺めながら考える。魔族の国でも食材は抑えることが出来るが、何かと値段の増減が激しく、もうすぐ寒くなるということもあってか、野菜の値段がやや上がっていたのだ。野菜嫌いの娘達の為に何かと工夫を施して料理に野菜を混ぜたりしているが、もっとちゃんと克服させなければと母としての意地を見せていた)
んー...、肉や魚はまだ城にあるけれど、紅茶はまだあったかしら...
(自分の脇に付き添うメイドへ質問ぽく訪ねてみせる。メイドは微笑みながら"紅茶なら丁度昨日買出しに行ってきましたので、大丈夫ですよ"と答えた。なら、この地で他に買うものは何かあったかと、広場の前で立ち止まり考える。子供達の秋服やら冬服やらを揃えるのだとしたら一緒に連れてくるのが早いのだが、あの二人を富裕地区へ連れてくるとわがままばかりで手がかかるのだ)
どうしようかしら。
あの子達の服...
(富裕地区にはかなりの数の洋服屋は置かれており、ドレスやしっかりとした服が嫌いな双子にだって似合う服はちゃんとある。しかし、自分のセンスで買ってきて文句を言われればきっと喧嘩になるだろう、とブツブツ考えているうちに数分が経っていた)
■ネス > やっぱり、カレリアも連れてくるべきだったかしらね...
(服のセンスやファッションなどの知識はカレリアの方が自分の数倍はあるだろう。今日は残念ながら用事があるらしく、朝から城にはいなかった。自分の護衛として付いてきたメイドもきっと毎日メイド服ばかり着ているせいでファッションセンスの欠片もないだろう)
私もいつも同じ服だし...
(自身に呆れるかのように苦笑いを浮かべ、とりあえず目の前に売られている野菜を買っていく。ホントはもっと大量に仕入れることが出来る店にも寄って秋冬に備えたいのだが、まあ今はまだ大丈夫だろう)
さて、貴方もお腹がすいたでしょう?
そこの喫茶店でお昼にでもしましょう。
(メイドを横目に、広場の角にあった喫茶店を指さし足を向ける。看板には"オススメ ショートケーキ!!"と大々的に書かれており、甘いものが好きなネスの食欲を掻き立てた)
■ネス > ふぅ....
(カランカランという鈴の音と共にガラスで覆われた扉を開き一人の魔王とメイドが喫茶店へと入る。もちろん、ネスの容姿からして吸血鬼とバレることは無いだろうが、バレたとしても何一つ問題は無い。窓際の席へ2人で座る。もちろん、人間である店員に注文を聞かれればショートケーキと紅茶、そしてメイドはサンドイッチとコーヒーを注文した)
貴女、私の城に支えて何年だったかしら...?
(メイドを見つめ、訪ねた。注文したものがテーブルへ運ばれるまでの暇潰し程度だったのだが、あまり見ない顔で少し気になったのだ。メイドは"私はまだ、ネス様に支えて2ヶ月でございます"と微笑みながら答える。ネスに使えるものは皆が皆、魔族というわけではなく、かつてのカレリアのように人間のメイドや執事だっている。ネスの目の前に座る少女は明らかに人間だった)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からネスさんが去りました。
ご案内:「富裕地区 邸宅街」にアダンさんが現れました。
■アダン > 黄昏時の王都、富裕地区。茜色の日差しが石畳を照らしていく。
幾つもの王侯貴族の邸が連なる場所では、馬車や人が行き交う。
しかし、平民地区や貧民地区のような雑多で混沌とした様子はない。
取り澄ました様子の王侯貴族、資産家たちが、それが紳士や淑女にあるべき姿だと言わんばかりに歩いている。
そんな中にアダンはいた。行き交う人々を眺めて。
「では、十日後の夜にまた。ええ、必ず品をお届けしましょう」
壮年の男性貴族と会員制のレストランで会合した後、店の前で彼と別れ、アダンは帰宅の途についていた。
彼と話していたのは、王城での陰謀のことである。
この壮年貴族は、とある貴族の娘を欲していたが、そのアプローチはけんもほろろに突き返されるばかりであったという。
プライドなどを疵付けられた彼は、アダンに相談を持ちかけ、その貴族の娘を罠にかけることとしたのだった。
品とは当然、その貴族の娘だ。
よくある陰謀である。そう言った人間の欲望によって、一人の人間や一家が没落する羽目になる。
アダンにとってもその貴族の娘の家は潰したいと思っていたところである。損得の一致した二人は、後日陰謀を演じることとなるだろう。
今の王都はそういう場所だった。一つの会合を終え、アダンは燻ぶる欲望を感じた。
何か陰謀の切欠となるものはないか、あるいは自らの欲望を満たす術はないか。
それを探して、少々遠回りをして家路を行く。
ご案内:「富裕地区 邸宅街」にリシェラさんが現れました。
■リシェラ > 時に少しばかりの日の輝き程度為らばと出歩く時も在る、今が正にそうだった。
何時もと同じくしてフードを目深に被り、富裕地区の残る場所をこうして散策している。
只、今日は邸宅街と云う事もあってか気を張り詰めた感じは無い。
まさか、こんな場所で事が起こるなんて事は思ってもいないからだ。
緩やかな足取りで、邸宅の一つ一つを確認する様に見渡す。
尤も、何かしらの店等が在ったならば、どんな所だろうと入ってはみるつもりではあるが…
■アダン > 富裕地区は王都のなかでも随一に秩序立ってはいる。
しかし、それは表向きに過ぎない。実際には、王位継承などをめぐる陰謀が日々蠢いている。
もちろん平和に過ごしている王侯貴族などもいるにはいるが、そのような人々でさえ、陰謀の種にされることは珍しくない。
そう言った陰謀を幾つも企て、自らの出自を遺憾なく利用し、今日まで己の好き放題にしてきたのがアダンである。
黄昏時ではあるが、帰るにはまだ早い。家に帰ったとて、今は陵辱するような相手は抱えていない。
時折、見知った顔に出逢えば挨拶等を返していく。
アダンは悪徳貴族だ。その所業も、知るものは知っている。
彼の手にかからないようにと、彼を知るものは無難な挨拶を交わすか、彼の陰謀に加担しようとしてくるか、そのどちらかが多かった。
そんな挨拶や軽い挨拶を繰り返しつつ、アダンの足は一つの店に向かった。
アダンの息のかかった上流階級向けのカフェだ。勿論、アダンの息がかかっていることもあり、冥い欲望を満たすために使われることも多い。
「……見たことのない娘だな」
アダンは一人の少女の前を通り過ぎた。見たことのない容貌である。血のように赤い瞳が特徴的であった。
有力な王侯貴族についてはだいたい知っているアダンではあるが、この娘については全く知らなかった。
容姿や風貌、雰囲気からすれば何かしら高貴な家の出であるには間違いないが――
彼女を一瞥し、薄く笑みを浮かべて一礼すると、アダンは目的のカフェへと向かう。
とりあえずはそうして相手を観察するつもりだった。相手の素性がわからない以上、いきなり襲うわけにも行かない。
ただの街人というわけでもなさそうだ。アダンは店の中に入り、窓から彼女の様子を眺める。