2015/12/13 のログ
ハスタ > 「え、何。無視っすか。おじさんのフェニックス発言完全にスルーっすか。」

ネタに生きる者は、ネタがウケないと悲しい。彼女の推測は間違いはない。
おっさんは不死の魔族だし、自分の言ったことが滑ると精神的なダメージを受ける。

「こんなところでなければ、だとかもうね、強がるのはやめましょうか。おじさん魔法は何でも使えますからねー。
さて、散々弱った体に染みわたらせた虚脱の味は、どーだい?傷口に塩を塗り込むみたいじゃね?」

残った余力を削ぎ取った。こういう系列の魔族は、弱らせておかないと不測の事態は往々にして起きうる。
何より、反抗的な眼差しは、未だに抵抗する可能性を秘めている。
そういったものを蹂躙するには、危険性を排除しておかねばなるまいて。現に、先程も何か手元に魔力を集めていたのだから。
もっとも、そうしたスリルも楽しいと言えば楽しいのだが。

「んー、そうねえ。こだわりみたいなもんかね。ほれ、あるじゃないか、なんかこうさ…ない?そういうこだわり。
さて、試しに御主人様大好きとでもいってもらいましょうかね。」

例示してみようと思ったが思いつかなかったらしい。顎元に手を宛がいううん、と考えたが彼女に同意を求めるばかり。
ほっぺたをつまんだ指で、彼女の肌の感触をぷにぷにぐにぐに指で回しながら楽しんで。

「…ん、そういう事。諦めないりゅーたんも諦めるりゅーたんも好きだから、そのまま反抗しても折れてくれてもいいのよ。」

反面、こいつは折り甲斐がありそうだとほくそ笑む。
ただ、今の今まで散々凌辱されてきたんだろうから、もう慣れているのかもしれないし、折れないのかもしれないが。

「ふう、うるさいだのやめろだの、言わなくていいだの、ちょっとワガママすぎやしませんかい?」

困った風な表情を演技染みて見せながら、口元はニヤッと厭らしく笑って。
ただ、言葉の侮辱はちゃんと通じているみたいで、彼女の悔しさは益々煽られていようことが目に見える。

「ほうほう、成程ねえ。折れない心は良い事だが、あんまり生意気な事を言ってるとお仕置きしちゃうゾ☆
まあまあ、落ち着きたまえよ。我々魔族は、人生長いんだから。おじさんなんて無限だし。」

常に変わらない反抗的な意思のある目に、おっさんはウインクを溢した。
ついでに目から星マークの黄色く光る光魔法の残滓の様なものが飛んだ。おっさんがやったとは思えない程綺麗だった。
叩いたりしたが、今一つ力で抑え込む事は出来なさそうかな、とおっさんは思い始めた。
もとより人間に捕まっていた女だ。何処かの前線に配備されていたのか、少なくとも戦いの経験はあるのだろう。

「うんうん。ほら、おじさん…まあ、ぶっちゃけ言うと魔王なんっすわ。」

何を隠そうと言った具合に頭を掻きながら。良い具合に呪縛が効く。魔族とは思えぬくらいの抵抗力のなさ。
地面に力なく座り込んだ彼女を見下ろして、恐らく久しく反抗以外の色が見えた顔をニヤニヤと眺める。
そして、彼女はもうおっさんから逃げられなくなった。ついでに、おっさんも彼女から逃げられなくなったわけでもあるのだが。
その水色の髪が視界の外へ出る事はもう、ない。

「んー、ま、思い出って事で後でおじさんも見ますし。
それに脅迫の資材に使えないかなあと。これから行われるりゅーたんの卑猥な凌辱をこれに記録しておいて、
これの記録を複写して魔族の国や人間共の国に中にばら撒いたらどうなるでしょうか!ねえ?」

もっとも、それを本気で行うつもりはあんまりない。彼女の痴態を魔族人々に晒すとすれば、
さて彼女はどんな顔をするだろうか。或いはもう慣れっこだとそのまま何も感じないのだろうか。

「ついでに、リアルタイムで今のりゅーたんも映せます、ほれ。」

水晶玉に指を向ける。すると、魔法によってさっきの星マークと同じ要領で光が形を得る。
狭い街路の灰色の壁面に、ボロボロの衣服を纏い、胸元がほぼ露呈しかけた状態の女が、
今まさに自分自身の手で首輪を巻きつけようとしている瞬間が映し出される。
声も、姿も、本物と遜色ないくらい鮮明に。光魔法と音魔法を使いこなせば、こんな事だってできる。

「さ、じゃあ前準備は出来ましたしぃ。現地で味見してみましょうか。立て。
んー…しかし、その格好全裸よりエロいね。取り敢えず暫く上は剥かないでおこうかな。」

首輪に接続された鎖を引いて、彼女の身を強引に寄せようとする。
その身がこちらに来たのなら、互いたったまま、先程と同じ様に背に手を回して、自身と距離を縮めさせ。

「ま、しゃぶってもらう前の、綺麗な口で…そう、手始めにえっちなキスしてもらうか?
散々男どもとヤったんだ、そのテクニックも中々のモンなんじゃないの?」

鎖を地面にいったん置いて、そんな命令を。入れて来いとばかりに口を開け、自身の舌を口内で這わせる。
もっとも、おっさんは毎晩淫魔の愛人と比喩でなく死ぬほど性交に耽って尚満足しない、
不尽の変態的性欲の持ち主である。ちょっとやそっとの技巧で満足するクチではないのだが。

アブソリュート > 「スルーというか……ネタがばれてしまった時点でこれ以上引っ張ると余計に火傷するんじゃないかしら。」

まだ引っ張るの、と飽きれた様子で首を傾けた。
フェニックス(仮)が火傷というのはそれはそれで凄まじい恥ずかしさなのだろうな、などと場に似つかわしくない思考を浮かべながら。

「強がってはいないわ。どうしようもない現実を前にくたびれているだけよ……虚脱なんて魔法を喰らったのは生まれて初めてだわ。」

声色が随分と落ち着いている、というよりは力が抜けて声に覇気を宿す気力が残っていない。
だから殆ど棒読みに近く、疲れ果てた物のようになっている。気だるげ、とも言えるだろうか。
全身に回った毒のような虚脱感は抵抗力以前に、通常の会話にさえ支障をきたし始めている。
これでは抵抗どころではない、内心では焦りを浮かべるばかりであった。

「こだわりって……どんなこだわりよ。そんなのないわ。……っ、ぅ…御主人様大好き。」

気だるげな声で表情も気だるげなまま、促されるままに呟いた。
頬を抓られて痛みを感じはするが、痛みに呻く余裕さえなく、口を突く。
まだ視線そのものには殺意を宿したままだが、その姿は既に抵抗をしている者の姿ではないことだろう。

「じゃあ精々無駄な努力を楽しめばいいわ。飽きたら魔法でも使って折ればいいでしょう。」

溜息を零す。
本当はふざけるなとかうるさいだとか叫びたかったが、気力が湧かない。
気力を失い過ぎるのも困ったものだなと思いながら、気だるげな表情のまま視線を逸らした。

「何を言ってもやめないのだから、何を言われたって関係ないでしょう?」

厭らしく笑う様子を視線を向けて捉えると、別段困ってはいない事は見てわかる。
悔しさはあるが、もはや表情には現れていない。

「私は落ち着いているわ……魔族たる者がそんな物言いで動じるわけないでしょう。無限に生きるあなたがわからない筈ないでしょうに。」

ウィンクをするような姿を見据えながら、何を当たり前の事を、と呟き溜息を零す。
魔族たるものは敗北した場合どのような仕打ちを受けるかなど覚悟しているものだ、と認識している。
なにしろ魔族が逆の立場ならそうするからだ、それを脅されて動じる方がどうかしている、と。
兵士らしい思考を持っているアブソリュートには言葉の効力は薄い様子だった。

「――……は?魔王、ですって?」

ぶっちゃけ、という軽い物言いでさらっと凄まじい事を口にする『魔王』に、気だるげな表情にもさすがに変化が生じた。
魔族にとって魔王とは上位の上位、王を名乗るだけの存在ということは、それだけの実力を持つ者ということで。
つまり自分の上位に値する存在。人間界に住んでいるかのような姿をしていると思っていたから物好きな魔族程度にしか思っていなかったアブソリュートは、驚いた表情を隠す事は出来なかった。
彼の視界に常に入るように移動させられながら表情が変わるのだから、何ともシュールな光景ではあるが、今は気にする様子もない。

「脅迫?……酔狂ね、淫魔なら兎も角、ただの魔族の画像なんて誰が喜ぶのよ、魔王階級や上位魔族ならまだしも。」

アブソリュートは所詮は高い戦力を持つが魔族であるだけで有名というわけではない。
そんな者の映像や痴態をばらまいたところで、本人は愚か大抵の魔族は然程興味を示すまい。
人間であれば動揺したのだろうが、アブソリュートはくだらない事の一言で表情が再び気だるげなものへと戻ってしまった。

「嗚呼ひどい姿ね……戦場で戦っている者の姿とは思えないわ。情けなくて反吐が出そう。」

気力の無くなった声色で呟く。羞恥以上に自らに呆れてしまった、これでよく魔族を名乗れたものだ、と。
なるほど、晒されると自嘲したくなるのだな、なんて新たな認識を脳に刻みながら、首に巻きつかれた物を映像越しに見据えた。――やはり、魔力の宿されたものらしい。

「手の込んだ準備ね……態々高位魔法まで使って。魔王なんて物好きばかりと聞いていたけどあなたも枠から外れてない立派な魔王だわ。」

皮肉交じりに呟きながらも、やはり抵抗する事は出来ない。
魔力切れ、呪縛という二重の意味で封鎖された抵抗力には何の力もない。
首輪の鎖を引かれれば力の入っていない人形状態の体は容易く男の体へと寄り添わされ、背に腕が回ればまたか、と思った、のだが。

「……なんで私がそんな事を。魔王なんだから知ってるでしょう、そういうのは淫魔の十八番。……う。」

肉体は男に従うように、呪縛を刻まれている。
鎖を手放されたところで逃げ去る事もやはり叶いはしない、力の入っていない両手を大男の胸元に当てると、
気だるげな表情のまま身を寄せて口を重ね、それが出来たのなら舌を絡めて行こうとするだろう。
当然、淫魔のような技術はないし、むしろそういった知識も技術も殆どないアブソリュートには人間にすら劣るものしか出来まいが。

ハスタ > 「…りゅーたんの冷たさに凍傷しそうだよ。」

およよ、と作った泣きそうな顔で目元を抑えながらくすんくすんと声に出していった。

「ほーう。何ともそりゃあ残念だ。泣き叫ぶとかしてくれても良いんだがね?達観されてると寧ろ困る。
…いやあ、ま、ああいう魔法はあんまり好んで使われんよね。魔法は爆発だ!ってね。」

大分と覇気のない声になってきた。当初を思えばもう弱っているという物ではないのだろうか。
割合加減をしたつもりではあったが、それでも虚脱の魔法は効いているみたいだった。

「ああ…もしくたばったらその時はおじさんの家で介抱してあげるからね。良かったねー。」

気を失った後のプランニングもちゃんと立てているらしい。

「…りゅーたん、アレだね。冷たいね。クールな女の子も素敵よっ。ああっ、良いねえ。
でもあれだ、もうちょっとこうさあ、語尾にハァトマァク付ける感じで言えない?」

注文が多いおっさんである。彼女の唇をつっついてなぞりながら、
半ば虚脱と衰弱で抵抗を失いかけている彼女を更にからかう。

「だーかーらー。もうねえ、ズタボロに壊されて折られるって言うんだから、悲しそうな顔一つでも浮かべりゃいいのにねー?」

相変わらず、つれない反応。表情も何となくだが疲れを露呈させている。
目が逸れて言ったら、残念そうに口を尖らせて、ねー?と非常に気安く馴れ馴れしく問いかけた。

「…ああそうだね。分かった分かった。じゃあ何でも言えばいいじゃないですか!もー!」

口論するのもあれなので。しかも今はただの余興の部分。
こんな所で捕まえた女に怒ったって仕方がない事だ。ほっぺた膨らませて怒ってるフリはするが。

「ああああ…つくづくキミは釣れないねえ。見た目も心も女みたいだし。人間の女と大差ないと思ってたんだがね。
全く動じやがらねえんだから、おじさんももうちょっと頑張らなきゃあ、ね。」

何を言っても反抗的か釣れないか、そんな反応しかしない事を察し始める。
暴力はもとより、脅迫も中々通用しない。

「そうそう、魔王様。…あー…何故だああああ…。全然動じないぞこの子おおおお…。」

驚きからまた怠そうな顔に。
おっさんは言われた通り酔狂なことに割と人間社会に溶け込んでいる魔王だった。暇人である。
しかして、何とももっともな事を反論されてしまったのでおっさんは撃沈した感じでぐぬぬ顔を浮かべる。
見た目も、また喋り方も女らしく、弱った彼女は人間と変わらないと思っていたが、
やはりこういう所は魔族であり、また、戦う者でもあるし、冷静でもあるのだろうか。

「んー、でもこれ人間界でやったら売れると思うけどね。ボロボロで胸が肌蹴た可愛い女の子。」

だからといって、顔を赤くするわけでも、やめろと叫ぶわけでもない。反応はなんとも冷めていた。
おっさんも何だか彼女の気怠そうなムードにつられて微妙にテンションが下がった。

「ん。高位魔法なんてお手の物でしょう。魔王様は、凄いんです。…まあ…そうだね。魔王だってイロイロいるのよ。
ああ、後分かっちゃいると思うけど、おじさんの首輪してるって事は、いつでもおじさんに首を晒してるって事だからそこも注意してね。」

おっさんは非常に異端派であるが、どの魔王も何か物好きであることは確かにその通り。
鎖を引っ張り彼女の身体を此方へ寄せれば。

「淫魔とは腐る程ヤってるのよ。くく、可愛い女の子をとっつかまえて調教する事が最近の趣味でねえ。
性交が下手だろうと上手かろうと、可愛い女の子だったら良いのさ。―――んん。」

こうして、口を重ねて舌を絡めて、自身の口で舌に吸い付いたり、唇で挟み込んだりして、
自身の口内で彼女の舌を迎えるのだが、残念ながら、それは巧いと言えるようなものではなかった。
おっさんは、真面目にやれば巧い方ではあるが、今回はどちらかといえば貪る様なディープキスだった。
絡めて上下余すところなく、まるで別の生き物が動いているかのような器用な舌の動き舐り尽くせば。不意に口を開き彼女を押しやって。

「んー、分かっちゃいたけど…微妙っすね。ううん、じゃ、りゅーたんのオクチの味は堪能しましたし、
しゃぶってもらおうかな。流石に捕虜生活してきたんなら、流石にそっちは巧いと思うけど…、
あー、そうだね、胸も使ってもらおうかな、よ、と。んじゃ、やりやすいと思う姿勢になってごらん?」

胸の谷間に手を置いて横から側面を撫でて、直接宛がう形にしない魔力で剥いていった。
布越しより、生の方が良いと思ってか。無遠慮に、申し訳程度に魔力の衣に隠されていた大きな胸が現れようか。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」にハスタさんが現れました。
アブソリュート > 「あなたを攻撃するのは物理的よりも精神的な方がいいみたいね。」

わざとらしい、そう思うと訝しげな視線を向けた。

「期待する相手を間違えているわ、炎を司る魔族とかなら、そう言うのは割と乗り気でやったかもしれないけれど。……私の抵抗を削ぐ為かしら、そんな事をしなくてもあなたの場合、倒せない以上封印するしかないのだから私が全力でも出せない限りどうしようもないと思うけれど。」

氷の魔力を宿していたせいか、他者に冷たい性格を持ったアブソリュート。
自分が悲観的な状況になったところで叫ぶ程の情熱は持ち合わせていなかった。
殺せない相手は氷漬けにして氷山の一つと化してしまう以外に処理する術がない事は実証済みである。
それ程の相手だからこそ、念には念をという事なのかもしれないがそもそもどこまで自分の力が知られているのか、アブソリュートは周知していない。

「安心して、明らかに加減しているでしょう、あなた。気力があと一つのところで落ちてこない。」

気を失わないように、眠らないようにという微細な調整が施されている。
器用な真似をする、と内心では呪いながらも呟く言葉は淡々としていた。

「私に淫魔ばりのキャラを期待する魔王というのは、どうなのよ。兵士よ、私は。かっこはぁとかっことじ、とでも言えばいいの?」

幾ら肉体的に呪縛で調整されていたとしても、経験が全くない行為や発言をする事は出来ない。
それをわかってて言っているのか、本気で言っているのか彼の考えは読めなかったが、少なくともやはり、兵士に期待する言動ではないと、そう思ったのであった。
唇をなぞられれば噛み付いてやろうかと口を微かに開くが、喋っているだけでも体力は充分消費している。
齧った場合、咥えるだけで終ってしまいそうなので、やめておいた。

「御主人様、私は今まで何をしていたのかしら?……この状況で悲しくなるとしたら逃げたのに即座に捕まった自分の不甲斐なさくらいしかないのだけれど、わかってくれない?」

伝わらないだろうが、彼女の内心は少なくともかなり怒りに染まっている。
しかし口に出す事ばのどれもが覇気が無く、疲れ果てたものになってしまっている。
反応が鈍ければ虚脱を弱めてくれるかもしれない、という可能性も考えにないわけではないのだが、声を張ると疲れるのは間違いない。
再び視線を戻すと口をとがらせている魔王の姿。これから散々な目にあわそうとしている者の顔としては途轍もないギャップを感じた。

「なんでも言っていいの?じゃあ元通りになったら氷地獄に埋めるからそのつもりで居なさい。」

こういう時は否定せずに素直に使わせてもらう事にした。
先程まで覇気がなかったのに明らかに嬉々とした発言が毀れたので、まだ完全に体力が失われたというわけではない事が伝わるかもしれないが、散々溜め込んだ鬱憤を込めた一言となった。

「女である以前に兵士だって言ってるでしょう。人間だってちゃんと鍛えられた騎士ならこんな事じゃ動じないし、三日三晩犯されてもケロっとしてるわよ。……これだけ言えば私がどこで戦っていたかわかるかしら。」

常にそんな場面に出くわす場所――頻繁に魔族と人間が奪い合っている砦。
その場所で見た光景をそのまま告げる、身も心も兵士になった女は、意外としぶとい。
――冷静かと言えば確かに冷静になっているのかもしれなかった。
ただし、それは底辺に落とされた者が抱く悟りのようなものであり、前向きなものではない事を彼が気付くかどうかは別として。

「……まさかそれで生計を立てている、なんて魔王のイメージダウンはやめてね、御主人様かっこはぁとかっことじ。」

彼の言動を見るに、このような扱いをしてきたのはきっと己だけではないのだろうと察する。
ともすれば同様の映像や奴隷や、何名も囲っていたとしてもなんら不思議ではないし、魔王ともなれば当然のように女を囲っている事も良くある。

「そうね、流石は私が目標とするだけの存在だわ。……知ってるわよ、いつでも殺せるって言うんでしょう?ああ短い魔族人生だった、とでも言えばあなたは満足してくれる?」

魔王とは自分が目指す位置でもある、だから抜かりの無い行動には怒りを覚えつつも別に尊敬の意志は持っていた。
最前線で戦っていた兵士に死を脅しに使おうとしても意味はない、なのでそんな棒読みな言葉を発した。
そして彼が異端的であることも、何となく察していた。
彼でもなければこんな兵士は弄らずにさっさと処分するか、魔術生物にでも変えていたことだろう。

「……なんとなく察したわ、あまり私のようなタイプは相手にした事ないのでしょう。可愛いだけの女ばかりでは私の反応に違和感を覚えても仕方ないわね――んぅ……ん、ぅ"……んッ……!」

口を重ねる事となった、それはいい。
しかしながら、それは此方に主導権があるというよりは、男によって貪られるような状態が常で、唇を食まれ、どうにか侵入させた舌は男の舌に絡み付けられていく。
当然アブソリュートに男を喜ばせるような技術はない、一方的に貪られる形で舌を嬲られ、暫くして体を押されれば口が離れ、熱が頬にあがったのか、頬が白から薄い桜色を浮かべ始めていて、気だるげな瞳には涙が浮かんでいた。

「はぁ…は……っ、だから何を期待しているの、御主人様。これだけ反抗的な奴がむざむざ従ってそんな必要に値しない技術を身につけられたとでも思うの?……ぅ……。」

やや思考がぼやけているのを感じるのは、酸欠状態だからだろうか。
胸の谷間に触れた手が撫でるように横へとなぞっていけば、僅かながら守っていた魔力の衣が容易く粒子となって消滅した。当然破けた衣服だったものは跡形もなくなり、上体を裸体として曝け出す事になる。
緩く乳房が揺れ落ちると、白く発育の良い乳房を曝け出す形になり、さらには勝手に両膝を石畳の床へと着いて膝立ちの姿となる。

ハスタ > 「そりゃまあ、…不死身だけど心はぴゅあっぴゅあなおじさんだもん。傷つくのよ?」

自身を抱いて身を捻った。

「何かさ、おかしくね?…炎の魔族に謝ろ?ね?
そしておじさんは封印されないっ、常識に縛られない!だからそこは安心して結構だ。」

不死の者が恐れるものは、やっぱり封印だろう。方法はどうあれ、意識を持ったまま閉ざされるのは非常につらい。
死ぬより辛いのかもしれない。しかして、おっさんに止まるは非ず。こう言ったところもちゃんと対策している。
自滅コマンドを使って好きなところから復活しちゃえる。ゴーストみたいなヤツである。
逃げられない為、なんてのもあるが…それでも完全に楽観的になるとやられるのはお約束なので、
おっさんは一応念はいれる。そも、ここは人間の領土なのだから。

「…ああ、呪縛の方はね、まあ、これからガンガン腰振って貰ったりするんで、それで疲れて気絶したらの話です。」

補足を掌を流ちょうに振って付け足した。

「んんー、まあ、あれだ。クーデレキャラと捉えておくかね。デレなさそうだけど。
わかった。ハァトマァクはやめよう。…せめてこうさ、『御主人様ぁ♪』みたいなん、できない?」

おっさんは割と良い声をしている。また、音魔法を司る故に、声も意外と変えられる。
明るいソプラノボイスで透き通った声を一瞬だけ放てば、色とりどりの音符マークが周囲に散らばって空間を彩った。
無駄なエフェクトである。人差し指を翻して彼女のおでこをつつく。

「…あー、分かるわ。すっげー分かるよそれ。ウン。この…なんだろうね、賭博で大負けしてやっと勝ったって思ったらまた大負けしたときの気分と似てると思うんだ。」

神妙に目を伏せて頷いた。

「ほう、毒舌ツンクーデレキャラか。悪くない。元通りになったら、ね。うん。」

注釈。おっさんは毎日部下に色々な方法で屠殺されている。その度死にかけるのだが、おっさんの尋常ならざる生命力と、
絶えることのない意識と転移魔法に寄って何度殺されても、また閉じ込められても生きてくるのだ。
故、こうして暴力的発言を女の子にされることは、割と慣れている。
そもそも元通りにさせる気など微塵もないわけでもあるが。
これでもおっさん、腐れ外道なサディストである。マゾではない。何か嬉しそうだったがおっさんもにっこり笑って頷くにとどめた。

「兵士である前に女じゃないのかね。まるで鶏と卵みたいだ。どっちが先なんだろうね。アレ。
…あー…あー…タナールかあ。んー、ま、お疲れちゃん。おじさんが慰めてあげますから。ネー。
んー、ま、普通に犯されるだけじゃあもう動じませんかね?」

兵士として芽生えているしぶとさのようなものは、もう嫌と言うほど感じていたのかもしれない。
何処まで行っても犯行と抵抗を忘れずに。虚脱させたらさせたで叫ぶでもなく釣れなくなる。
話していても、どうにも強姦という悲壮な雰囲気ではなさそうな…まあ、大分悪態はつかれているのだが。

「おいおい、おじさんを何だと思ってるんですか!ちゃんとカジノでお金も稼ぎますし、
錬金術だって使えちゃうからちゃんとした生活を送ってます。毎日御飯が美味しいです。」

変態的性欲を持て余すおっさんは、彼女の想像通り、様々なところで出没しては、人魔、時にその枠にすら入らない者も問わず、
自身のペットの様に扱い、こうして映像を取り、辱めている。その上で普通に愛人も居る。
イケてない服装に反して大分恵まれている。

「ほう、魔王様目指してんだ。可愛いねえ。…いやま、結果的にはそうなんだけど。折角拾った上玉なんだからね。
殺すのは勿体ないから、―――あー、嫌だなあ。とことん兵士根性だわ。普通さ、殺されるとかなったら怯えね?
もう病気みたいなもんだと思うよ。おじさん殺されるのは絶対イヤよ?死なないけど。」

結局、それは記号としての脅しでしかない。殺さない程度に甚振る事は出来るけれど、痛みを与えたところでどうって事はないだろうことも、察している。
そもそも、痛みを与える事が主目的ではないのだから、その辺は構わないが。
見た目が良くて女の精神を持っているから、それだけで、嬲るのには十分な理由になった。
あと、割と珍しい髪色だったから、かも。

「そーねー。皆きゃーきゃー泣き叫んでくれんだけどねえ。そもそもさ、こんな街路で兵士の魔族と鉢会うなんておもってねえじゃん?
おじさんまじやば僥倖棚からぼたもっちーなわけだけど、―――ぷ、…んはあ。」

好き放題彼女の舌を弄んだが、やっぱり今一つ満足していないならしい。口と口を離せば、今回は唾液で糸を引くこともなく。

「ん。でもりゅーたんは結構良かったんじゃあないの?じわあって、火照ったみたいな顔してんよ?
あー…なんだ。確かにそう思えばそんな気もしてきた…じゃあひどい目に遭わされたんじゃないですかね。」

今色が変わったばっかりの頬を指で突き。

「アッハッハッハ…しかしね、身体つきと顔立ちは良いと思うわけ。…んー、しゃぶってもらうのも良いけど、
汚れる前におっぱいをいじくりまわすのもよさそうだね。」

上半身裸の彼女を前に、寄って行くが…やはり目に付くのは、その良い大きさをした胸だった。
もとからそれを使って奉仕してもらおうと考えていたから、当然の帰結なのだろうが。
中腰の姿勢を取って、膝立ちの彼女のやや見下ろす形に。
もう抵抗も出来んだろうと、大きな掌の中に右の乳房を抑え込んで、乳首の突起に擦りつけつつ、握って形を刻々と変えさせるように揉んだ。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」からアブソリュートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」からハスタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」にアブソリュートさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」にハスタさんが現れました。
アブソリュート > 「ピュアという言葉を調べ直す事をお勧めするわ。」

言動行動全てにおいてピュアなどという言葉がここまで似つかわしくない者は人間魔族を通して初めて見た、と言わんかのような視線を送り付け。

「そうかしら、激情の炎とはよく言ったものだと思うけれど……私は暑苦しいの苦手だから。……あなただって少しも動じないじゃない。お互い様でしょう、もうこれは。」

炎の魔族に対してはそもそもの苦手意識があるのもあったので、平然と失礼な物言いをするし、謝る気も無い様子だった。
封印するという事さえどうとも思わないかの様子に呟く彼、死やら何やらに動じない己と同じで全く動じない。
いや、自分の弱点くらいは把握しているという事なのだろう――そう思いつつも、動じないのはお互い同じだ、と言っておかないとやってられない、そんな思考がアブソリュートにはあったらしい。
彼が今まで同族にどんな目に合わされていたのか、あるいは同様の手口を受けていたのかは不明ではあるが、魔王には魔王なりの苦労はあるのかもしれないと、続いて思考していた。

「……こんな場所で?一応貴族に成り済ましてるのにこんな路地裏でそれをやろうというの。」

補足する言葉を聞けば、成程合点は言ったというような視線を送りつつ、呆れた様子の視線を同時に送った。
人通りが少ないだけで、誰も来ないわけではない。貴族身分の人間がこんな場所で――とも思ったが、現在の己の見た目と彼の姿であるならば、物好きな貴族が奴隷を犯しているようにしか見えないか、とも思えば気だるげに肩を落とした。

「別にそんなもの求めてないのでしょう?求めているのだとしたら真逆の行動だものね。
 ……御主人様ァおんぷ。こうかしら?」

この言動でアブソリュートがいかに愛嬌が無く過ごしてきたか嫌でも伝わる事になるかもしれない。
経験値の無い事は実施できない、随分と良い声でノリノリにエフェクトのようなものまで散りばめながら派手にやって退ける彼に対して、対照的な棒読み。当然エフェクトなんて出ない。額をつつかれてもバランスを崩しそうに体が揺れるだけだった。

「残り物に福はないのよ。そういうのがお望みならいっそ私が逃げてきた場所から掻っ攫った方が早いんじゃないかしら、見栄えも性格も良い子はいると思うけれど。」

神妙な表情を浮かべる彼に対してふと思いついた事を向けてみた。
魔王だと分かったから、という点もあるのだがあの場に囚われている魔族なりをまとめて引きずり出すには良いタイミングなのかもしれない、と。

「……ねぇ、さっきから言ってるそのツンとかクーとかって、何?人間界の俗語か何かなの?
ええ、元通りになったら……まずは魔力があなたに勝らなければどうしようもなさそうだけれど。」

先程、封印する方法はあまり効力が無さそうな雰囲気である事は伝わっている。
だとしたら今のまま元通りになって勝機があるかと言われると、正直言って無いだろう。
無限に生きている、という事はそれだけ死の淵を逃れたという事になり、封印の一度や二度されていてもおかしくはない。
彼の真明を知らぬが故にどんな魔王なのかも予測はできないが、その長さによっては魔王同士の戦いですら無類の強さを誇る事になる、一魔族がどうできる相手ではない。
――それでもやや嬉しそうな笑みを浮かべるのは何故なのか、いまいちその感性はアブソリュートには理解できず、片方の瞼を細め、眉尻を吊り上げた。

「女らしさを学ばなければ女は得られないと思うけれど。……さあ、原初の書でも読んだら書いてあるんじゃないかしら。そんなものあるかどうかは知らないけれど。
ええ、できればすぐにでも戻りたかったのだけど。あそこの上位魔族はやる気が無いもの。
そうね……動じ様も無いわ、同じ事の繰り返しだもの。」

ただ、痛みと違って快楽程耐えがたい物はない。苦痛であった事は間違いはないのだが。
それによって動揺することが得られるかと言うと、動揺だけは得られないだろう、見慣れてしまったのだから。
また、悲壮的になろうにも彼はあまりそのような雰囲気を出してこない、という点もまたあった。
――言動による影響なのだろうか、ふざけているようにしか見えないからだろうか。
こうして会話が成り立っている時点で、ただ一方的に欲望をぶつけられる状況と比べたら悲壮感の悲の字も出てこない。なんせ、今までは後者だけの世界に居たのだから。

「カジノってただの娯楽だと思ってたけど…お金、稼げるのね。
錬金術まで……魔王っていうのは一体どれだけの技術と知識を蓄えているのかしら。」

もう少し肉体的な方法を取っているのかと思えば、案外人間の、所謂貴族階級辺りの行動をしている事を知ったアブソリュート。
表情は少し変わり、驚いたような表情だったり、考えるような仕草を浮かべた。
そういう意味では、奴隷に対する扱いも含めて人間の貴族を遣っている事は間違いないらしい。

「ええ、いずれ御主人様達を上回るくらいの。そうでもしないと人間は駆逐出来ないでしょう。
……殺されるなら仕方ないわ。というか、こんな場所に捕えられていた時点でもう死んでるようなものだし、生きて戻れたのならむしろそちらの方が幸運であると、そう思うけど。それとも怯えてほしいの?」

彼がアブソリュートに求めているのはまさにか弱い女性らしさなのだろうが、残念ながら捻くれた彼女にそれはない。
殺されるならむしろ殺してくれとさえ思っている、恥辱の限りを尽くされそれをさらに続けようと言うのだから、むしろ殺された方が楽であると考えるのはアブソリュート的には正常らしい。
そして残念ながら彼ではその望みは叶えてくれそうにないということ――落胆するように再び俯いた。

「……あなたの権限で、魔族が捕まっている牢屋に行ったりしないの?多いとは言わないけれど、兵士だった者も少なからず居るわよ。しかも時々魔族以外の人間とかも混ざってるけど。……まぁそうね、普通、出て来られないでしょうね。
――-……ぅ…ぁ。」

彼が満足する様子はない。しかし、アブソリュートにはその刺激は強すぎる。
抵抗する力がない、というのもあるが――魔力が衰弱している状態で行為を強制され続けていたのだから耐性なんてついているわけがない。
涙ぐんだ瞳は気だるげながら、再び睨み付けるような色を宿した。

「そんな、事……う、…意識が、ふらふらして……。っ! ……この呪縛、どうにかならないの?
散々だったわ、ええ。」

頬をつつかれつつ、片方の目を瞑った。
肌の露出が広がった段階で薄く胸元や腿などに痣のようなものや鞭打ちの跡が、凝視すると見える程度に残っているのを晒す事になるだろうか。
当然拷問を受けた上で凌辱される、捕えられた者の宿命のようなものだ。

「淫魔を見た上で言っても説得力に欠けるわ。……な、なんでそんなこと。
やめ……あ…っ…ぅ……!」

此方がさせられる行為が想像と異なるものへと変化させられあ、ともすれば動揺したような表情が微かに浮かぶ。
頬が赤く染まっているからだろうか、表情の変化は先程よりも汲み取りやすくなっているかもしれない。
見下ろすように中腰になった彼の大きな掌が片側の乳房を抑えつけるように握り、先端を擦り付けながら揉む手付きが、ぞわ、と背筋に何かを走らせ、反射的に瞼を細め、首を左へと逸らした。

ハスタ > 「良いだろう。ピュアとは…それ即ち、あー…、ええと。まじりけのないさま。純粋。また、けがれがないさま。純潔。…だそうだよ。」

そこには何もなかったが、今明らかに何か読んだ。そんな風に思わせるくらいの朗読めいた言葉を淡々と述べる。本当に何かで調べたらしい。
おっさんは純粋なる混じりけのない変態である。

「あのさあ。もっと、熱くなれよ!とは言わねえけどさ。折角グヘグヘ笑って女を犯そうとしてるのに、
一言一言おじさんの催しに水差されたら萎えない?まあ萎えてもしゃぶって勃たせてもらうんだけど。
不死身の魔族が動じるなんてまあ、無いよね。不死殺しとか封印とか異次元送りも対策済みだから、おじさん凄くね?
ああ、そうだ。じゃあおじさんの耳から九尾狐の尻尾を生やしたら流石に動じるかね?」

なんだか平行線だったので趣向を変えて提案した。おっさんは可哀想に部下に1日1回は殺されて蘇っている。
パワーバランスのインフレも良い所だが、下手したら1日4桁数くらい死んでる。
これにはどこぞの命知らずに洞窟を探索する配管工もビックリであろう。
ともあれ、ずっと涼しい顔していられるのも…なんか物足りない。

「アッハッハッハ…マグメールの人間共の貴族を知らんようだね。連中は路上で捕まえた女で公開セックスショーもするし、
この街やこの国の治安は終わってるんだ。何も問題はないよねー。」

更に補足を付け足す。当然ながら、おっさんはこの辺りの治安の事を良く思っていないし、この悪政に乗じて様々な女を楽しんでもいたわけで。
女が叫び声を上げたなら警備兵が駆けつけて女を犯すのに加担する様な国だ。
富裕区域は多少ましかもしれないが、それでも大まかな民度の低さは変わるまい。
おっさんは、物好きだし、何よりも酔狂な男だった。性交の悦に溺れるなら他に逸材は居よう。
しかして、持て余す程に尽きぬ性欲は、あれしたいこれしたいと頭を巡らせて溢れる。
現に、おっさんがこの富裕区域に来たのは貴族の上品な娘さんでもとっつかまえてやりたいと思っていたからである。
魔王の名が泣くのは今に始まった話ではない。

「いやあ、でもデレてくれた方が良いのよ。いや、でも反抗し続けてくれても良いんだけど。
…ううーん。分かった、発音練習の時間だ。「御主人様♪」と言う言葉だが、まずは明るく発音する事を意識しよう。
最後に撥音便「っ」を入れる様に言いはなったらなおいいぞ。微妙に媚びるような声色で、さぁ!」

さっきから何とも分かっていた事ではあったが、淫魔とかと違って、普通の…否、しぶとい熟練の女の兵士として、
壮絶ながらそれに慣れて生きてきたことは分かった。酷い具合の棒読みにおっさん不満気に口をとんがらせてむー、と言う。
ついでに発音練習のレクチャーまで始める。

「一期一会っていうじゃん?袖すり合うも多生の縁、ともね。おじさんとぶつかったのも何かの運命さ!
急いで走ってぶつかるってまるでどこぞの少女漫―――げふんげふん、兎も角、これも運命の赤い糸さね。あー…ま、王城なりには行くけど。
わざわざ牢獄破って淫魔攫う気にはなりませんよ。ああ、言ってなかったっけ。おじさんこれでも恋人いるのよ、淫魔の。そんなおじさんは最近娘が出来ました。
余談だけど王城でお姫様は攫いたいなあ。」

行動基準が割と意味不明で知られる酔狂な魔王。残念ながらおっさんにその気はないらしい。
能天気に自身の家庭事情をのほほんと語りながらニヤける。

「あー。知らない?やれやれ、りゅーたんは何も知らないんだねえ。
ツンは、ツンケンしてるって意味。クー、ってのはクールって意味ね。人間界の俗語と言えば、そうなのかもしれない。
ついでに、ヤンデレ、ガンデレなんて言葉もある。ま、りゅーたんは満場一致でクーデレ系だよね。デレなさそうだけど。
じゃあ、諦めよう。元通りにもならんだろうし、魔力もおじさんに勝てないと思いますから!」

熱くなれよと言ってみたり、諦めようと言ってみたり。想像通りというか、おっさんはこれで超長寿の存在で。
肉体を得て世に存在している実質的な年齢も桁を並べて数える程に高齢のじじいである。
今まで魔王として狩られたことがないと言えばうそになるが、封印を破って復活すれば、弱点を補完してより強力になる。
それも、この世界と言う枠にとどまらず…そんないたちごっこを繰り返してきた、ロクでもない魔王である。
しかし、魔王であってもおっさんであり、男である。長らく生きていると…どうしても享楽に走ってしまう。
男の享楽は酒と女、故にこうしておっさんは今日も享楽を貪ってニヤニヤしている。

「原初の書ぉ?なにそれ?飲み物?んなもんおじさんは信じないよ。因みにおじさんは卵が先だと思う。
アッハッハッハ、違いない。どうせほっといても誰かが護って、誰かが奪い返す。
なーら自分はやらなくていいよねー!って、そういうヤツ多いよね。ただ、あそこが落とされたらマズいし、
りゅーたんみたいに真面目にやってくれる子がいるのはありがたいねー。
そう…ま、穴と肉の奴隷として―――ああいや、物として扱われて、ねえ。じゃ、普通じゃなくって異常に犯してみようかね。」

大体見なくても分かるが、こう冷めていながら自身が兵士であると言う彼女の事だ。戦場でも真面目に働いて居るのだろう。
言動は確かにふざけきったものであったし、陽気なものでもあった。
彼女がおっさんのネタにもう少し気前よくツッコミを入れていたら楽しくギャグ強姦になっていたやもしれない。
顎元を擦れば、どのような趣向に致しましょうかとほのぼのと尋ねる。

「いや?カジノはイカサマしねえと稼げないよ?1VS1の賭け事でも胴元の儲けを考えたら、必ず期待値はマイナスになるんだね。
覚えておこう、カジノじゃ稼げない。
そうそう、錬金術ね、ちょちょいのちょいっとおまじないすると、
そこらに金塊を生み出したり…それとか、今りゅーたんがつけてる首輪ね。これもおじさんの錬金術で作りました。凄くね?
んー…ま、でもおじさんくらい知識を蓄えてる輩も珍しいと思います。」

言葉に合わせて首輪に付いた鎖をくいくいと唐突に引いた。
ついでにサラッと自身が程よくイカサマしていることも匂わせておいた。
このおっさん、見た目に反して魔法使いで頭脳派である。あらゆる魔法を体得して、
異界の知識さえも脳味噌に蓄えるこのおっさん…その筋肉と巨躯は何のために。

「ほうほう。成程ねえ。おじさんを上回るって?そりゃあ…うん。人間駆逐は頑張ったらいいと思うけど…。
ま、夢を持つのは自由よね、おじさんも細々と応援してますさ。
アッハッハッハ、生きる喜びを知らんのかね?これからじっくり教えてあげますから。
いやいや、別にいいよ、怯えたかったら怯えて、くらいのレベルさ。」

見た目不相応の振る舞いではあるが、魔族って大体こんなもの。良い女の見た目ではあるのに、
なんだか残念だと思う反面でやっぱりへし折ってみたいと薄ら暗く厭らしくほくそ笑む。
恥ずかしがるとか恐がるとかそう言った女らしい面は見えないのが、微妙に残念だが。

「んー、おじさんあんまりそういう場所に用はないんだ。元々、おじさんの軍隊は末端兵しか使ってないからね。
貴族っつったって、遊楽するためのポジションでしかないのよ。勿論、必要だったら行くと思うけど、
そう言えば言ったことはなかったかなあ?…人間共の考えは読めんね。同族もとらえておくとはなあ。」

ディープキスだけで目が潤んでいるけれど、どうにもやっぱり目は反抗的で、従順になる様子はなかった。
ただ、快楽には弱いのだろうと憶測が付いた。益々甲斐がありそうだと思う。

「…んー、どうにかならんよ。意識がフラフラしてブラックアウトしたら、それでりゅーたん攫っちゃいましょうかね?
可哀想な事だよ。」

白色の肌の上に、うっすらと線や傷の後が残っている。顔つき身体つきはいいが、兵士とすれば多少傷物にもなるだろう。
それを考えれば、凝視しないと見えない程度の傷跡は寧ろましなくらいだろうか。
散々だった、という言葉には違いがないのだろう。

「そう?綺麗な髪だし、良い胸してるし?…あはは、なんだあ。良い声だすじゃん。それに…本当に行為に移ればどうにも感じやすいみたいだねえ?
よおし、じゃあもうちょっと頑張りましょうか、ねえ?」

ぐにゅん、と彼女の胸を多い被せて揉み潰し、引っ張って、思い思いに形を変える。
身体に押し付ける様に片方の胸を掌で押し潰せば、指で乳首を摘まんで、引っ張ったり、胸に埋める様に押したり。
二本指で挟んで回して、爪の先で擽る様に弄んで。
赤色に染まって、少し表情の変化が露骨に出た彼女の横顔が、押しとどめた様な声を漏らすのを楽しそうに眺めながら、
自身も大きな乳房をセクハラチックに楽しんで。

アブソリュート > 「……確かにある意味純粋なのかもしれないわね。」

自信満々の読み上げるその姿を見て、ああ、と何かを察したように視線を逸らした。
純粋と一言にいっても、色々あるのだなぁ、と学んだアブソリュートである。

「それが目的なんだもの。なんであなたを喜ばせるような発言をしなければならないのよ。
……でしょうね、それくらいじゃ動じないか。――…それは驚くと言うより、どういう反応をすればいいかわからない、という事にならないかしら。」

話の趣旨が変わったと思ったが、彼の言う耳から尻尾が生えている姿を想像した。
すぐに、何とも形容しがたい図が思い浮かんでしまい、上に向けた視線を再び彼に向けて、困惑したらしい表情を浮かべた。
涼しい顔をしているというのも、恐らくはまだ何か本格的に行っていないからだろう、とは思われる。
呪縛を刻まれて言葉で脅されるだけ、とは兵士には威力が低すぎる。

「……そうだったわ。魔族と戦争状態にあるにも関わらないのにこの国は途轍もなくどうしようもない、そんな国だったわね。」

そんな状況を僅かに想像して首を緩く左右に振って思考を振り払いながら、彼の言う事は概ね当たっていると思う。
魔族だけならまだしも、彼らは同じ人でさえ酷い扱いをするのだ。
魔族は主従関係こそあるが、彼らの場合殆どは信頼関係の元成り立っている事が多い。今回のように娯楽含め同族を襲おうとする者も居るが、人間はその数が殆どに存在するようにも思えた。
――彼がいかにしてこの地の人間達を見てきたのかはわからないが、物好きで酔狂な彼だからこそこのような場でも悦に浸れるのだろう、だとしたら余裕の持ちようは兵士の己よりも彼の方がずっと上だろう、とアブソリュートは思考する。

「はっきりしないのね。されても困るけれど。
は、発音練習って……あなたさっきから私に何をさせたいの、御主人様(ちょっと裏声風に)。」

呪縛の影響もあり、指示通りに喉が動いたが裏声のような妙な声になり、思わず自らの喉に触れようと動かした、腕は動かなかった。やはり力が入らない事はかわっていないらしい。
そんな残念な言動を続けるアブソリュートにレクチャーしようとする彼は恐らく、魔族随一の物好きなのかもしれない、などと考えながら。

「だとしたら私は運命とやらは呪い殺さなくちゃいけないわね…。……今何を言い掛けたの?
まぁ…変に行動すれば目立つものね、それは道理かしら。………聞く気もなかったのに、じゃあ奥さんの元にさっさと戻ったらどうなの。……姫、といえば、そういえば王族というのもかなり数が居るそうね。確か魔族側へ最近捕まった者が来たとかって話を聞いたような。」

どうにも行動基準がぶれているように聞こえる彼の言動に首を傾げながら、こんなところで欲び発散なんてしてていのか、などと思いながら――ふと姫と聞いて口を突いて出た言葉。
時折居るのだ、そういうレベルの者が捕まってそのまま救助もなく魔族に飼われる者が。

「知って役に立つ場面が私にはなさそうなんだもの。……けれど、覚えておこうかしら。
くーでれ……ね、そんな可愛らしい言葉が似合う魔族ではないのだけど。
諦める気はないわ。そのくらいで諦めていたのなら、私はまず此処にいないもの。」

圧し折れないからこそ出てこられたのだから、その言葉は否定した。
ある意味それにしか生き甲斐を見出せていないアブソリュートには諦める事は死ぬことと大差のない話であり、まだ命を投げ出す程腐りきってはいない。
恐らく今のままなら肉体的死を遂げるまで折れる事は決してないのだろう。
彼が幾度と倒され、封印などというものの餌食になっても折れてこなかったようにこのアブソリュート、しぶとい様子である。

「飲み物…書の? さあ、どうかしら。生命の神秘になんて興味はないし。
他にも居るわ、攻めるだけ攻めて防衛はほったらかし、なんていうのもね。…まぁ、今の人間相手ならそれくらい舐めていても問題ないのでしょうけど、このままならいつか足元を掬われるわ。
……異常に、って、どういうこと?」

ただ戦いたい者が居たとして、戦闘を起こさせるにはどうしたらいいのか。それは戦場を維持する事。
即ちわざと砦を明け渡して戦う者に希望を持たせ、占領したら蹂躙して追い出す、それの繰り返し。
――そもそも普通と異常の境がわからないアブソリュートは再び疑問を浮かべた。

「…なるほど、そんな知識まで持っているのね。
錬金術ってそんな便利な物だったのね……まぁ、御主人様程の魔力があってこそ出来る事だろうけど。
こうして魔王クラスの魔族と話すのは初めてだから、わからないわね。」

考えてみれば魔王との交流は愚か、魔族同士の交流も殆どしていなかった事を思い出すアブソリュート。
別に彼がどのような方法で稼いでいるか、いかにイカサマをしているかなんて興味はなかったが、彼の持つ知識には興味を引かれるばかりだった。
――もっとも、ではその肉体は一体何の術の為につけたのだろう。奇妙な点が多い彼には、知識を重点的に戦術として取り入れるアブソリュートとしては興味はあった。

「今すぐにはとても想像できないでしょうね、私も無理。
喜びなんて不要だわ、そんなものは戦争を終えてからゆっくり考えればいい話だもの。それまでに生きて居られないならそれまでということ。……あなたが教えようとしているのはただの苦痛じゃない。
そう、じゃあ怯える気はないわ。」

自分の実力と彼の実力、見ずとも明らかであるし今のままでそんな事を唱えたところで何の意味もないが、誰しもが欲を抱くというのならアブソリュートにも欲はあるという事なのだろう。
欲は魔族でさえ止められない、そういうものだ。
今のところ女らしい姿をさらしていないのは、やはり未だに兵士としての意識が根付いているかだろう。

「まぁ…あなたくらいの立場が得られているのなら態々行く必要もないか。忘れて、余計な事を言ったわ。
……そうね、利用するでもなくただ繋いでおくだけ。そこに意志の疎通もないし、これならまだ魔族の方がマシかもしれないわね?」

意識が淀みながらもやはり気を失う事はなく、そんな問いを投げかけた。
魔族にもそういう趣向はあるかもしれないが、特に魔王クラスにもなれば。もっともそれすらアブソリュートは認識していないのだけれど。
――事実、アブソリュートは捕らわれていた頃から快楽によるものには耐性がなかった。
反抗的な意志こそ最後まで潰えなかったが、体がそうはいかなかったのだ。

「兵士としてはこれ以上無い苦痛なんだけど……、そういう意味では御主人様の目的は達せられてるのかしらね。――……そもそも意識を失わないように細工してたでしょうに。
……?何の話かしら。」

可哀想だ、という呟きを耳にしてふと首を傾げた。
辱めるような色を持った言葉ではなかったために意表を突かれたと言うべきなのか、まだ表情に力が籠らないまま彼に視線を送って。
実際、この程度の傷で済んでいるのならまだマシなのだろう。あの牢屋にはもっとひどい者は居た、あそこは地獄に違いないという程に。

「褒め言葉になってない、私には…!……わ、私は、耐性、無いから……ん、違うっ。
ふ…っ!?ん……ぅ…あっ や……ふぅ…ッ!」

呪縛は言葉を隠させてはくれない。
自然と発せらせられる言葉と同時に否定の言葉を発する、そんな奇妙な光景。
乳房を揉み潰され、肺から酸素が零れ落ち、吐息へと変わって声が混ざった。
乳房の先端を摘ままれれば引っ張られ、あるいは押し込まれ弄ばれ続け、喉を震わせて声を零す。
耐え兼ねて瞼を閉じるが、白い頬は既に赤みを帯び、耳や全身においても薄らと桜色に染まり始めていた。

ハスタ > 「その残念な物を見て逃げるみたいなのやめよう?」

そりゃまあ純粋ではあるが。悲しい事に(自称)ピュアなおっさんはそんなそっけない態度により大いに傷ついたんだとか。
とはいえ、まだまだニヤニヤしているのだが。

「うっはー…こりゃあ相当犯され慣れてるね。初初しかったころのりゅーたんが見てみたいなあ。初めて犯された時はどんな感じだった?っつーか始めては誰よ?人間の名前も知らん兵士かね。
耳から生やした尻尾で第三宇宙速度をゆうに超越する鉄拳も繰り出せますし、背中のカユイ所も掻けます。驚いた?」

真っ当な感性を持つ者なら多分理解しがたいか、本気でどうでも良いと思う。そういうものである。
不尽の魔力を用いて加速術式を使えばアホみたいに早くもなれる。ただしそんなものただの無駄である。
何か困惑を露呈した顔が可愛らしかったらしく、頭をまたなでなでした。

「そうそう!ま、そういえば最近話題になってるティルヒアもロクでもない国になり下がってるみたいだケドね!
隣国とは戦闘状態、魔族に侵攻されて。それでも尚アイオーンだのわけのわからん加護が残ってやがる。
悲しい事にそういうロクでもない国を女が身一つで歩いてたらその末路は御察しよ。」

人間界に溶け込んでいるおっさんは、人間の厭らしい貴族の嗜好と考えが似ているのかもしれない。
ただただ衝突しただけの女を今日はコイツにするかと捕まえて。
魔族の国だって広い。人間に比べれば少しはましかもしれないが、色好きな輩や、こうした下衆の様な趣味を持つ者だって少なくない。
おっさんは悲観する気もなさそうに顔だけ何か悲しそうに首をゆっくり左右に振った。

「じゃあはっきりしようか?えぇ?スーパー肉便器マシンに改造してあげましょうか?
いやま、女の子は愛想ないよりある方が良いでしょ。ちゃんと話し合いはしてくれてるから別に良いんだけどね。
ほれ、何だかんだ睨んだり怒ったり毒舌吐きながらもちゃーんと話題に乗っかってくれる。好きよ、りゅーたん。
ううん。…良いね、もう一回言ってみ?こう、元気よく!」

声色が変わった。意外とレクチャーが効いたのかもしれないと呪縛もさておきおっさんはにっこりした。
何か思わせぶりなプロポーズめいた言葉を実にイカした良い声で言ってのけるが状況が状況故最悪である。
ついでに、調子に乗って更に要求。ギャップのせいか意外と言わせたら可愛いのかもしれない。意外と。
おっさんは人間共に『酔狂』なんて名前を付けられてるくらいだ。それはもう、物好きだし、行動原理だってよく分からない。
常人には理解しがたいし、頭のネジが吹っ飛んでいる、これがおっさんである。

「おじさんは決められた運命にも…ま、それはともかく。運命を呪い殺すとか可愛い事言うのね。
…あ、ううん、何でもないの。コッチの世界とは全くちっともほとんど全然関係ないから気にしないで☆
いやまあ、奥さんっていうか、結婚してないしただの恋人なんだけど。
大切な人なんだけどあの子アブノーマルなプレイNGだし何よりおじさん背徳感でゾクゾク出来ないのよ!
ま、ぶっちゃけ今日ここに来た理由も清楚っぽい貴族の人間の娘でも拉致れないかなと思ってね。
これでも崇高なる魔王様だからね、色んな女の子を色んなプレイで抱きたいわけ。
あー、この国の為政は複雑らしいからねえ。王っつっても、色々居るよね。ほぉーぅ?…そんなお姫様が。
しかし、魔王様がお姫様を攫うって鉄板すぎますかね?アッハッハッハ。」

行動基準はぶれている。気がふれている。これが酔狂の変態魔王。して、彼女が言った姫については、良く知らない模様で。
王族であるなら割と有名なのかもしれないが。人間が魔族に攫われるなんて今となっては良くある話だろう。
別段王族であってもそれは変わりあるまい。ただ、少し攫われにくくて数が少ないだけで。

「何だかんだ言いながらお話してくれたり覚えておいてくれたりするりゅーたんはやっぱりクーデレだと思うんだ。
…そーかねえ。可愛くてえっちいと思いますよ。そりゃもう、一目見て犯し尽くして調教してやりたい!と思うくらいにはね。
ああー…そう?ま、人間共に比べりゃ魔王様のおじさんはちょっぴり刺激的で違いますよぉっとね。覚悟しておいてください?」

お互い動じないし、御互いしぶとい。しかしてやはり殺す気もない。兵士のしぶとさは舐められない。
三日三晩犯されて牢獄から走り出てきた彼女、この帰結は当然なのかもしれないが。

「…今のは冗談よ?相手が出してきた名詞が何を言っているかよく分からん時に使うんだ。例えば、
「分かった、おじさんその発言をオーソライズしようッ!」「オーソライズ?なにそれ飲めるの?」と言った具合にね。
ああ、生命の神秘ねえ。命なんて単なる素材よ、死ねば無くなる儚いもんよね。
あー…あー…ま、働かんよりはマシでしょう。守衛が疎かになっても人間共に負けを取るわけもなかろうて。
って考えてるからダメなのかね?
あ、異常にって分かんない?まあ、あれよ。りゅーたんを乱暴に犯しまくるんじゃなくて、気持ち良すぎて頭おかしくなっちゃうくらいに巧く犯すって事かねえ。
玩具拘束触手!なんでもござれよ。アブノーマルプレイってね。
どーせ今の今まで男どもに穴を突かれるセックスしかしてなかったんっしょ?
…ああ、何ならアブノーマルの試しに目隠ししてみるかい?違う世界が見えてくるよ。真っ暗な暗黒の世界っ。」

食品サンプルを差し出すノリで真っ黒なアイマスクを彼女の頭の上にさも最初からそこにあったかのようにぽすんとのっけた。
振り払うも付けるも彼女次第である。
視界を塞ぐと、割と感覚や感度が上がると聞くが、果たしてどうなんだろう。おっさんは自分はやった事が無いのであんまりわからない。

「ま、おじさんはマジヤバチョー天才のうるとらぶれいんの持ち主ですからね。これくらいは当然です。
錬金術は便利よ、そもそも物質が何でできているかを考えた上で、そこに介入して物質の組成を組み替えたり、
空気や何もない所から物質を作ったり。ちょっと応用すれば複雑な物質も缶ジュースも酒も金塊もがっぽがっぽ~ってなぁ?
魔力っつーよりも―――ま、詳しくは教えないけど。魔術とはちょっぴり体系が違う学問よ。
…ふーん、そうなんだ。ま、珍しいのかね。…おじさんが思うには、普段から普通の魔族とも話してなさそうだけどどうなん?」

このおっさん、お調子者である。故に褒められたり興味を向けられたりすると自慢がてらに自身の知識や能力をひけらかす。
妙な点が多い事については、このおっさんの思考は常人には理解しがたいからという一言で片が付くだろうか。
何処まで行っても酔狂な男である。何を考えているかなど、きっと本人以外…下手したら本人でさえ分かっていない。

「んなことしなくたっていいのよ。頑張ったって、泡沫に消えたら悲しいよね。
ほらもう。意味わかんないなあ。兵士とかやめちゃえばいいじゃん?戦って?ボロボロになって?犯されて?
りゅーたん、自分の命は大切にしなきゃあ、だめよ。まあ、おじさんが言えた立場じゃあないかもしれないケドねー!
今は苦痛かもしれないけど…ほら、段々…気持ち良くなって、来るだろう?
…残念だわおじさん。泣いちゃいそう。」

それにしても、どうして彼女は兵士として生きて、享楽に走らないのか。
享楽的で物好きな魔族の筆頭格とも言えるおっさんはそれが疑問でならなかった。
淡く唇をなぞって乳首を埋めながら刺激しつつ、おっさんは目から水を溢した。
おっさんは水魔法もマスターしている。

「アッハッハッハ、そうねえ。ま、元から魔族の方がマシさ。国の状況見たら分かるでしょ。
ここに記録したりゅーたんの痴態も、魔族の国ならまじでシケた反応しか示さないのね。
一方で人間共の国でコイツをばらまいたら面白い事になるのよね。連中、同族の痴態眺めて自慰する種族だからね。」

こんこんと忘れかけられていた黒い水晶玉を指の背で叩きながらやれやれと両手を広げて首を左右に。

「ん、ああ。おじさんの呪術だけでは意識を失わないけど。りゅーたんが落ちたり、或いはそのほかの事で疲弊しきったら気絶するようにしてますんで。
完全に意識を失わないようにして弄ぶのも楽しいけど、ひとまずは気絶するくらい激しくヤっちゃおうぜってな話よ。
…ん、さっき言った通りさ。生きる喜びもなく、戦って、ボロボロになって拷問されて犯されて。それってどうなん?
兵士やめたくならない?キミは一体何のために生きてるんだろうなあ。おじさんみたいに不死身でもなけりゃ、
その命を無駄遣いしている様にしか見えんがね。アッハッハッハ、おじさんが言うのもアレだけど。」

享楽的なおっさんから見れば、つまり彼女の生き方はどうにもおかしいなと思っている。
とはいえ、兵士なんて誰彼構わず大体こんなものなんだろうが、彼女の言動や折れない意思とか、
そういう物を考えると、今は弱っているが、元の実力は結構なもので、兵士でとどまっている必要もないだろうと。
他に幾等でも安全な仕事はあるし、生命力や魔力のある魔族は、自身の力で働かなくても生きる事だって出来るかもしれない。
女の細身の身体に傷跡を幾つも残し、数を忘れられる位に人間共に犯されて、それを憐れむと共に、
背徳感でゾクゾクしながら下衆宛ら変質者のニヤけを浮かべる訳である。

「褒めてますよ。んん、良い声ですね。ちゃんと録音もされてますから。アッハッハッハ、もうちょっと良い声、聞かせてくださいな。」

胸を押し込んで、無遠慮な手は彼女の乳房を縦に横にと形を変えて。

「…さて、耐性が無いらしいけど、もうちょっと良い声で喘いでもらいましょうかね。ほえ。」

そうして、やっと手を離したと思えば手元にはいつの間にか実にアヤシイ緑色の薬品が入った注射器である。

「体内に入れる媚薬みたいなもんです。魔族、特に淫魔とかが使うやつで。
良い感じにえっちな薬品作用と、魔導回路を局所的に掻き回すやつね。お注射しちゃうぞ?」

要は、作用した一部を疼かせて感度を跳ね上げさせる媚薬。そこを触って弄ってみたいと、それくらいに肉体を疼かせるが、
身体的作用が大きく、精神的にはあんまり功を成さないタイプ。全身作用ではあるが、注入したところへの局部的な効果の面が強い。
乳首を抓って摘み上げて引っ張れば、細い針先をその突起物に宛がおうと近づけて。

アブソリュート > 「……なるほど、こういう方が傷つくのね、勉強になるわ。」

また余計な知識を身に着けるアブソリュート。
力で一矢報いれないのであれば精神的に突けるとkろおは突いて行こうというスタンスらしい。
表情は変わっていないのでそこまで効いて無さそうだ、とは思っているのだが。

「慣れてはいないわ。……その慣れきってるみたいな言い方はやめてほしいわね。
気持ち悪かった。―――誰、と言われても、名前を憶えてはいないけど、多分有名な傭兵だったんじゃないかしら。
………人の言葉で言うなら、シュールでこの上なさそうね、それ。なんで撫でるの。」

淡々と思い浮かぶ言葉が口にして出て行くが、これに関しては所詮敗北した『結果』としてした頭に入っていない為、動揺する様子はなく。
困惑した表情はまだ浮かべたままだったが、頭を撫でられるとさぞ不機嫌そうに呟き。

「ティルリヒ……私もそちらに行ければよかったのだけど、どこも同じ状況という事なのね。
結局この世界の人間は何と戦っているのかしらね…。
そうね、そんなもの、見え透いている。」

人間界の状況を見るに、人間は不思議なものだと思う。
魔族も広く見れば同族争いもあるのかもしれないが、魔族という共通の敵がいるにも関わらず仲間同士で潰し合っている。
しかもその鬱憤を仲間で晴らそうとするのだから、何を考えているのかアブソリュートには当面、理解出来そうになかった。
悲しそうに首を振る姿は、やはり何かと知っているが故の行動なのだろう。

「マシン?何よ、やっぱり魔法生物にでも変えるつもりなの?
愛嬌を求める相手が間違いだと何度言ったらよいのかしら……ん、あなたが呪縛で縛ってるせいでしょうが。
別に私が乗っているわけじゃ……もう一回?まだやるの……御主人様(元気はさすがに無かったので声だけは高めのそれ)。」

言葉の意味をよく理解していないアブソリュートは、再び単語を切り取って問い掛けた。
何が嬉しいのか微笑む彼を見据えつつも、呪縛によって再び発せられる言葉。
さすがに無いものは発生させられないので、元気というのは無理だった様子。
彼の思考を理解できるようになるのは、いつの成るのかは不明である。

「所詮は概念だもの、ねじ伏せると言った方が正しいかもしれないけれど。
中途半端に言われると気になるじゃない、一体何を言おうとしたんだか。
――…そうだったわね。けれど、って……何よソレ。浮気って言われる代物じゃないの、それって。
この国は、王族レベルでも揉めているそうね?結局そのせいで統括も取れていない。
ふう、いつぞやの魔族が言っていたけどこれでは人間が魔族の玩具でしかない、というのは同意せざるを得ないわ。…私も噂で聞いただけ、詳しくは知らないんだけれどね。王族はそれでライバルが減ってむしろ嬉しく思ってたりするとか、聞いたこともあるけれど。」

普通には考え難い言動をするのは魔王故、というよりは彼故なのだろう。
そんな事アブソリュートであれば理解も納得も出来そうになかったがそれだけ欲求に駆られているからこそ己のような者でさえ手を出したのだろうと、半ば内心で呆れていた。
王族は数が少ない、そしてなかなか捕えられないのは言うまでもないが、百パーセントではない。
だからそういう事態も稀にあるし、普通は一大事になる筈だが、彼の言う王族の複雑な情勢において、あまり大きな問題にはなっていないようだ。

「吸収できるものは吸収しているだけよ。知識は奪うしかないもの。
……兵士としては最悪に最底辺なのだけどね。全く褒められている気がしないわ。
そりゃあ淫魔との経験者だもの、人間ならまず搾り取られて生きていないんだから違うのは当然でしょう。」

やはり殺すよりも弄びたい方が主流らしい彼の言動。溜息交じりにがくりと肩を落とす。
凌辱される事には慣れている、というより慣れさせられてしまったが、故にその行為自体に恐れを覚える程ではない。

「そんな冗句が存在するのね……人間界っていうのはよくわからないわ。
そう考えると、御主人様は何なのかしら。死なない、ということは死の概念から外れている…それって生命なのかしらね。
まぁ、取り戻せずにそのまま魔族の領域に踏み込ませていないだけマシでしょうね、ええ、そうだと思っているけれど。
……わからないわ、どう違うの。
玩具やら拘束やらは…連中も普通に使っていたわね。拷問に使われたわ、お陰で休む機会がなかったもの。突かれるだけだったら終わりもあって楽だったのかしらね?……しないわよ。」

目隠し、というのはつまり視覚情報を遮断するということで、それを実行されると今手に入る情報が大幅に減る事になる。
心眼、なんてものは持ち合わせていないので猶更である。
まして強制させるわけではない、頭にのせるだけとなればそれに従う様子はなく、首を緩く左右に振るだけだった。

「でもその言い方はなんだかとても頭が悪そうに聞こえるのだけど…天才ってそういうものなのかしら。
物質の解析、組成改竄……成程、いずれ、勉強したかったわね。
学問……もしかすると人間の方が得意としている分野なのかしら。
ええ、その通り。普段魔族と然程交流は持たわないわ。……。」

確かに知識の量も頭が良い事も伝わって来ていたが、言動だけは頭が良いとは言う事は出来なかった。
アブソリュート、意外と言葉にはうるさいらしい。
彼は酔狂ではあるが、実力は酔狂故の本物であるとすれば、ある意味頭が良い者とは大抵酔狂なのかもしれないと思いつつ。

「私が望むのは高みのみよ。別に無為に戦う為だけに動いているわけではないもの。
負ける事だってあるでしょう、そこで死んだらそれまでというだけ、生命への価値を見出すなんて人それぞれ……この場合、魔族それぞれかしらね?
命は消耗品よ、大切に大切になんてしていたら消費期限が尽きてしまう――これはきっと、御主人様には理解できない事だわ、絶対に。
知らない…んぅっ、そんな事。
御主人様……はぁ…ぅ…、あなた、魔力を無駄遣いしすぎじゃないかしら。まさか無尽蔵だとでも言うの?」

生き方は実際、人それぞれである。
命の使い道もまた人それぞれであり、彼にはそれが理解できないと確信していた。
不死の者が有限を知る者の考えを理解する事は到底不可能である、死ねないのだから。
唇を擽られ、乳首を刺激されれば敏感なまでに、その身を捩り始めた。
が、その間にも魔法の演出を見ればどれだけ貯蔵があるのかと飽きれた声色と吐息を零すのだった。

「元来、欲望というものは魔族の方が強いとか言っている人間が居た気がしたけれど。
これでは逆ね、人間が魔族みたいだわ。」

彼の言葉を聞けば、ふとそんな事に思い至った。
人間は欲深いが、その原点は魔族だろうと言っている教祖が居た気がする。
しかし、今の世界はそうは出来ていない、人間の方が何倍も欲深い、これはどういうことなのだろうと、表情に出さずに思考した。
自らの痴態が記録されているなど、既に頭の隅に追い遣っているかのように知らんぷりをして。

「……本当に無駄な調整を…ん、入れているのね。勘弁、願いたいものだわ。
生きる喜びは私が進んだ先にあるものだと言っているのよ。そこに到達できなければ得られるものではない、というだけの事。私は命ある限り貫きたいのよね、高みを目指す自分を。兵士はさっさと卒業したいわね、だから魔王になる為に頑張ってるの。……だから問い掛けるのはやめなさい、勝手に口を突く。
生命の理から外れてるあなたにはわからないわよ、きっと。」

第一条件が、そもそも彼女は一般的から外れているのかもしれない。
普通は第一に幸福を考えるのだろうか、アブソリュートは第二の目標に幸福というものを置いている。
だから話が合わない、望んでいるものが異なっている以上。
ただ、兵士はさっさとやめたいというのは同意見だった。この場所に留まっている以上、跳躍的な成長は望めそうになかったから。

「褒めてるって言わな……んぁ…っ、は…や…ッ!…ん、…はぁ…っ…!」

唇を噛み、声を押し殺そうとした。
力さえ、入れば、多少はマシだったかもしれないが、吐息を吐くように零れ落ちていく。
強張る事さえできない、耐性などあるはずがなかった。

「はぁ……っ、これ以上…何をどうしろって……!?」

取り出されたのは注射器だった。しかも、あからさまに怪しげな液体が入っている。
何をしようとしているのか、考えずともわかる程に、嫌な予感がした。

「ふざ…ふざけないで、そんな厄介の物どうやって……!やめ、やめなさい…っ!」

尤も嫌いなのは媚薬と呼ばれる毒物。
人間達にも、これは使われたのだが――これは自分が自分で無くなる感覚に襲われる事を、身に染みて理解している。
それが淫魔が使うレベルとなればその力がどれほど効力があるのか、考えたくはない。
漸くにしてアブソリュートは動揺を示したが、だからといって動けるようになるわけではなく、容易くその注射器の針が胸の先端、乳首へと宛がわれ、目を見開いて身を竦ませた。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」からアブソリュートさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区-裏路地-」からハスタさんが去りました。