2015/11/15 のログ
■リン > 客の一人の手の上に乗せられて、
そこで演奏するように指図を受け、それに従って弓を構える。
どこにでも持ち運びできる奏者、というキャッチコピーだ。
……主人には伝えていないが、《アクリス》をそう意識して奏でれば
催淫効果をもたらすことができる。
もしこの場でそれを行えばどうなるだろうか、という昏い妄想をする。
……実行はしない。後が恐ろしい。
そんなことをすれば疑われるのは真っ先に自分だろう。
■リン > やがて宴は終わり、
リンもまた箱の中へとしまわれる。
(……誰もぼくを見てくれやしなかったな……)
主人も、使用人も、誰も信用ならない。
自分を侮っているどころか、人間としてすら見ていない。
すっかり慣れてしまったのだ。自分の珍奇さに。
宴席は嫌いだ。
けれど箱の中とはどっちがましなのだろうか。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区/晩餐会会場」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にサロメさんが現れました。
■サロメ > 「はぁ……」
日もすっかり暮れかけた頃、騎士然とした格好の女性が溜息をつきながら、通りのベンチでうなだれていた
「せっかくオーギュスト将軍からの勅命という名誉ある任務だと言うのに、
まるで一週間何の成果も挙げることができないとは…、
しかも噂では、大きな動きもあるようだし、魔族ばかりに構ってはいられない…」
■サロメ > 表向きは王城守護の退魔精鋭部隊、が、その実態は主に王城"内部"の監査を目的とする一団の指揮統率
さらにその選別や活動計画すべてを一任された
元々第七師団の福将軍ともいえる立場だったが、ここにきてちょっとした躍進である
だからこそ、気合も入っていたというものだが…
「……うなだれていても仕方がないな。日が暮れてしまった。
王城に戻って……ん…?」
立ち上がり、グリーブがガチリと音を立てて一歩踏み出した時に『何か強烈な違和感』を感じる
「……結界…術式ではない、呪法…か…?」
なぜこんな場所に?
金持ちが財産を守るために張っているものだとしたら位置に疑問を感じる
「………」
きな臭いものを感じ、魔力探知を行いながら早足で路地裏へと向かっていく
■サロメ > 程なくしてそれは見つかる
暗い路地裏、その更に奥まった、普段は人も入り込まないであろう場所
青白い照明魔術の球体が照らしだすそれは…
「……広域用のディスペル・フィールド…?
随分古い魔術形式だが…陣が組まれたのは最近か…」
屈み込み、そこに描かれた魔法陣と組み上げられた術式を分析する
次々に浮かぶ疑問
誰が?何のために?どうしたこんな場所に?
■サロメ > 明らかなのは、富裕層の人間が張った結界ではないということ
なぜなら『明らかに不要なもの』であるからだ
「何かを護るための結界ではなく、何かを打ち消すためのもの…」
こんな場所で打ち消す必要のあるものがあるだろうか?
理由がまるで見えてこない、それが余計に不気味である
「……」
道具袋から羊皮紙の束を取り出し、その中の一枚を手にして立ち上がる
指でススッと簡易契約の文字を魔力で刻むとスクロールはその場で青い炎に包まれ炎上消滅する
「…間に合わせの解呪のスクロール程度では干渉すらも出来ないか…ますますわけがわからないな…」
■サロメ > 「術式を組んだのはかなり高位の魔術師か… む…?」
ふと、何かに気づいて再び屈みこむ
その描かれた陣に触れないよう警戒しながら、魔術式を読み解いていく
一部の記述式が、今の人間の世界では見られないものだということに気づいたからだ
「これは…血液言語……?」
背筋に嫌な悪寒が走る
何を目的として張られたものかは知らないが、これは…魔族の手によるものだ
■サロメ > 「………」
無言で立ち上がる
この路地裏に面している豪邸に聞き込みを行う必要があるかもしれない
■サロメ > 魔族の仕掛けたものである以上、下手に手を出さないほうが良い
魔術の知識に関してはそれなりに持ってはいるものの、これは恐らく専門家でも手を焼くであろう案件だ
くるりと踵を返して、気づく
路地裏から、大通りが見えない
「……なるほど」
ご丁寧に路地裏の入り口にはイリュージョン・スペルまでが組まれている
魔力探知で探さなければ、そもそも一般人は此処に辿り着けもしないという作りだ
■サロメ > その後、近くの邸宅にそれぞれ訪問
第七師団と名乗ると中には嫌な顔をする貴族もいたが、もはや慣れたものだ
理解ったことは、以前この近くで捕物があったこと、深夜に一騒動あったこと、そして…路地裏に面した邸宅の令嬢が行方不明になったこと
「王城近くや富裕層にまで魔族が……。
…いや、城内にすら入り込んでいるのだから当然と言えば当然か…」
■サロメ > 今回の発見はとりあえずで報告だけを上にあげることにする
現状、アレを仕掛けた魔族の意図も読めない以上迂闊に手出しができない
「オーギュスト将軍はおられるだろうか…また何処かで酒を浴びるように飲んでいなければ良いが…」
コートの裾を翻して、足を王城へと向けた
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からサロメさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地」にエドガーさんが現れました。
■エドガー > 王都マグメール、富裕地区。貴族を始めとした、所謂金持ちの居住地区。都の中でも、豪華絢爛な豪邸が数多く並んでいる。それらが即ち、彼らの財力と権力の象徴のようなものなのだろう。
そんな地区の裏路地で、暇潰しの露店の真似事をしている男が居た。
「………ふむ、分かったよ。ありがとう、早々に切り上げてくれたまえ。」
木の台に足を組んで座りながら、誰かと話をしている様子だが相手の姿は見えない。
それは空間魔法の応用で、遠くの相手と会話を可能にしているからだった。
やがて、話が終われば魔法を解除して愚痴を吐くように呟いた。
「中々にややこしい状況のようだ。どうしたものかね。」
■エドガー > 「…今はまだ、大きな騒ぎにはなってはいないようだがね。それも、時間の問題かな。」
大方、王族や貴族が情報統制を行っているから、騒ぎにまでは至ってはいないのだろう。
だが、どれだけ情報に蓋をしようとも何処かから溢れ出るのが情報と言うものだ。
ティルヒアが宣戦布告をしたと言う話も、明日にはもう王都中に知れ渡ることだろう。
「だがしかし…何故、今このタイミングかな、それが分からない。」
■エドガー > 「…少々、遠出をしてみるとしようか。」
露店を片付けると、男は緩やかな歩きで路地裏から大通りへと出て行くのだった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区 裏路地」からエドガーさんが去りました。