2022/06/14 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 館内廊下」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「~♪」
ピーヒョロロと下手っぴな口笛を吹きながら、館内の廊下を一人のんびりと歩く浴衣姿の金髪の男が一人。
着込んだ浴衣は客室に備え付けのものであるが、男の着こなしは何故か妙に様になっていた。
それはそれとして、男は現在旅籠内を探検という名の散歩中である。
この旅籠は知らないうちに道が変わっていたり施設や仕掛けが増えていたりするので
男にとっては適当に歩き回るだけでもなかなかいい暇潰しになるものだった。
知り合いの従業員に聞いたところによると、その妙な特性のおかげで主に女性が迷ってしまう確率が高いらしいが……。
それはさておき、やがてT字路に差し掛かると、男は一旦足を止めて。
「──さて……どっちに行くべきですかねぇ」
右か左か。
廊下の中央で仁王立ちしながら、男は顎に手を当てうぬぅ、と唸りながら思案し始め。
「んんーむ……よし左だな、左へ行くべきと俺の中の何かが囁いている──おおっと!」
しばらく悩んだ後、男はおもむろに左側の通路へと踏み出し──その途端に、
ちょうど通りかかった誰かと出くわし、思わず足を止めて上肢をのけぞらせた。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 館内廊下」にレイネルトさんが現れました。
■レイネルト > 一期一会の傭兵業。
傭兵業で稼ぎはあるが、実際にはいつ食い扶持がなくなるかわからない為、一銭でも安く泊まりたいと思ったのがこの旅館を選んだ理由である。
しかし初めてこの旅館を宿泊した彼女は暫くして異変に気付く事となる。
「・・・暫く歩いたはずなんだが、まだまだ部屋にはたどり着けなさそうだねェ。」
テクテクと歩く事30分は過ぎただろうか。
指定された部屋に行くまでこんなに時間がかかるとは露とも思っていなかった彼女はポツリと独り言を呟く。
どういう理由かはさておき、どうやらこの旅館は何やら訳ありのようだと悟ったらしい。
さてまぁどうしたものかと思いながら廊下を歩いているとT字路へと差し掛かり―――
「おやおや、丁度いい所に人がいたねぇ。従業員・・・ではなさそうだがね。」
人の気配を感じてT字路を右へ。
曲がった瞬間、浴衣姿の男性が視界に入るとその仰け反った姿を見て口元だけ友好的な笑みを浮かべて話しかけるだろう。
■エレイ > 出くわした相手──その黒髪の女性は、鉢合わせた男の存在に驚くでもなく
平然と笑って話しかけてきた。
そんな態度に軽くパチクリと瞬きしながらも、男も仰け反らせていた姿勢を整えるとへらりとゆるい笑みを浮かべて。
「──……やあやあコンバンハッ。うむ、今は見ての通り一介の宿泊客であって従業員とは無関係」
ウム、と大仰に頷きながら彼女の言を肯定すると、改めて女性の姿をジロジロと無遠慮に眺めて。
「で、そっちも俺と同じく宿泊客……ってことでエエのかな。丁度いいと言ってたが
何か困りごとでもおありかな? 俺で良ければ助力させていただくが……」
それから軽く首を傾げ、彼女に問いを投げかけてみる。
誰かの手が必要なら、己の手を貸すこともやぶさかでない、と申し出つつ。
■レイネルト > 「うむ、先ほどこの宿に宿泊を決めたはいいが―…。恥ずかしながらどうやらこの旅館で迷子になってしまったみたいでね。」
旅館で迷子になる、とは何とも奇妙な言い回しである。
が、伝わる者には伝わるのだろうか。ともかく自身に置かれた状況を説明するとやれやれとワザとらしく肩を竦めてため息をついて見せ。
「…どうだろうか、貴殿さえよければ道案内を願いたいのだが。尤も、私に大した礼などはできないのだがね?あぁ、失礼。私はレイネルトというのだが、貴殿は?」
最中に感じる視線を受けると、ニヤリと艶やかな笑みをお返しして男性に問いかけるだろう。
その最中、思い出したかの様に簡素な自己紹介をすれば握手の為の手を差し出してみせ。
■エレイ > 「ああ……なるほどなという顔になる。この旅籠はなんか内部構造が少々特殊らしく
初見の人が迷ってしまうのは仕方のないことらしいぞ?」
迷子、と聞かされれば得心がいったような声とともに眉下げた笑みを浮かべ、
そんな返答を寄越す。
知り合いが言っていたことはどうやら本当らしい、と内心で苦笑しつつ。
「ウム、いいぞ俺はこの旅籠は常連だからな道案内ぐらいチョロいこと。
レイネルトちゃんだな、俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというのだが呼ぶときは気軽にさん付けで良い。よろしくだべ」
彼女のグラマラスな肢体を露骨に眺めていれば、その視線に気づいたらしい彼女からニヤリと笑みを
向けられてへへ、といたずら小僧のように笑いながら肩をすくめてみせ。
彼女の自己紹介にこちらも珍妙な自己紹介で答えながら、差し出された白い手を取って握手に応え。
「礼とかに関しては、まああ道案内を完了してからのお話ってことで……じゃあとりあえず
行くとしまひょ。部屋番号は受付で聞いているかな?」
そして、とりあえず道案内をするべく彼女に部屋番号を問いかける。
それを聞けば、男はそのまま彼女の手を取ってゆっくりと部屋の方へと歩き出そうとするだろう。