2020/10/22 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイスラさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からイスラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にイスラさんが現れました。
■イスラ > 此処を訪れるのも久しぶりだった。
缶詰に有っていただの、商業都市の方で活動していただの、色々と有った為に。
間が空いた事もスパイスとなり、先程まで浸かっていた温泉は気持ち良く。
序でに少量だがアルコールも入っているとなれば。ふわふわとした気分にもなろうという物だろうか。
今は、湯上がりの火照った身体を。そこそこ冷ます為も兼ね。浴衣姿でロビーに居座っていた。
はたはたと手扇で、頬や首元辺りを扇ぎつつ。宿の者の用意してくれた、冷えた飲み物に口を着けていた。
受付近くのソファには。娘と同じく、こうやって寛ぐ者達の姿が、他にも幾つか。
普通に暇を持て余す者。長風呂をしている同伴者を待つ者。遅れてくる誰かと待ち合わせている者等も居るのだろうか。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にジーゴさんが現れました。
■イスラ > 今日は、一人である。貴族絡み、親族絡み、友人絡み。多人数と行動を共にする事が続いていた為。
そろそろ誰に気兼ねする事もなく。手前勝手にくつろいで、身体も心も休めたくなったのだから。
勿論。何処何処へ出掛ける、何時までには戻る、だのは。きちんと親兄弟に報告し。許可を得た上での外泊なので。
案の定、不良少女を自称するには。些か、物足りない活動ではあるのだが。
「 けど良いさ。多少の語弊なんて、温泉の気持ち良さと比べれば。…有って無きような物なのだし。
逐一見張られている、という訳でもなかろうし…?」
口にして…ふと。少し嫌な物を感じてしまった。
勿論、普段ならそんな事、考えもしないのだが。いい加減そろそろ、身を案じられる事になり。
こっそりと顔を隠し気配を殺し、影ながらに見守る…父の配下の一人でも。居るのかもしれないと。
「 そう考えると――ぞっとしないな。…着いて来辛い所にでも行ってやろうか。」
反骨心万歳である。考えつけるとしたら…何処だろう。
再度湯船に入ってやろうか。それとも、誰かを口説いて同衾でもしてやろうか。
流石にそういう事の真っ最中まで、監視されはしない…筈。きっと。多分。
■ジーゴ > 「どうすれば…ふろに入れる…?」
今日の仕事はいつもよりも肉体労働だった。
大きな風呂で汗を流したいと思って、普段は来ることの無い水浴び場に足を運んだは良いが、初めて来たから勝手が分からない。
入口を入ったところで立ち尽くしている少年。
泊まらなくても風呂だけでも入れる、と聞いてやって来たはよいが、入口に立ち尽くすミレーに構う者はおらず、きょとん、と周囲を伺う少年だけが取り残されている。
■イスラ > 「 ……おや。」
何れにせよ次の行動を決め倦ね、周囲を見渡して…その人影を見付けてしまった。
所在なさ気に佇む一人の少年。道行きが判らないと言わんばかりの素振りであるのなら。多分、此処に来るのが初めてという事なのだろう。
ふむ、と少しばかり思案した後に…一瞬。獲物を見付けた。そう言わんばかりの光が瞳を過ぎる。
ソファから立ち上がれば、その少年へと歩み寄っていく。
先に気付かれようが気付かれまいが。声を掛けるのは此方から。
「 やぁ其処のキミ、どうしたんだい?
手持ちぶたさというのなら――そうだね。一つ、頼まれて欲しいのだけど。」
■ジーゴ > なにやら見たことがない服を着てくつろぐ人や、
どうやら、受付のようなものなどを見やって。
恐らく、あそこでお金を払えば念願の風呂には入れるのではないだろうか、と見当を付けていたところに、突然聞こえた声。
「てもちぶたさん…?な、なにですか?」
ピクリと獣の耳が声のした方を向いて、
そのすぐ同じく獣の瞳が警戒心薄く、きょとんと首を傾げて声の主を見上げる。
■イスラ > …なに、状況を察するのは差程難しい事ではなかった。
汗の臭い。決して身綺麗とは言えない姿。温泉に入りたくてやって来た事は目に見えている。
しかし何も知らない者が、いっそ桁外れな程にも大きなこの宿を訪れたなら…まして、異国情調に打ちのめされたなら。
何処をどうすれば良いのやらと、戸惑ってしまうのも当然だろう。
九頭竜山脈の秘湯等とは違う。そも、温泉宿の寛ぎ方すら。初めて知るという者が、この国には大勢居る筈なのだから。
「 あぁそう、キミだよ。
…温泉、入るんだろう?だったら丁度良い。ボクも、もうひとっ風呂浴びようかと考えていた所でね…
手伝ってくれないかな。これも一つ、態の良い稼ぎと思って――ね。」
風呂に入る。それだけで、何の手伝いが居るというのやら…ではあるが。
如才のない娘の何気ない所作で、察する事が出来るか否か。
それなりの身分に有る、要は、誰かを使う事に慣れた人間であるのだと。
■ジーゴ > おそらく、風呂に入りたいという気安い気持ちで来てはいけない場所だったようだ。
やたらと高い天井。見たことのない構造の絢爛な建築物。
大きな布を纏ったような服。
場違いすぎる場所に来てしまって、勝手が分からず困っていたから、声をかけてもらったのは、渡りに船。
「オンセン…?ああ、ふろですね。お金くれるなら…」
何を手伝えば良いのかはいまいち分からなかったけれど、
生来、使われる側の存在である少年は断ることはせずに、
勿論、了承した。
それでも、どうすれば風呂に向かえるのかはわからないから、相手の後に付いていこうとするだろう。
■イスラ > ――きっと。ただ、湯を浴びに来ただけであるというのなら。その少年は知らないのだろう。
曰く世の中「ただより高い物は無い」のだという事を。
この国に存在する施設である以上、そういう危険の伴う宿なのだという事も、だ。
当の少年が頷いたのなら。着いてこいと言わんばかりに片手を振って踵を返す。
宿の者に、何事か問い掛けられる事が有ったなら…その時には。
後から付き従ってくる少年の事を、自分の従者なのだ、そうしれりと謀って。
それ故に、少年の身なりだの、ミレー族という立場についても。何かを言ってくる者は居ない筈であり。
やがて、ロビーから奥まった廊下を渡り、庭を巡る回廊を抜け。宿泊部屋の並ぶ辺りへとやって来る。
娘の方は慣れた素振りで、並んだ客室達の一つを開き。自分の泊まっている部屋なのだと言いながら。更に少年を導いて…。
「 ――さて。大浴場でも良いのだけど、彼処は未だ未だ、他の客も大勢浸かっているのだろうから……落ち着かない。
キミさえ良ければ、どうだい?これでも割と広いと思うのだけど。」
部屋の奥まで入った後、再び、曇り硝子の仕切りを開けたなら。
その先に広がるのは、部屋毎に備えられているのだろう浴室だ。
割と、というだけはあり。二人、三人、くらいなら。思い切り全身を伸ばしても剰り有るだろう、檜の湯船。
それを指し示してみせようか。
■ジーゴ > 「ね、ちょっとまって…」
急いで追いかけるもさっさと先に進んでしまう相手を追いかけて。
大きな岩と小さな石が無造作に並ぶよくわからない趣の庭や今まで見たこともないような立派な部屋が並ぶ長い廊下。着いた先は大きな客室の内の一室。
「ダイヨクジョウ…?オレは別にどこでも…」
仕事帰りに風呂に入ろうと思ってやってきただけだったはずなのに、招かれた綺麗で大きな客室。
見慣れない見た目の壁や床でも、それがお金のかかったモノであると言うことだけは分かる。
完全に萎縮して、部屋の入口の片隅で立ち尽くして。
「すごい!」
それでも、部屋の奥の仕切りが開けられると、客室一つ一つに付いているには十分すぎる大きなお風呂。
興奮して、獣の耳は上に伸びて、思わず顔がほころんだ。
それでも、入口のところで立ち尽くしているのは、何をしたらいいか分からないから。
「あ、オレなに手伝ったらいい?…ですか?」
言葉づかいはできるだけ丁寧に。
まだ、入口付近に立ち尽くしたまま尋ねる。
■イスラ > 「 良いんだよ?贅沢を言ってもね。…こういう所に来たんだ、少しは気も晴らしたいだろう?」
仕方ない…と。言ってしまえばそうなのだろう。少年の態度は、卑屈だ。
ミレーという立場も含め、そうならざるを得ないような育ち方、生き方をさせられてきたのだろう。
…奴隷制度という物自体を、否定出来る立場に、娘は居ない。だから少年を救い上げる事は出来ないが。
一夜くらいは巻き込む事に決めた、謂わば雇ったに等しい立場なのだから。
その間くらいは、立場を果たしてみせようと。身を退いた侭の少年へと問い掛けて。
「 …それはもう。風呂に来たんだ、湯に入る事――それ以外の何が有ると言うんだい?
取り合えず、体を洗って貰う所から…ほら、だからキミも脱ぎ給えよ。」
香木めいた、だが少々効き過ぎたかのような檜の香りと。湯その物の匂いとが混じり合う。
源泉とも繋がり、終始、湧き続けているのだろう湯水は。今から再度湧かす必要など無く、直ぐにでも入れる物。
此処まで来て、今更にも似た少年の問い掛けに。少しばかり肩を竦めれば。
慣れたものだ。向けられる視線の前で、するりと浴衣を脱いでいく。
細身の少女と変わらない、だが一点、肉芽と呼ぶには細く伸び垂れた違和感だけ、備える肢体を晒してしまえば。
改めて少年を手招いて。
■ジーゴ > そうだ。風呂に入りにきたんだった。
綺麗な建物のスケールの大きさに圧倒されて忘れてしまっていたけれど、確かに本来の目的は入浴だった。
促されてようやく思い出すと、着ている服に手をのばす。
するりと服を脱ぎ捨てると、年齢の割に華奢な体が顕わになる。
うっすらと筋肉がつき始めた手足。まだ薄い腹の下の方には赤みを帯びた性器。陰毛はなく、まだ中性的な印象の体つきだ。
今日は肉体労働の後だからか汗の臭いと混ざり合って、普段は微かなはずの獣の匂いがいつもよりも強いことが少し気にかかるけれど。お湯で流せば、檜の香りに負けるくらいには落ち着くだろう。
促されて風呂場に入ると、風呂場の床に片膝を突いてしゃがみ込む。ちょうど相手の下半身が目の高さ。
「お体をお流しします。それとも、オレの体でおたのしみになりますか?ご奉仕がよろしいですか?」
相手の性別がいまいちよく分からない。何を望んでいるかをできる限り丁寧に問うた。
どのような方法でも主人に奉仕するように躾けられている奴隷だ。そもそも低級な奴隷だから奉仕の質の保障はないけれど。