2019/11/06 のログ
■シャルティア > じっくり、心まで温まると、勢いよく湯から出る
ぽかぽかでいい香り。温泉は大好き
温泉宿の脱衣所まで寒い夜の岩肌を元気よくとたたっとかけて、温泉から出ていく
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にアデラさんが現れました。
■アデラ > 秋の夜の寒さを思わせぬ程に、もうもうと湯気の立ち上る露天風呂。
屋根があるから、その湯気は完全には拡散しない。けれども大気の流れは確かにある。
虫の声。或いは森の獣や鳥の声。そういうものを楽しめるならば、何時間でも居られよう心地よい空間。
「風流──って言うのかしらね。あんまり縁の無い言葉だけど」
華美・絢爛・豪華。そういう言葉には縁深い貴族の少女。
退廃の王国に生まれ育った彼女は、こういう穏やかな空間は自分に似合わないと自嘲するが──
とは言え、それを解さない訳ではない。
目を閉じて、自然音をコーラスの代わりに口ずさむのは、ノーシス主教の賛美歌。
篤信とは無縁の少女ながら、その声音ばかりは美しく夜風に乗る。
■アデラ > 「んんー……んー……」
歌詞の代わりに適当な音を、旋律に乗せて風に流す。
人の気配を察知して、周囲の獣や鳥の歌声は密やかになったが、それは些細な事だ。
今は歌う事が心地良い。
獣達は生きて種を繋ぐ手段として鳴く。
少女は娯楽として、歌詞無き歌を口ずさむ。
「la la la────lu la──────」
次第に喉の調子が乗ってきたか、喉奥を少し広げて響きを作って。
たしなみとして習い覚えた賛美歌を、祈る清らかさも持たぬままに歌い続ける。
声楽の声音の整え方。広いホールに響かせる、高く澄んだ声。
■アデラ > ──やがて、夜が更けて行こうとも。
その歌声は続いていた。すっかり月が落ちてしまうまで。
日が昇るまでにはその声も聞こえなくなって、少女の姿も湯船からは消えている。
神に祈る誠意は無くとも、音曲に罪は無い。
しとねを共にする相手こそ見つからねど、上機嫌で少女は眠るのだろう──。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からアデラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
■カイン > 月が天頂へと向かう頃合い。
月光に照らされた岩風呂の中を一人貸し切り、
ゆっくりと体を伸ばす男の姿が有る。
一度体を伸ばした後、ゆっくりと力を抜いて目を細め。
「はぁ…こうやって一日の締めくくりに湯に浸かると、何というか生き返るって感じがするな。
最近はあんまり風呂に入るってコト自体が出来ない旅ぐらしだったし、
暫くのんびりと街で過ごすのもいいかもしれないな」
街道をゆく商人たちの護衛やら、
大海をゆく船の護衛やらと、正直な所あまり落ち着ける仕事をしてない昨今である。
ここまでのんびりとした時間を取れるのは久方ぶりだとひとりごちながら肩を叩く。
それなりに長く生きてるせいか、どうにも所作がおっさん臭い。
■カイン > 「そろそろ大きめの仕事をするのもいいかも知れないが、どうするかね。
タナール砦くらいならいいんだが、流石に主戦場の方に行くのは気が引ける。
知り合いなんかと鉢合わせたら目も当てられない」
面倒なことになるのが目に見えてるとぼやきつつに、
大きく体を伸ばすと自然に熱っぽい息が漏れる。
段々と軋むような感覚を覚えるようになった体の節々に、
思わず首を慣らし。
「ここらで一度ちゃんと休むか、
街で暫く過ごすかね。…ま、連れ添いも居ないんじゃ酒飲むくらいしかやることないが」
あまり言ったことのない場所の酒場めぐりでもしようかという算段。
既に発想が完全に飲兵衛のそれである。