2019/08/13 のログ
テリス > 「そりゃそーなんだろうけど。こうして話してる分には普通の女の子なのにな。
そりゃ再々あったら話題になってるだろうな。まぁ、忘れとくよ。」

誰にも言わないし、広めない。
口の堅さには定評がある。情報屋はそういう商売なのだから。
魔導書の貴重な風景は少年の心にそっと仕舞われた。

シャリシャリという涼やかな音に横目でその光景を見る。
なるべく裸を見ないように、と思いながら。

「なんかすげーな、それ。…いや、美味いよこれ。夏にはいいな。」

口に運ぶ冷たい甘味。商売だってできそうである。
きっと飛ぶように売れるんだろうな、と思うが口にはしなかった。
何だったらグラスを受け取って自分で口に運ぶようにするだろう。

「風呂は裸で入るのが当たり前だろうけど…。いや、ある程度隠したりはするぜ?
まぁ、礼節とか、貞淑さとか、そういうんじゃねーの。裸見られて恥ずかしくなければ外でも皆裸だよ。」

何故こんな事を言わないといけないのか、と思わない事もない。

「…風呂場だからな。別に裸でいるのは変じゃねーけど。
その、男の前で裸とか誘ってるんでもないならやめた方がいいとは思うぜ。」

ざば、と少年は湯船から立ち上がる。のぼせる前にそろそろ撤収しよう、という腹積もりだ。
全裸の美少女といつまでも二人きり、というのも間違いが起こりそうだし。

ルリル > 「意思、魂、肉体を持っている点では人間とそう変わらぬよ」

どれだけ力を持っていてもその中身まで偉大だとは限らない。
はしゃぎもすれば失敗もするのだ。
忘れるとの言葉にほんの少しだけ、ぷっと頬を拗ねる様に膨らませただけだった。

「まぁ、偶にはこういうのもやっておかないとな。喜んで貰えた様で何よりだ」

ほんの少しのお礼にもなっただろうか。
少年がグラスを受け取り自分で食べるのを少しだけ残念そうにしてみて。

「礼節だの貞淑だのは、まぁ、人間の常識であるからのぅ…恥じらいが無いわけでは無いが、そのようなモノだと思ってきたわけだし」

今更恥ずかしがるのも可笑しな話ではあるのだが。

「…誘われたかったのか?…それは勿体無い事をしたかの?」

ざぱりと立ち上がる少年を見上げれば、当然目の前に少年の下半身が目に入るだろう
くすり、とほんの少しだけ色を含ませた笑みを漏らせば益体も無い軽口を

「これをやろう。食べるなり売るなりするがいい」

指先を宙へと滑らせればグラスへと飴玉のような淡い赤い色をした氷がカラカラと零れ落ちる

「そのままでは溶けず、口の中でのみ溶ける氷菓だ」

先程食べたシャーベットと同じ味のする氷菓だ。
魔法で作り出した、お口で溶けて手で溶けない仕様になっている。
少年へと差し出すようにグラスを掲げて

テリス > 「…人間にしか見えないぜ?」

少なくとも言われるまでわからなかったわけだし。
今後出会っても普通に接するのだろう。
書だからどうこう…という事は少年には無縁だった。

「あぁ、美味かった。娯楽で甘い物なんて初めて食ったかもしれないな。」

ざぶざぶと湯船から外へ。
んん、と伸びをすればここちよい涼しさを感じる。
やはり少しのぼせたのかもしれない。

「誘われたいとか思ってねーよ。ヤりたいとかそりゃ、人並みだよ。俺も男だもんよ。」

正直、その真っ白な裸身に魅力を感じなかったわけではない。
しかし、強引に手を出すほど少年は大人ではなかった。

差し出された氷菓を受け取り、まじまじと見つめる。
へぇと感心した声を上げて…。

「……せっかくだから食べるよ。次会った時、感想言わなきゃな。」

売ってもいいと言われて心揺れないわけではない。
しかし、もらったものを売ってバイバイはマゴコロ?とかセイイ?に欠ける行為だと思った。

「あんがとよ。じゃあまた、どっかでな。」

そう言って少年は浴場をペタペタ歩いていく。
そして男側の脱衣所へと姿を消していった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からテリスさんが去りました。
ルリル > 「人間にしか…見えぬか」

去り行く少年の後姿を見送り、グラスの氷を一つ口に含む
零れ落ちた言葉は何処か楽し気であり寂し気であった。

「…また、どこかで会えたら良いのぅ」

気の良い少年であった。
心地よい邂逅に少女の心は湯に溶ける様にしてゆるゆると身を擽る。
そんな言葉を独り言ちてから、少女もまた湯から上がり場は静けさを取り戻のであろう

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からルリルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 石造りの浴場で、男が一人湯に浸かっている。
まるで引き絞られた様な、細いながらも筋肉のついた身体には、大小様々な傷がある。
それらを、何となしに撫でながら、男は呟く。

「あー、良い湯だ」

しみじみと言う男は、殆ど身体を横たえるようにして、全身で湯を感じている。
夏に熱い湯というのも中々乙なものだと思う。
何だかんだ入ってる途中も気持ちいいし、外に出た時に涼を感じることも出来るからだ。

「ふああああ……最近仕事の疲れも溜まってたからかな、眠くなってきたや」

そんな事を言いながら、のんびりじっくり湯に浸かる男。

クレス・ローベルク > 「んー、そろそろ旅行とか行きたいなー」

シェンヤンとか久々に行ってみようかなーと思う。
武者修行したりちょっとした理由で盗賊退治したりしたが、単純な旅行はあんまりしてない気がする。
酒美味いし飯も美味いんだよなーと割と少ない幸福な記憶に浸る。

「国境越えるのだるいけどなー」

賄賂を渡すにしろ、隠れて通るにせよ、面倒の大きい場所ではある。
どうすっかなーと水面をばちゃばちゃ叩いて考える。

クレス・ローベルク > ――男の休暇は続く
ご案内:「九頭龍の水浴び場 大浴場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場/岩風呂」にカインさんが現れました。
カイン > だいぶん暑くなってきたこの時期でも風呂は良いもんだなあ…」

宿の一つにあるに設えられた露天風呂、
大きな湯船の中に1人身を浸して心底しみじみと言った調子の声を出す男。
体が芯から温まっていく感触に息を吐きながら、体を大きく伸ばし。

「用心棒稼業は楽でいいんだが、時間が長いのがな。
 この時期は雨が降るし…困ったもんだ。
 いつでも温泉に入れるような場所ならいいんだが」

そんな場所はこの湯の線源である山脈の方でもそうそうあるものではない。
小さくないものねだりをぼやきながら、熱を強く感じるように湯の中で腕を伸ばし。