2019/02/09 のログ
■アルクロゥ > 「はは、確かに子供のままではこの国の旅は務まらないだろうな」
彼女の言葉が牽制なのか実際に何かを隠しているのかは分からないが、まるきりのデタラメとは思わず頷く。
まだ正体も分からない状態であっても、揺れる水面程度ではその美しい肌や女らしい仕草から男が妄想を浮かべるのを妨げる事はできない。
「シシィか、確かにこの辺りとは違う名前の響きだ。
ああ、こちらも冒険者のように腕が立つわけではないから、天より与えられた才覚と研鑽し蓄えた知識を活用して、研究の傍に商売のようなこともしている。
もし異国の珍しい物で錬金術の素材になりそうな物でも持っていれば、良い値で買わせてもらっても良い。
……もちろん、商売ともなればなおさらお互いをもっとよく知り合わないといけないが」
相手が興味を抱いてくれるのを感じると学者の常なのか少し饒舌になりつつ、
含んだ言い方をして笑いながら見つめるがそれは明らかな建前だった。
男の視線はまっすぐシシィの瞳を見つめ、良くも悪くも彼女への興味と期待に満ちている。
湯の中で触れた彼女の手が逃げなければ、男の手はさらに積極的に大胆になっていく。
一度指を絡めるように握ってから優しく引き寄せ、その小柄な身体を自分に凭れさせて見つめると、楽しげに笑いながらそっと反対側の肩に腕を回して抱き、もう片手を太ももに触れて撫で始めた。
肌の色にかかわらず女らしい柔らかな感触はそうやって身体を触れ合うだけでも気持ちよく、男の期待が膨らみ始める。
「シシィ……、寒さが苦手だというのに一人で長旅は何かと心細いこともあるだろう。
この浴場では誰でも一緒に温まり楽しむことができるからな。
シシィも存分にゆっくり楽しんでいくと良い……」
甘くささやくような声音で優しくそう言うと、見つめながらゆっくりと顔を近づけて唇を奪おうとするのだった。
■シシィ > 彼の言葉に、己が年齢以上に子供に見られているような気もするが、彼の肌に刻まれた年輪を見るに己よりずいぶんと年上なのは間違いなく。
あえてそれに対して抗っても無意味と判じると曖昧に笑うことにした。
唇の端だけをわずかに上げて、ただ──彼の言葉や、生業に興味がないわけではない。
出来れば深く話を聞きたいところではあったから、そこに隙があった、ということかもしれない。
微妙にずれたお互いの思惑に、重なる指。
逃がすのが少し遅れたのだろう、引き寄せるように絡めとられて───
ぱしゃりと湯の跳ねる音。
向けられる眼差しの色は深い赤色だ。
髪の色は同じでもそれだけで随分と趣もまた変わる。
眼差しに宿っているのは己への──好奇心と劣情の混ざったもの。
距離が近くなるのに抗う様に互いの間に腕を割り込ませて、だが、そのせいでずるりと麻布が解けて水面に浮いた。
「───っ」
甘い囁きは恋のさや当てでもするような響きを持って。
それにのぼせるような純粋な乙女でもないのは幸か不幸か───。
「……なる、ほど。でも今楽しんでいるのはあなたのようにも思えます、ね?」
する、と指を相手の胸板から首筋、頬へと撫で上げ、唇に柔らかく触れさせて。
悪戯な、面白がるような響きと共に言葉を返し、唇泥棒を阻みながら。
■アルクロゥ > 心地よく温かな温泉の湯と香りは天然の媚薬代わりなのかもしれない。
年の離れた自分と裸のまま間近に接しても警戒感を保てず、拒むことも忘れてされるがままになっている彼女に笑いながら口付けた。
自分では否定していたが小さく柔らかな唇はまだどこか幼さを残しているようにも感じるが、それが男の嗜好をくすぐる。
その身体には勿論だが少し話してみてシシィ自身にも興味を抱いているため無理はせず優しいキスで唇をなぞり合わせ、慣れてくるとそっと割り開かせて舌まで差し込み始める。
お湯の中ではゆっくり太ももを撫で回して彼女の身を包み隠していた布を裾から少しずつたくしあげる素振りをみせたが、それもあまり抵抗がないように感じると、あえて焦らすように一度そこから手を離して代わりに胸へと触れ始めた。
指摘される言葉には平然と笑って返す。
「ん…ちゅ…っ…は…、それは勿論、年頃の娘を抱いて喜ばない男なんていないだろう……?
シシィの方こそ旅先での過ごし方にも慣れている様子だが……これは今出会ったばかりの男とのこんな関係をシシィも楽しんでくれてる、と思って良いのかな」
お互いが軽口を交わす横で、浮かび上がった布が波間に揺れながら少しずつ離れていく。
再びキスして優しく舐めつけて舌で舌を追いかけながら薄く目を開けて相手の表情を見つめ、大きな掌をゆっくりと押し当て、その乳房の大きさと柔らかさを確かめるように握りこんでいく。
少しずつ強弱をつけてふにゅふにゅと揉み、時々親指の腹で先端の蕾を軽く押しつぶすようにして擦り刺激しながら、彼女の気持ちよがる触り方を探っていく。
■シシィ > 阻んだはずの手指を超えて、重ねられる唇に、体をぎこちなく強張らせる。
それを幼さととらえるならばそれは、そうなのだろう。
行為自体は柔らかで、甘く。
───己がどこかに置き忘れた感情のように胸を焦がすものだ。
「───、ん、ふ…ふふ、私も経験豊富な方との一時は好きです、けれど───」
吐息を交わらせる距離で言葉を交わす。だが──
ぐ、と差し入れた手で、相手の胸を押しやり、体を逃がす。
体をひねり、湯が波立って、音を立てた。
「──ごめんなさい?逆上せてしまったみたいなの、お暇致しますね?」
ふる、と首を横に振る。
甘い時間を断ち切るように、口元にはやわらかく笑みを浮かべたまま、柔らかな稜線を描く体を惜しみなくさらしつつ。
解け、湯の波間漂う麻布を取り上げるとまた体に絡みつけると、捉えどころのない湯気のように、湯から上がると脱衣場へとその姿を消して──
ご案内:「九頭龍の水浴び場「露天風呂」」からシシィさんが去りました。
■アルクロゥ > ただ浸かるだけでも十分に暖かいお湯の中でお互いの体を弄りながら行為に熱中していくと、頭がのぼせたような興奮を抱いて理性がさらに薄れていく気がする。
その隙をつくようにシシィが身を離し立ち上がり、気がつけはひと時の幻のように彼女の匂いだけを残して露天風呂に取り残されていたのだった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場「露天風呂」」からアルクロゥさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
■カイン > 「ふぅ。真昼間から温泉に入るってのは中々贅沢だな」
宿の一つにあるに設えられた露天風呂、
大きな湯船の中に1人身を浸して心底しみじみと言った調子の声を出す男。
今日は休みと決め込んでの散歩の途中、軽く立ち寄ったのが午前中。
しかしながら一度風呂に入ってしまえば中々出る踏ん切りがつかず、
宿を取ったのがつい先ごろの事である。
上機嫌な声を上げ、ふと何かを手で持ち上げるような仕草をしたところではたと気づいて手を止め。
「おっと、酒は流石に持ってきてないからな。
癖になるくらいまでここで酒飲んでるってのも大概だな」
我ながらと苦笑いめいた表情でぼやいて手をひらひらと湯の中で振り。
■カイン > 「…これ以上はさすがにやめておいたほうがいいな。
また今度入りに来るか」
体がずいぶんと温まったことを確かめるように体をほぐし、
立ち上がった後にその場を後にしていくのだった。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からカインさんが去りました。