2019/02/01 のログ
紅月 > ひゅるるる………カコーン!!
「みゃっ!?…っふがごぽぼ…ぶはっ!!
げほっ!ごほっ、ごほごほっ!……ったぁぁ…」

気持ちのいい音をたてて命中、からの、不意討ちに力んでしまい水没…ザバァっと身を起こせば温泉の底に座り噎せる、ひたすら噎せる。

「……な、何…なんなの」

痛む額をおさえてキョロキョロと辺りを見回す。
完全に気を抜いて…抜ききっていた故、涙目で。
けれど見回しても人間の気配は無く、いつも通り其処らに漂う妖精らの気配しか…妖精、しか?

「……、…エルっ!?」

ありました…妖精混じりの魔族の、小さな気配。
見るからに"ビックリした"と書いてある顔を幼女に向ける…額はほんのり赤い。

エルディア > クリーンヒットを確認。対象沈没。
泡を食って半分溺れる様を無感動に眺める。
もう一個投げた方が良いだろうか。
いや、次投げたら完全に沈む気がするのでやめておこう。

「こーげつ」

どうやら完全に油断されていたご様子。
普段なら投げた辺りで気が付くだろうし。
抜けている。完全に抜けている。
此処はいま混浴になっている。誰が襲ってくるかもわからない。
この世は恐ろしい所なのだから油断は命とりなのだ。
これは一言言わなければならないとびしっと指差し

「…………」

そのまま数秒固まり首を傾げる。
――何を言おうとしたか忘れた。
仕方ないよねここ気持ちいいし。

「まいっか」

雪の中ボーっと立っておくのも意味がないと思い返しいそいそと浴槽に浸かる。
戸惑ったようにこちらを眺める相手の近くにぺたんと座ると
都合よく丁度首から上がお湯の上に出る深さ。
全身をゆったりと包むお湯の感触に目を細めほぅっと息を吐く。
温度に関してかなり感覚は鈍くなっているけれど
温泉に関しては別。これは本当に良い物だ。

「ぬくぬく」

ふーぃ―……とふにゃっと蕩けつつ
満足げな様子で自分がたてた波に合わせるように
ゆらゆらと揺れて。

紅月 > キリリとした顔で、指をさされた。
他人様に指差しちゃいけません、なんて言葉が習慣的に脳裏に浮かぶ…が、相手が首を傾げたのを見れば鏡合わせのように首を傾げて。

「…って、いいんかーい!」

思わずのツッコミも、こうも相手が気持ちよさげにフニャけていては締まらない…いや、締まらなくてもいいんだけどもさ。

「……んもー…何時の間に来たのよ、ビックリしたぁ」

結局いつも通り困ったように笑いながら問うてみる。
そもそもこのフリーダム幼女の事だ、何でもアリな気さえするし…実際何をやらかしても不思議じゃない程度の力がこの小さな体に詰まっているらしい。
幼女の心配に気付く訳もなく、何ともほのぼのとした空間の出来上がりである。
とりあえず、後ろから抱き締めるように捕まえてやろうかと手を伸ばす…ついでに頭頂を顎置きにしてやろうと企みながら。

エルディア > いくつかある優先順位の中でお風呂というのは割と上位にある。
戦場でいきなりお風呂を作り始める程度には好きだ。つまり大好きの部類。
こんな雪の降るような夜なら尚更。

「はーぁ……。える、はぁー……どこにでもぉ、いるぅ」

普段以上に語尾の伸びた口調で
ふにゃふにゃと答える。
注意が必要なんて一瞬思ったにも拘らず
当の本人も負けず劣らず警戒度合いが融けているようで
のびてくる腕を避けようともせずそのまま手繰り寄せられる。

「んぅー」

柔らかい体に抱きすくめられる形になりながら
逃げようともしないのがその証拠。
半分眠っているかのような幸せそうな表情は
至って呑気で、実際この瞬間も触れている体の感触が
ふわふわできもちぃなんて考えているのだからかなりだらけている。
仕方がない。こんな日に温泉でぬくぬくすれば溶けもする。
しかも腕の中にすっぽりとはまり込んでいるので収まりが良く変に浮くこともないし
何より、座り心地が良い。

「ぉー?」

ぽすんと頭の上に何かが乗っかる感触に
ほんの僅かに上を見上げるような素振りを見せる。

紅月 > 「はいはい…ふふっ、とろけてるなぁ」

もちぷに幼女、捕獲成功。
不思議っ娘の不思議発言をさらりと流し、二人揃ってぬくぬくと。
相手に『抱かれ心地がいい』と思われてるとは露知らず、抱き締めた幼女をクッションよろしくフニフニつついたり摘まんだり。

「あー……なにこれ、高さも完璧とかもう完全無欠じゃないさ…」

幼女の頭頂に顎を乗せる、後、頬擦り。
風呂にはいっていても当然水面から出ているところは冷える訳で…それも、例えば乳房のような脂肪の塊なんか特に冷える訳で。
けれど、こうして抱き締めていれば人肌でホカホカ。
ちまっこくて可愛くて抱き心地いい、しかも石鹸の香り…完璧ではないか、なんてしみじみと幸せに浸る。
…強いて言うなら、だ。

「エル~、ちょっと移動してイイ?
おねーさん背凭れ欲しい」

現在地…二人占めした、だだっ広い温泉のド真ん中。
抱き締める腕を放す事もなく、そのまま指差すのは…同じく中央辺りに設置されている、幾つかの岩。
おそらく座って一休憩したり、ちょっとした酒なんかを置いたりするものだろう。

エルディア > 完全にもちぷに状態の幼女はお手軽クッション状態。
幼女らしい柔らかい手触りで、控えめなまま腕の中に納まっている。
捕獲どころか恐らく大抵の事は拒否処か気が付かないのではないかというほど
それはもう見事にお風呂にやられていた。

「んやーぁ」

体の表面に感じる感触にゆっくりと体を捩らせる。
細っこい体や腕は温泉の影響もあって普通よりも幾分か暖かく、
漂うような状態のため、抵抗感にも乏しい。
お湯に晒され、サラサラになって浮かんでいる髪が
その動きに追従するようにゆっくりと広がる。
濡れて艶やかに解けた長髪は宛ら解けた心象を映し出すかのよう。

「ぁー……」

僅かに耳朶を擽る様な声を漏らしつつ
くすぐったそうに頬ずりを受け入れる姿はもう
抱き枕もかくやというほどの従順っぷり

「――ぅ?……んー。」

若干野生に戻りつつあるのか
言語すら覚束なくなりつつ指された湯舟の中央付近を眺め腕の中で頷く。
あの辺りに冷たい飲み物でも置いておけばきっとさぞ素晴らしい体験だろうと思う。

紅月 > 温かな湯の中に、白と銀の髪がゆらゆらと踊る。
端から見たら、今なら親子のようにも見えるやも知れない…炎の加護も体調もまだ戻らぬままであるが、もし、こんな穏やかな刻が続くなら。
「……それも、いいかもなぁ…」
なんて思ってみたりして。
混じろうとでも思ったか、ふわり、舞い降りる綿雪が…視界の隅でそっと、水面に溶けた。

「はぁい、それじゃ行きますよー……ぷかーっとしてくださいね~…?」

許可も得られたし移動しようか、と、一度彼女を放して姿勢を変えようと…思ったところで遊び心。
そのまま脇に手を入れて、ラッコの背泳ぎのようにプカプカ浮かせながら運んでやる。
己は幼い頃、こうやって運ばれてはキャッキャと喜んでいたものだが…果たして、この子はどんな反応をするだろう?
…とは言え、そう距離もない。
岩へと辿り着けばまた幼女をぷにぷにと抱き締める作業に戻るんだろう。

エルディア > まるで時間がゆっくりと進んでいるような感覚の中、
誰を恐れる事もなく、ただ純粋にこの瞬間に身を任せる。
まるで”  ”のように。

その言葉を思い出すことはできないけれど、胸の中が暖かくなる感触だけは覚えている。
この世界が酷く歪でこんな優しい場所が虚構に過ぎないとしても
……穏やかな気持ちでそこに居られることを今はただ受け入れることが出来て。

「ぅ?」

そんな中湯の表面をすい―っと牽引され滑り始める。
困惑気味で、けれど決して嫌がってはいない。
そんな調子でぱちゃぱちゃと成すがままお湯の表面を漂い
ぱちゃぱちゃとお湯を跳ねさせる。
気分は選択中の御猫様。

「わゃー……」

まるで洗濯物のようにのびーっと中央まで引っ張られる。
これがちょっとした遊びだという事をまずご理解されていない様子。
不思議そうな表情の端で少しご機嫌な雰囲気を漂わせくるりくるりと身を躍らせていることから
僅かにそれなりに楽しんでいるのが見て取れるかもしれない。

「……ここが、いーの」

とはいえ目的地に着くといち早く体を返して……
また、いそいそと駄々をこねる様な口調でつぶやきつつ腕の中へと戻る。
そうして腕をぎゅっと抱きしめながら空を見上げる。
見上げた遥かな銀幕から湯気の合間をゆっくりと雪が舞い降りていく。
よく似ているのに決して混ざり合う事のない白い結晶。
それは穏やかな時間を示す様にいくつもいくつも音もなく降り注いでいて……
明日は積もるかもしれない。そうなったら雪人形を作ろう。
大きなものと、小さなものを一つずつ。
時折そんな事を考えているうちに思考までも湯気に溶け始め……

「んーぁー」

あ、これのぼせたと自分で気が付いた時はもう視界が回っていた。
気が付けばいつものように茹った幼女が一つ、出来上がり。
そうしてまた、いつものように風呂場から救出される事になるが……
ぐるぐると目を回しながらもその口元は僅かに微笑んでいた。

紅月 > うぅむ…思ったより反応が薄いか?
ぷかりと浮かせた幼女を見やる…楽しそうではあるし、また後でやってやろうと心に決める。
が、どうやら抱っこの方が気に入ったらしい彼女をまた抱き締めてやり…一緒に、空を見上げる。
戦闘を『遊び』と呼ぶこの幼子が、ごく普通の『遊び』を知っているとは考えにくいし…どうせなら色々やらせてみよう、とも、勝手に企んでいれば。

「……、…ありゃ、また湯だってら」

思わず苦笑する…どおりで、言葉まで蕩けているわけだ。
これは一旦あがって看病せねば…焦るでもなくヒョイと幼女を姫抱きし、ざばりと立ち上がる。
というのもこの幼女、どうにも湯中りしやすいらしいのだ…もう何度自宅で湯船から拾ったか数える気も起きない。
「廊下の長椅子なら丁度よく涼めるかねぇ…?」
なんて、すっかり慣れた調子で手順を呟いて。

そうして暫し、膝を枕に休ませて。
降りやまぬ雪道を帰るのも億劫で、ついついお泊まりする事に。
揃いの浴衣でねんねんころり…二人、布団でぬくぬくと。
…翌朝、またも温泉に突撃した幼女を回収する事になるのは未だ知らぬお話。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からエルディアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」から紅月さんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
カイン > 「ふぅ。生き返る、仕事で遠出した後はなお身に染みるな」

宿の一つにあるに設えられた露天風呂、
大きな湯船の中に1人身を浸して心底しみじみと言った調子の声を出す男。
ここ数日野宿の仕事をしていただけに、体が温まっていく感覚が心地よい。
血糊や垢を落とし終わった直後のふろとなれば格別だ。

「護衛は楽でいいんだが、変なところで襲われると処理がな。
 いつでも温泉に入れるような場所ならいいんだが」

そんな場所はこの湯の線源である山脈の方でもそうそうあるものではない。
小さくないものねだりをぼやきながら、
大きく吐息を吐きつつ湯船に浮かべた盆にのせた酒のコップを一口煽る。

「あー…温泉で酒は格別だなあ」

上機嫌に声を漏らしながらゆっくりと目を細め。

カイン > 「…これ以上はさすがにやめておいたほうがいいな。
 また明日、目が覚めた後に入るとするか」

体がずいぶんと温まったことを確かめるように体をほぐし、
立ち上がった後にその場を後にしていくのだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からカインさんが去りました。