2018/12/07 のログ
ナイン > (…正直を言うと。
きっと、上げてしまったその悲鳴を、聞かれたに違いないと思っている事も、亦。
この男に対してきつく当たってしまう一因――というより、最たる要因だと言って良い。
何時如何なる場合でも。弱味という物は知られない方が良い…取り分け、勝手を知らぬ相手なら尚の事。)

 道理で。…知らない臭いだ。
 だが、そうとも。風呂が済んだら、東の食事も一揃え頼んであるんだ。
 彼方の料理は、味も香りも優しい物だから――煙草のそれで塗り潰されてしまいたくは、ない。
 解ってくれたなら何よりだけど。

(ふんと鼻を鳴らしておきつつ。湯を流し、火を消せば。紙巻きは返そうか…返されても困るだろうが。
入れ違う形で伸ばされた手が、タオルを掛けてくれた事には。一度ばかり瞬いてから。)

 男としてどうなのか、は。未だ知り様も無いな。
 少なくとも、宿泊業務に就く人間としては落第だと思っているだけで。
 …だけど。素直に聞いてくれるなら、この気遣いに免じて。及第点位迄は引き上げてやるか。

(膚をくるんだタオルの片端を。軽く摘み、洗い立ての馨に少しだけ、表情を綻ばせてから。
その分は、男への評価に加点しよう。従業員としての、よりは。紳士としての所業にかもしれないが。
立ち上がってしまったその侭。暫し、辺りに瞳を巡らせれば。ふむと一声。
再度腰を下ろすのは、湯船の中ではなく――その縁に。木造の縁に足を組んで座り込んだなら。)

 其処迄卑下する事はないさ。…テクニシャン、なんだろう?
 夕食迄の暇潰しだ。男を見せて、貰おうじゃないか。

(その侭。つぃと裸足の足先を、男に向け差し出してみせた。
…特別な方法で、という、宿側の言葉を。知ってか否か。)

セイン=ディバン > 男にしてみれば、この目の前の少女は。
ただのすれ違っただけの人物、という感じ。
ではあるのだが。こうして会話をしているうちに。
男の中では、少女への興味が湧いていた。

「良い臭いだろ?
 ……ふむ。なるほどな。たしかに。
 東の料理は繊細だからな。こりゃあ失礼いたしました」

そういう事情があったか、と。男は頷き。
更に、深く頭を下げる。この辺りはある程度分別はあるらしい。

「ごもっとも。手厳しいなぁ。
 ……へいへい。お優しいお心遣い、痛み入りますわぁ」

相手の言葉に、男は苦笑しつつ言う。
こういう物言いをする相手との会話は、慣れたものだ。
そのまま、相手の様子を見ていた男だったが。
いきなりの言葉に、困ったような顔になる。

「そりゃあ構いませんがね。
 ……後悔しないでくださいよ?」

相手の言葉を、そのまま受け取る男。
するり、と着流しを脱げば。
現れるは、無数の傷のある体と、平時でありながら一般男性の勃起時よりも巨大なペニスで。
さぁて、どういう意図があるのやら、と。男は微妙な表情であった。

ナイン >  時と場合によるという事だろう?
 …場を選んでくれるなら、別にやめろとは言わないさ。

(一応。大人げなかった、という事位は認めておこう。
此方の意図を、紆余曲折有れ、きちんと理解はしてくれた相手なのだから。
加えて頭を下げてみせる真っ当さも有るのなら、それで充分だ。
この段階で男の非礼に関しては、此以上責めようと思っていなかった。
なので次の行動は。矢張りどちらかといえば。己自身の不甲斐なさを、塗り潰す為なのかもしれず。)

 ふぅん?宿の男だというのなら。
 少なからず、そういう心持ちも…身構えも。有ると思ったのだ、けど――

(唇の端を引き上げて嗤った、つもりだったのだが。
微妙に、そんな口端が震えたかも、声音が揺らいだかもしれない。
全てを脱ぎ落とした男の裸身が、見て取れる通りの逞しさである事は解っていたが。
外観だけでは解る筈の無かった股座の威物――何ら応えを見せない侭で、此程に大きなそれは。流石に想定外だった。

…足先で弄べるような代物ではないと思い知らされて。ほんの少し、思考が中断。)

 いや。 ……いや、そうとも。大丈夫、見せてやる――さ。
 何だった?犯されて、撮られて、売られて?
 ……私は。そういう側の人間じゃ、ないって事を。ちゃんと、教えてやるから…

(そうだ、あの悲鳴を、弱さを。否定したいから、少々躍起。
さりとてこれだけの巨塊を相手に、何処迄優勢を保てるかは……分からない。
とはいえ、この侭でも済ませたくなかったから。

想定外の相手を目の前に、うっすらと目元が熱を帯びて朱を刷いた侭。
踏み嬲る事は諦めた代わり。両手を伸ばし、指を絡めよう。その威物へと。)

セイン=ディバン > 「あ、左様ですか。
 まぁうん。でも、今はやめておきますよ」

相手の優しい言葉に、苦笑しながら言う男。
なるほど。根は優しい子なのか? などと考えつつ。
相手のことをもっと知ろうとする。
この国において、出会いは即ち財産である。
相手を知ることはとても有益なのだ。

「いや、そりゃあ有りますがね。
 それとこれとは話が別。状況による、ってもんでして」

男がどこか引き気味なのは、自身の体のこともあって、だし。
それ以外もまぁ、ある。
自身の巨根は、これまでに多くの女性を怯えさせてきた。
更に言えば、目の前の少女はどうにも色事に慣れているようには見えなかったのだ。

「……? お~い、嬢ちゃん? じゃねぇや。
 お客さん? 大丈夫っすか?」

何か、言葉を紡ぐ相手に男は声をかけるが。
どうにも聞こえているのかどうか。
そうしている内に、男は肉槍に触れられることになり。
ぴく、と震えたそれは、ぐんぐんと硬く、大きくなっていく。
単純に、美人、美女、美少女に触れられれば。この男はいつだって臨戦態勢になるタイプなのだ。

ナイン > (もし、そんな男の内心を悟っていれば。
先程とは異なる意味で、だが先程以上に。不機嫌の様を呈していた事だろう。
人間誰しも。例えどれだけ既知になろうとも、知られたくない部分という物を秘めているのだから。
知られたくない、見せたくない、そんな欠片を塗り潰す為にも、尚更。止まる訳にはいかなかった。

それこそ男自身が留意せねばならない程に。仔娘自身がともすれば怯えかねない程に。
触れた肉塊が更に更に威を増して。到底収まりきるとは思えない、手首と比肩する程の有様を見せるとしても。)

 今が、その状況さ。 …客に奉仕するのが、宿の者の仕事なんじゃないか?
 ――大丈夫、大丈夫…良いから。きちんと、客を愉しませる事を。悦ばせる事を。
 考えて欲しいのだけど?

(頭を振った。呆気に取られてしまっていた数瞬。これが戦ならば決定的な隙。
膚に残る傷からして、荒事を知るのだろう男からすれば。何とでも出来るような空白を晒してしまっていた所から。
どうにか自我を引っ張り戻す。
尚膨張の止む気配が見えない牡肉を、片手では到底足りず両手で包み込んでは。緩くその肉を扱きつつ…
力を籠め、手前へと引き寄せる。男自身へ、もっと此方へ来い、と言わんばかりに。
その意図が叶ったとすれば――)

 っくむ、ん――…ふ…

(今更躊躇の素振りを見せる事はせず、牡の先端へと。口付けを落とした。
その侭鈴口の窪みを、剥き上げる鰓を、張り詰めた筋の一つ一つを。濡らした舌で舐り上げていく。
睨め上げるような目付きで、だが、逐次男の反応を窺い乍ら口腔にて牡を煽り立てようとする行為は。
逆に此方の方が、男に対して奉仕していると。そう、取る事も出来る…かもしれず。)

セイン=ディバン > この男の良くない点の一つ。興味を持った相手に、不用意に近づく。
いわゆる、相手の踏み込んで欲しくない領域に踏み込むのだ。
それで痛い目を見たこともあるだろうに、これは直らない。

「……はぁ。まぁ、そうですかねぇ?
 ……あのよぅ、お嬢ちゃん。
 セックスするとか、そういうのはいいんだけどよ。
 あんま無理するのはよくねぇぞ?」

相手の言葉に困惑しっぱなしだった男だが。
従業員モードの口調を捨て、地の口調で語りかける。
大丈夫、だなんて。二度も繰り返すような人物が。本当に大丈夫なわけがない。
男の冒険者としての経験からの言葉なのだが。
事実、手で刺激されるのは気持ちいいのではあるが。
と、考えているうちに力を込められるので。折られるのもイヤだ、と。
男は、素直に数歩前に進み。

「……あ~……。いや、俺ぁイイんだがよぉ。
 そうだ。そうだなぁ。なぁ嬢ちゃん。名前教えてくれよ。
 俺ぁセイン。セイン=ディバン。冒険者で、本日はこの宿のお手伝い」

明らかに無理をしているだろうに、と。男は相手を見てそう慮るのだが。
ここで無理にやめさせるのも、正解とはいえない気がした。
故に、男はまず相手の注意をそらすためにそう口にする。
柔らかな唇で触れられ、丁寧に丁寧に昂ぶらせられている肉体。
嬉しくない訳はない。気持ちいいとも思う。
だが、そこで男は、相手の頭に軽く触れ、撫で始める。
男の悪癖の二つ目。気に入った女性の頭を気安く撫でる、である。

ナイン >  そうとも。だから細かい事は気にするなと…
 ――無理か。…無理に、見えるのかな。
 私だって、きちんと。女として生きているつもりなのに。

(相手が先に、素を晒したからだろう。
此方もほんの少しだけ。語調というべきか、気というべきか。緩みを醸す。
弱音と見えかねない言葉は、そんな緩みの故だろうか。
此処での女とは。勿論、この国に於ける多くの女達の事。だから、出来ると。
もう、両手ならば辛うじて包み込める、という程にまで膨れ上がった牡肉に対し。
その悦を煽り立てようとする手付きを止める事はしなかった。

…男の推論のような。慣れていないのではないか、という可能性は。
例え信じられない程、鉄のように硬いから、といって。
男毎引き寄せようとするような、無理な力を入れてしまう辺りで。お察し。
それでも。拙さも亦弱味なのだからと。
激しさや深さよりも、丁寧に丁寧に、万遍なく熱を塗していく口淫の所作は緩めない。
大きすぎる先端を、咥え込むには到らないものの。
その代わりに、紅い亀頭粘膜全てを唾液で濡らしきり、縦に横に唇で食み。
舌を巡らせ括れの際まで舐り上げては、肉竿全体を濡らしては扱き続け。

更に、更に。膨張する牡に遮られかねない視線を、赤黒い肉竿越しに向け直せば。)

 それに、もし、難しくても…繋がる事は、出来なくても。
 だからといってそれを口実に、諦めたりするつもりは無いから。
 手でも口でも、何でも――ちゃんと。男を悦ばせてみせるとも。
 っ、っ。…そういう、子供扱いを。させて堪るか。

(一つめは兎も角。男の癖、その二つ目は。確かに仔娘にとっての地雷だった。
例え男が、女だから、女性だから、という意図だったにせよ。撫でられる側からは、さながら子供をあやす風。
れろりと裏筋を這い上がった舌先が、亀頭との合間に引く糸に繋げられ、再度落とされた口付けが。
抗議か反撃かを思わせ、鈴口を取り囲むように、硬い歯先での甘噛みを。)

 っふ――――ナイン。…名前は。それだけ覚えておけば良いよ。
 此処に今夜泊まっている私は。それだけの立場で、存在でいるつもりだったから。

(全部明かしてしまったら。仮にも貴族たる事や、一つの家や血族を背負っている事や――
その為にならば、如何なる愚悪も躊躇わない事を、男に知らせてしまったら。
何もかもが中途半端で、終わってしまいそうだから。唯一つ名前だけを口にして。
甘苦い声を吐いた唇は直ぐにもう一度。漸く亀頭を半分程咥えて濯ぐ口淫へ。)

セイン=ディバン > 「……あのなぁ、嬢ちゃん」

ちら、と漏れた相手の素。
その最後の一言を聞き、男が呆れたような表情になる。
今この場において、何を言うべきか。
男は考え込み、頭を掻き。そして、口を開く。

「女として生きる、ってのは。男に消耗物みてぇに扱われることを言うのか?
 そうじゃねぇだろ。別段、したくもねぇこと無理にする必要なんてねぇだろうに」

役得。そう思ってはいる。この国の男なら、こういった機会は逃す方がおかしいだろう。
しかし、男はそう口にしておきながら、相手の行為を完全に辞めさせはしない。
こういった行為が。本人にとって救いになる場合がある。
そういうことを、男もまた、理解しているのだ。
……正直、実に丁寧。かつ、ゆったりと行われる口腔奉仕は。
上手い、ということはないが。心地よいものだし、興奮するのも事実だし。
とまぁ、そんな下心もあるのだが。

「……繋がる、ね。いや、してぇっつ~んなら、俺ぁ喜んでヤるけど?
 たださぁ……。いや、まぁ。覚悟してる相手にこれ以上は野暮か。
 ははははは、俺から見れば、キミくらいの歳の子は子供さね」

笑う男。相手の反応が、予想通りのものだったからだ。
頭を撫でられて怒る相手もいる。そんなこと、男だって百も承知なのだ。
とはいえ。実際行為に及ぶとなれば、やはり気は使ってしまいそうだな、と。
男はそう考えつつ、相手の頭を撫でるのをやめる。

「ナインちゃん、な。……ふぅん。
 ま、そうさなぁ。こういった場所で、事情を聞くのも野暮、か。
 あれも野暮。これも野暮。だったら聞かないほうがいいよな」

相手の名前をしっかりと記憶し、くすり、と笑う男。
思ったとおり、訳ありの相手だ、と。
男の周りにはそういう人物ばかり集まる。
そして、男は相手の奉仕を受けつつ、ぽふぽふ、と軽く頭を叩き。

「あぁ、ナインちゃん。もういいぜ。
 男の方よりも、女の方を準備しないと、だろ?」

つまり。奉仕はもういいから、ということ。
男の股間はだいぶ膨張し、いまや20サンチを超えている。
準備は万端。むしろキミの準備が必要だろ、と男は笑い。

ナイン >  っは。逆に聞くけれど――それならお前は…セイン。今の、セインは。
 私を道具のように扱いたいか?犯し潰してしまおうと、そう考えて居るのか?
 仮にそういう相手だったら。こんな形で関わるものか。
 …男を見る、というのも。女として生きる事の一つだから。
 それに。出来るかどうかはともあれ。まるで知らない、したくない、という訳じゃぁ…

(何も知らない生娘等だったなら。
今こうして、男の牡を煽る手付きも、舌遣いも。存在している訳がない。
未だ未熟ではあるとしても、年並みか、それ以上には。きちんと経験が有るという事だ。

頭を撫でられるより、男の心配、その方が余程。子供扱いじみているではないかと。
不満気になる言葉は、しかし初めの辺りだけ。
此方から否定するよりは。彼方から肯定させたい。無理だ、等とは思わせたくない。
だからこそ、手付きはますます、熱心な物となっていく。
甘噛みの後を指で摩り、その指が唾液のぬめりを絡め付け、扱く度に濡れた音を肉竿に塗し。
やがては、あまりに大きすぎる程。それこそ、繋がる事など…挿れる事など信じられない程。
怒張に怒張を重ねた牡肉から。そっと唇を離した所で。)

 どうだか。…人じゃぁない、ずっと年嵩の化け物かも知れない…だろう?
 まぁ残念ながら。唯の人間でしかないけれど、な。
 ……無理しているとか。したくもないのに、やらされているとか。
 そう思われるのは、子供扱いと同じだから。やっぱり癪だ。
 野暮は言わずに、男が居て、女が居ると。それだけを考えれば良いんだ――
 女を、女として扱わないのは。宿云々以前に、男として非礼だと。そう思うだろう?

(唾液に濡れた唇を。見せ付けるように、れろりと舐って見せてから。
未だに頭へと触れている男の手から逃れようと、上半身を僅かに退いた。
その侭、湯船の縁に座った位置取りだけは変える事なく。
先程巻いて貰ったタオルを拡げれば、片方の脚を膝立ちに、縁の上へと引き上げる。
そうすれば。男へと見せ付ける形になるだろう。
牡を育てる行為その物に。結果、目の前で反り立った肉槍に。
しっとりと潤みを帯びて色付いた、薄紅に火照る牝の華を。
指を一つ宛がってみせれば、捲られた秘肉が色帯びて竦み、ひくつき、を繰り返し。
準備という名の、奉仕へのお返しを。こんなにも期待しているのだという事を。)

 ……ほら。心配する位なら…安心、させてくれ。
 濡らして、蕩かして、私の此処をどろどろの牝孔にして――セインと、繋がれるように。

ナイン > 【継続予定】
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からナインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
カイン > 「ふぅ。生き返る、仕事で遠出した後はなお身に染みるな」

宿の一つにあるに設えられた露天風呂、
大きな湯船の中に1人身を浸して心底しみじみと言った調子の声を出す男。
ここ数日野宿の仕事をしていただけに、体が温まっていく感覚が心地よい。
血糊や垢を落とし終わった直後のふろとなれば格別だ。

「護衛は楽でいいんだが、変なところで襲われると処理がな。
 いつでも温泉に入れるような場所ならいいんだが」

そんな場所はこの湯の線源である山脈の方でもそうそうあるものではない。
小さくないものねだりをぼやきながら、
大きく吐息を吐きつつ湯船に浮かべた盆にのせた酒のコップを一口煽る。

「あー…温泉で酒は格別だなあ」

上機嫌に声を漏らしながらゆっくりと目を細め。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にトモエさんが現れました。
トモエ > 宿が混浴であったのか、それともほろ酔いで気がつかなかったのか、
布一枚と酒の入った器を片手に女が露天風呂の岩肌を静かに歩いてくる。
先客の姿にはしばし気が付かず、掛け湯を済ませてゆっくりと浸かり、ほぅとため息を零した。

「気持ちいい……」

宿の主人からもらった酒をちびちびやりながら岩肌に身体を預けたところでようやっと、先客の姿に気が付いて目を見張る。
サッと酔いが覚めたような顔つきで、胸を隠し、相手の姿を確認し直すも、相手の体躯にしばし見惚れる。
あれだけ鍛えるにはどれほどの修練が必要か、古傷を見れば察せる。奴隷商人だった頃に培った真贋を見抜く目は、男の実力が定かだと見定めた。
場所が場所でなければと失態を悔やみながら、恐る恐る、腰を浮かせようとして。

カイン > 「ん…?」

不意に聞こえた物音に応じて視線を向けてみると、
そこにいるのは見知らぬ女性の姿である。
元より酔いにくい性質だけに意識ははっきりしているのだが、
あまりのことに一泊反応がおくれて目を瞬かせ。

「おやまあ、こんな時間に他の客とは珍しい。
 どうだい?一人酒ってのも寂しい所でね、こっちで一杯」

相手も酒を持っている様子を見て取れば、軽く酒を掲げながら笑って誘いをかけ。

トモエ > 自分がここにいるのは特段おかしいことでもないらしい。男が動揺して声を上げる様子もなく、むしろ穏やかに酒に誘ってくれたことに安堵がある。
姿勢に気を配りつつ、男の笑みにこちらも笑い返して見せた。

「ありがとうございます。昼間から飲んでバチが当たらないかしらと思っていたんですが、そう怖がることもなさそうですね」

相手の風貌をどこかの絵で見たことがあるような気もするが、記憶は定かでなく。奴隷と一緒に骨董も扱っていたから、その時の貴族や王族の肖像画にでも似ているのかもしれないと勝手に思い込むが、まさか血爪王を描いた画で拝謁していた相手が目の前にいるとは思うわけもなく。

「武人さまですか?」

と、相手の身の上を尋ねながら、少しだけ気を許し。

カイン > 「そんな大げさなもんじゃない。ただのしがない傭兵さ。
 困りごとがあったら、美人の頼みならいつでも受け付けぜ?」

何かあったらご余命を、と冗談めかして笑って見せながら肩を揺らす。
それこそ大したものではないと笑い飛ばしてみせれば軽く目を細め。

「ま、とりあえず一献どうかな」

そう言い返しがてらに自分の酒瓶を相手に向けてみせる。
あんまり酒を嗜む人間がこの宿でも多くはないだけ、
上機嫌なのも隠しはしない。

トモエ > 「いただきます」

ありがとうございますと感謝を述べながらも、自分の姿を少し気にするように身動いでしまう。
だがそれも酒のうまさで緩和されて行き、甘露にほぅと柔らかなため息が漏れた。

「美味しい、初めて飲むお酒です」

気に入ってしまって、盃はすぐにからになる。
自分のものも彼に勧めつつ、酒と湯船で頬を上気させて、また岩肌に背中を預けてゆったりとため息を零す。
機嫌の良い美丈夫を前に酒を飲むのは、そう悪い気のするものでもない。

カイン > 「この辺りの地酒なんだがね、あんまりこっちの酒はのまない方かい?
 この宿は中々いい場所だか時間があるなら逗留をおすすめするね」

飯もうまいし風呂もいいと上機嫌に笑って言い返し、
相手の様子を見ればクックと喉を鳴らしてみせ。

「それに運が良ければこうして美人とお近づきにもなれるしな?
 どうだい、この後良ければ部屋で一緒に食事でも」

そう笑って返しながら相手の腰に手を伸ばして悪戯目板表情を浮かべてみせる。
最も、振り払おうと思えば簡単に振り払えるだろうが。

トモエ > 肌に直に触れられて驚きはするものの、振り払うつもりは毛頭ない。

「えぇ、あなたのご都合がよろしいのなら」

触れた指に期待してしまっているのを隠すように目を伏せて。色好みの悪癖が出そうで、その自覚に羞恥で目を上げられず。太ももをわずかにすり合わせて、誤魔化すようにもう一杯酒を口にして。

カイン > 「おや、それは良かった。嬉しいね」

上機嫌に笑って言い返して見せれば、そっと肩を抱き寄せ。

「それじゃあ行こうか?ここじゃ誰に見られるかわかったもんじゃない」

そう、食事だけで終わらせないということを示唆しながら肩を抱いて立ち上がろうとし。

トモエ > 立ち上がると全てが見えてしまう恥ずかしさに、慌てて胸を隠しつつ、手にした布を広げて体の全面を隠して。

「お邪魔いたしますね」

小さな声で答えて、連れ立って浴室を後にし——

カイン > 「ああ、勿論歓迎するとも」

上機嫌二層言い放ちながらその場を連れ立って後にしていくのだった。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からトモエさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にトモエさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からトモエさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にカインさんが現れました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「あー、忙しい忙しい」

宿の中を駆け回りながらボヤく男。
現在、依頼を受けてこの九頭龍の水浴び場にて従業員としてお仕事中。
内心、それは冒険者に依頼することか? と思いつつも。
報酬がいいので仕事はする。

「この宿、結構人気だよなぁ」

掃除、料理の運搬。なんなら調理自体もする。
そんな下働きに汗を流す男なのであった。

セイン=ディバン > 「よし、次は、っと」

大浴場の清掃を追え、男は宿の中を走る。
今日はまだまだやることはたくさんある。
客室の清掃もそうだし、声がかかればお客様をマッサージしたり。
なんなら、玄関の、廊下の清掃。様々な……本当に様々な道具のメンテナンス。
ありとあらゆる仕事が待っているのだ。

「ふぅっ。忙しいな」

しかして、こうして動き回るのは悪い気分ではない。
暇よりは仕事があったほうが気がまぎれるのだ。
男はやることを頭に思い浮かべながら、宿の中を駆け回る。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > 「んんっ……はぁ、さて……どうしようかなぁ、っと。」

ぐっ、と体を伸ばしながら宿の廊下を歩く小柄な影ひとつ。
外で材料採取をした帰り、なんとはなしに入った浴場の宿の中。
風呂に入るか否か、なんてぼんやり考えながら歩いていると、何やら忙しそうに目の前を通り過ぎる影があって。

「おや……セイン?」

先日、執事として契約を押し付k……結んだ男の姿を見つけて、軽く声を投げかけて。

セイン=ディバン > 「……」

通り過ぎた地点。最近縁を結んだ相手が見えた気がして。
男はあえて無視をしたのだが。

「……何の用だよ。こちとら今仕事中」

と、げんなりした表情で相手を見る男。
とはいえ、声をかけられれば素直に足を止め、相手に声をかけるのだから。
この男、基本的に小物である。

ハーティリア > 「ごきげんよう。特に用事があるわけじゃねぇけど、仕事ってここの従業員?」

前に冒険者だって言ってなかったっけか?と首を傾げて問いかける。
用心棒でもやってるのか、それともバイトかなんかだろうか……なんて考えつつ。

「はっは、そんな邪険にしなくて良いじゃねぇかよ、なぁ?もしここの従業員なら、客の相手くらいしてくれるだろう?」

退屈してたんだよ、なんて言いつつ、ちょいちょいと手招くような仕草で相手を呼び寄せようと。
ふわりと、ただよう甘い匂いが、彼の体に刻んだ「魅了」を呼び覚まして。

セイン=ディバン > 「そういうこと。依頼でな」

相手の言葉に頭を掻きながら言う男。
別段、この相手のことを嫌悪しているわけでもない。
ただ、先日の出来事を思い出すあまり、邪険にしているだけで。

「……一応、それも業務の内だがな」

やっぱりこうなったか、と。相手に近づく。
体の中の制約が発動すれば、思わずため息を吐き。

「……別にいいけどよぉ。
 お前さ。コレ、解除しろよ」

じろーり、と相手を見ながら言う男。
一応、思うところはあるらしく。

ハーティリア > 「なるほど……ここの従業員、冒険者に依頼出さなきゃならんくらい不足してるのか。」

頭を掻きながら応える男にふぅん、とあまり興味もなさそうな返事を返し。
近づいた彼が溜息を吐き出すような仕草にククッ、と小さく笑えば。

「ん~? まあ、解除してもいいけどよ。タダで解除する、というのも詰まらなかろ? だから、まだダぁメ。」

じろりと此方を見ながら言う彼にゆるい笑みを浮かべてそれを却下する。
近づいた彼の頬にそっと、指で触れるように手を伸ばし。

「そうだなぁ……俺に1回勝てたら、考えても良いぜぃ?」

久しぶりに、退屈しのぎになりそうな理屈を見つけた、なんて愉しそうにして。

セイン=ディバン > 「いや、そういうわけでもないんだろうが。
 人気だからな。本来の従業員に休みを与えるために、だろうよ」

何だかんだいっても応答してあげている辺り。
この男は甘い。基本的に完全に敵対しない限りは自分からは縁を切らないのだ。

「はぁ。とんでもないやつに絡まれたもんだよな」

あの時素直に逃げておくんだった、と言いつつ。
男は、相手に触れられ、またため息を吐く。

「……何の勝負で、だよ。
 それよっか、スるんならとっとと部屋にでも行こうぜ。
 こんな廊下でシてたら目だってしかたねぇ」

勝つ。なかなかに男には縁の薄い言葉だ。
基本的に、この男はあまり争いごとを自分から切り出したりしない。
勝ち負けにも疎く、頓着しないタイプなのだ。

ハーティリア > 「普通、そういうのも込みで人数足りてるなら中だけで回すもんだと思うんだが……まあ、別にこんだけでかけりゃ別に客の取り合いするような浴場ねぇもんな……あ、いや……そうか。」

そう考えると、臨時雇いで本来の従業員の休みを作るのも悪くないだろうか、なんて思ったが、そういえばこの浴場の後ろ暗い噂を思い出すと、外から従業員を雇う必要性に思い当たる。

「失敬な、俺はただのか弱い花売りだぜ?」

とんでもない、なんてとんでもない、と言わんばかりに肩をすくめて、溜息を吐く男にクツクツと笑みをこぼし。

「ん、それもそうか……じゃあ、部屋に案内しておくれ。おや、前は俺を殺してやるーって息巻いてたじゃねぇか。もうやる気失せたのかい?」

まあ、流石にここでは殺し合い、というわけにはいかないのだろうが、勝負の内容を問われて、思わず疑問符を返しつつ、彼に先導させるようにポンポン、と背中をたたき。

セイン=ディバン > 「噂が噂を呼び、ってな。今やこの宿ぁその手の目的の客の間で有名だもんなぁ」

競合相手がいないのだから、自由気ままに営業できるわけで。
恐らく資本金などは相当にあるのだろう、と。
男もこの宿について少し考えてみる。
何せ、男もこの宿の常連なので。

「ウソ吐けボケコラ」

相手の言葉に思いっきり吐き捨てる男だが。
事実、この相手の戦闘での実力は知らないんだよな、とも考えてみる。

「へいへい。じゃあこっちついて来い。
 ……あのな。今、仕事中。
 一応客で来たヤツに、思いっきり襲い掛かって流血沙汰。
 なんてことするわけねぇだろ」

よほどの相手だったら別だがな、と言いつつ。
男は相手を空き部屋へと案内する。背中を触られれば、小さく舌打ちをし。
しかして、体の奥からの性的衝動を、なんとか抑えていたので。
その感触に、息を漏らす。

ハーティリア > 「まあ、実際雇われた女の子が行方知れずーなんて話もあるらしいしなぁ……おや。」

噂をすればなんとやら、なんともやらしい顔で、女の子の従業員を引きずっている男を一人遠目に見つけて……
泣きながら抵抗している女の子を何時もの事と周囲がスルーしているのも、中々にシュールな光景である。

「失敬な、俺より強い奴なんて探せば掃いて捨てる程居るっての、全く……あ、ちょっと待っておくれ。」

案内してくれているセインを一言とめて、ポケットから取り出した小さなガラス玉……いわゆるビー玉で従業員を引きずる男を透かし見れば。

「小さな小さなガラスの箱庭に……『捕まえた』」

小さくつぶやいた瞬間、女の子を引きずっていた男の姿が、影も形もなく消え去って。
そして再びセインに案内されて歩く出す男は、意味がわからずに周囲を見渡す従業員の女の子を尻目に何もなかったかのように片手でビー玉をもてあそびながら空き部屋の中へ。
空き部屋に入れば、前を歩くセインの背中を、今度はたたくでなく、ツゥッ……と背筋をなぞるように遊んでやろうと。

セイン=ディバン > 「らしいな。まぁ、オレはそういうことはしたことないが。
 ……。……はぁ」

相手の言葉を聞いていれば、目の前で女性従業員が引きずられていくのを見かける。
瞬間、泣いているその従業員と目が合った男は、ため息を吐き。
懐から銃弾『だけ』を取り出し、全身全霊。全力のオーバースローでもってそれを投擲する。

「そうかもしれないが。それでもお前さんが超越者級ってのは間違いないだろ。
 ……うん? どうした?」

てくてくと歩いていれば、相手に引き止められ。男は一旦足を止めるが。
さてさて、相手には見えただろうか。
相手が通行人の男を捕まえる直前。男が投げた弾丸が、見事その男の後頭部へと着弾し、前のめりに倒れるところが。
ほぼ同時に、その通行人の男は相手に囚われることになるのだが。

「……お前さ。いい趣味してるよな」

背後を振り向かず、言葉だけでそう言う男。
視界の外で何かが起きたのは、魔力的な力の流れで感じ取れた。
そのまま、空き部屋に入れば、背中をなぞられ男はビョンッ、とジャンプする。

「びっくりすんなヲイ何すんだよ!」

その感触に驚いた男だが、細巻を咥え、相手を見る。

「……っつかさ。この間はお前が攻めてきたんだから。
 今日はオレに攻めさせろよ」

ハーティリア > 「おや、したことないのか。」

なんだ、面白い話でも聞けるかと思ったのに、なぞと少しばかり残念そうに。

「んー、まあ人間からはみ出てるってのは否定しねぇけど……ってか、銃弾をつぶて代わりに使う奴初めてみたわぁ。」

ビシッ!とさして重くもないのに、結構な音と共に前のめりに体が傾く男を捕らえる寸前に目撃すれば、ポツリと小さくつぶやいて。

「ん~別に要らないけど、なんか見てて不快だったからなぁ……お前さん要る?」

と、さっきの男が入っているビー玉を彼に差出して問う。中を覗けば、さっきの女の子そっくりの、魔力で出来た「何か」をどこかの部屋に連れ込んで弄んでいる姿が、見えるだろう。

たどり着いた空き部屋、なぞった背筋にビョンッ、と面白い程に反応するセインにククッ、と小さく笑みを漏らせば。

「ん~、悪戯?……っはは、しゃあねぇなぁ。まあ良いか、俺も楽できるし……あ、ついでにマッサージしてくれよ、この間魔道騎兵とやらの破片集め回ってたらちょっと疲れてさぁ。」

まあ、この男の場合。疲労や睡眠とも本来無縁の不死者の肉体故「疲れた気分になっただけ」であるのだが。

セイン=ディバン > 「する訳ねぇ。そりゃあ客の女を口説いたり、従業員を口説いたりはするが」

無理やりは趣味じゃねぇ、と言う男。
無理やりにするとすれば、穏やかに無理やりやるタイプである。

「だろ? ……目ざといな」

まさか見られているとは、と。男は相手の目の良さに驚く。
男が全力で投擲した銃弾は、発射された弾丸に匹敵する速度で飛んだ。
男の頭を貫通しなかったのは、弾丸が不規則に回転していたからである。

「なるほどね。……いや、いらねぇよ。
 オレが貰ったら普通に殺しちまうから。
 捨て置いとけそんな物」

相手の差し出したそれを見て、男はうへぇ、と顔をしかめる。
手の平を振りながら、いらん、と言い。

「イタズラ、じゃねぇよ……なんの意味があんだよそのイタズラ。
 ……へいへい。じゃあ、そこのフトンってのに横になれ。
 ……あぁ、そういや最近、変なキカイってのがうろついてるな?」

背中を撫でて感触を消しながら、ため息を吐く男。
相手の要望もまぁ、従業員としてなら納得だ。
マッサージもまた仕事の一つ。
当然、冒険者たる男は、肉体の疲労を解消する方法も知っている。

ハーティリア > 「口説き前提か、まあ俺はどっちも嫌いじゃねぇけど。」

無理やりするのもそれなりに嫌いじゃない、なぞと口にしてるが、それは彼が多分身を持って知ってるだろう。

「たっかい飛礫だなぁ、とは思うけどな。まあ、便利な目になったからついでに密偵の嗜みもそれなりに、な?」

なんせ、時間は腐るほどあったもんで、なんてケラケラと笑いつつ。

「俺の居た場所じゃ、銃も魔法の一種だったから、銃弾って結構高かったんだぜ?俺は門外漢だから高かったみたい、としかしらねぇけど。」

だから、高いモン投げるなぁって感心してたわ、なんて肩をすくめ。
要らないと言われれば、ふむ、と考える仕草と共にビー玉をコロリと部屋のテーブルに転がして。

「じゃあ、この辺に転がしとくか。明日の朝まで無事ならそのまま出してやって、運悪く割れたら……まあ、運がなかったってことで。」

告げる言葉は、ビー玉が割れれば中の男の無事が保証されないのと同義で。

「ホントはこの魔法、編み出した奴曰く、この中に『世界』を創造(つくっ)て観察するための魔法なんだけど、俺だとこのフロアを写し取るのが精一杯なんだよなぁ。」

世界の真理を解き明かす為に、小さな『世界』を複製して観察する。そんな魔女から教わった魔法だが、オリジナルには程遠い。

「悪戯なんて、自分が楽しむためにするもんだろ?いやぁ、カエルみたいに飛び跳ねて、面白かったぜ?
おや、フトンなんて久しぶりだなぁ……りょーかい。」

溜息を吐く男にクスクスと笑みをこぼしながらも、進められるままに、するりと……ローブを脱ぎ落としてフトンの上にうつぶせになれば、むっちりとやわらかく肉付いた肢体と、服の下にこもっていたかのように、甘い匂いが部屋にふわふわとわだかまる。

ご案内:「九頭龍の水浴び場」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」からハーティリアさんが去りました。