2023/03/06 のログ
ご案内:「平民地区 青空市」に東堂さんが現れました。
■東堂 > 「はいよーヤスイヨヤスイヨー
そこの兄さん姉さんよってかないカー。」
明らかにやる気のない声音。肩に杖を担ぎ、三叉に別れた杖の先にはそれぞれ麻袋が吊り下げられていた。口を縛ってあるハズなのにどこか甘い匂いは人の目ではなく、興味を惹く物。
砂糖ではなく植物本来のほんのりとした甘い香り。金木犀や百合と言った物より甘い香りは香木を刻み、香草と混ぜ合わせた手製の香。
陶酔感に程よいリラクゼーション効果を合わせて安眠に誘い易くする物。火を付ければより甘ったるい香りだが、火を付けずとも十分にその香りは広まっていた。好みは判れるが、好きな人間は必ずいるタイプの香り。
「あーこの香は売り物じゃねーんだわ、俺の私物。
それより足元の商品買ってってー」
足元に並ぶのは魔法道具、魔法の護符と言った代物。
淫気封じの勾玉や幽霊が嫌う魔法の壺。食べても食べても腹が膨れない意味のない保存食といった物が並んでいた。
借金返済しつつ、売れる商品があれば少しだけ日当が弾む。やましい物も取り扱う関係で――そのやましい物が売れれば相応の小遣いにはなる。もっとも、合言葉がなければやましい物は店に並ばない。
ご案内:「平民地区 青空市」にクル・コービンさんが現れました。
■クル・コービン > 市でちょこまかちょこまかと働いていた小娘。恰好を見れば学院の生徒だという事は一目、そしてギルドのほうに歩いていってにこにこした顔で戻ってくるのだからギルドで雑用を頼まれて小遣い程度の金をもらったのだろうという事は容易に想像がつくだろう。
幼く可愛い顔つきとあまりに脂肪がつきすぎた身体に覚える違和感は大体正しいのであろう。
クルは膨乳改造を何度かされてしまった関係で胸がこんなサイズになり、尻や太ももにもたっぷりと脂肪が乗ってしまっているのだがそれを知らなくてもなにかしらあったであろうことは想像がついてしまうサイズ。クル自身は脂肪がつきすぎてしまったために筋トレを兼ねてこういう仕事をしているというわけ。
クルは物を売る声を聞いて脚を止めてしまう程度には世慣れしていなかった。
それどころか、ごめんんさいお金持ってないんです。と申し訳なさそうに断る始末。仮に店番がクルを騙すつもりだったら余りに楽なカモだ。という認識になるだろう。
■東堂 > 目の前で立ち止まった相手。魔力の匂いと言うのは同業であれば感じられる――と言うのは建前で、本当は目の前の壺。幽霊が嫌う、人ならざる者が嫌う刻印や文字が使われ、壺の中に魔の気を収集してしまうモノが僅かだが稼働している。
ジャージ姿には収まらない程の肉や脂と言った物を纏った肉体は豊満を通り越している。
だが、顔立ちは良いのだ。
「あー、お嬢ちゃんお金なくても良いぞ。見る分にはタダだ。
ほれよってこいよってこい。目の前に黄土色の壺あるだろ?そいつに手ぇ翳してみな。なんとびっくり良くない悪霊が祓える代物ダヨ。」
それは嘘の言葉だが面白い。改造したとしても、淫虫や淫紋の微かな残り香が壺に吸い込まれていく。
少女が手を素直に立ち寄ってくるなら壺に手を翳す事を勧める。従う様に腰を卸せば、その鼻先には麻袋が近くなる。リラクゼーションの香りを嗅がせつつ、体が軽くなる――錯覚を少女に植え付けようとしていた。
「んー、お嬢ちゃん最近ヨクナイ何かに遭ったりした?」
■クル・コービン > 「え?良いんですか?お仕事の邪魔では……??」
首を傾げながら言われるままに膝をついて。しゃがまなかったのは単純に胸にある大量の脂肪が邪魔だから。
そのまま手をかざすとあまりに色々な魔力が吸い込まれていくのがわかるだろうか。この娘どれだけ弄ばれているのかと呆れかえりそうな量だった。
「なんか……気分良くなりました」
ふへりっ。と年相応の素直な笑顔浮かべ、ありがとうございますと礼を言いながら手をかざして。問いには色々ありました……と濁した。
流石に素面のままでは化け物に犯されて膨乳改造されたなどと言えないのだ。
■東堂 > 「仕事は店番。客がいなくちゃ始まらんし、何よりサクラでもなんでもない嬢ちゃんがそこにいりゃ、客寄せにもなるし、俺も暇が潰せるってわけだ。買うか買わないかは懐次第。盗むんなら痛い目を見てもらうけどな。」
砂場に筋を描き、勾配を付ければそこに水が流れ、砂の色が変わる。
それに近しい現象で壺に描かれている文字や紋様と言った物が一文字、一文字。また一文字と赤く染まり、吸い上げた魔力で壺自体の発色と文字や紋様と言った物に色付けされていく。
少女の肉体から吸い出されるのはあくまでマイナスの魔力。宜しくない魔力は吸い上げられていくが、少女自身の魔力はそのままなので文字通り体が軽くなる。もっとも、脂肪は其の儘だが。
「あー、こりゃすげーな。まぁ、口に出さなくても良いぞー。
おにーさんプライベートには口出さねぇから。幽霊とかに憑りつかれてる訳じゃなさそうだけどな。よくないモノを吸い出してくれるのがこの壺。普通なら1万ゴルドくらいの価値はあるぞ。」
魔力を吸い上げてより発色や光沢、色付けに艶美さを増して好事家に売りつけても良い。
幸いにして濁った魔力はたっぷり含んでいる様だ。少しの間は壺の表面へ少女の掌から魔力の残滓が吸い上げられていく。血管や神経に。肉体の隅々に残ったそれらを吸収させつつ。
「ふーむ。俺はおっぱいが好きだが、流石にそれだけでかいと生活きつくない?良い魔法道具あるんだが。即金じゃなくても分割払いでも良いけど、話聞いて試してみねぇ?」
■クル・コービン > 「そうなんですか? ……いえっ!盗むなどという事は神に仕えるものとして決して!!」
おまぬけクルは自分が聖職者(見習い)であることまで暴露してしまっていた。
「え? あ……はい」
でかいと言われるとジャージから突き出している自分の胸をふにりと持ち上げようとしてみた。もちろん重すぎてまともに持ち上がらないのだが。というか手が胸に埋もれてしまう。
胸を見られればその通りです……と困ったような顔した。
「ご厚意はありがたいのですが……おかね……あまりないですよ?分割と言って頂けてもどうなのか」
小さい溜息ついてそう答え。胸はどうにかしたいのであるが先立つものがない。というかあったらこんな安いアルバイトをしていないのだ。
■東堂 > 「そういうもん。ガラガラの店よりは客がいる店の方が、メシ食う時でも立ち寄るかって気になるもんさ。……へぇ、ってことは聖職者?僧侶?そっち方面か。」
眼を細めた。引き絞った弓矢のように眼光は鋭さを増したが、吸い寄せられたのは少女の胸の方だった。3桁では収まらない脂肪の塊は、流石に行為に及ぶにしても手に余るどころか邪魔になりそうだった。聖職者である以上、あまりに急激な身体変化を齎して自分が疑念を持たれるのも面倒。そういう判断で懐から取り出したのは『青』と『白』の金平糖が入った小瓶。
「まぁ聖職者って事は呪の類を受けた訳でもなさそうか?だから俺が今から見せるのはぶっちゃけて言えば神様の道から外れた邪道、外道だな。悪逆非道って訳じゃねぇけど。
買うか買わねぇか決めてねぇのに支払い気にする奴なら踏み倒しもしねぇだろ。さすがに手数料とか利子とか法外なもんはねぇよ。」
手ぇ出しな、と。そういって少女の掌に一粒の金平糖。
色はサファイアブルー。蒼く静かに輝く焔の結晶が少女の掌の上に転がっている。
食べてみな、と。続いた言葉に素直に口に運ぶなら。体内に取り込まれた金平糖が改造される前の肉体の記憶を一時的に呼び戻す。
時間と言う概念にさえ逆らう様に、改造を受ける前の――本来の少女の肉体へ。苦痛や快楽はなく巻き戻される。
「1粒で10分。まぁ10分間の夢と思えば良い。2粒なら20分。3粒なら30分って具合だ。蒼い方はその身体がそうなっちまう前に巻き戻す。なんか並行次元【そうならなかった未来】の身体をトレースする物らしいがな。」
■クル・コービン > 「はい!学院で聖職者になるための勉強と冒険者としての勉強をしてます。神聖魔法の系統が主です!」
目を細める相手にはきはきと答えるクル。とことん危機感がない。
邪道。という言葉に怪訝な顔をするも素直に金平糖を食べればクルの姿は胸も尻も90cm後半ぐらいになり。戻ってそれかよ!とツッコミを入れたくなるかもしれない。もしくは抱きやすいサイズになった。だろうか。
「10分じゃなければ面白いのですけど……」
へにょと眉下げて。流石に10分のために大金は出せないらしい。でも生真面目なクルは一粒分の代金は払います。などと言い出した。
■東堂 > 「学院……あぁ、アレか。王立の。」
居場所も特定できた。少女の肉体は良い意味でも悪い意味でも目立つ。たまに臨時で講師に入る事もあるのだから、探しやすい相手でもある。
金平糖を食した姿は豊満と言うか、育ちの良い肉体にも見えた。
これなら抱き易くなるし、胸も尻も男が垂涎モノになりそうな発育具合だ。
「誰だお前!?と言いそうになったが。まぁ大分厄介な事になってそうだなぁ。ほれ、次。――気にすんな。1粒はサービスだよ。」
そういって、今度は『白』の金平糖が掌に1粒。口に含むと最初は何も起こらない。口にしてから2,3分。その金平糖は少女の望んだ姿に肉体を変えていく物。時間がかかるのは金平糖に仕込まれた魔法の薬が記憶を読み取り、思考をトレースした上で肉体を作り替えるのに要した時間だった。
今度はどの様な肉体になるかは少女の希望次第と言った所。
甘い味わいは『青』には無かった純正な砂糖の甘味。
「効果を見てから買うか決めな。なぁに、お試しモニターって具合でアルバイトしてもらってるようなもんだ。実際、金平糖の効果が如実に出るだろ?」
恩を売りつけ行動範囲を広げ。そして学院と言う場所で再度顔を合わせる事が出来たなら十分楽しめる少女の容姿だ。
金平糖も安くはない物だが、自分の娯楽の為と思えば眼を瞑れる範囲の値段。人の良さに付けこむ男は、少女に金平糖や壺の売上金額以上の価値を見出してもいる。
■クル・コービン > 「ですですっ!学院の寮に住んでます!」
知っておいででしたかーとか微笑んで。この娘他人の悪意というものを想定してすらいない。ある意味聖職者に相応しいと言えよう。
「……あまり変わらないですね? 自分では顔とかあまり見えないのですけれど……たぶん? えっと。これも10分……ですよね?」
クルの姿はあまり変わらなかった。身長が10cmぐらい伸びて顔立ちがもう少しおねーさん。20ぐらいの美人になったというだけで胸や尻はほとんど変わらない、ウエストは元から細かった。男が知る由もないがクルの母親そっくりな姿で。
「ふわっ!?」
奇声を上げたクルは一生懸命ジャージのズボンを持っていた。奇形サイズのヒップがまだマシなサイズになったのでズボンがずり落ちそうになっているのだった。効果が永続なら服を買っていかないとまずいし、そうでなくても10分もこの格好で立っているのはかなり辛そうだった。
「あの……これどうしましょうか……」
困り果てたクルは男に助けを求めてしまった
■東堂 > 「そう、1粒で10分。」
マスクの中で男が口の端を吊り上げ、笑みを浮かべていた。
金平糖の数には限りがあるが、どちらを使っても楽しめそうだ。何よりもそういう華が露店に足を踏み入れているだけで人目を引く。自然と少女は広告塔の様な存在でもあり。
そしてジャージのズボンを抑えているのはそういったハプニングを好む男達からすれば目の保養にもなる。少女の顔立ちが20代近くになれば可愛らしいから美人な容貌に変化する。肉体は青の金平糖を口にした時の様に締まりつつも豊満な乳房と尻。曲線は奇形ではなく純粋に美形と言えるラインに納まっていた。
「学院だったよな。流石に寮の場所まではわからんが――偶に臨時講師で立ち寄る関係で転移魔法の位置はセットしてある。送ってやるよ。俺は今動けないから、学院でなんとか隠れるなりするしかないな。
――それと、その金平糖の瓶も持って行け。値段の交渉は後日だ。俺は医者じゃねぇが、白い金平糖食べた顔を鏡で見ておきな。」
三叉の杖。その先端が暗い赤の灯火を生み、少女の足元に浮かんだ魔法陣。複雑に入り組む図形の数々と文字が絡みついた歪な転送陣は少女を学院に送り届ける為のモノ。今日花を摘むよりも恩を売りつけ後日美味しくいただく方が良い。何より、金平糖を食べさせた少女の映像で十分に元が取れると判断しての物だ。
ぽいっ、と投げ渡されるのは数十粒の白と青い金平糖が入った小瓶。ラベルには東堂、と言う文字が記されている。
「俺は東堂。お前さんの名前は?」
残された時間は多くはない。最後に聞き出そうとしたのは少女の名前だった
■クル・コービン > 「ありがとうございます!クル・コービンといいますっ!」
ぺこりと頭を下げたあたりで飛ばされるのだろうか。学院に戻って部屋に歩いている間に元の体型に戻ってしまい。頑張ってダイエットしようと決意するクルであった。
■東堂 > 飛ばされたのは学院の校舎裏。しかも女性更衣室に程近い場所だった。
不思議に思われるかもしれないが、まぁ些少。
「クル・コービンね。収穫はあったか。」
一人呟き、露店を畳む準備に入る。結局売り上げは無いに等しいが自分にとっての実入りがあった。
少女と次に会うのは学院の中だろう。どうなるかはまた、その時に語られる話。一時少女の大人姿は噂となって学院に走る、のかもしれない。
ご案内:「平民地区 青空市」からクル・コービンさんが去りました。
ご案内:「平民地区 青空市」から東堂さんが去りました。