2022/12/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」にエドヴィンさんが現れました。
エドヴィン > その日のエドヴィンは遅い時間に店へとやって来た。
仕事は済ませた後なのか、見えるのは焦りや悩みではなく、軽い疲労と開放感。
外で強請られるのが億劫なのか、煙草すら咥えていない。
全身は革が目立つ外見 短い髭が顎のラインを覆う姿で、革のブーツの足音
それが ゴツ ゴツ ゴツ と店内の床を歩いて鳴っていく。


「よぅ、マスター まだやっていてよかった。」


暖炉の温かみが売りの一つ 体の強さがあったとしても、空気が暖かい場所に入り込むと一種の安心感を得る。
季節は既に冬 最近ではちらほらと雪が降っていた箇所がある
他にも人の手が入りにくい山脈の頂でも、それが見受けられる場所が自然地帯では視界に入るかもしれない。

そんなエドヴィンの一息つく姿に、マスターは相変わらず一人でやってくる様子
綺麗に拭き上げたカウンターの上で何も言わずとも、杯に樽から酌んだ琥珀酒を注いでくれた。


「たく、やっと一息つける。」


時間帯のせいか人気が少ない
カウンターのよさげな端から4番目の席を取り、脱いだ革のジャケットを畳んで置いておく。
懐の葉を紙巻の代わりにした所謂シガータイプの安物 しかし味は良い巻煙草を咥える
マスターが労いを込めて、木切れの一本に火を灯したそれを差し出してくれた。


「悪いな。」


年季の入ったマスターの薄い笑み
40を過ぎたエドヴィンの顔付きと声色は、男の世界をそれとなく作る。
ジリジリと燃えたところで、紫煙をマスターとは違う向きで煙をフゥッ、と。
だるく吐くことで、白い煙が辺りに漂うだろうか。

エドヴィン > 冬の祭りの手前 随分と忙しく過ごした様子をマスターが聞く
景気がいいのはいい事だと、琥珀酒のグラスの傍には塩で炒った豆と乾燥させた腸詰の輪切りを軽く焙ったもの。
エドヴィンが、食欲よりも酒と煙欲でやってきていることが分かっていると伺える。
その言葉に、エドヴィンは眉を曲げて笑った。


「後の二日間を含めてもうすぐ年を越すとな、装備の新調 贈り物
 中にはブーツに改良を加えてくれだとかまで言われた始末だ。」


グローブとブーツが主軸の商売
山に於いての爪先を重要視した造りや、指に対する感覚を損なわずに防寒を求める指向。
中には氷のある場所に備えたスパイク付きなどまで。

制限時間 年を越すまでに完了させた仕事
煙草と酒は、くつろげる場所と美味いものを求めても仕方なかった。
工房と自宅は、集中する場所であり寝床でしかない。
気持ちをいい方向に切り替える切っ掛けが、酒場だ。


「明日から騒がしくなるだろうから、店にも気軽に入れる場所が少なくなる。」


そう言って、グビリと常温の酒を傾け、喉を焼く。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 酒場」からエドヴィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 冬至の夕方。

家族でその日を祝い、来る厳しい冬に備えて英気を養う。そんな日だ。
家族がいない者は友人なり、恋人なり、同僚なり、まぁとにかく近しい人と祝う。

その結果、男は神殿図書館の受付カウンターに一人座っている。朝から開店休業状態だった。
同僚の多くは家族が待っているからと、昼過ぎには帰ってしまった。夕方には上司も帰った。
閉館にしてもよさそうなものだが、人が来ないとわかっていても万が一を考えて誰か残らなければならない。
カウンターに肘をつき、手に顎を載せて時間が過ぎていくのをただ待っていた。

暇なのだから本でも読めばよいものだが、そんなことすら頭が回らないらしい。
男の記憶が確かなら今の来館者はゼロ。恨めし気な視線を入口の扉に向けている。

ヴァン > 「もう一年も終わる、か」

窓の外を眺める。少しづつ薄暗くなっていく。
この一年にあったことを思い返し、口許が僅かに綻んだ。

「ま……悪くない年だった」

視線を落とすと、己が首からさげている聖印が目に入った。
片手を背中へ伸ばす。腰の後ろにベルトと平行になるようにつけた、暗い青色をしたダガーの鞘を軽く撫でる。

閉館時間まであと少し。のんびり待つことにしよう。
適度な室温と静寂、過ごしやすい空間。目を閉じればそのまま寝入ってしまいそうだ。

ヴァン > 閉館時間を告げる鐘がなる。
ゆっくりと立ち上がり、入口の鍵をかける。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/神殿図書館」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 裏通り」にレナードさんが現れました。
レナード > 日も傾いた平民地区と貧民地区の境となる裏通り。
グレーゾーンな店もチラホラと見受けられる文字通りの境目のとある店へと、依頼で請け負った魔物の素材の直接納品へと向かう。
九頭龍山脈麓辺りの森に生息する、雄のオーガの素材と細かく部位まで指定され、要求された数量を確保するのも微妙な面倒さはあったものの、無事に達成し鮮度優先との事で直接依頼者へと納品を終え。

「――ちゃんとギルドの方にゃ依頼完納の連絡入れといてくれよなー。」

表の依頼者とは別の、裏通りで怪し気な薬を製造販売している本当の依頼者である胡散臭い老婆に素材を渡すも、此方も評判大事な商売だけに念押しをしつつ、既に暗がり多くなった通りへと目を向けては、そこらの破落戸やら傭兵崩れやらの姿をチラホラと見受けて

「――さっすがグレーエリア…ガラ悪いったりゃありゃしねぇなぁ…。ま、懐は……そこそこってか…飲み行くかねぇ…。」

日も傾くと冬の寒さは身に堪える。
何処かこの辺酒場なり娯楽だったりはなかったかと、裏通りをのんびりと行く男。
警戒感も無さげに見えるのを襲われないのは、単に腰に吊るした2つの太刀の存在もあれど、のんびりとした足取りに反し、男の意識は広く自身の周囲へと警戒と威圧のような気配を漂わせていた。