2022/08/19 のログ
■エレイ > 「……うむ。よし、今日はこれにするべきだと感じた」
やがて依頼書の一つを手にすると、再び口笛を奏でながら受付カウンターの方へと足を向け──
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にメイメイさんが現れました。
■メイメイ > 平民地区のとある広場。今日も非常に蒸し暑い。
その広場の近くで屋台村が出来ている状況で、暑い中も人が集まって盛況だった。
そこにやってきた異国装の少女。
活気がある事を笑み浮かべって見つめていたが、同時に暑さに少し難しい顔をして
「ここまで人が集まっておるのに、ここまで蒸し暑いと体調も崩してしまうのぅ……そうじゃ!」
ふと何か思い立ったのか、広場の中へと入って行って、その奥にあるベンチに腰を掛けた。
そこで懐から横笛を取り出せば、奏ではじめる。
すると、風が流れ始める。
然程勢いのある曲ではないが、ゆったりしすぎない程度の曲。
その曲のリズムに合わせた程度のそよ風が流れていく。
汗をかいた肌にちょうど程よい冷気を与えてくれそうな、そんな風が。
■メイメイ > その風でこの辺りにいる人たちは暑さが若干和らいで、心地よさげにしている様子。
とはいえ、なぜそんな都合のいい風が吹いたのかは誰も理解していないし意識していないような状態。
そんな状態を楽しげに見やり、楽しそうに笛を吹き続ける少女。
笛の音につられてたまに人が近くまでやってくれば、その楽しそうな演奏に大道芸か何かと思ったか、
ちょっとしたコインを投げられたり。
投げられたコインに少し目を瞬かせるものの、まぁいいか、とあまり気にせず続けていて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 蒸し暑さと人混みのセットにげんなりしつつ、男は広場を通り抜けようとしていた。
ふとどこからか響く笛の音に立ち止まり、音の方向へと歩いていく。
心地よい風を受けて汗がひくのを感じつつ、ベンチで笛を奏でる少女を見つけた。
「これは……珍しい」
ぽつりとつぶやくとどうしたものか、と考えて。
屋台に戻りレモネードを二つ注文すると両手に一つづつ持って戻り、音楽が止まるのを待つ。
「やぁ、いい曲だったよ。これ、どうぞ」
少し話したいことがあるのか、隣に座ってもよいかと手でジェスチャー。
■メイメイ > 風の笛を吹いていれば、かかる声。
目を瞬かせて声の主を見やるものの、笛を止めると風が止まってしまうしどうしよう、と一思案。
すぐに次善の策を思いつけば、風の笛の合間に鳥がさえずるような装飾音を混ぜる。
そうすると、今度は小鳥たちが集まってきて少女の周囲、鳴き始め、その小鳥たちと暫し笛と鳴き声をシンクロさせてからようやくとまる笛。
少し風の強さは弱まるものの、風はそのまま残っていた。
「すまぬの。風を止めると、他の皆が暑かろう?なので、準備ができるまでは止めるわけにはいかなかったのじゃ」
そんな種明かしらしい言葉を紡いでから、隣に座りたいジェスチャーには、ぽんぽん、と隣を叩いて許可を出した。
■ヴァン > 「いや、声をかけたのは俺の勝手だから。気にしないで。どうも」
周囲を気遣う趣旨の発言に感心しながらも、レモネードを一つ差し出す。許可をもらい座ると、レモネードを一口。
周囲の鳥たちが先程の笛と同じリズムで囀るのを見遣り、不思議そうな顔をする。
「今やってたの、シェンヤンの魔法だろう?センニンだかドーシだかが使う。
昔シェンヤンに行った時、怪しげな爺さんから聞いたことがある」
男の知識は正確なものではなかったが、マグメールの人間にしては上出来の発言といえるだろう。
■メイメイ > 差し出されたレモネードを受け取れば、冷たいその飲み物に口を付け、酸っぱ!と酸っぱい顔をしたものの、甘みも感じてくれば美味しいもの。
なので、ちびちびとしたペースで口を付けて。
「ほほう、この国で仙術の事を存じておるとはのう。
さよう、長嘯と言う。口笛や歌でもよいのじゃがの、
わらわは笛が好みなだけじゃ。
わらわの仙力で風を起こす節は決まっており故に、
小鳥たちに手伝ってもらってもわらわがそばにおれば、このように」
そう告げて軽く手を広げれば、少し弱くなったそよ風を示すかのよう。
「無論、小鳥の力を借りたのじゃ。後程餌はくれてやらねばかわいそうじゃがの」
■ヴァン > 「少ないけど、うちにもシェンヤンの本はあるからね。断片的な知識でしかないけど。
……あぁ、失礼。ヴァンという。神殿図書館で司書をしてる」
表情が変わる少女に軽く微笑むと、自分もまた一口。飲みなれているからか、そこまで酸味は感じない。
「そうそう、仙術。この国にも多くの魔法形式があるけど、どれとも違う。
今やってるのは精霊の力を借りる類に近いけど。へぇ……人によってリズムが違うんだ。
爺さんいわく、センニンは善行を重ねることで徳を積み、不老長寿に至るとか。
冒険者のようなことをやったり、難しい鍛錬をするとかいってたかな。それって本当なの?」
滅多にない機会だからだろうか。男は興味津々に尋ねる。
■メイメイ > 「ヴァンと、よろしゅうな。わらわは、メイメイと申す。
……ところで、神殿とは?」
神の概念がよく分からない東洋龍は小さく首をかしげながら問いかけて。
けれど、仙術の話に向けられる問いを耳にすれば
「そうじゃ。わらわの節を別の仙人がやってもうまく行かぬ。
逆に、他の仙人の節をわらわがやっても望み通りにはいかぬだろうな。
鍛錬、修練は、人の子が仙人へ至らんとするならば必要じゃろうなぁ。
とて、不老長寿は結果であって目的ではない。
もし、それを目的として仙術を会得しようとしているとしたら、永遠に身につくことは無かろうて」
興味深々な様子の男を見やりつつ、懇切丁寧とまではいかなくともなるべくわかりやすくは心掛けているつもり。
とはいえ、どう見てもただの少女がそんな鍛錬をしたのか、と疑問に感じるかもしれないけれど。
■ヴァン > 「メイメイさんね。よろしく。
神殿……あぁ、シェンヤンには神という概念がないんだったか。
シェンヤンで言う天教に相当するのがノーシス主教という宗教で、神殿はその宗教を広めたり、維持する役割をする組織かな。
まっとうな神殿の人間ならもっと良い説明を熱心にするんだろうが……」
その後もいくつか神殿に関する説明を行うが、伝わったかは怪しいところ。
「興味深いな。だいたいの技術には基本となるものがある。
もちろん体格などによって調整が必要なものはあるが、それぞれがオリジナルってのも凄いな。
……目的ではないのか。確かに言われてみれば爺さんも目的とは言ってなかったか。
となると、仙人になるのは手段、ということ?
そういや外見は好きにできるとか……メイメイさんも若い風に見えるが結構なお歳だったり?」
顎に手をあてる。異なる国の特異な存在を理解しようというのは無理がある話だが、それでも学びにはなるようだ。
最後の一言は冗談めかして言う。
■メイメイ > 「ふむ……宗教を広めたり、維持をする所、とな。
信仰は本来人の心から出でるもの故、広めるということはわらわには違和感があるが……
とて、人の子が心根のみで一人立つのは難しい事でもあろう。
ならば、この国ではそうして人法を定めんとしておるのじゃろうな」
そんな風に言葉にした上で、あっておるか?と首をかしげて付け加えて。
「それはそうじゃ。世界の理を理解して、その理に対して己の気によってどう力を借りるか、というものが仙術じゃ。
そして、気は一人一人違うもの。故に、技術も個人個人で違ってくるのじゃ。
仙人になる目的は、世界と一つになることなのじゃが……」
わかるかの?と笑顔で首をかしげて問う。
この感覚はそうそうわかるものではないし、これが理解できないと仙人になるという事も理解できないから。
「ふふっ。若く見えるかえ?わらわの種族を人に合わせるとこのくらいという事じゃ。
実際に幾年月かさねたか、と問われれば……200、くらいかのぅ」
楽しげに向けた言葉と、最後は少し考えた仕草。
男との会話は楽しい様子で笑みがより深まっていくか。
■ヴァン > 「近いかな。
この国では信仰の深い浅いはあるけど、何かしら信仰している人が多い。
メイメイさんの言うように、よりかかれる便利なものさ。宗教は文化であり、倫理であり、規範でもある」
少女の言葉に肯定の意を示す。
「世界と一つに……。いや、わからない。理屈もそうだし、一つになる価値があるほどこの世界がいいものだとも思えない。
200、か。メイメイさんの種族での年齢を人間に換算すると今の姿に、ってこと?
外見は元となる人がいたりするのかな。その、美人になるのは」
感嘆の溜息をつくが、酷く驚いたようではない。薄々、人間外の存在であるとは思っていたようだ。
あぁ、そうだと何かを思い出したように声をあげる。
「そうそう。さっき言ってた爺さんが変な笑い方しながら言ってたんだ。
鍛錬には一人じゃできないものもあるって。表情からして、得意というか、好きな鍛錬だったみたい。
普通は二人でやる、場合によっては三人以上もあるらしいけど、……ボー、なんとか、ジュツ。なんていったか……。
気を外に出さない鍛錬とか言ってたけど、どんなものかわかる?よければ教えてほしいんだけど」
記憶の底に眠っていた長年の疑問の一つを唐突に思い出したようだ。
■メイメイ > 「なるほどの。それは一つの真理であり、技術でもある。
文化であり倫理であり規範、か」
なるほどのぅ、と頷きながら聞いていたが、
自分の言葉への反応に楽しげにコロコロと鈴の音のような笑いを溢せば
「マグメールの世界とシェンヤンの世界では意味が変わるからの。
おぬしの反応もまた、正しいものじゃ。
だからこそ、マグメールで仙人となるのは難しい。
世界の捉え方が違うのじゃからなぁ」
世界についてそんな言葉を紡いでから、続いた言葉には少し考えて
「左様じゃ。わらわの種族で200はこれくらいの年。まだまだ未熟者よ。
特に元になるものはおらぬぞ?わらわが人型を取ろうとしたらこうなっただけじゃ」
人型変化はある種、やったらこうなったと言うしかないものゆえにそうとしか言えなかったというのもあった。
そして、続く言葉には暫しじーっと見つめていたが、口元にやりとした笑みを浮かべれば
「それは、房中術じゃな?それは確かに一人ではできぬのぅ。
とはいえ、複数人いたからとは言え、同性ばかりでは難しいぞ?
房中術は、陰陽交合。
陽気の男と陰気の女で交合して行う術じゃからの」
そこまで口にしてから暫し反応を見る。
それでもちんぷんかんぷんな反応をしているようだったら、
軽く手を伸ばしてヴァンの股間を撫で上げてにやりと笑うか。